著者
岡本 隆明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.181-188, 2016

京都府立総合資料館では,所蔵している東寺百合文書の全点をデジタル化し,Webで公開している。利用を促進するため,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに依拠し,適切なクレジットを表示すれば自由に複製や再配布ができるという利用条件にしたことで,これまで東寺百合文書とはあまりかかわりのなかった分野からも関心を集めた。「『東寺百合文書』や古文書とはどういったもので,これまではどのように利用されていたのか」から始め,それをデジタル化してWebで公開し現在に至るまでの概要を紹介する。
著者
出口 弘 西村 仁志 吉村 浩 河田 亨 白川 功 大村皓一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.944-952, 1984-11-15

コンピュータグラフィックスで動画制作を行うには 画像生成速度の飛躍的向上と画像の生成・合成・編集が効率的に行えるトータルシステムが必要である.そこでわれわれは物体の三次元形状や材質感をリアルに表現できる陰影表示による動画制作システムLINKS-1を開発した.そのサブシステムである高速画像生成システムは マルチマイクロコンピュータによる分散型並列処理システムである.高品質な三次元画像を生成するためには 影・反射・透過・屈折の処理が必要不可欠であり これらを一貫して処理できるアルゴリズムとしては視線探索法があり 並列処理に適しているのでこれを生成アルゴリズムとした.視線探索法を実現するうえで問題となる交差判定の高速化のために マルチコンピュータシステムによる並列処理・パイプライン処理のほか 物体データの階屈化 各種コヒーレンスの応用 非屈折透過処理などを行った.本論文では システムの概要と これらの高速化手法とその評価を報告する.
著者
潮谷 恵美
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.59-70, 2008-03

本論では,4年制大学の社会福祉実習教育における学内指導場面を研究の対象としている.そのなかでも,学生の実習体験をそれ以降の学生の学習過程につなげるものとして位置づけられる「事後学習」に着目する.そこで見られた教員や学生同士の相互作用過程に焦点をあて,実習体験を個々の学生が振り返る過程を分析することを目的とした.本研究では関東圏内にあるA大学とB大学において1999年4月〜2000年1月まで開講された社会福祉実習(社会福祉士受験資格指定科目)の通年授業へ参与観察することによって得たデータから分析を行った.分析方法は,研究テーマに従い,グラウンデット・セオリー・アプローチを用いた.分析の結果から,事後学習のグループディスカッションにおいて個々の学生にとってのグループの活用状況,学生同士の発言,実習体験に対する個々の内面の動きなどが相互に作用しあっていたプロセスが明らかになった.本論では実習事後学習グループディスカッションにおいて学生の実習振り返りが進むプロセスを学生の「課題アイディンティファイ」プロセスとしてとらえ,グループ内の相互作用過程について,(1)グループディスカッションプロセスにおいては「実習体験への接近」,「まな板にのる」,「たぐりよせ」,(2)グループに対する認識プロセスにおいては「前提獲得」,「わかる仲間」,「支える仲間」とそれぞれ三つのカテゴリーが生成できた結果を提示した.
著者
中野 潔
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.1252-1258, 2000-09-15
被引用文献数
1

ディジタル化, ネットワーク化の進展に伴い, 知的財産権法政も変化しつつある.コピープテクト破りの違法性を明記した著作権法の改正および不正競争防止法の改正が1999年夏に成立した.中古ソフト販売の違法性問題, ビジネス方法の特許問題, ドメイン名と商標の問題などでも, 議論が進展した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1733, pp.34-37, 2014-03-17

従業員は誰が上司になるかで自分の稼ぎが左右されるだけに、投票に対する姿勢は真剣そのもの。汲氏は見事、部門長に当選。その後、基本給はそれまでと比べて4割ほど上がった。 ただ、喜びの一方で危機意識も強まった。
著者
深澤 清治 前田 啓朗 鬼田 崇作 山内 優佳 辰己 明子
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.125-140, 2015-03-31

The purpose of the present research is to examine how quickly and accurately Japanese English as a foreign language (EFL) learners can make appropriateness judgments for second language (L2) requests. Previous studies in interlanguage pragmatics are limited in that they did not distinguish between types of pragmatic inappropriateness and also in that they used only offline measurement through questionnaires. The present study therefore distinguishes two types of pragmatic inappropriateness in L2 utterances (under-polite and over-polite) and measures the reaction time of learners' appropriateness judgments. The participants were 45 Japanese university students; they were asked to judge whether the presented L2 requests were appropriate or not in the situation, as quickly and accurately as possible. Six appropriate requests, five under-polite requests, and five over-polite requests were judged. Further, the degree of inappropriateness in under- and over-polite requests was manipulated from slightly inappropriate to very inappropriate. As a result, it was found that speed and accuracy of appropriateness judgments depend on the degree of (in)appropriateness of requests. In particular, extremely over-polite utterances were difficult for L2 learners to process.

