著者
高野 秀之
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.3-38, 2012-10-26

本稿の目的は、生成文法の基本原理を検証し、その理論的な基盤となる言語観を探求することにある。しかし、取り上げられる基本原理と、それぞれを基に記述される言語現象は、質・量ともに、決して十分なものとは言えない。したがって、この取り組みは、生成文法の全容解明ではなく、この理論がどのように言語の本質を捉えようとしているのかを追体験し、そこに想定されている言語観を合理的に導き出そうとする入門研究である。生成文法は、経験科学の方法で言語の本質を解明しようとする言語理論で、観察可能な言語資料から導き出された事実に基づいて仮説をたてる。実証研究の過程において、期待された解が得られなかったとしても、仮説を簡単に放棄したりはしない。その結果は、理論構築に至る過程が厳正であったために導き出されたものとして受け入れ、仮説の修正を繰り返し、より洗練された理論を目指す。問題の棚上げという対応が批判の対象になることもあるが、現在、生成文法は言語の本質解明に最も近い言語理論の一つであると言えよう。巻末の資料は、生成文法の基本原理が英語の疑問文を生成する過程を説明するのに効果的であると主張し、研究の公共性を担保している。
著者
山岸 智子
出版者
明治大学国際交流センター
雑誌
国際交流基金事業報告書
巻号頁・発行日
vol.2000, no.6, pp.28-30, 2000-06-15

2000年1月10日から20日まで、1999年度国際交流基金アポイントメント・プログラムで招請したロバート・グリーヴ氏について報告いたします。 グリーヴ氏は英国生まれで、1995年にマンチェスター大学からイスラーム学の博士号を授与された新進気鋭の中東研究者です。現在はブリストル大学の神学・宗教学部で講師として教鞭をとっています。 グリーヴ氏はまず(イギリスの)ヨーク大学政治学部でイラン・イスラーム革命を支えたアリー・シャリアティーの思想を研究しました。その後、英国における中東研究機関としては最高の評価を受けているマンチェスター大学大学院中東研究科に進学し、イスラーム法学について専門性の高い学識を身にっけられました。
著者
弘中 和憲 石橋 憲一 小疇 浩 宮下 裕幸 森 元幸 津田 昌吾 高田 明子
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.67-74, 2005-03-31
参考文献数
30

3品種の国産加工用ジャガイモを5および12℃で90日間貯蔵し、インベルターゼ、スクロース-6-リン酸シンターゼ(SPS)およびUDP-グルコースピロホスホリラーゼ(UGPase)活性を測定した。この研究の目的は、それらの3酵素に及ぼす貯蔵温度の影響の検討である。5℃貯蔵のジャガイモは12℃に比べ多くの還元糖を蓄積した。さらに、低温(5℃)はインベルターゼおよびSPS活性を増加させた。これらのことより、これらの2つの酵素は加工用ジャガイモの低温における還元糖増加に、重要な役割を担っているものと推察された。
著者
山田 二久次 関根 義彦
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.995-1000, 1997-10-25
被引用文献数
3

日本東岸における春季(1967〜86年、3〜5月)において、100m水深5℃の等温線緯度で定義される親潮第一分枝南限緯度の年々変化と、北太平洋上の500hPa高度場の関係を解明した。高度場については、北太平洋領域でEOF解析をし、第1・第2成分と親潮南限緯度のラダ相関を解析した。その結果、親潮の南限緯度と500hPa高度のEOF第1成分との間に、3力月遅れ(大気が先行)で有意な相関があることを見いだした。500hPar高度のEOF第1成分の空間パターンはアリューシャン低気圧の南下を示している。なお親潮の南限緯度は、EOF第2成分とは有意な関係はなかった。親潮の南下が著しい年の冬には12月から2月まで、北太平洋の30〜50゜Nでの海水温か負偏差となる。この時海面水温負偏差域の北部では、風の応力ベクトル偏差は西向きで、風の応力が弱まっている。したがって、この温度低下は潜熱・顕熱フラックスやエクマン輸送の増加では説明できず、アリーシャン低気圧の南偏に伴う亜寒帯循環の南下に伴うものであることが示唆された。
著者
弥中 和憲 石橋 憲一 小疇 浩 小林 祥則 森 元幸 津田 昌吾 高田 明子
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.9-14, 2005
被引用文献数
4

3品種の国産加工用ジャガイモを5および12℃で90日間貯蔵し, インベルターゼ, スクロース-6-リン酸シンターゼ (SPS) およびUDP-グルコースピロホスホリラーゼ (UGPase) 活性を測定した。この研究の目的は, それらの3酵素に及ぼす貯蔵温度の影響の検討である。5℃貯蔵のジャガイモは12℃に比べ多くの還元糖を蓄積した。さらに, 低温 (5℃) はインベルターゼおよびSPSは活性を増加させた。これらのことより, 加工用ジャガイモの低温における還元糖増加に, この2つの酵素は重要な役割をになっているものと推察された。
著者
松平道夫 著
出版者
金蘭社
巻号頁・発行日
vol.4 (児童動物学 上), 1927
著者
遠藤 秀紀
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.29-32, 2013-03-01
被引用文献数
3

コモドオオトカゲの保全の問題点をコモド村で検討した。観光業は1990年代以降,村の経済構造を変化させているが,新たな施策は村民の豊かさには結びついていない。コモドオオトカゲと住民の関係は,人間と家畜に一定の被害を出しながらも,伝統的に良好に築かれてきた。危険なコモドオオトカゲはこれまでも人々の安全な日常を阻害し,いまも害しているが,高床式住居のような建築方式や漁撈のような伝統的生活様式によって,村民とオオトカゲの調和した関係が維持されている。新しい保全理念や観光化の推進は,部分的に住民を漁撈から土産物販売へと移行させが,村民と地域社会は経済的に豊かになったわけではない。コモドオオトカゲにまつわる過度の観光化を注視する必要がある。
著者
広井 忠男
出版者
新潟県民俗学会
雑誌
高志路 (ISSN:0912067X)
巻号頁・発行日
no.402, pp.1-15, 2016-11
出版者
[岩波書店]
巻号頁・発行日
0000
著者
井村 健一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.94, no.6, pp.677-713, 2010-09-05

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
辰己 丈夫 村上 祐子 大谷 卓史
雑誌
情報教育シンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.45-52, 2015-08-10

コンピュータが登場してから約 70 年、その間、コンピュータは様々な場面で用いられてきた。用途 の適切性に関しては、情報倫理学の観点での研究が進んでいる。一方で、2045 年には、強い人工知能が広 く普及し、人間の知能を越える「技術的特異点(シンギュラリティ)」を迎えるという予想がされている。 その時代に通用する情報倫理とは何か、私達はそれをどう学ぶことができるのかについて、議論を行う。