著者
安原 健介 甲本 卓也 舩曵 信生 杉山 裕二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.36, pp.27-32, 2007-05-10
被引用文献数
1

マルチメディア配信を利用するネットワークアプリケーションにおいてサーバやネットワークの負荷を解決する手段として,マルチキャスト通信があり,その一つの方法として,アプリケーションレベルマルチキャスト(ALM)が注目されている. ALMの実装例として,PeerCastと呼ばれるマルチメディア配信に適したミドルウェアがある.しかしながら,PeerCastでは経路木生成アルゴリズムの性能が悪く,経路木が最適なものにならないことがほとんどであり,また経路木を動的に改善する機能がないといった問題点がある.その改善として通信中に経路木の一部を動的に変更するには,コネクションを繋ぎ替える機能が必要となる.そこで本研究ではPeerCastにおいて,データロスなくコネクションを繋ぎ替える機能の実装とその評価を行う.
著者
金丸 直義 高橋 清明 千葉 則茂 斎藤 伸自
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.251-252, 1990-09-04

コンピュータグラフィクスにおける樹木の画像生成は,自然景観のシミュレーションにおいて重要な位置を占める.庭園や公園,街路樹の並木などの種々の建設計画のための景観シミュレーションや,へリコプタなどの低速低空飛行機用フライトシミュレータ用の景観シミュレーションにおいては,特にリアルな樹木の表現が期待される.リアルな樹木の表現には,自然な枝振りのシミュレーションが必要であり,そのためには遺伝的に定まる分枝パターンのみならず,生長環境での獲得形状のシミュレーションが重要となる.これまで,受光量不足による枝の枯死を考慮にいれ,自然な枝の分布密度を与える生長モデルがいくつか提案されているが,得られる樹形は枯死のない分枝による樹形の部分形状となっている.そのため,自然に見られるような,能動的に空間の分布を調整するように棲み分ける,あるいは光を求めて生長した軌跡のような枝振りは得られない.さらに,密集しながらも互いに枯死を避けるように,あたかも互いに交信し合うかのように,うまく空間へと広がりながら伸びる枝振りなどは分枝パターンや枝の枯死のみでは得られない,著者らは,これらの自然な枝振りは,前もってプログラムされた分枝パターンや樹木内の交信によるものよりも,生長点の向日性によるものが多いと考え検討を行ってきている.本報告では,生長点の向日性を考慮した生長モデルによれば,自重によらない自然な"枝垂れ"や枝の空間の棲み分けにより実現される"丸みを帯びた冠樹"の形成がうまくミュレーションできることをいくつかの例により示す.このよな試みは,安定して動作する堅固で使いやすい生長モデルの構築という工学的な観点に基づくことを断わっておく.
著者
曽山 典子 神戸 和子 城和貴 加古 富志雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.67, pp.85-90, 1999-08-02

中間表現の研究は永い年月をかけて多くの研究者によって研究されてきた.中間表現の基本構成は共通の認識によって構築されているにもかかわらず,多くのコンパイラでは独自の中間表現を構築し,その実装に多くの時間を費やしている.近年,コンパイラ技術の融合を図るべく統一的中間表現が提案されているが,すでに開発されたコンパイラ技術との融合は困難である.本稿では,すでに実装された異なる中間表現を比較し,それらの相互変換の可能性を調べ,その結果,2つの異なる中間表現は実装上の細部では困難な部分もあるが,概ね可能であることがわかった.同時に各構造体の構成成分がおおよそ同じであることがわかった.Many researchers of parallelizing compilers have proposed various design and implementation schemes of intermediate representations (IRs) for the last several decades. The foundation of IRs seems to reach some common ideas, nevertheless they have actually spent much time to complete the foundation of IRs individually. Recently, the concept of universal IRs (UIRs) has been proposed for such general purpose schemes. According to the schemes, different IRs should be integrated even after their implementations, but it may be hard to obtain common UIRs practically. In this paper, we compare different IRs of two parallelizing compilers, then we show the possibility of the conversion of different IRs. As a result, we find that it is practically possible to convent different IRs except some implementation details of the IR data structures, and there are many similarities between different IRs.
著者
斎藤 尚生
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.69-87, 1986-09

太陽光球面(γ=1 R_<&ofcir;>)には複雑な磁場が分布している。しかし太陽風がRADIALに吹き出す仮想的な球面(いわゆる流源面, γ=2.6 R_<&ofcir;>)まで離れると, 磁場分布は極めて双極子的になり, しかも流源面上では磁極が11年毎に「回転」反転することが実証された。流源面上でのこの系統的な変化の原因は, 勿論光球面磁場の大局的分布にあり, 特に回帰性地磁気嵐の現われる活動下降期には, 光球面緯度に, 観測し易い巨大斑磁場となって現われ, これが磁軸を傾けていることが分った(GBMR MODEL, GBMR=GIANT BIPOLAR MAGNETIC REGION)。さて今これらの関係を惑星磁場の成因に適用してみると, 流源面は惑星表面, 光球面は核表面に置き換えることができる。磁場が相対的に大きい水星, 地球, 木星, 土星の4惑星に対して, 水星の火山分布, 地球の低緯度HOT SPOT, 木星の大赤班が, 磁場の傾きに対して巨大斑磁場に対応する関係が見出された。従って太陽に関するGBMR MODELは, 少なくとも一部の天体の磁軸を傾けている原因を広く説明し得る可能性が生じてきた。

