著者
有倉 巳幸
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 (ISSN:09136606)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.29-41, 2011

本研究は、中学生の仲間集団にみられる排他性を、排他性欲求と排他性規範という2 つの要因からとらえ、学級適応感、自身の所属する仲間集団への適応感(自集団適応感)だけでなく、集団内地位やいじめに関する認知に及ぼす影響を検討することを目的とした。方法としては、架空のシナリオを用いた実験を行った。排他性規範(高・低)×排他性欲求(高・低)からなるシナリオを読ませて、登場人物の立場に立って、学級適応感や自集団適応感を評価してもらった。また、客観的な立場に立って、集団内地位やいじめに関する質問に回答してもらった。その結果、排他性規範の高い集団は、低い集団よりも学級適応感が低いと評価され、集団内に地位の差が生じ、いじめが起こりやすいと評価されていた。
著者
Wambiji Nina Ohtomi Jun Fulanda Bernerd KIMANI Edward KULUNDU Nicholas HOSSAIN Yeamin Md.
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋研究 (ISSN:09160752)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-15, 2008

The rabbitfishes (Pisces: Siganidae) have long been considered good candidates for aquaculture. Some biological attributes including morphometric relationships (length-length, length-weight) and conditionfactors of three siganids of the Western Indian Ocean were estimated over peak April-August monsoon season in Southcoast Kenya. Specimens were caught using basket traps "malema", one of the main gearsin the traditional fishery. A total of 64, 260 and 736 specimens of Siganus stellatus, S. canaliculatus and S. sutor were recorded, with mean±standard error for total length (TL) as 16.0±0.6cm, 22.5±0.3cm and26.5±0.2cm with corresponding wet body weights (BWs) of 71.28±8.53g, 158.58±6.45g and 258.80±4.30g respectively. TL-BW relationships were best expressed by log10BW=2.597log10TL-1.356 for S. stellatus,log10BW=2.800log10TL-1.635 for S. canaliculatus and log10BW=2.716log10TL-1.484 for S. sutor with relative condition factors expressed by Kn = BW/ [(4.41x10-2) (TL2.597)], Kn = BW/ [(2.32x10-2) (TL2.800)]and Kn = BW/ [(3.28x10-2) (TL2.716)] for the three species respectively. TL and BW were significantly correlated with Kn and K. To the best knowledge of the authors, this study provides the first L-W relationship and Kn data for S. stellatus within the species geographical distribution. The overall results and equations provide useful simple tools for in-situ gauging of overall health of wild siganid populations inSouthcoast Kenya for fisheries management and assessment of potential aquaculture species.
著者
藤内 哲也
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿大史学 (ISSN:04511913)
巻号頁・発行日
no.59, pp.43-54, 2012
著者
乕尾 達哉
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、ケンブリッジ大学図書館に所蔵されているW.G.アストン旧蔵の和書のうち、国学著作(霊能真柱、古史徴、たまたすき、入学問答、すずのたまぐし、俗神道大意、くずばな、鬼神新論、古今妖魅考、末賀能比連、祝詞考、祝詞正訓、大祓詞後釈、出雲国造神寿後釈、玉くしけ別本)に記されたアストンおよびサトウの鉛筆書き入れを資料として収集し、分析を加えた。その結果、アストンもサトウも本居宣長、賀茂真淵、平田篤胤らの国学著作の内容を精力的に理解・研究したこと、とりわけ篤胤の国学研究を高く評価していたことが明らかになった。
著者
坂本 育生 樋口 晶彦 日高 正康
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

2010年、坂本は国連機関、国際海事機構(International Maritime Office)」を訪問し、海事英語の貴重な資料を収集した。その後エジンバラ大学での夏季研修を受講し、ESPの最新英語教育教授法研修を受けた。2013年3月までに3本の学術論文を発表し現在4本目の論文を作成中である。大学生へのmotivation促進効果は、海事英語授業と国際英検(G-TELP)によりその効果が実証された。現在坂本は、新英語教材をほぼ完成させ、英語教材大手出版社「南雲堂」と出版契約を結び最終原稿推敲過程にある。
著者
富田 裕一郎 林 国興 武元 和郎 荒武 正則
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.28, pp.p199-208, 1978-03

