著者
首藤 文洋
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまでの感性評価法では、個人差がある主観評価に頼らざるを得なかった事とその脳機能の物質的背景の解明に必要な動物実験では個人差を作り出す後天的経験による情動反応を調べる方法が殆ど無いことが要因であった。そこで、音刺激によるヒトの視覚イメージの評価をメインタスクとして、主観的な感性評価と客観的な生体反応計測による情動反応との連関について調べる新たな感性評価方法を確立すると共に、後天的な要因により体験に関連して誘導された情動反応の脳機能を解析できる動物実験モデルを開発した。
著者
イリチュ 美佳 青嶋 誠 清水 信夫 田中 一男
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

得られたデータの次元が標本数に比べて遥かに大きいデータ(高次元小標本データ)に、既存の統計手法を適用すると、有効な結果が得られないという問題がある。この問題を解決するための解析手法は、シンボリックデータに対しては、未だ開発されていない。そこで、高次元小標本シンボリックデータに対する解析手法を開発し、データの多様性を考慮した新たな知識発見手法の提案と、実用化に向けた性能評価を行った。
著者
岡本 栄司 金岡 晃
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

高度に発達した情報ネットワークにおいて、多くのセキュリティシステムが導入されているが、今までは攻撃等による危殆化に対する事前対策が主であった。しかし、実際にはどんな対策をとっても必ず危殆化するため、事後対策も同等に考慮した対策が必要となる。そこで、ネットワークにおける危殆化の確率とその被害を定量的に評価し、その評価を用いた危殆化リスクに強いセキュアネットワークシステムの構築し、それらに基づいた危殆化リスクの予測の試みを行った。その結果、SLA(Security Level Agreement)の形成に役立てることができるようになった。
著者
櫻井 鉄也 北川 高嗣 多田野 寛人 佐々木 建昭 長嶋 雲兵 池上 努 立川 仁典
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では, 次世代計算機環境における大規模シミュレーションを実現するために, 特に並列化が困難な内部固有値問題の解法を対象として, 複素周回積分を用いた固有値解法の実用技術を開発した.ここで開発した解法を, マルチコアによる大規模並列環境向けのソフトウェアとして実装した.開発したソフトウェアを複数の応用分野の問題を対象として適用し, 実用性を想定して性能改善を行った.
著者
大河内 信弘 湯澤 賢治 佐藤 英明 安江 博
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

移植医療の問題点の一つである移植臓器不足の解決法のひとつとして、豚、牛などの異種動物からヒトへ臓器を移植する異種移植が挙げられる。このドナー動物として豚が最も有望とされているが、細胞、臓器を問わずブタからヒトへの異種移植において、ヒトが生まれつき持っている抗異種反応性自然抗体、および補体によって引き起こされる超急性拒絶反応が大きな障壁となっている。これらの抗体や補体により引き起こされる超急性拒絶反応は不可逆的であり、移植された細胞や臓器は細胞死、または臓器不全となる。この超急性拒絶反応を抑制するためにはドナー側の異種抗原(galactose α-1,3-galactose)を消去または減少させることが必要不可欠である。そこで本研究では、昨年度は異種抗原をknock outするgene vectorの作成を試みたが、いずれのvectorも抗原の発現抑制には無効であった。今年度はこの細胞表面に存在する異種抗原を合成する転換酵素(α-1,3-galactosyltransferase)のアンチセンスRNAベクターを作成し、ブタ細胞への遺伝子導入を試みた。その結果、一過性発現ではあるが、ブタ細胞の異種抗原を減弱させられることが明らかになった。以上の結果より、遺伝子導入によりアンチセンスRNAを発現させα-1,3-galactosyltransferaseタンパクの翻訳を阻害する方法は、超急性拒絶反応を抑制する手段の一つとなることが示唆された。
著者
川上 直秋
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

