著者
藤井 良彦
出版者
比較思想学会
雑誌
比較思想研究 (ISSN:02862379)
巻号頁・発行日
no.38, pp.57-66, 2011
著者
永島 俊夫 小泉 幸道 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.469-473, 1987-07-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
4

カレー製造に比較的よく用いられている香辛料9種について,120℃に加熱した場合の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーにより比較検討した.(1) カルダモン,クローブ,クミンは加熱により主要な成分が増加し,全香気成分量も増加した.(2) オールスパイス,メースは加熱により全香気成分量が減少したが,その割合は比較的少なかった.(3) フェネル,シナモン,コリアンダー,フェネグリークは加熱により各成分が大きく減少し,特にフェネグリークはそれが著しかった.(4) 各香辛料の香気成分は,加熱により増減が見られたが,低沸点化合物量は全ての香辛料で減少が認められた.(5) 香辛料の種類により,加熱による変化に特徴が見られたことから,製造時においてもこれらの点を充分考慮する必要があると思われた.
著者
犬飼 和雄
出版者
法政大学社会学部学会
雑誌
社会労働研究 = 社会労働研究 (ISSN:02874210)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.26-41, 1992-07
著者
瀬川 拓郎
出版者
旭川市博物館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

奥州藤原氏の勢力を支えたものに馬・ワシ羽・海獣皮等があるが、なかでも同地方で産出する砂金が最重要であったことはいうまでもない。この砂金はおもに北上山地に産するものとみられているが、はたして同地方の砂金だけで莫大な流通をまかなうことができたのか、疑問の声も少なからずある。このなかで、1962~68年に行われた中尊寺金色堂の解体工事の際、金箔調査に立ち会った探鉱技術者・砂金研究者の秋葉安一氏は、北上山地の金を用いたとみられる金箔に混じって、北海道日高産の可能性が高い金箔が使用されていることを肉眼で確認した。しかしこの指摘にもかかわらず、これを自然科学的な手法で確認しようとする調査はその後行われてこなかった。一方、10~13世紀の北海道では、厚真町や平取町など胆振日高山中の狭隘な谷筋に古代アイヌの集落が密集し、また高価な本州産金銅製鏡が多く出土するなどきわめて特異な状況を見せており、なぜ古代の胆振日高山中にこのような状況が現出したのか、議論が交わされてきている。秋葉氏の指摘を踏まえれば、胆振日高は有数の砂金産地であることから、その砂金が古代から東北北部に移出されていた可能性は十分に考えられる状況にある。藤原氏の勢力を支えた金が、北海道産を含むものであったとすれば、当時の北方世界の交流をめぐるイメージは大きな転換を迫られ、古代中世の北海道・東北史にはかりしれない影響をおよぼすことになろう。本研究では上記の課題に迫るため3つの作業を行った。1中尊寺金色堂関係の金箔及び北上山系出土砂金の化学分析用資料の提供について平泉町役場の文化財担当者と打ち合わせを行い、平成25年度に協力を得られることになった。またこれら資料の調査を行った。2北上山系砂金との比較用に北海道出土砂金を約20サンプル入手し、函館高専において蛍光X線分析器による成分分析を実施した。そのデータについては上記の平泉関係金資料の成分分析後に公表する。3厚真町内の河川において北海道砂金史研究会会長らの協力を得て砂金の採取を実施し、これまで砂金が確認されていなかった同地域で初めて砂金を確認した。これにより、厚真町の山間部に密集する古代集落が砂金採取と関わるものであった可能性について見通しをもつことができた。
著者
堀田 崇
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.69.1.7, (Released:2019-06-24)
参考文献数
61
被引用文献数
1

The field of comparative cognitive science has focused especially on mammals and some birds because of their phylogenetic closeness with humans and their larger brain compared to "lower vertebrates" such as fish. However, recent comparative analyses and conceptual models in the field of animal psychology and/or animal behavior propose that cognitive abilities have evolved in response to ecological and/or social factors. In addition, it has been shown that brain organization are largely conserved throughout the vertebrates, suggesting that lower vertebrates may have more sophisticated cognitive abilities than previously thought. Therefore, to reveal the phylogenetic distribution of cognitive abilities we should also examine lower vertebrates. In fact, ethologists have demonstrated diversity of social and ecological complexities in fish, which are good candidate for helping to reveal how cognitive abilities evolved. Therefore, I focus on fish cognition in this review. Recent studies have shown that some fish behave depending on the types of information they receive. As examples, I introduce studies about flexible decision-making and social cognitive abilities in cichlid fish in Lake Tanganyika, and cleaner wrasse. Finally, I discuss the evolution of cognitive abilities in different ecological contexts.
著者
河野 有理
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_53-1_76, 2016

