著者
御厨 貴
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2010

博士論文
著者
田中 紳一郎
出版者
アフリカ教育学会
雑誌
アフリカ教育研究 (ISSN:21858268)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-54, 2020-12-28 (Released:2021-05-20)
参考文献数
22

SDG4が掲げる通り公平な教育機会の提供は地球規模の課題・目標だが、国際教育協力プロジェクトのもたらす公平性効果に関する実証研究の蓄積は乏しい。本稿ではセネガルの現職教員研修プロジェクトを事例に、教員、生徒の算数試験における得点を検討した結果、次のような公平性効果を描出した。介入前後で教員(N=368)、生徒(N=2,100)の成績は伸張し、同時に成績格差は縮減した。成績が向上した学校では、生徒間の成績格差が縮減した。プロジェクト介入においては効率性と公平性が同時に成立することが示唆される。さらに、介入直後には得点の標準偏差の縮減が顕著だが、その後縮減は一旦抑制され、介入後7年程度を経て再度、縮減傾向が回復する。また、介入直後には成績下位層の成績伸長が顕わだが、実践持続に伴い次第に成績上位層の伸長が優勢となる。その傍らで裨益から置き去られた学校が支援対象の10%程度あり、プロジェクト介入の公平性効果の限界を示す。教育プロジェクトの公平性効果の発現には、指標の平均のみならず格差にも着目し、置き去り群に対する追加的措置を講じつつ、7年を超える継続的な取り組みが不可欠であると示唆される。
著者
横山 麻季子
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.59-71, 2006-09-28 (Released:2010-06-15)
参考文献数
43
被引用文献数
1

行政評価を実施する地方自治体が増加するなか、評価を導入あるいは試行することが行政サービスの向上に影響を与える要因となるのか否かについての実証的な研究は、まだ不足している段階である。よって本稿では、行政評価システムと行政サービスとの関係について、計量的手法による検証を試みた。2000年度、2002年度、2004年度の全国市区のクロスセクション・データを使用し、被説明変数に「行政サービス度」を、説明変数に評価システムの導入・試行に関するダミー変数を投入して、最小二乗法による回帰分析を行ったところ、行政評価を実施すること、なかでも評価を導入すること、また導入年数が長いことが、行政サービスの向上に寄与するという結果が得られた。
著者
堤林 剣
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.33-67, 2000-03

第七章 ダンによる軌道修正と新たな方法論的可能性の模索 第一節 ロックの政治思想の今日的有意性をめぐって 第二節 ダンによる新たな方法論的主張 一 今日の政治思想(史)研究に対するダンの危機意識 二 政治思想史研究における課題と方法論の類型第八章 丸山眞男の思想史方法論 第一節 「思想史」と「思想論」の区別 : アンビヴァレンスと「意図せざる結果」の重視 第二節 思想のレヴェル化第九章 パラドックスの連鎖に着目する思想史方法論の模索 第一節 「フィクション」の政治的作用をめぐって : 政治思想史研究の一課題 第二節 「フィクション」と現実観の解釈学的循環 : 均衡と変遷 第三節 パラドックスの連鎖に焦点を当てる思想史方法論の可能性について論説
著者
桑原 宏介 中島 求
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2014 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._3A1-J05_1-_3A1-J05_4, 2014-05-24 (Released:2017-06-19)

The objective of this study was to measure thrust for crawl stroke by using a humanoid robot. The swimming humanoid robot had 20 servo motors for the whole body and could perform basic human swimming motion except for the breaststroke. A driving mechanism to move the humanoid robot in pitching, heaving and rolling motions was installed. Force sensors and a circulation tank which could make water flow was used for the measurement system. The thrust was measured when the robot performed standard crawl stroke motion at 9.0 s cycles. The positive thrust could be measured while the arm was paddling the water. It was also confirmed that insufficient recovery stroke generated the negative thrust.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1908年03月19日, 1908-03-19