ある対象に反復して接触するだけでその好意度が高まる現象を単純接触効果と呼び,自らが接触したことを再認できない状況下(閾下接触)においても生起する。今年度は,接触を日々積み重ねることによる累積的効果と,その効果のアウトプットとしての持続性について検討することを目的とした。すなわち,我々が何かに反復して接触する事態というのは,必ずしも一時点で完結するものではない。むしろ,日常的な生活を通して少数ずつの接触が日々蓄積していく。したがって,これらの検討によって,本人の自覚とは独立に日々蓄積していく情報がどのような形で影響を及ぼすか,長期的な視点に立った知見が得られることが期待された。研究では,実験参加者を4群に分け,それぞれ累積接触群(ある刺激画像に1日20回閾下で接触するセットを5日間連続で実施,計100回接触),集中接触群(20回の接触セットを1時点で5回実施),基本接触群(20回の接触セットを1回のみ実施),統制群(接触なし)とした。その結果,集中接触群と基本接触群では,接触した画像への好意度が接触直後から漸減傾向を示したのに対して,累積接触群では効果の減少が見られず,3カ月後まで接触直後の効果が維持されることが明らかとなった。この知見は,自らが接触したことを気付かない無意識的な接触であっても,それが日々繰り返されることによって長期的な影響として累積されることを示唆し,日常的な広告への接触やテレビの視聴による影響過程の解明などへ重要なインプリケーションを有する。
著者
田原 聡子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アレルギー性喘息に対する治療法を確立するにはその病態の理解が重要となる。我々は、抑制性免疫受容体、Allergin-1遺伝子欠損マウスを用いて、House Dust Mite (HDM)抽出物による喘息モデルを検討し、Allergin-1が、気道抵抗、肺胞浸潤好酸球数および血清IgE抗体価を抑制することを見出した。さらに、これらの喘息症状のうち、気道抵抗は肥満細胞上のAllergin-1が担っており、一方、肺胞浸潤好酸球数と血清IgE抗体価は樹状細胞上のAllergin-1が制御することを明らかにし、Allergin-1が喘息治療における標的分子となることを示した。
著者
坪井 伸広 茂野 隆一 首藤 久人 中川 光弘 安藤 義光 小田切 徳美 立川 雅司 後藤 淳子 澤田 守
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究は農村地域活性化の方策を提示することを目的に平成12年度に開始した。本年度は、研究の最終年度で、4年間の研究を総括することを課題とした。この4年間の研究実績はつぎのとおりである(カッコ内は平成15年度実績)。カナダ春ワークショップ参加(2名)、秋研究大会参加、カナダ・フィールド共同調査(日本から4名参加)、日本・フィールド共同調査(随時実施。内カナダから1名参加)、東京ワークショップ開催・カナダ研究者招聘、日本・カナダの農村リーダーの交流(カナダから8名招聘)、4年間の研究成果のまとめRevitalizing Rural Hinterlands : Comparative studies in Japan and Canadaを執筆(13章構成の内11章の草稿を科学研究費の報告書としまとめ、印刷公表した)をした。日本側フィールド調査地は、栃木県上都賀郡粟野町、福島県相馬郡飯舘村で、カナダ側のはオンタリオ州Tweed、ケベック州St. Damaseである。この2地区の調査地を比較対象として選定し、共通の調査項日からなる家族調査を実施したことを特徴とする(報告書第4章、第6章)。農村地域の活性化について得られた知見はつぎのとおりである。日本側の農村に開発が短期間に進められたことのひずみが現れていること、両国の農村ガバナンスの構造再編が進行中であること、両国農村にボランティア組織による活性化への期待が大きいこと、日本では地域資源の活用を柱とする内発的発展を敷指向する課題に取り組まれていること、カナダでは資源依存への脱皮を課題としていること。
著者
VONG BINHLONG (2014) VONG Binh Long (2013)
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

Motivation and Objective: Ulcerative colitis (UC), an inflammatory and intractable disease in colon area, affects millions of patients worldwide. Moreover, UC increases the risk of the development of colitis-associated colon cancer.Oral chemotherapy is the preferred treatment for colon cancer. However, this strategy faces many challenges, including instability in the gastrointestinal (GI) tract, insufficient bioavailability, low tumor targeting, and severe adverse effects. In this study, we designed a novel redox nanoparticle (RNP) that is an ideal oral therapeutics for colitis-associated colon cancer treatment.Results: RNP possesses nitroxide radicals in the core, which act as reactive oxygen species (ROS) scavengers. Orally administered RNP highly accumulated in colonic mucosa, and specifically internalized in cancer tissues, but less in normal tissues. Despite of long-term oral administration of RNP, no noticeable toxicities were observed in major organs of mice. Because RNP effectively scavenged ROS, it significantly suppressed tumor growth after accumulation at tumor sites. Combination of RNP with the conventional chemotherapy, irinotecan, led to remarkably improved therapeutic efficacy and effectively suppressed its adverse effects on GI tract.Conclusion: RNP is promising oral nanotherapeutics for UC and colon cancer treatment.
著者
後藤 邦夫
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.76-80, 2001-11