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著者
平藤 雅之
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.340-340, 1998-05-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
6
著者
黒田 長久 柿澤 亮三 堀 浩 大阪 豊 臼田 奈々子 内田 清一郎
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-15, 1982-03-31 (Released:2008-11-10)
参考文献数
26
被引用文献数
3 6

22目57科185種の鳥類の血球(一部胸筋)を試料として,澱粉ゲル竜気泳動法(pH7)により,ミトコンドリア内リンゴ酸脱水素酵素(M-MDH)の陰極側への移動度を測定した。移動度の表現は,マガモ血球のM-MDH移動度を100と定めたときのこれに対する相対値である。鳥類M-MDHの移動度は各種組織間に差がなく,またこれまで種内,属内での変異は見られなかった。さらに科内,目内での変異も比較的少なく,他の酵素(アイソザイム)にくらべて極めて均一性の高い酵素である。ダチョウ目,ミズナギドリ目,ペンギン目,カイツブリ目,ペリカン目(ウ科),コウノトリ目(トキ科),フラミンゴ目,ガンカモ目,キジ日(ツカツクリ科•キジ科),ツル目,チドリ目(チドリ科•カモメ科)に属する鳥類は何れも移動度100を示した。これらの目は比較的に原始的とされる地上•水生鳥類の大部分を含んでいる。しかし,ペリカン目のペリカン科(130),コウノトリ目のコウノトリ科(130)•サギ科(150),キジ目のホウカンチョウ科(140),チドリ目のシギ科(250)•ウミスズメ科(190)では100以上の移動度が見られた。また,地上性のシギダチョウ目は例外的に160の,コウノトリ目に比較的近いとされるワシタカ目(ワシタカ科)は140の値を示した。一方,いわゆる樹上性の鳥類では140から360までの移動値が得られ,ハト目からスズメ目へと次第に高い値を示す傾向が見られた。すなわちハト目(140,190),ホトトギス目(200),フクロウ目(200),ヨタカ目(200),アマツバメ目(220),ブッポウソウ目(220,250),キツツキ目(230,300),スズメ目(360)である。ハト目に近いとされるオウム目では,300から360のスズメ目に近い値が得られた。以上の結果から,電気泳動法によるM-MDHの移動度は,科•目を含む高いレベルでの進化を反映しているように思われる。
著者
韓 露 中楯 浩康 青村 茂 張 月琳 松田 雅弘 小山 貴之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp."C-11-1"-"C-11-6", 2015-10-30

In this study, Judo and American Football (AF) are spotlighted as typical physical contact sports that concussion or subdural hematoma could happen during a play. In Judo, "waza" to cause a risk to hit a head on a tatami were performed by Judo players and recorded by VICON system and the motions were reconstructed by MADYMO by using VICON data and kinetic data and hit part were generated. In Americal football, the moment of concussion was reconstructed by MADYMO by observing the accident data in real play recorded on a video and kinetic data and hit pat were generated. In both cases the strain and stress of the brain tissue were calculated in detail by the FE human head model and injury risk was predicted, respectively.
著者
鈴木 綾子 野井 真吾
出版者
日本発育発達学会
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.36, pp.21-26, 2007-10-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
20

The purpose of this study was to make clear the relationship between sleeping habits and sleeping problems and/or physical discomforts among junior high school students. The subjects were comprised of 146 boys and 170 girls in three public junior high schools. The investigation was carried out by a questionnaire in September 2003. The questionnaire contained questions about the time subjects go to bed, time subjects wake up, sleeping problems and physical discomfort. The main findings were as follows: 1) The time subjects go to bed becomes later with increasing age among both boys and girls (p<0.05). Meanwhile, the fluctuations in time to bed showed no significant differences according to sex or grade. 2) The group who went to bed late had significantly higher values for sleeping problem scores and physical discomfort scores (p<0.05). 3) The sleeping problem scores according to fluctuations in time to bed were: for the low fluctuations group, 12.5±13.7 points, 18.7±17.2 points for the middle fluctuations group, and 24.3±20.5 points for the high fluctuations group. The sleeping problem scores for the high fluctuations group were significantly higher than it was for the low fluctuations group (p<0.05). 4) The physical discomfort scores were 20.1±29.8 points for the low fluctuations group, 29.5±30.3 points for the middle fluctuations group and 41.3±30.2 points for the high fluctuations group. The physical discomfort scores for the high fluctuations group were significantly higher than those for the low and middle groups (p<0.05).From the above, it was shown that there is a need for the regulation of time to bed to be added to traditional health education.
著者
阪野 祐介
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.10-10, 2006