必須アミノ酸混合物を唯一の窒素減とした基礎飼料に, 非蛋白態窒素源としてクエン酸二アンモニウム(DAC)とL-グルタミン酸(Glu)を添加したときの, 白色レグホン雄雛の成育に対する効果について検討するため2回の実験を行なった.実験期間は, 実験-1では15日令から27日令までの12日間, 実験-2では18日令から29日令までの15日間である.その結果は次の通りである.1.実験-1,-2を通じて基礎飼料にDACおよびGluを単独にあるいは両者を混合して添加すると対照の基礎飼料給与区に比して有意に増体量の増加をもたらした.実験-1では, 12.91%DAC(10%粗蛋白質量に相当)単独添加区の増体量が, 他の2.58%DAC(2%C.P.)および3.36%Glu(2%C.P.)の両非蛋白態窒素添加区よりも大であった.実験-2では, 6.46%DAC(5%C.P.)と8.42%Glu(5%C.P.)の混合添加区の増体がDAC6.46%(5%C.P.), 12.91%(10%C.P.), 19.37%(15%C.P.)およびGluの16.81%(10%C.P.)各単独添加区の増体に比して大であり, 19.37%DAC添加区の増体量は他の非蛋白態窒素添加よにる増体量に比べ, 有意に低した.2.飼料摂取量, 飼料効率は非蛋白態窒素の添加により高くなり, また肝臓重, 肝臓中の蛋白質量, RNAおよびDNA量, GOT, GPTおよびXDH活性, さらに血漿尿酸量が増加した.3.血漿中の遊離アミノ酸濃度を測定した結果, 対照の基礎飼料給与区に比して, 12.91%DAC単独添加区ではイソロイミン, スレオニン, リジンの増加, ヒスチジン, チロシンおよびロイシンの低下が顕著であった.16.81%Glu単独添加区では, アスパラギン酸, アラニンの増加, ヒスチジン, チロシン, グリシンの低下が大であった.DACとGlu両者を添加した区ではグルタミン酸の増加, ヒスチジン, チロシン, グリシン, セリンの減少が大であった.
著者
田島 康弘
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-15, 2005-03-25
被引用文献数
1

日本で初めてワーキングホリデー制度を導入した宮崎県西米良村や,その後この制度を導入した九州中央山地の熊本県多良木町で,この制度の導入経過や問題点,地域振興との関わり等について検討した。その結果,1)ワーキングホリデーは,旅行者にとっては本当の観光に近いものであること,2)農家等の受入者の状況こそが,この制度の中心的なポイントであること,3)地域振興につなげるためには,就業機会=仕事の創出との関連が意識的に追究されるべきであること,などのことがわかった。
著者
西山 安夫 松尾 英輔 石黒 悦爾 稲永 醇二 宮里 満 陳 介余
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-18, 1992-03-30

種子の出芽とその後の植物の生育に対する放射線照射の効果を明らかにするため, ダイコン, トロロアオイ, ワタ, キンレンカの乾燥種子に^<60>Coのγ線を照射し, 露地またはビニルハウス内の地床に播種した.ダイコン'聖護院'の出芽率, 出芽日数, 生存率は, 照射量0〜1.0kGyではほとんど影響を受けなかった.しかし, 3.4kGy以上では, 出芽率は著しく低下し, 出芽個体はすべて枯死した.線量0〜0.3kGyでは草丈, 生体重は影響を受けなかったが, それ以上の線量0.4〜1.0kGyでは線量の増加につれて小さくなった.奇形は主に葉の変形という形で現れ, しかもその程度は線量が大きいほど著しかった.トロロアオイは3.6kGy区まで出芽したが, このうち生き残ったのは0.4kGy区までであった.茎長や節数には照射の効果は認められず, 生存率, 着花率は線量の増加につれて小さくなった.これに対して, 分枝個体の割合や, 傷害の程度は線量の増加につれて大きくなった.ワタの出芽率は線量が増加するにつれて小さくなり, 7.4kGyで0%となった.1.0kGy以上の線量区の個体はすべて枯死した.生存個体のうち, 0.2kGy以上の区ではすべて芯止りとなり, 伸長生長が見られたのは対照区と0.1kGy区だけであった.キンレンカの出芽率は3.6kGy区で0%となり, それ以上では線量の増加につれて低くなった.1.0kGy区の出芽個体はすべて枯死した.照射によって, 第1本葉に白い斑点が生じ, その症状は線量がふえるほど著しくなった.0.3kGy以上の区では茎の頂端が塊状に変形する個体が生じ, その発生割合は線量が増加するとともに増加した.ワタ子葉の葉柄長とキンレンカ第1本葉の葉柄長は線量の増加につれて短くなった.
著者
八田 有子 八田 明夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 (ISSN:09175865)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.37-50, 2010

