著者
喜田弘司 吉府 研治 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.13, pp.91-96, 1997-01-30
被引用文献数
7

オフィスワークにおいて、個人のスケジュールを管理するエージェント(oche)が互いに通信を行うことでスケジュールを調整するシステムの提案を行う。具体的に、Pochetは、()調整する必要のある作業を検出し、()調整案を作成し、()調整先のPochetと調整の交渉を行う。本稿では、Pochetの基本機能とシステム構成を中心に説明した後、Pochet間の交渉によるスケジュール調整に関して、調査・説得・更新の3つのフェーズからなるプロトコルを提案する。PochetはORBをベースにしたエージェント通信基盤INA/LIを用いてWindows上で実装を行っている。Pochet is an agent oriented schedule management system for reducing incidental tasks. Each user assigned a Pochet inputs personal/group schedules into his/her private calendar. When a Pochet finds problems, such as office work overload, Pochet semi-automatically negotiates with the other Pochets according to the private schedules. If the Pochets reach a compromise, it means that the Pochet have arranged a schedule plan. This system is implemented using our multi-agent platform called INA/LI.
著者
尾身 朝子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.11-17, 2006-03-31

電子ジャーナルのオープンアクセスの動きは米国の国立衛生研究所(NIH)の助成研究成果論文公開の方針で新しい段階を迎えた。NIHは2004年9月に助成研究の成果については、論文刊行後6ヵ月以内にNIHの電子ジャーナルサービスPubMed Centralにその最終原稿の電子版を提供し、無料公開するように求める提案をおこない、同時に公開意見募集をおこなった。その結果を受け、2005年2月に最終方針を発表したが、そこでは出版社の意向を汲んで論文刊行後12ヵ月以内に変更され、この方針は2005年5月2日から実施された。本稿では、この方針が生まれるに至った経緯やこの提案・方針に関して関係団体や学会・出版社の意見などを解説した。さらにわが国の学会出版への影響についても論じた。
著者
遠城 秀和 齋藤 毅 角谷 恭一 塚本 真里子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.602, pp.49-54, 2003-01-20

現代社会において、企業活動を安定、さらにはより発展させていくためには、従来の企業活動の枠を越え、企業内、または企業間における単なる情報共有から、戦略、目標の共有=コラボレーションヘの発展が不可欠と考えている。また、このようなコラボレーションを促進、定着させるためのITソリューションとして、「コラボレーションウエア」の開発を進めている。
著者
岸 勇希 江川 純雄 若原 俊彦 松本 充司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.667, pp.15-20, 2003-02-24

近年Webベースのグループウェアシステムには様々な種類と形態があり,組織や企業で幅広く導入されている.しかしこれらは組織で管理している業務フローやワークフローの効率化を目指すケースが多く,グループメンバー間のコミュニケーション,コラボレーション,或いはナレッジシェアの場として活用されるのは少ない.そこで,ユーザーの行動特性,および心理的作用を考慮したグループウェアシステムを提案し,これに必要な機能とその構成について述べる.実際にプロトタイプシステムを構築し,大学内の学生コミュニティサイトで実験稼働させ,そこで得られたデータを元にシステムの有効性および効用について分析し,評価する.
著者
山田 光宏 安久 正紘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

自然現象に広範に現れ, 周波数fに対しパワースペクトルが逆比例するゆらぎとして1/fゆらぎがあり, 人に快適感を与えるとして, 扇風機や空調, マッサージ機等の家電製品の制御に用いられている[1]。1/fゆらぎを発生させる方法として, 素子精度が要求されず, 簡単な回路構成で実現可能であるという利点を有するディジタル回路による方法が提案されているが, 1ディケード程度の周波数にわたるゆらぎしか確認されていない[2]。本報告では, ディジダル回路により容易に実現可能なセルオートマトンを確率的に動作させることにより, 自己組織臨界現象[3]と同様に自然に時間発展し, より広範囲な周波数にわたる1/fゆらぎの時系列が得られることをコンピュータシミュレーションにより示す。
著者
宮原 一弘 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.606, pp.17-24, 1998-03-14
被引用文献数
5

