著者
長谷川 秀 寺崎 修司 大田 和貴 植田 裕 伊東山 剛 三浦 正毅
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.107-112, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
9

当院における動脈瘤性くも膜下出血(SAH)患者の予後と在宅復帰率の現状について検討した.2010 年1 月から2013 年12 月までに当院に搬送されたSAH 患者253 名のうち,当院で外科治療を行った183 名を対象とした.臨床データは熊本型脳卒中連携クリティカルパスから得た.年齢は中央値64 歳,女性はそのうちの70%だった.入院時のWFNS グレードはI–III が72.7%で,Fisher CT 分類はグループ3 が86.3%を占めていた.症候性脳血管攣縮は19.9%にみられ,16.6%は脳梗塞に陥った.GR とMD は73.2%で,在宅復帰率は73.1%だった.在宅復帰に関して,80 歳以上,WFNS グレード,症候性脳血管攣縮,脳梗塞,水頭症が独立した決定因子であった.在宅復帰率に影響を与える脳血管攣縮,脳梗塞,水頭症に対する急性期病院での集学的治療と継続的な回復期リハビリテーションが重要と考えられた.

2 0 0 0 OA 源平盛衰記

出版者
藤本久兵衛
巻号頁・発行日
vol.巻9-10, 1600
著者
Tenjin Nishikura Shinji Koba Yuya Yokota Tsutomu Hirano Fumiyoshi Tsunoda Makoto Shoji Yuji Hamazaki Hiroshi Suzuki Yasuki Itoh Takashi Katagiri Youichi Kobayashi
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.755-767, 2014-08-26 (Released:2014-08-26)
参考文献数
52
被引用文献数
9 56

Aim: The aim of the present study was to investigate how small dense low-density lipoprotein cholesterol (sdLDL-C) compared with LDL-C affect the long-term prognosis in patients with stable coronary artery disease (CAD). Methods: sdLDL-C measured by heparin magnesium precipitation and LDL particle size measured by non-denatured gradient-gel electrophoresis were compared in 190 consecutive CAD patients who underwent coronary arteriography between 2003 and 2004 who did or did not develop cardiovascular events during a seven-year follow-up period. Cardiovascular events were death caused by cardiovascular diseases(CVDs), onset of acute coronary syndrome, need for coronary and peripheral arterial revascularization, hospitalization for heart failure, surgical procedure for any CVDs, and/or hospitalization for stroke. Results: First-time cardiovascular events were observed in 72 patients. Those who experienced cardiovascular events were older and had higher prevalence rates of hypertension and diabetes; significantly higher Gensini coronary atherosclerotic scores; significantly higher levels of sdLDL-C, sdLDL-C/LDL-C, and LDL-C/high-density lipoprotein cholesterol (HDL-C) ratios; and greater glycated hemoglobin(Hb)A1c and brain natriuretic peptide (BNP) levels. They also had significantly smaller LDL particle sizes, HDL-C, apolipoprotein A-1, and estimated glomerular filtration rate (GFR) compared with patients without cardiovascular events. Conversely, LDL-C, non-HDL-C, apolipoprotein B, remnantlike particle cholesterol, and high-sensitivity C-reactive protein (hs-CRP) levels were similar between the two groups. A Kaplan-Meyer event-free survival curve demonstrated that patients with sdLDL-C≥35 mg/dL (median level) had significantly poorer prognosis compared with those with lower sdLDL-C levels, while patients with LDL-C ≥100 mg/dL had a non-significantly lower survival rate. Conclusion: These results confirm that sdLDL-C is a very promising biomarker to predict future cardiovascular events in the secondary prevention of stable CAD.

2 0 0 0 早稲田文学

著者
早稲田文学編集室 編
出版者
早稲田文学会
巻号頁・発行日
vol.[第8次], 1976-07
著者
坂田 礼子 神宮 英夫
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.49-54, 2014

This study is to clarify the factor of "Kansei" in operation of human interface systems. "Kansei" includes conscious aspect and unconscious aspect. Physiological responses are necessary to evaluate unconscious aspect. In this paper, "<I>sakusaku</I>" feeling at car navigation operation is measured. Relationship between subjective evaluation and, Electrocardiograph measurement and Near Infra- Red Spectroscopy measurement is investigated. Experimental data shows that physiological responses are effective to evaluate unconscious aspect.
著者
村上 仁 石川 尚子 宮本 英樹 野中 大輔
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.299-308, 2009