筆者等は,中国の都市部や周辺の小都市や農村において環境問題の存在を散見してきた。近年,中国において環境教育に関する取り組みが進んでいることを示す文献(Yu & Qing, 2005, etc.)が,多くなってきたため,中国の環境政策や環境教育の論文を紹介し,環境教育への取り組みの現状を明らかにすることにした。1973年,中国は第一回国家環境保護会議を開催した。中国で環境教育が本格的に取り上げられたのは80年代初めごろからであり,1983年の「第2回全国環境保護大会」では環境保護が中国の基本的国策であることを示した。1992年の「第1回全国教育環境会議」では,「教育が環境保全の原点である」と指摘した。1993年の新学期からは環境教育が独立教科として,9年生義務教育のカリキュラムに導入された。中国政府は1997年に「計画生育及び環境保護会議」で環境保護が中国の国策であることをアピールし,同じ年に刑法の中に「環境破壊及び資源保護罪」という罰則も追加した2000年より全国緑色学校の創建に関する活動が活発になった。2003年11月に《中小学環境教育実施指南(試行)》が出された。2005年12月,全国人民大会常任委員会40回委員長会議は,循環経済法を立法計画に加え入れた。2007年6月,国務院は,「省エネ・汚染物質排出削減総合業務実施案に係る通知」を出し,「節能減排」の徹底を示した。この通知は,立ち遅れた生産設備の淘汰,責任体制と問責制度を明確にした。地方政府の責任者の成績評価に「一票否決」制を導入した。「一票否決」とは,ほかの成績が高くとも「節能減排」の目標一つが達成できていなければその指導者・幹部の評価は不合格になるというものである。2007年に江蘇省では省級の「緑色学校」として165校を認定している。緑色学校に認定される基準を紹介したが,非常に厳しい基準であることがわかる。こうした認定制度は,学校に対して組織的で持続性のある環境教育の実行を求めており,中国が本気で環境教育に取り組んでいることを理解できる。急速に工業化した地域で大気や水の汚染が進む中で,学校関係者が環境教育の必要性を感じ,活発に緑色学校を目指すようになった。本論文では,こうした内容を紹介し中国の環境教育がじわじわと大きなうねりとなってきていることを紹介した。The authors have noticed many environmental problems in urban, suburban, and rural districts in China. In recent years, several reports show the progress of environmental education in China (Yu & Qing, 2005, etc.), so we disscuss Chinese environmental policies, reports on environmental education, and the current circumstances of China's approach to environmental education. The Chinese government called The First National Environmental Protection Meeting in 1973. They proclaimed environmental protection as one of China's national policies at the Second National Environmental Protection Meeting in 1983. It was in the early 1980's that environmental education began. In 1990, they announced environmental protection at the First National Environment and Education Meeting. Environmental Education became part of the curriculum of the nineyear compulsory education course as a subject, and the Chinese government set penalties for environmental destruction. In 2000's at school in China, "Green School" activities started and have been prosperous. In 2003, an epoch-making guidance on environmental education was proclaimed for junior high school and elementary school students. In 2005, the Recycling Economy Law was added to the legislative plan by the National People's Congress Standing Committee. In 2007, the State Council addressed the policyof "Saving Energy and Reducing Pollutant" and announced the elimination of old-fashioned production lines, responsibility declaration, and a new system of administrative censure. "One Issue Rejection System" is a strict law in which civil servants can refuse a leader who cannot meet the environmental goal even if other work is good. In Jiangsu, 165 schools were authorized as "green schools" in 2007. We discuss the standard authorized for green schools, but understand that it is a very severe standard. Such an authorization system demands the practice of the durable environmental education in schools, and we understand that China wrestles with environmental education. People concerned with schools realized the necessity of environmental education through the pollution in rapidly industrializing areas. This article discuss the progress in Chinese environmental education.
著者
緒方 敦子 衛藤 誠二 下堂薗 恵 川平 和美 林 良太
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

