著者
陳 淑梅 大野 澄雄 しゃ 錦華 亀田 弘之
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は、中国語発音学習において最も基本となる声調、母音、子音の「発音の質」を可視化することを通じて、学習者が楽しく学習できる中国語発音学習システムを構築することである。本研究の特徴は、音声の質の可視化により中国語発音のメカニズムを目で見て理解できること、学習者の発音と手本となる発音との差異が直観的に確認できること、その結果、発音を自ら修正・改善し、さらに、改善結果がフィードバックされ、学習の動機付け強化に繋がることである。いままで、発音の質の可視化手法と発音改善法を確立し、個々人の改善点を具体的にアドバイスするルールを作成した。また、中国語発音改善法を確立し、その手法をNHKテレビ「テレビで中国語」で実践し、その成果と有効性を確認した。令和元年度には、複母音、そり舌音と舌面音以外の子音の可視化の制作に着手した。また、作成した中国語発音改善法に基づく発音学習システムについて、東京工科大学令和元年度の中国語初級クラスで実際に採用し、提案手法の有効性とユーザビリティについて評価を行った。具体的に、授業と自宅での復習で本システムを繰り返し利用させ、学んでいる各段階でどのような改善が見られるか随時チェックをし、最終的には、学期末の発音テストで効果を確認した。各段階におけるアンケート調査によりアドバイスの適確性を調べ、また、学期末のアンケート調査で総合評価を行った。本システムを採用していないクラスに比べ、本システムを採用したクラスの成績は全般的によく、特に、五段階評価(S, A, B, C, D)でSとAの学生合計は全体の半数以上となった。
著者
鈴木 秀典
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.452-453, 2019-10-15

大塚正徳博士は,神経伝達物質研究の進歩に大きく貢献した。特にサブスタンスPに関する研究は,ペプチド性物質が哺乳類の神経伝達物質であることを初めて明らかにした画期的な業績である。この研究はわが国でなされ,国内の神経科学研究の発展につながった。ファミリーペプチドの発見や受容体のクローニングなど,サブスタンスPに関連する世界的な成果がわが国から発信されている。
著者
大和 勝幸 石崎 公庸 河内 孝之
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.23-29, 2008

1章 植物・藻類・細菌の材料の入手と栽培・培養 4
著者
SUZUKI FUJIO SUZUKI CHIEKO SHIMOMURA EMIKO MAEDA HIROSHI FUJII TOSHIKATSU ISHIDA NAKAO
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Journal of Antibiotics (ISSN:00218820)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.1336-1345, 1979
被引用文献数
28

Oral (PO) administration of KS-2 to adult DDI mice resulted in a peak serum interferon (IF) titer of 800 units (U)/ml 20 hours after administration with detectable levels persisting until 30 hours. After intraperitoneal (IP) injection, a peak serum IF titer of 1, 600 U/ml was<br>detected and it followed the same time course as that of oral administration. The IF induced<br>by KS-2 shared certain physico-chemical properties with the standard preparation of immune IF and was not neutralized by an antiserum against type I IF. In mice infected intranasally (IN) with influenza A<sub>2</sub> (H<sub>2</sub>N<sub>2</sub>) virus, KS-2 was found to possess significant protective activities.<br>Efficacy of the agent was evidenced by an increase in survivor number, a prolongation of mean survival time, an inhibition of the development of lung consolidation induced by the viral infection and a decrease in virus titer in lung tissues. Both PO and IP administrations of KS-2 protected mice against infection and significant antiviral activities were achieved not only by prophylactic but also chemotherapeutic administration. No virocidal or virostatic activities of KS-2 to the influenza virus were found <i><i>in vitro</i></i>. The protective activities of KS-2 against influenza virus infection in mice are discussed in view of the immunopotentiation of the host animals.
著者
鎌谷 美希 瀧本-猪瀬 彩加
出版者
北海道心理学会
雑誌
北海道心理学研究 (ISSN:09182756)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-15, 2021

