著者
坂本 久子
出版者
近畿大学九州短期大学
雑誌
近畿大学九州短期大学研究紀要 = Research bulletin of Kyushu Junior College of Kinki University (ISSN:09164383)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-15, 2006-12-01

The Walters Art Museum in Baltimore in U.S.A. possesses a significant number of objects from the Japanese exhibits at the Centennial Exhibition. These objects were almost brought by William Walters ( 1819 - 1894 ) and Henry Walters ( 1845 - 1931 ). It is said that they purchased nearly 400 objects from the Centennial Exhibition. In this report the 204 objects are introduced. Of the 204 objects, 139 have been evaluated as definitely coming from the Centennial Exhibition and the 65 of them have yet to be definitely classed as exhibits from the Exhibition. They are mainly lacquer ware, ceramics, bronzes ware, and silver ware.
著者
三堂 徳孝
雑誌
中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要 = Proceedings of PAMD Institute of Nakamura Gakuen University (ISSN:18829384)
巻号頁・発行日
no.6, pp.49-52, 2013-09-17

(はじめに)海苔は日本人の庶民の味を代表する海産物であるが、1食当たりの摂取量は少量で、更に食習慣の変化により食べる頻度も少なく、近年消費が低迷している。海苔の消費形態は殆んど板状の乾燥海苔であり、海苔製品は、焼き海苔や調味料で加工した味付け海苔、佃煮などで種類に乏しい。食育基本法が平成17年に制定され、地産地消が叫ばれている中、生産地においても新たな海苔製品の開発が求められている。収穫した生の海苔は、乾燥した海苔にはない風味を持ち、調理性も多様で活用範囲が広い。収穫期が12月から3月と短期間であるが、冷凍保存することによって通年利用できる。この新しい食材は海苔の消費拡大と消費者の健康増進に貢献できるものと考えられる。そこで生海苔の嗜好性と調理性について検討したので報告する。
著者
宇都 雅輝 植野 真臣 Masaki UTO Maomi UENO
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18810225)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.5, pp.459-470, 2020-05-01

近年,学習者の実践的かつ高次な能力を測定する手法の一つとしてルーブリック評価が注目されている.ルーブリックは評価者の主観による評価基準をより客観的にするためのツールであるが,それでも評価がパフォーマンス課題や評価者,ルーブリックの評価観点の特性に依存してしまうことが指摘されてきた.この問題を解決する手法の一つとして,これらの特性を考慮して学習者の能力を測定できる項目反応モデルが近年多数提案されている.しかし,既存モデルは学習者・課題・評価者・評価観点で構成される4相の評価データに直接には適用できず,課題・評価者・評価観点の特性を同時に考慮した能力測定は実現できない.また,ルーブリック評価の評点は一般に段階カテゴリーとして与えられ,各カテゴリーに対する評価基準は評価者と評価観点の特性に依存する.しかし,既存モデルでは評価基準は評価者と評価観点のいずれか一方にのみ依存すると仮定している.以上の問題を解決するために,本論文では,評価観点と評価者の評価基準を考慮して,ルーブリック評価の4相データから学習者の能力を測定できる新たな項目反応モデルを提案する.また,シミュレーション実験と実データ実験を通して提案モデルの有効性を示す.
雑誌
C.0.E.オーラル・政策研究プロジェクト
巻号頁・発行日
2004-01

インタビュー対象者 : 澁澤 雅英 (シブサワ マサヒデ)
著者
春成 秀爾
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.135-156, 2007-03-30