半側空間無視は脳損傷患者が病巣と反対側のものを無視してしまう事であり、右脳損傷で生じ易い。リハビリテーションの阻害因子となることが知られているが、そのリハについては有効な方法は確立されていない。無視する側への視覚探索(走査)訓練と体幹回旋は推奨されるが、今回、ゴーグル型モニターで視覚探索訓練を行った。これを使う事で、半側空間無視の患者は視線だけでなく体幹も回旋し、同時に重心、頭部も無視側へ回旋した。無視への即時効果も認められた。ゴーグル型モニターでの視覚探索訓練は、半側空間無視のリハに役立つと考えられる。
著者
塗木 淳夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

視覚的運動予測と触覚的運動予測に基づく運動予測の特徴を明らかにするために、脳活動を混乱させる非侵襲性手技である経頭蓋磁気刺激法(TMS)、触覚提示ロボット(把持力計測:GF)、バーチャル3次元空間を用いて研究を行った。その結果、視覚情報と運動学習・機能を研究するために有用で斬新な3Dバーチャル触力覚提示システムを開発することに成功した。さらに、開発したシステムを用いて、視覚的運動予測に基づく運動学習における運動皮質の興奮活動と運動力学的な把持運動の特性に関する基礎的な知見を得ることができた。
著者
古賀 克也 福永 隆生 藤井 信
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.179-187, 1976-03-20

ブロイラー頭部は乾物中, 蛋白質53%, カルシウム7.5%, 燐3%, 熱水可溶抽出物3%を含むので蛋白資源活用の面から食品としての利用性について研究した.1)缶詰にしたブロイラー頭部を0.7気圧加圧60分ないし150分蒸煮むよび1気圧加圧15分ないし90分蒸煮を行ない, 骨の軟化状態をTensilon UTMおよびガラス棒圧迫により調べた.その結果0.7気圧100分あるいは1気圧加圧60分の蒸煮で鶏頭は充分な可食状態になることが認められた.2)上記条件で加圧蒸煮したブロイラー頭部ミンチの一般成分およびアミノ酸組成を常圧蒸煮ミンチのものと比較してもほとんど変化は認められない.3)1気圧加圧60分蒸煮の頭部ミンチを豚肉ソーセージ製造時に5〜6%添加しても結着性には影響がなく, 試食官能テストの結果, 無添加のものに比し遜色がないことが認められた.さらに鶏頭部はカルシウム, 燐の含量が多いので, その可食化ミンチの摂取は妊産婦, 授乳婦にとって無機栄養上有効と思われる.4)アミノ酸の相対的割合からみればブロイラー頭部の蒸煮ミンチは鶏肉に比し, アルギニン, プロリン, グリシン, アラニンが多く, リジン, アスパラギン酸, グルタミン酸, 含硫アミノ酸, イソロイシンは少ない.蒸煮ミンチのprotein scoreは51であった.5)頭部およびそのミンチを常圧および加圧下で熱水抽出を行ないフレーバーテストを行なったところ, 遊離アミノ酸含量や蛋白質含量が多い加圧熱水抽出液よりも常圧熱水抽出液が呈味は良好であった.加圧熱水抽出液の5'-イノシン酸および乳酸含量は常圧熱水抽出液のものより少なかった.常圧熱水抽出液はスープあるいは調理のベースとして良好であるのみならず, その凍結乾燥粉末は長期保存呈味料として良好である.6)ブロイラー頭部ミンチの熱水油出液にはタウリンが著しく多く, 次でグルタミン酸, アラニン, ロイシンが多く含まれる.ヒスチジン, アルギニンおよびアスパラギン酸含量は少なくシスチンはまったく含まれない.天然調味料のとりがらエキス, 牛肉および鯨肉エキスとアミノ酸の相対的割合を比較すれば, 頭部ミンチ抽出液のタウリン含量は著しく多く, グルタミン酸含量はかなり少ない.さらに数種のアミノ酸含量についても他のエキスとの間にかなりの相違が認められた.

1 0 0 0 OA 3.黒島の植物

著者
迫 静男 丸野 勝敏
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部演習林報告 (ISSN:03899454)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.33-61, 1983-03-25
被引用文献数
1