<p>ヒトを含む社会的動物は,同種他個体と親密で永続的な関係(以下,社会的絆)を築く。この社会的絆を強く築く個体は繁殖において有利であることが報告されてきている(e.g., Cameron, Setsaas & Linklater, 2009)。また,de Waal & Luttrell(1986)では,個体は自分と類似した集団内の他個体を親和的な相互作用の相手として選び,社会的絆を形成し始める可能性が示唆されている。実際,ウマ(Equus caballus)においてはより年齢の近い個体間で強い社会的絆が築かれる(ワイルズ,2019)。しかし,ウマが他個体と相互作用をする前に,似た年齢の個体を選好しているかどうかは明らかになっていない。本研究では,ウマが,年齢の異なる未知のウマの顔写真(幼若・同齢・老齢)を単呈示された時に,同年齢の同種他個体に対して視覚的選好を示すかどうかを検討した。その結果,写真のウマの年齢は参加個体の刺激に対する注視行動・接近行動・接触行動に影響しなかった。これらの結果は,ウマは相互作用をする前に,その顔写真に対して同齢他個体への視覚的選好を示さないことを示唆している。</p>
著者
渡辺 幸一
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 = Journal of Japan Society for Lactic Acid Bacteria (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.153-161, 2011-11-10
参考文献数
21
被引用文献数
1 6

何世紀にも渡ってモンゴルの遊牧民は非常に多種の伝統的発酵食品を作り続けている。モンゴルの伝統的なアイラグ(馬乳酒)は、馬乳を原料に固有の乳酸菌による発酵と酵母によるアルコール発酵とによって作られる。アイラグばかりでなくタラグ(ウシ、ヤク、ヤギあるいはラクダなどの家畜の乳で作られたヨーグルト)は古来からモンゴル人の栄養源として重要な役割を演じてきた。これまで、モンゴルの伝統的発酵乳のプロバイオティクスとしての有用性を評価する目的で多くの研究がある。本稿ではモンゴルの伝統的発酵乳のアイラグとタラグにおける乳酸菌と酵母の多様性について概説する。
著者
高木 徹
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.35, 2004

現在,数理的一般システム理論の枠組みで情報システムを開発するための形式的なアプローチについて研究が行われている.本論文では特にデータ処理システムを対象にした定式化の方法について解説し,例題を用いて開発手順について述べている.
著者
河本 英夫
出版者
東洋大学国際哲学研究センター(「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ)事務局
雑誌
「エコ・フィロソフィ」研究 (ISSN:18846904)
巻号頁・発行日
no.13, pp.13-23, 2019-03

人間を包む環境のなかで、色はもっともベースとなる要素的特質である。そのなかでも緑と青は支配的な比率をもっている。緑は植物の色だから、植物性の環境であり、生存に直結している。ところで青は不思議な配置を占めている。空は青であり、海も青である。あまりにも人間にとって身近で、自明なために青を「環境の色」として通常は自覚的に捉えたりはしない。だが緑と異なり、空という物に青が付着しているわけではない。ここではこの青の特質について考察した。ことにネモフィラという花の一面の青は、なにか人間の感性に、驚きと安らぎと流れ行くような流動感をあたえてくれる。
著者
小原 良孝
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:05460670)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-69, 1982

イタチ科イタチ属の近縁種2種ニホンイイズナとホンドオコジョの染色体をG-, C-バンド法により比較分析し, 核学的観点からその系統類縁性を考察した。両種は形態的によく似ていて, 非常に近縁であるとされているが, 染色体数, 染色体構成は著しく異なっている。ニホンィイズナは2n-38で大型の中部着糸型染色体を6対含んでいる。これら大型染色体6対のうち5対はその短腕部に大きなC-バンド (C-ヘテロクロマチン) 部位をもっている。又, この部位はG-バンドではネガティブな部位として観察される。一方, ホンドオコジョは2n=44であり, 上述のような大型染色体は含まれていない。<BR>ニホンィイズナのG-, C-バンドパターン, ホンドオコジョのC-バンドパターン, 染色体の大きさ及び腕比を基準にした両種の染色体の対応性, 染色体の総長 (TLC) の比較, TCLに対するX染色体の割り合い等の検討から, ニホンイイズナとホンドオコジョの間の核学的関連性はC-ヘテロクロマチンの重複増加, 重複増加したC-ヘテロクロマチン部位への転座, 及びロバートソン型動原体融合によって説明される。