炭素14年代を測定し,暦年較正した結果によると,北部九州の弥生前期の板付Ⅰ式は前780年頃に始まる。南四国も前8世紀のうち,板付Ⅱa式併行期に始まる中部瀬戸内の前期は前7世紀,近畿の前期は前7~6世紀に始まる。すなわち,弥生前期は西周末頃に併行する時期に始まり,前380~350年の間,戦国中期に終わる。弥生前・中期の展開を考古学的に追究するうえで,青銅器の年代は重要な意味をもっている。日本出土の青銅器のうち年代がはっきりしている最古例は,福岡県今川遺跡出土の遼寧式銅剣の鋒と茎を銅鏃と銅鑿に再加工した例であって,板付Ⅰ式に属する。同様の例は朝鮮半島では忠清南道松菊里遺跡などから出土しているので,ほぼ同時期と考えてよいだろう。松菊里式の較正年代は前8世紀であるので,板付Ⅰ式の炭素年代とも整合する。青銅器鋳造の開始を証明する根拠は鋳型の出土である。現在知られている資料では,近畿では和歌山県堅田遺跡から銅鉇の鋳型が前期末の土器とともに見つかっている。北部九州では,福岡県庄原遺跡の銅鉇の鋳型が中期初めないし前半の土器と出土している。また,中期初めの甕棺墓に副葬してあった銅戈に朝鮮半島の銅戈と区別できる北部九州独特の型式が知られているので,中期初めには青銅器の鋳造が始まっていたとみられる。弥生前期の存続期間が著しく延びたので,北部九州の中期初めと近畿の前期末とが実年代では一部重なっていないかどうかの検討が必要である。銅鐸は愛知県朝日遺跡から最古型式の銅鐸の鋳型が中期初めの土器とともに見つかっている。同時期の石川県八日市地方遺跡出土の木製竪杵のみに知られている独特の羽状文を身に施しているので,北陸の集団も関与して銅鐸が創出されたことは確かである。朝日遺跡から出土した銅鐸鋳型だけでは,最古の銅鐸の鋳造が中期初めに濃尾平野で始まったとまでは断定できないとしても,きわめて重要な手がかりが得られたことはまちがいない。
著者
岩根 浩
出版者
西九州大学子ども学部
雑誌
西九州大学子ども学部紀要 = Journal of Children's Studies of Nishikyushu University (ISSN:24348791)
巻号頁・発行日
no.11, pp.8-19, 2020-03-01

Cultural assets for children, such as picture books and kamishibai (story-telling with picture cards) not only play an important role in childcare and education but also are deeply involved in the de- velopment of the expertise and practical skills of nursery teachers and school teachers. Above all, they have a strong connection to areas such as language that are covered by the Education Guidelines for Kindergartens and the Childcare Guidelines for Nursery Schools. This paper will examine the signifi- cance of the role that cultural assets for children play in linguistic development in early childhood and discuss how they should be used in practice while taking into account the issue of continuity from nursery to elementary school education.
著者
何 婉瑩 藤田 和成 浅沼 爽汰 王 美琦 郭 秀景 中島 浩平 町田 翔 延澤 志保
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.323-324, 2018-03-13

近年,日本と中国の国際文化交流はインターネットの発展により,スマートフォンなどのSNSアップリを使って簡単に交流ができるようになった.そのため,日中翻訳機の必要が高まっている.しかしながら,SNSを最もよく使う若者たちが使っている若者言葉は翻訳不能な状態とも言える.よって,本稿では若者言葉を含む句を対象とした日中翻訳の対訳分析をした.本稿では若者言葉を含む文を若者言葉の部分を相当する標準語に変換し,変換した文を3つの翻訳機で翻訳させ,翻訳評価を行う.その結果,翻訳評価が上がった場合もあれば,逆に落ちた場合もある.失敗の原因について,切り替え語が中国語でのニュアンスの違い,日本語多義語の判別間違え,文の成分の省略と句の区切りの判定が間違えの4原因にまとめた.
著者
内田 亨
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.118-127, 2021-04-01

本稿では、まず経営学における水産養殖研究の現状を述べる。その上で水産養殖の経営学的研究が従来の経営学におけるパラダイムシフトにつがなることを提起する。つまり、従来の利益増大から限りある資源を持続的に効率よく活用していく利益継続へのパラダイムシフトである。次に水産養殖における飼料の重要性と困難性を抽出する。その結果、次のことが明らかになった。 世界的な魚食需要拡大により養殖企業からの飼料需要も拡大している。このため、飼料の原料となる小魚の漁獲も増加していたが、過剰漁獲や気候変動のため小魚の供給不足となり価格上昇を招いている。そのため、飼料会社は低魚粉の開発をするため植物原料に着手している。しかし、この植物原料である大豆は、森林伐採により作付面積増大による弊害を招く。こうした環境破壊がさらなる気候変動を引き起こすのである。また、低魚粉や植物原料の飼料は、従来の魚粉と比べ、いかに増肉係数を維持できるかまた改善できるかも問われている。一方、残さ原料を使用した飼料製造も認証機関によりトレーサビリティを求められている。飼料会社は以上のような重要で困難な状況に直面しているのである。
著者
齋藤 真木 合津 千香 丸山 順子
出版者
松本短期大学
雑誌
松本短期大学研究紀要 (ISSN:09107746)
巻号頁・発行日
no.31, pp.49-61, 2021-03