1 0 0 0 OA 模倣論序説

著者
村上 隆夫
巻号頁・発行日
1996

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成8年7月25日授与 (乙第1203号)
著者
筧 捷彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.p975-979, 1980-09-15
著者
濱井 健人 隅山 孝夫 鈴木 元 吉田 英弘
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. A, 基礎教育センター論文集 (ISSN:03870804)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.21-29, 2003-03-31

2つのn次正方行列A,BがAB=E_nをみたせば必然的にBA=E_nとなることはよく知られた事実である。このことの証明は,行列式を用いて大学初年級程度の線形代数学の知識の範囲内でできる。しかしこの命題は本来行列式とは無関係であり,より一般的な代数学の定理から導くことができる。この論文においては,上の命題を系として含む一般的な代数学の定理を提示する。同時に,工学部系の数学教育では扱い難い環と圏の理論を,上述のことに関連させて教育内容とし得ることを示す。この論文は,愛知工業大学情報通信工学科平成12年度と平成13年度の卒業論文(参考文献[2],[6])を発展させたものである。
著者
篠崎 隆志 河合 栄治 山口 英 山本 平一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.118, pp.13-18, 2005-11-22

Webサーバの性能評価では,インターネット上で起こる様々なネットワーク特性の影響を考慮する必要があるが,現実には実環境と大きく異なる条件下での性能評価が行われている場合も多い.本研究では,実験環境下でネットワークエミュレートを行い,異なるアーキテクチャを持つWebサーバであるApache,thttpd,TUXを対象に性能評価と挙動分析を行った.その結果,TUXではCPU使用率が100%に到達した時に応答時間が他サーバと比べ大幅に増大する,thttpdはパケットロスによりリクエスト応答レートが大幅に低下する,といった挙動が明らかになった.In spite of considering only to server status, network condition is essential when we measure server performance precisely. In this paper, we show the results of benchmarking tests on three different web servers, i.e. Apache, thttpd and TUX in network emulation. We found a fact that the mean reply time of the TUX server was extremely high when compared to those of Apache and thttpd. On the other hand, the mean reply rate of the thttpd server was damaged by network packet losses.
著者
高田 哲司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.45, pp.13-18, 2008-05-15

知識照合型個人認証の問題点を改善しうる認証手法として,画像を利用した認証が提案されている.しかしそれらの認証手法は,なんらかの理由により普及に至っていないのが現状である.そこで本論文では,画像認証においてその普及藍阻害している要因を調査する目的で,そのような認証を利用したことのないユーザに対してアンケート調査を実施した.その結果,認証システムが使用する画像種に関してはユーザが敬遠する傾向の高い画像種が明確になった.またその他にも,いくつかの設計要素に関して興味深い示唆が得られたこれらの調査結果は,今後の画像認証システムにおける設計や既存の画像認証の改善において設計方針を決定する際の指針として利用されることが期待される.In this paper, I describe about a user perception of image-based authentication systems. The purpose of this work is to extract positive and negative factors in their systems. And I consider that they will help to design a better image-based authentication systems and give a better direction to improve a system. To do that, I conducted a survey on graduate students that are inexperienced in such authentication systems. I asked them to make a ranking of five systems after I had given a lecture about them. I show a result and discuss about some indications to realize a better image-based authentication systems.
著者
橋爪 忠勝 大岩 宏 原田 望 山村 哲哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.559, pp.63-68, 2002-01-11

IP系の新しいサービスの普及・開発に伴い、マルチベンダによる多様な形態のアクセス系装置が導入されてきている。これら装置を管理するため個々の装置対応にOSSが導入されており、SOのフロースルー化やアクセス網の統合的な監視の実現が求められている。そこで本稿では、多様な装置構成、マルチベンダ下でのキャリア網システムのOSSを連携させる技術の検討をアーキテクチャ・情報モデルの観点から行った結果を報告する。
著者
喜田 貞吉
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.51, no.631, pp.1242-1243, 1937-10-20
著者
野口 孝文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.222, pp.1-6, 2004-07-17
参考文献数
4
被引用文献数
4

我々は,コンピュータ上に可視化したオブジェクトをダイナミックに組み合わせプログラムすることができるIntelligentPadシステムを用い,教材を自由に再編集できる学習支援システムを作成してきた.また,この学習支援システムを用い,1998年からゲーム作成を課題としたプログラミング教育を続けている.本論文では,オブジェクトの組み合わせをコード化し,自己組織化マップを用い分類する方法を提案する.本方法を適用して,2003年度に学生が作成した作品を分類したところ,分類されたグループの中にそれぞれ評価の高い(面白い)作品が含まれており,プログラミング技術ばかりでなく,さまざまな能力が発揮されていることがわかった.ゲームを課題とした本学習支援システムは,多様な学生を対象としたプログラミング教育に有効であることがわかった.