著者
林広著
出版者
[林広]
巻号頁・発行日
2009
著者
岩井 詠美 辻本 朋美 井上 智子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.111-117, 2015-07-28 (Released:2015-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:病院に勤務する看護師による組織市民行動の実態を調査し,看護師に特徴的な組織市民行動を明らかにする.方法:2013年2月,近隣に位置する4つの公的病院の看護師1,003名を対象に自記式質問調査を行った.結果:有効回答数は763名(76.1%)であった.『スタッフ支援』について,4項目中2項目において「時々した」「よくした」を合わせて90%を超えた.一方,『ロイヤリティへの貢献』の全3項目において「全くしなかった」「あまりしなかった」を合わせて50%以上を占めた.組織市民行動の実施の程度の因子分析(n=409)では,質向上に関する行動,環境整備,指導,協力,ケアの提供に関する行動の5因子が抽出された.抽出された因子の実施状況の差をみたところ,5因子で有意差が見られ,質向上に関する行動が最も低く,協力が最も高かった.結論:看護師は,スタッフなど個人に向けた組織市民行動をよく行い,組織に向けた組織市民行動をあまり行っていない.看護師の組織市民行動において,協力など,一般的に組織市民行動とみなされている行動のほか,質向上に関する行動や指導など,看護師に特徴的な組織市民行動がみられた.
著者
郡司 芽久
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

2017年度・2018年度に引き続き、国立科学博物館に収蔵されている鳥類の骨格標本の観察および計測を行った。これまでの観察・計測から、「原始的なグループでは頸椎数の種間変異が大きく、胸椎は安定的」「派生的なグループでは、頸椎数だけでなく胸椎数も種によって異なり、頸椎・胸椎の総和は安定的」ことが明確になった。また、昨年度に引き続き、頸椎数・首の運動機能が異なるダチョウとサギ類の頸部筋骨格形態の構造の詳細把握を試みた。また、今年度新たにトキ科の標本を入手することができたため、サギに似たような見た目をしているトキ科のヘラサギを中心に、筋骨格構造のデータを取得した。これらの比較の結果、昨年度明らかになったサギ類の頸部筋肉の”滑車状”構造は、サギ類特有である可能性が高いことが明らかになった。加えて、頸部を支える役割をもつ項靭帯の構造が系統ごとに異なることも明らかになった。さらに、昨年度得た頸椎の三次元形態データを元に、1/2スケールの頸部骨格モデルを作成した。モデルを用いた実験の結果、項靭帯の構造の差が首の挙動に大きな影響を与えることが明らかとなり、首の機能や運動様式に関連して構造の変化が生じていることがわかった。

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出版者
ダイヤモンド社
巻号頁・発行日
vol.昭和9年版, 1934
著者
林川 修二 嶽崎 研 福田 健
出版者
鹿児島県農業開発総合センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.39-46, 2013 (Released:2014-01-23)

サツマイモは鹿児島県の主要作物である。可販部位である塊根を直接加害する害虫の中でコガネムシ類は広域的かつ恒常的に発生するため,その防除は商品性を維持する上で重要である。コガネムシ類防除では幼虫対象の薬剤防除が行われているが,効果が不安定な事例がある。この要因の一つとして,薬剤と幼虫の分布が異なることが影響していると考えられた。塊根の被害は年次間差があるが,アオドウガネ2齢幼虫の割合が高まる8月下旬~9月下旬以降に進展した。アオドウガネ卵を接種し経時的に掘り取った結果,畦間に接種した場合,1齢幼虫が畦内に侵入し,齢期が進んでも分布は畦の中下層に多いことが明らかとなった。薬剤を畦立時に処理する場合,コガネムシ類の分布が多い中下層まで均一に薬剤が混和されることが,防除効果を安定させる上で重要であると考えられた。
著者
松本 万紀子
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

妊娠高血圧症の病態には、胎盤虚血や血管内皮障害が一因であると考えられている。アネキシンファミリーの一つであるAnnexin A2は線溶活性増強因子であり、今回の研究で正常妊娠に比し妊娠高血圧症例の胎盤ではAnnexin A2が高発現を示すことを確認した。さらに臨床経過の異なる二つの妊娠高血圧症群間で比較検討した。結果は状態の安定している妊娠高血圧症に比し、急性増悪のため急遂分娩を要した症例群はmRNAの発現が有意に上昇しており、児の出生体重も有意に低下していた。母体状態のみならず、胎児胎盤系の病態にもAnnexin A2が関与していることが示唆された。
著者
衣笠 一茂
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.14-26, 2009