令和2 年度の介護福祉実習は、コロナ禍により学内実習とせざるを得なくなった。本学では、介護福祉学科2 年生の最後の実習である「介護総合実習」を学内実施し、多くの学びを得た。本稿では、その実習内容を整理し、授業終了時の学生と教員へのアンケート結果に基づき、学内実習の評価と課題について考察した。その結果として(1)実習目標の達成のためには、①外部講師などの効果的な人材の活用 ②系統的な実習プログラムを組み立てて実施すること ③教員の連携が非常に有効である。(2)系統的な実習プログラムに対して課題を短期間で完結し、評価が見え、学び合いや主体的にとりくめるしくみを工夫することで学生の達成感や満足感が高められる。教員は、このような学生の力を引き出す工夫を今後の実習指導や授業に活用していく必要がある。(3)学内実習においてロールプレイングやシミュレーション等模擬的な体験をとおして知識として学ぶことにとどまるのはやむを得ない。しかし、学内実習により単位取得した卒業生が、コロナ禍の介護現場で働くためには、丁寧な現場での新人教育が配慮されるべきである。(4)新カリキュラム導入に際して、実習施設でも学内の実習前指導の中でも「多職種協働」と「地域」について全員が学べる配慮が必要である。という4点が示唆された。
著者
齋藤 真木 丸山 順子 垣内 いづみ 清沢 京子 五十嵐 佳寿美 牛山 陽介
出版者
松本短期大学
雑誌
松本短期大学研究紀要 (ISSN:09107746)
巻号頁・発行日
no.31, pp.39-47, 2021-03

本調査の目的は、A 短期大学生269 名に対し、身体測定・血液検査・体力測定・生活習慣調査を実施することにより、多角的に生活習慣の実際を明らかにすることと課題を抽出することである。その結果、①個人差はあるものの、BMI値は全国平均内であった。しかし、1 年間で3kg 以上体重の増減があった学生は、26.7%あった。②食生活習慣の乱れとして、朝食の欠食・一人暮らし・遠方からの通学・夕食の夜食化等があげられた。また、健康的な食習慣への意識も薄かった。③体力においては、握力・上体起こし・長座体前屈の測定の中で、上体起こし・長座体前屈が全国平均を下回った。④運動習慣において、「日常生活において歩行又は同等の身体運動を1 日1 時間以上実施しているもの」は、全体の36.8%であり、日常生活で動悸・息切れがする学生は、全体の16.7%であり、日常生活において運動不足であった。⑤睡眠時間は、全国平均ではあるが、日常的に睡眠が十分とれていない(44.8%)・疲れがとれない(61.6%)と感じている学生が多い。十分に休養がとれていないうえに、精神的・心理的ストレスを抱え疲労感が抜けない状態であった。以上の結果より課題として、生活習慣について学生全体に入学初期から関わり、健康教育をする必要がある。身体測定・血液検査等により、少数ではあるが、要注意な状態の学生がいる。個別相談や指導の体制作りも課題である。
著者
近藤 正幸
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-15, 2021-04

2004年の国立大学法人化は国立大学のマネジメントを劇的に変化させている。本稿では、国立大学の産学連携と知的財産マネジメントがどのように変化したかを、文部科学省のデータを用いて、私立大学や公立大学と比較しながら分析した。その結果、国立大学は法人化後に企業との共同研究、企業からの受託研究が増加した。企業との共同研究の件数については私立大学の方が伸びが大きかったが、他では国立大学の伸びが大きかった。知的財産マネジメントの変化は、権利が大学帰属になったことにより、より顕著であった。特許出願件数やライセンス件数は大幅に増加した。