2000年10月18日、シドニーオリンピックメインスタジアムでは、世界123カ国から男子3015名、女子1018名合計4033名の選手が集まって、パラリンピックの開会式が繰り広げられた。日本からは151名の選手と89名の役員、総勢240名が選手団を編成し、メダルを目指して自己の限界に挑んだ。 ...
著者
藤伊 正
出版者
筑波大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1987

暗黒下で赤色吸収型(Pr)としても生合成されたフィトクロムは, 赤色光照射後, 近赤外光吸収型(Pfr)に交換し, 様々な光形態形成現象を引き起こすとともに生体内ですみやかに分解される. 従来, 活性型であると考えられてきたPfrが急速に分解されることは, Pfrの分解が光情報の伝達において重要な意味を持つ可能性を示す. 我々はフィトクロムによる光情報の伝達機構を研究する一環として, Pfrを特異的に分解するプロテァーゼの性質を各種阻害剤を用いて検討した.黄化アラスカエンドウの七日目の芽ばえから上部2mmを切り出し, 各種阻害剤を与え, (時間の暗処理後, 3時間の赤色光照射を行った. それ等α材料を用いSDS-PAGE及びイムノプロッティングを用い, 抗フィトクロム抗体でフィトクロム検出, 解析を行った. 結果は以下の通りである.(1)invivoでのPfrの分解は, 分光学的及び免疫化学的にほぼ同じ動向を示し, 半減期は約90分であった.(2)DFP, TLCK, Leupeptin等αセリンプロチアーゼの阻害剤によってPfr分解が抑えられることから, 目的とするプロテアーゼはトリプシンtypeαセリンプロテアーゼであると考えられる.(3)Ophenanthrolin, α2'-dripyridyl, EDTA等のキレーターは, Dfr分解を抑え, 又, 金属による分解活性の回復実験から, Fe^<2+(3+)>, Zn^<2+>を必要とすることがわかった.(4)アサイド, アンチマイシンA, CUP, オリゴマイシン等のATP産生系の阻害剤は, Pfr分解を強くすることから, ATDが必要であると考えられる. 以上の結果から, Pfrを特異的に分解するプロテアーゼは, トリプシン typeセリンプロテアーゼであり, 分解にはFe, Znを要求し, ATP依存性であることが示唆された.
著者
濱田 彰
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,学習意図の無い状況下で起こる英語語彙学習の認知プロセスを明らかにすることである。具体的には,日本人英語学習者の文脈内語彙学習に焦点を当て,推論による未知語処理を通して記憶される語彙情報が,どのようなプロセスを経て知識として体系化されるのかを明らかにする。本課題の最終年度となる平成27年度は,これまでの実験環境で得られた結果を教室環境で再現すること,および研究成果を博士論文としてまとめることを中心に研究を進めた。これまでの研究結果から,日本人英語学習者は単語と文脈の意味的類似度に基づいて未知語の意味を推論し,推論内容を心内に符号化していることが明らかになった。実験的な要因として使用した意味的類似度は,言語統計解析モデルの一つである潜在意味解析により規定されていた。そこで,英語リーディングのような言語活動に付随する語彙学習の効率を上げるための教材作成に向けて,潜在意味解析の応用可能性をさらに追及した。単語―文脈の意味的類似度が文脈内語彙学習の成果を予測する要因になるのかを検証したところ,意味的類似度が高くなるほど未知語の意味・用法の付随的学習が促進され,その効果は意図的学習の場合よりも大きくなることが分かった。以上の結果は,付随的語彙学習の認知プロセスは,潜在意味解析理論が前提とする,言語学習の用法基盤モデルに従うことを示している。また,付随的語彙学習はテキスト理解に伴う記憶表象構築のプロセスと密接に関連していることが分かった。博士論文では結論部分で,英文テキストからの付随的語彙学習の効果を向上させるための教育的介入として,潜在意味解析を利用した教材開発,タスクを用いた読解指導の在り方,語彙知識の多面的な評価方法を提案している。
著者
岡本 智周
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.74, pp.127-129, 2006-11
著者
牛島 光一
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究プロジェクトでは人的資本の蓄積に関する3件の研究を進めた。①子供の健康の評価と母親の教育水準の関係:教育水準の高い母親ほど子供の健康を評価する能力が高いかを調べた。教育水準の低い母親ほど病院に入院するような病気であっても子供を病院に連れて行っていなかったことを示した。②医療制度の導入が家計の予備的貯蓄に与えた影響:新たに導入された医療保障制度が家計の医療支出の不確実性を減少させることを通じて貯蓄行動を変化させることを示した。③健康投資としての居住地選択:環境政策が人々の健康投資行動に与える影響について研究を行った。持ち家率の高い地域ほど大気環境への限界支払意志額が高くなることが分かった。
著者
酒井 たか子 加納 千恵子 李 在鎬 小林 典子 関 裕子 田中 裕祐 河野 あかね 清水 秀子 加藤 あさぎ 甲斐 晶子 董 然 孫 辰 杜 暁傑 阿部 宥子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