本論文は,ソーシャルワークの価値理論の構造的な問題を明らかにしようとするものである.従来からソーシャルワークの価値である「個人の尊厳の尊重と保障」を具象化するために「自己決定の原理」が重要視されてきたが,近年はこの原理を実現するうえでの倫理的ジレンマも多くみられる.本論文では,こうした実践のジレンマを方法や技術といった機能論的な理解ではなく,ソーシャルワークの価値理論が構造的に内包している問題に端を発するものであると考え,その問題構造を論証する・具体的には,ソーシャルワークの価値についての議論が多くみられる1990年代以降のアメリカとイギリスにおける先行研究をレビューし,そこから整理された価値の理論構造をカント哲学を中心とする近代社会思想に準拠して分析することにより,特に自己決定の原理が有している構造的問題を解明し,実践に寄与しうる新たなソーシャルワークの価値理論を,ソーシャルワーク実践を帰納的な方法で科学的に分析することにより構築する必要性を提起する.
著者
高 偉建 長坂 水晶 Wei-jian GAO Miaki NAGASAKA
出版者
国際交流基金日本語国際センタ-
雑誌
日本語国際センタ-紀要 (ISSN:09172939)
巻号頁・発行日
no.10, pp.51-67, 2000

タイ中等学校日本語教師研修では、アシスタントを導入したプロジェクトワークを取り入れてきた。一般 にプロジェクトワークは運用力の安定し始めた中級以上の学習者に効果的であるとされるが、プロジェクトの一つ「食生活:タイ料理」に関するアンケート結果 から、初級から中級前半の段階にある学習者を対象にした場合でも、学習者は自由に楽しく話せると感じ、プロジェクトワークを日本語の実際使用場面 を獲得する機会として評価していることが分かった。ただし、必ずしも発話量 が普段の教室での授業より増えるという自覚を持つわけではなく、プロジェクトワークは日本語運用力以外の個人の様々な能力を発揮できる異文化接触の機会として評価されたと見ることができる。 また、多くの学習者がプロジェクトワークを自分の授業にも取り入れたいと感じており、教授活動への参考になっていることがわかった。更に、学習者のアシスタントに対する期待が多様であるという結果 も得られた。
著者
村中 厚哉 安池 修之 劉 青原 栗田 城治 小林 長夫 吉田 健吾 内山 真伸
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.314-314, 2008

インドール・ベンゾフラン誘導体のN原子やO原子を重原子に置換した一連の化合物の電子状態について研究を行った。16族のヘテロ環化合物の電子吸収スペクトルにおける最低励起エネルギーは、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、ベンゾテルロフェンの順に原子半径に比例してレッドシフトしたが、インドール、ホスフィンドール、アルシンドール、スティビンドール、ビスムインドールの1-フェニル誘導体ではこのようなスペクトルシフトは観測されなかった。円二色性、磁気円二色性分光法と時間依存密度汎関数法を用いて観測された電子吸収スペクトルの帰属を行った。分子軌道を解析し、電子構造におけるヘテロ原子置換の効果を明らかにした。
著者
佐野 武
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.1771-1778, 2019 (Released:2020-04-30)
参考文献数
10

胃癌手術は1881年Billrothによる幽門側胃切除術の成功例に始まり,その弟子のMikuliczによるリンパ節郭清の体系化を受けて,切除・郭清範囲が拡大した.我が国では胃癌研究会による全国胃癌登録の膨大なデータ解析を経てD2郭清手技が確立し,更なる拡大郭清へと進んだが,欧米では乳癌に対するランダム化比較試験(RCT)の結果に基づく腫瘍学的思考が胃癌治療にも及び,リンパ節郭清の役割は治療よりむしろステージ診断であるとの考えが浸透した.1980年代以降,胃癌手術のRCTが欧州と日本で展開され,「経験を積んだ外科医による膵脾合併切除を伴わないD2リンパ節郭清(それ以上でも以下でもない)」が,早期癌を除く胃癌に対して推奨される術式となっている.2000年代に入ってからは化学療法の発展に伴い補助療法のエビデンスが次々と生まれ,外科医は集学的治療における手術の役割を認識しつつ過不足のない胃切除術を安全に行うことが求められるようになっている.
著者
金丸 雅子
出版者
北海道文教大学
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.42, pp.51-61, 2018-03-15

10年ぶりに改訂された幼稚園教育要領が平成29年3月に告示され,1年間の周知期間を経て平成30年度より施行される.新幼稚園教育要領においても,幼稚園教育は環境を通して行うものであることが基本とされ,また,重視する事項等においてもこれまでの基本的な方向性は維持されている.今回の改訂で最も大きなポイントと言えるのは,新たに,幼児教育と小学校以降の教育を貫く3つの柱を基本に,「幼稚園教育において育みたい資質・能力」が示されたことである.更には,それらをベースとした「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」10項目が明記され,これらの資質・能力の背景には,世界的な教育課題でもある「非認知能力」の育成についての考え方がベースにあるとされている.本稿では,「非認知能力」の育成を重視する新幼稚園教育要領における,モンテッソーリ教育の有効性について考察を行った.その結果,モンテッソーリ教育を受けた子どもたちについてのデータ等により,わが国の現行の幼稚園教育の枠組みにおいて多くの有効な示唆を持つと思われるモンテッソーリ教育の科学的根拠と具体的方法が,新幼稚園教育要領の実現においても有効であることが示唆された.