<p>能動的な政治主体の構成員をいったいどのような名前で呼べば良いのか。「良民」 か 「士族」 か, はたまた 「士民」 か (「市民」 なる語はかなり新出来である)。東アジア世界の近代に共通の難問のひとつの解として, 1920年代以降, 急速に浮上したのが 「公民」 という概念であった。本稿では, 蠟山政道の 『公民政治論』 (1931年) に焦点をあて, この 「公民」 概念が同時代の 「政治と教育」 問題を考える上での鍵概念であることを示そうとした。<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;蠟山は 「公民」 について, それを 「社会の発見」 に引き付けて理解しようとする同時代の他の論者 (たとえば大島正徳) とは異なり, 終始, 政治的存在として理解しようと試みた。蠟山にとって, したがって, 公民教育とは政治教育であり, そこでは多数決の意義や政党の持つ積極的な道徳的意味が教えられるべきだった。<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;政治を教育や倫理と不可分とみなすこうした蠟山の政治観は, 政治をあくまで権力の体系, 目的達成のための手段とみなす丸山の政治観とは異なっていた。</p>
著者
中島 淑恵
出版者
富山大学附属図書館

中島淑恵(富山大学人文学部教授)が,これまでの研究成果を踏まえ,Lafcadio Hearn=ラフカディオ・ハーン=小泉八雲に関する様々を語るこれは,当日,会場でICレコーダを用いて収録したMP3形式の音声ファイル
著者
石川 隆一 和泉 興 林 秀和 福田 宏幸
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

人間の美的感性に基づく研究は何度も行われてきましたが、感性のモデル化がこの研究のテーマです。本研究では、コンボリューションニューラルネットワーク(CNN)と勾配ブースト決定木(GBDT)を用いて、デザイナーの持つ美的感性をモデル化する実験を行った。また、提案手法ではCNN以外から抽出した色や文字データを新たな特徴として追加することで精度を向上させた。提案手法を複数のパターンで検証し有効性の確認ができた。
著者
石井 怜子 田中 和佳子
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.33, pp.73-82, 2007-06

本研究は、読解力育成を掲げる中級日本語教科書(3種4冊)を対象に、取り上げている学習項目・教え方と練習・系統性と多読拡大練習の実際を調査・分析した。分析の焦点は、文章構造知識によるトップダウンと情報間の意味的関連付けによるボトムアップ両面からのcoherenceの把握能力育成に絞り、分析の枠組みとして、Graesser, McNamara & Louwerse(2003)の提案を援用して、重要情報の選択、意味接続関係、文章構造にかかわる学習について調査した。分析の結果、これらの教科書は総じて、従来の質問応答による内容確認にとどまることなく、多様なタスクを通じてこれらの知識を教授し、知識の使用の練習をさせていることが明らかとなった一方、学習項目の厳選と配列、知識の提示と練習のあり方、知識を自ら活用できる読み手となるための学習過程に、今後検討するべき課題があることが示された。
著者
ヒルツ P. J.
出版者
日経サイエンス ; 1990-
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.56-63, 2015-05

フィリピン沖の海底で戦艦「武蔵」とみられる船体が発見され,話題になっている。これは自律型の無人海底探査機による発見だが,地中海では生身のダイバーがハイテクを活用して沈没船から考古学的な"お宝"を発掘している。
著者
内田 善久 伊藤 正人
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1-2, pp.71-87, 1997-06-30 (Released:2017-06-28)

本稿では学際的領域としての採餌行動研究の最近の発展を概観した。最適餌場利用、最適食餌、頻度依存捕食という3つの話題に対してオペラント心理学が培ってきた方法論を適用した研究に主眼がおかれた。行動生態学から導出された最適餌場利用と最適食餌という最適性モデルは、動物は最も効率的に餌を採るという仮定を共通に持つ。最適餌場利用と最適食餌の問題に適用された、強化スケジュールを用いた実験室シミュレーションは、最適性モデルによる予測の検証や移動時間、餌の分布等の採餌行動に及ぼす様々な要因の効果を検討する上で有効な方法論であることが示された。また、頻度依存捕食とは動物が相対頻度の高い餌を過剰に摂食する現象のことを指す。この現象に適用された、並立連鎖スケジュールを用いた実験室シミュレーションの結果は、餌の目立ち易さの要因が頻度依存捕食を生起させる上で重要であることを示した。これらの知見から、実験室シミュレーションが最適性モデルによる予測の検討や採餌行動に影響する要因の探求に際して強力な道具となることが明らかにされた。
著者
大北 碧
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.69.1.6, (Released:2019-06-24)
参考文献数
87
被引用文献数
1

The saying "A dog (Canis familiaris) is man's best friend" and the term Jinba ittai (describing the connection between a horse [Equus caballus] and a human) express the affinitive interactions between humans and these animals. In this paper regarding psychology of learning, these interspecies interactions were considered to indicate that human behaviors change behaviors of these animals and vice versa. Such mutual influence is possible because humans and these animals have innate cognitive systems that allow them to process each other's behaviors, and because humans and these animals learn each other's behaviors. Thus, studies that investigated these cognitive systems and such learning were reviewed. Next, we looked at studies that examined these interspecies interactions during rearing or training. Finally, the reason why humans not only feel that dogs and horses can interact with them but also experience affinitive relationships with these animals was discussed. The innate and learned factors involved in the construction of these relationships were considered.