著者
斉藤 巧弥
出版者
お茶の水女子大学ジェンダー研究所
雑誌
ジェンダー研究 = Journal of gender studies, Ochanomizu University (ISSN:13450638)
巻号頁・発行日
no.22, pp.131-149, 2019

本稿は、1990年代の日本におけるLGBT の社会運動においてゲイとレズビアンが共に活動をする中、どのような差異が両者の間で問題となっていたのかを論じる。分析対象として、北海道札幌市で1989 年から2000 年代初期にかけて活動をしていた団体" 札幌ミーティング" を取り上げる。札幌ミーティングではゲイとレズビアンが共に活動をしていたが、両者の間には差異もあった。ひとつは、新しいコミュニティとしての札幌ミーティングを、コミュニケーションの場として利用することに対する認識の違いであった。もうひとつは、抗議活動と自己の内面に向き合う活動のバランスをめぐる認識の違いであった。これらの差異は両者の対立にもつながり、その背景には、両者の間にあるジェンダーの違いが必ずしもゲイ男性に認識されていたわけではないこと、両者が各自のアイデンティティを重視していたため、このような差異を積極的に共有・議論するに至らなかったという事情があった。投稿論文
著者
門脇 敬 阿部 浩明 辻本 直秀
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11461, (Released:2018-11-15)
参考文献数
34

【目的】片麻痺を呈した2 症例に対し,下肢装具を用いて倒立振子モデルの形成をめざした歩行練習を施行し,歩行能力と歩容の改善を認めたため報告する。【対象と方法】麻痺側下肢の支持性が低下し歩行が全介助であった重度片麻痺例に対し,足部に可動性を有す長下肢装具(以下,KAFO)を用いて前型歩行練習を施行した。また,無装具で独歩可能だが歩容異常を呈した生活期片麻痺例に対し,あえて下肢装具を用いて歩行練習を実施した。【結果】重度片麻痺例は下肢の支持性が向上し,倒立振子を形成した歩容での歩行を獲得した。生活期片麻痺例においても歩行能力と歩容が改善した。【結論】重度片麻痺例に対するKAFO を用いた前型歩行練習は,下肢の支持性を向上させ,より高い歩行能力を獲得することに貢献できる可能性がある。また,無装具でも歩行可能な片麻痺例の歩行能力や歩容の改善においても下肢装具を用いて倒立振子を再現する歩行練習を応用できる可能性があると思われた。
著者
宮越 規彰 竹内 勇剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J102-A, no.2, pp.93-105, 2019-02-01

本研究ではWWW閲覧者の環境に左右されず,書体変化が容易なWebフォントを活用し,Webサイトに表示されるテキストコンテンツの書体を変化させることによって,ユーザへ与える認知的効果を調査した.実施した実験では,高級感が強いと評定された書体と低いと評定された書体との間の同一コンテンツに対するユーザの反応に着目し,書体の変化が向社会的行為に影響を与えるという仮説に基づき,仮想的な寄付行動に伴う額の大きさに与える効果を検証した.その結果,Webフォントによる書体変化の順序の違いによってユーザが寄付を試みる額に違いが観察され,Webフォントを用いてユーザの行動に対して作為的な操作を与えることが可能であることが示唆された.これにより,書体がユーザに与える認知的効果を活かしたサービス開発や表現に本研究の知見が貢献することが期待される.

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出版者
日本弘道会
巻号頁・発行日
no.189, 1907-12
著者
Yu Watanabe Shujiro Okuda
出版者
Japanese Proteomics Society
雑誌
Journal of Proteome Data and Methods (ISSN:24346454)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1, 2020 (Released:2020-06-29)
参考文献数
4

The jPOST repository has been managed since 2016. Here, we summarize the contents of the registered projects and the newly developed functions implemented in the repository.
著者
清家 正
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.51, no.510, pp.33-43, 1931

交流電機子の捲線ことに端數スロツト捲等に對し,六ケ數條件を用ひずとも方一寸の紙で解決したものである。たゞ捲線實施の條件としてスロツト數が單層捲は「2m」,二層捲は「m」で割れさへすればよい。
著者
斎藤 清二 田中 三千雄 樋口 清博 窪田 芳樹 青山 圭一 島田 一彦 紺田 健彦 藤倉 信一郎 佐々木 博
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.1238-1247_1, 1982-08-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
15

236例のERCP施行症例につき主に選択的胆管造影率の向上を目的として,超広視野角十二指腸ファイバースコープとストレシチ法の併用の有用性を検討した.Fujinon社製DUO-X(視野角105°)を使用した149例では,膵管造影率はOlympus社製JF-B3(視野角64°)を使用した87例の成績と差はなかったが,胆管造影率は明らかに高値であった(各々93.5%,77.8%).DUO-Xを使用してプッシュ法でERCPを行った群47例の選択的胆管造影率はJF-B3の45例のそれと統計的有意差を認めなかったが(各々89.4%,77.8%),DUO-Xとストレッチ法を併用した群61例では有意に高い胆管造影成績(96.7%)が得られた.DUO-Xとストレッチ法を用いて施行条件を一定としてERCPを行った32例中胆管造影成功30例の所要時間は平均11分24秒であった.ストレッチ法でのERCPは試みた大部分の症例において容易に施行され,症例の胃形態とスコープ走行形態の間には一定の関連は見い出し得なかった.以上よりERCPにおけるストレッチ法は選択的胆管造影に有利な方法であり,超広視野角十二指腸ファイバースコープの併用により比較的容易かつ確実に施行できる勝れた方法であると思われた.