_I_ はじめに 第二次世界大戦敗戦から約4年後の1949年6月,日本において,キリスト教の聖人の一人であり,日本にキリスト教を伝来させた人物として知られる聖フランシスコ・ザビエルの渡来400年を記念する行事が行なわれた。<BR> 1949年当時の日本は,言うまでもなくGHQによる占領期であった。カトリックはGHQ統治という社会的状況のもと,宗教界のおいて非常に優位な立場にあったことが推測される。そして,1949年にザビエル渡来400年祭が全国的規模で催行され,世界各国からの巡礼団の来日や,皇室関係者の参列などもみられ,当時の日本の宗教的・社会的背景の一端を垣間見ることができる。<BR> こうした文脈において,本発表では,戦後日本という時間・空間の中で,カトリックの社会的位置づけの変容や,この宗教的行事が持つ意味を検討することが目的となる。また,このザビエル渡来400年祭を通して,非継続的・一時的な宗教行事と場所の関係に注目し,宗教儀礼の場という非日常的空間が,日常の空間において現れたことが当時の社会の中にあっていかなる意味を持ち,人々の間で捉えられたかを明らかにしたい。特に,この一連の行事のなかでも,西宮で行なわれた荘厳ミサを中心として考察を進める。<BR><BR>_II_ ザビエル渡来400年祭の概要 ザビエル渡来400年祭は, 1949年5月29日~6月12日までの二週間にわたり、日本各地で公式式典が執り行われた。この式典に際し,世界各国のカトリック教会から司教レベルの聖職者等からなる巡礼団が来日した。巡礼団の内訳は,オーストラリア・シドニー大司教ノーマン・ギルローイ枢機卿をローマ教皇特使として任命し,巡礼団の団長とした。スペインからは,33名の使節団が,聖フランシスコ・ザビエルの聖腕とともに来日したほか,米国やフィリピン,インドからも使節団が日本に集結した。<BR> 公式式典にともなう巡礼団の行程は,長崎浦上天主堂廃墟前での荘厳ミサを皮切りに,鹿児島,大分,山口,広島,西宮(荘厳ミサ),高槻,名古屋,横浜,東京・麹町イグナチオ教会とめぐり,6月12日の明治神宮外苑での荘厳ミサで日程を終えた。ただし,公式式典終了後も,聖フランシスコ・ザビエルの聖腕は,「六月二四日…札幌で崇敬され、函館、青森、盛岡、仙台、福島、山形、秋田、鶴岡、新潟、金沢の各市を三週間にわたって歴訪」し,「訪問することのできなかった町においても信者は駅へ来て列車の中の聖腕を崇敬したこともあった。そして七月下旬に…静岡、岡山、松江、米子、高松、高知、姫路などで聖腕を数多くの信者に顕示し、各地で熱心な祈りの集まりが行なわれた」ことが記されている。<BR><BR>_III_ 西宮球場とメディア・イベント ザビエル渡来400年祭は,以上のように日本各地をめぐり,なかでも,長崎,西宮,東京においては荘厳ミサが行なわれた。そのなかで,西宮で行われた荘厳ミサに注目すると,会場となった西宮球場では,1937年に球場が完成して以来,様々なイベントが開催されていた。<BR> ザビエル渡来400年祭が行なわれた翌年の1950年には,アメリカ博覧会が大々的に開かれた。この博覧会は,朝日新聞社主催,外務省,通産省,建設省,文部省,日本国有鉄道,西宮後援となっているが,事実上は,GHQの全面的なバックアップによって開催された。そして,200万人という大衆動員を成功させたとされている。そこで,重要な役割を果たしたのが,朝日新聞社の積極的宣伝であったことも見逃せない。その前年に催されたザビエル渡来400年祭も同様に,メディア・イベントとして捉えることができる。ザビエル渡来400年祭は,カトリックの聖人を記念する宗教的行事であるが,先述のとおり,GHQが深く関わっており,まさに,「国家や国際機関が主催の場合にも,それが受容されていく過程では,メディアが決定的な役割を果たしていくイベント」として捉えることができよう。<BR><BR>_IV_ おわりに 以上のように,日本の社会状況が敗戦後の連合軍統治下,日本各地を尋ねた巡礼団の足跡をも含めると、当時の統治者であるGHQの政治的思惑としてのキリスト教化とカトリックの宣教・布教の欲求の合致がみられる。それは,この宗教的行事が,聖フランシスコ・ザビエルの功績を讃える意味とは別に,「平和・復興の祈り」という意味がこめられている点にも読み取ることができよう。
著者
柏木 裕之
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2006-02

制度:新 ; 文部省報告番号:乙2014号 ; 学位の種類:博士(建築学) ; 授与年月日:2006/2/24 ; 早大学位記番号:新4183