1 0 0 0 土耳古畫觀

著者
山田寅次郎著
出版者
オクターブ (発売)
巻号頁・発行日
2016

1 0 0 0 土耳古画観

著者
山田寅次郎著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1911
著者
間瀬 肇 森 信人 中條 壮大 安田 誠宏 DONG Sheng 池本 藍
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_1226-I_1230, 2011 (Released:2011-11-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Winds and waves for the design of floating type wind farm were evaluated by using variuous kinds of re-analysis and prediction data including NCEP wind data, JMA meteorological data, NEDO data and Hourly GPV data. Statistical values of winds and waves for several return periods were obtained. Wave characteristics were determined for maximum wave height, crest height, 2D height-period distribution, wave energy spectrum and so on. Tide, tidal current and wind-induced current were also evaluated.
著者
古野 真菜実 今泉 修 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

蓮の花托などの集合体に対する嫌悪はトライポフォビアと呼ばれる。トライポフォビアを誘発する視覚刺激の物理的要因については詳細な検討が行われているものの(Le et al., 2015),認知的要因については検討されていない。本研究では認知的要因について探索的に検討した。トライポフォビア喚起刺激(Le et al., 2015)に対する不快感評定実験の結果,集合体を有する物体が自然物か人工物か(e.g., 蓮かスポンジ)によって不快感が異なることが示唆された。さらに詳細に検討するため自然物・人工物の集合体画像からなる新規刺激を用いて不快感評定実験を行ったところ,自然物は人工物よりも不快感が強かった。以上の結果から,集合体を有する物体における自然物・人工物の違いがトライポフォビアに影響する可能性が示唆された。身体損壊や有害生物の連想からトライポフォビアが生じるとするならば(Cole & Wilkins, 2013),集合体を有する自然物はそのような連想を起こしやすい可能性がある。
著者
濱田耕作著
出版者
京都帝国大学
巻号頁・発行日
1925
著者
ケネス・ M・クーノ
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.5-20, 2017

イスラーム法(シャリーア)は、法学的な解説や注釈を通じて理解されるが、ファトワー(法的意見書)集とイスラーム法廷文書(記録)は、イスラーム法が日常生活においてどのように適用されていたかを明らかにする。だが法廷文書でさえ、社会生活のありのままの記録とはいえず、そこになにが書かれていないかを問いかけなければいけない。本論文は、ファトワー、法学書、近年の法社会史研究を用いながら、19世紀エジプトのシャリーア法廷に出現した故人の債権をめぐる訴訟が、原告の相続人としての地位を確立するための戦略であったことを明らかにする。相続人は、彼らの相続権が争われるときに、このような間接的な方策をとる。たとえば、家長や村長は、法廷外で財産を分割するときに、女性や年少者の正当な権利を奪い取ることができた。複婚(多妻)と生前の離婚のために、ひとりの男性の複数の妻と前妻と異なる母の子どもたちとの間で、紛争が生じることがあった。これらの訴訟は、それまで証人による証言が証拠とされてきたシャリーア法廷において、1856年と1880年の訴訟法によって、法廷文書や文書証拠があれば有効(勝訴あるいは提訴不受理)とするシャリーア法廷の新しい訴訟手続きの影響でもあった。故人の債権を請求する訴訟は、必然的に婚姻や親子関係を通した原告の相続権を法廷で確認し、文書記録を作成することになるからである。相続権をめぐる訴訟は、1860年代から90年代初頭に頻繁にみられたが、以後消滅する。1897年の訴訟法は、婚姻や離婚をめぐる死後の請求訴訟は、文書証拠がないかぎり受理しないと定めた。この時期に、エジプトでは、ハナフィー派の法理にもとづく、イスラーム法と法廷組織の一元化が進行する。1860-90年代の訴訟は、女性や子どものような不利な境遇にある人びとが、彼らの権利を法システムのもとで確立する可能性と、新たな訴訟法の規定を緩和する法的な戦略を示すものである。