多言語背景で日本語を学習している年少者の学習支援に役立つ情報を提供する目的で、教科の学習に必要な語彙調査研究を行った。理科に関しては、小学校3年生から6年生の教科書の分析、教員による重要度判定を行い重要語彙の表を作成した。また学習言語を中心として日本語力診断テスト(SPOT、漢字SPOT、漢字テスト)を作成し、インターナショナルスクールでの縦断的研究、公立小学校での調査を行い、テストの有効性を確認した。
著者
氏家 清和
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

近年、食品安全問題が頻発する中で,食品安全を担保する消費者行政の拡充が求められている.そこで本研究では,(1)食品の品質情報についての非対称性への対応策として,食品ラベル制度の消費者評価(2)食品安全事故による外部経済性,について分析をおこなった.本研究の分析は次のとおりであった.まず『無知の費用』の概念に基づいた食品表示制度による消費者便益の分布を推定し,社会的合意形成のあり方によっては,表示内容のオーバースペックを誘引してしまう可能性を指摘した.また,冷凍食品を題材とし,実際に起こった食品安全事故前後の消費動向を分析し,責任企業以外にも事故の影響が広がっていることを指摘し,安全事故の外部経済性の存在を示した.
著者
上條 隆志
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

三宅島において森林生態系の遷移を明らかにすることを目的として以下の研究を行った。1.11年度設置の調査区(1962溶岩、1874溶岩および8000年以上前の噴火堆積物(極相)に各2カ所)に加え、1983溶岩上に2カ所の調査区を設置した。その結果、(1)他の植物が全く生育しない溶岩上にオオバヤシャブシが侵入し低木林を形成し、その後、タブノキーオオシマザクラ林、スダジイ林へと遷移すること、(2)地上部現存量は125年(1874溶岩)で12-20kg/m^2であり、ハワイの研究例(137年で1.9kg/m^2)に比べ、遥かに大きくなることが明かとなった。これは、オオバヤシャブシの窒素固定作用が遷移を促進しているためと考えられた。2.土壌断面調査を行い、11年度の規則サンプリングによる土壌分析結果と併せて解析を行った。地上部炭素量は急速に増加するのに対して、土壌炭素量の増加速度は125年で0.4-0.6kg/m^2と遅く、地上部に対する土壌炭素量の比は0.04-0.1と著しく小さかった。一方、極相ではその比は0.7-1.4と大きく、炭素蓄積速度が地上部と土壌で異なる変化様式を持つことが明かとなった。3.各年代の溶岩上のオオバヤシャブシの葉の窒素濃度を測定した。窒素濃度は年代に関わらず、2%前後と高い値を示した。これは、オオバヤシャブシの窒素固定能力によるものであり、遷移初期の土壌でN濃度が高い(11年度研究成果)のは、窒素を含んだオオバヤシャブシのリター供給が関係していると考えられた。4.各調査区にリタートラップを設置した。2000年7月より噴火活動が活発化したため、定期的なサンプリングはできなかったが、火山灰が森林生態系の遷移に与える影響に関する基礎データを得ることができた。5.以上の研究成果と11年度研究成果を基に論文を作成し、国際誌に投稿した。