<b>目的</b><br>&nbsp;本稿は、2009年3月、日本国際保健医療学会東日本地方会にて実施した、「感染症対策と保健システム」ワークショップと、それに続くオープンフォーラムの討議内容を報告する。<br><b>方法</b><br>&nbsp;ワークショップではまず、1)ラオスの村落ベースのマラリア対策の現状と今後、2)ラオスの母児ユニットへの妊娠期から乳児期までの継続ケアアセスメント、3)タイとザンビアの地域ベースでのHIVに対する抗レトロウイルス治療展開と保健システム強化、4)カンボジアのワクチンと予防接種のための世界連合(GAVI)による保健システム強化支援の4つの話題提供が行われた。その後、1)疾病対策プログラム(主に感染症)を進める際に認識される保健システムの問題点、2)保健システム強化の視点から見た疾病対策プログラムの問題点、3)疾病対策プログラムは保健システム強化にどのように貢献しうるかの3点を討論した。合計30の論点や経験が表出された。しかし、限られた時間内では、実効的な論理構築が困難であるため、2009年5月末日までの枠組みで、著者4名とワークショップ参加者のうち希望者を主体とする謝辞に記された22名が、インターネットを通じたオープンフォーラムにてさらなる論点を収集し、それを取りまとめた。その結果、23の追加的論点や経験が表出された。<br><b>結果</b><br>&nbsp;第一に、感染症対策などの疾病対策プログラムを進める際に認識される保健システムの問題点として、1)保健医療人材の量と質の圧倒的な不足、2)保健インフラや物資の不足、3)地域レベルで実施可能な技術内容の制限(感染症の場合、特に検査技術)の3点が認識された。第二に、保健システム強化の視点から見た疾病対策プログラムの問題点として、1)複数の疾病対策プログラム間ならびにそれを支援するドナー間の協調の欠如、2)地域レベルの保健ワーカーの多重・過重業務(特に保健情報の記録、報告業務)、3)疾病対策プログラムの対象と地域保健ニーズの乖離、4)疾病対策プログラムが行政能力強化に十分貢献していないこと、5)疾病対策プログラムの推進に伴う保健資源やサービス便益の偏在化、6)プログラム間の物的資源の共用が阻害されていることの6点が挙げられた。第三に、疾病対策プログラムを通じた保健システム強化の具体策として、1)保健システム強化のための資源創出、2)セクターワイドな事業管理モデルの提示や、基本的な骨組みの提供、3)プログラムの実施、特にトレーニング機会を利用した行政能力強化、4)末端保健スタッフの給与補てん、5)資機材(ハードウェア)ならびにソフトコンポーネント成果物の提供の5点が挙げられた。<br><b>結論</b><br>&nbsp;上記に述べられたような、現実的な保健システム強化策を模索しつつ、保健システムの全体像とその政策的妥当性を、途上国側のステークホルダーとともに模索する巨視的な視点を合わせ持ち、議論と実践を進める必要がある。
著者
津野田 晃大 初田 隆
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:09115722)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.273-280, 2016 (Released:2017-03-31)
参考文献数
8

本研究では「古筆」の臨書体験を中心に据えた文字鑑賞プログラムを作成し,試行実践を通して学習効果の検証及び意義の確認を行うものである。古筆には原初的な手書き文字の持つリズムや気韻が秘められており,手書き文字の美しさを歴史的な視座から感じ取ることができる教材である。また学習者の意識変容を促すために,単に文字を観るだけではなく多感覚を統合させる多面的なアプローチを取り入れたプログラム構成を行った。ワークショップの受講者は教員養成大学の学生・院生とし,文字に対する意識の変容とともに将来の教員としての視座形成がいかに図れたかを考察した。受講者の活動状況やプレ・ポストテストの記述内容からは文字を芸術として鑑賞対象と捉える視座の獲得と,文字意識の深化・拡張,教材化への志向を確認することができ,今後の実践に向けた展望を得ることができた。
著者
坂井喜夫 著
出版者
駸々堂書店
巻号頁・発行日
1922
著者
湯原 哲夫
出版者
時事通信社
雑誌
世界週報 (ISSN:09110003)
巻号頁・発行日
vol.84, no.45, pp.62-63, 2003-12-02
被引用文献数
2
著者
田村 仁 古原 和邦 今井 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.494-504, 2007-02-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

アドホックネットワークに代表されるような動的なネットワーク上で何らかの双方向通信を行う際,送信時に利用した経路を返信時では利用できないケースは当然考慮されるべきであるが,とりわけ,返信時にその返信先を知ることができない匿名通信においては,これはそう単純な問題ではない.特に医療相談など,返信までのタイムラグが大きいアプリケーションほどそのような問題に陥る可能性は高い.しかしながら,こうした点について従来の匿名通信方式では十分に考慮されているとはいい難い.そこで本論文では,主な既存方式の特徴や問題点とその原因を整理したうえで,新たに高いデータ可用性を有した方式を提案する.また,これら提案方式を含め種々の組合せについて匿名性,データの可用性,および操作のコストという観点からの比較検証を行った.その結果,従来の代表的な双方向匿名通信方式であるオニオンルーティングを用いる場合に比べても総合的に性能が優った方式の組合せを示すことに成功した.
著者
大西 秀明 八木 了 大山 峰生 松木 儀浩 伊橋 光二 半田 康延 池田 知純
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.226-230, 1999-07-31

本研究の目的は, 健常者を対象にして歩行中および立位保持中に膝窩筋筋電図を導出し, その機能を明らかにすることであった。対象は健常男性10名であり, 課題動作は自然歩行および膝関節0度, 30度, 60度および90度屈曲位での立位保持であった。筋電図の導出にはワイヤー電極を使用し, 電気刺激を行うことにより電極が膝窩筋内に入っていることを確認した。各動作時に得られた筋電図は全波整流したのち移動平均処理を行い平滑化し, 最大等尺性下腿内旋運動時に得られた筋電図をもとに正規化した。歩行中の膝窩筋筋活動は, 立脚初期, 立脚後期および遊脚後期に強い活動を示した。特に立脚期9.3%時点では膝窩筋の筋活動は最も強く, 下腿最大内旋運動時の72.2±14.8%を示した。また, 立位保持中における膝窩筋の筋活動は膝関節屈曲角度の増加に伴い増加した。これらの結果から, 膝窩筋は, 歩行時には遊脚後期から立脚初期にかけては膝関節過伸展を防御し, 立脚後期から遊脚初期にかけては膝関節の屈曲運動に関与することが推察された。また, 立位保持時には脛骨の前方移動を防ぐように活動していると考えられた。