近年のインターネットの発展に伴って, 多くの情報がネットワーク上を流通するようになった.しかしその反面, 必要とする情報を入手するのが困難になり, より個人に適応した情報検索・収集システムへの要求が高まっている.そこで本研究では, 人間の情報に対する興味のモデル化を試みた.日常のWebブラウジングと文書への評価からユーザの興味を同定し, ユーザプロファイルとして獲得・表現する手法を開発した.本稿では, 興味モデルの概要ならびにそれを情報フィルタリング, 協調フィルタリングに適用する手法について述べる.
著者
遠藤 博人 能登 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.78, pp.13-18, 2003-05-16
被引用文献数
1

インターネット上での情報流通手段として,E-mail,Instant Message,WWW(World Wide Web),Messanger,chatなどが一般的に用いられている.ユーザはこれらの手段を用いることで新しい情報を得ているが,同一手段上に大量の不要な情報も併存するため,興味のある必要な情報だけを的確に得るためには非常に大きな労力がかかってしまうという問題がある.そこで本稿では,より円滑な情報収集を可能にするために,情報の信頼度とユーザの嗜好性に注目し,送られてきた情報を次々に他ユーザヘ転送するという口コミモデルに基づく情報伝播システムをWeb上に構築し,システムの評価をする.
著者
丹羽 利文 齋藤 洋典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.331, pp.1-6, 2000-09-28

物語において先行呈示される不快情報が, 後続の快情報に対する感情評価と感動評価に及ぼす影響を, 評定課題実験を用いて検討した.刺激材料として, 感動の喚起が想定される物語(原文)を, 不快情報が含まれる文(不快先行文)と, 快情報が含まれる文(快後続文)とに2分割した後に, 快不快の評価が偏らない文(修正文:中立先行文, 中立後続文)を作成した.実験1・2において, 先行文と後続文の組み合せから4種類の物語文(例えば, 不快-快, 中立-快)を構成し, 物語読了後の感情の程度と感動の程度とを調査した.その結果, 感動の評価は, 先行文と後続文の感情情報の操作によって異なった値となることが示され, さらに, 快感情より高いことが示された.このことは, 物語を読む際の感動の評価は, 物語の構造に影響を及ぼされ, かつ, 快感情とは異なる評価であることを示唆する.
著者
三好 浩和 鈴木 俊輔 臼井 旬 奥出 直人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.35, pp.93-100, 2004-03-23

我々は美術館訪問者が作品とのインタラクションから個性的な見方を深めていくことのできる鑑賞支援ツール群、アトバム、アートテーブル、ペンツールを考案・設計した。このツールから、従来受動的であった鑑賞行為を、能動的で感動と発見に満ちた質の高い美術体験へと変えていき、それを可能にする美術館全体の枠組みを構築する。自分の見方や感想をそのまま記録する装置としてのアトバムと、美術の魅力を部分に分けた画像をちりばめたアートテーブルから新たな見方を発見し、さらに記憶装置を兼ねたペンツールによってテーブル上の画像や、美術を自分の視点からみた画像等をアトバムに取り込み、他人との交流に利用すること等で美術とのインタラクションを実現し、これによって鑑賞の楽しみを増幅する。本稿では、この感動の増幅装置としてのツール群の設計と使用シナリオを構築することで、誰もが楽しめる美術館の枠組みというコンセプトの検証を試みる。We devised and designed the art appreciation assistance system for visitors of an art museum to deepen the unique ways of looking at an art by realizing the interaction between the visitor and the piece of work. By using these tools, we will develop a framework for the art museum which enables the historically passive act of art-appreciation to art-appreciation that is highly active with full of sensation and amazement. Also, using them as a communication tool with the others realizes the interaction between user and the art, which enables the augmentation of human's enjoyment of art appreciation. In this paper, we will verify the concept of art museum where anyone can enjoy through the development of use-scenario and the design of these tools as augmentation devices of the sensation.