著者
Shinji Okayasu Kiyoyuki Kitaichi Akina Hori Tetsuya Suwa Yukio Horikawa Mayumi Yamamoto Jun Takeda Yoshinori Itoh
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.933-937, 2012-06-01 (Released:2012-06-01)
参考文献数
26
被引用文献数
6 35

Metformin is a drug to improve glycemic control by reducing insulin resistance and is currently considered to be one of the first-choice drugs for type 2 diabetes mellitus (T2DM). However, during metformin use, adverse drug reactions (ADRs) including gastrointestinal adverse events were frequently observed. Thus, in the present study, we investigated the incidence of ADRs induced by metformin and further analyzed risk factors for ADRs in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus who initially administered metformin (500–750 mg). One hundred and one hospitalized patients receiving metformin during September 1, 2009 and August 31, 2010 were studied. The incidence of ADRs and changes in laboratory data including hemoglobin A1c (HbA1c) were monitored retrospectively. The anti-glycemic effect of metformin was successfully observed as indicated by decreased HbA1c. Among ADRs, diarrhea was most frequently occurred during metformin use (26.7% of patients) although the symptom of diarrhea was mild in most cases and disappeared within 3 d after the initial use. A logistic regression analysis showed the existence of six risk factors, including initial dose (750 mg), female, age (≦65), body mass index (≧25), aspartate aminotransferase (≧30 IU/L) and alkaline phosphatase (≧270 IU/L). The incidence of diarrhea increased linearly as the number of risk factors increased. In conclusion, in order to avoid ADRs, especially diarrhea, subsequently improving the quality of life during metformin use, the optimization of the dose of metformin by considering risk factors would be beneficial for patients with T2DM.
著者
升味 準之輔
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.403, pp.235-243, 1958-01
著者
村井 大介
出版者
全国社会科教育学会
雑誌
社会科研究 (ISSN:0289856X)
巻号頁・発行日
no.81, pp.27-38, 2014-11-30

本研究の目的は,ライフストーリーの聴き取りを通して,地理歴史科を担当する教師の歴史教育観(歴史を教える際の教育観)の特徴とその形成要因を明らかにすることである。本研究では,5名の教師のライフストーリーの事例を分析し,他の教師も参照し得る点として以下のことを明らかにした。第一に,各教師の歴史教育観の特徴をかたちづくる基盤には,(1)社会科教育としての一貫性を重視するか否か,(2)歴史教育観を授業に如何に反映させるか,(3)生徒や社会への働きかけをどこまで意識するか,という3つのことがあることを明らかにした。第二に,歴史教育観の形成要因となる重要な選択肢として,(1)出会った生徒たちの状況に応える歴史教育観を形成しようとするか否か,(2)現在の社会事象を意識した歴史教育観を形成しようとするか否か,(3)修得してきた学問の知見を活かした歴史教育観を形成しようとするか否か,(4)自発的に研究会に参加して知見を得るか,(5)学習指導要領の改訂をどのように捉えるか,という5つのことがあることを明らかにした。
著者
須藤 浩 内田 仙二 金田 清
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
no.41, pp.61-68, 1973-03

7月2日植えつけのサツマイモについて,飼料的利用の角度から,ツルとイモの収量を9月28日から11月25日の間6回収穫してその成分と収量を調査するとともに,ツルのサイレージをそれぞれの収穫の時期につくり,その品質ならびに飼料養分を調査した. 1)イモヅルによる養分の最大収穫期は,10月29日で,イモの最大収穫量の期日は11月10日であった. 飼料としてツルとイモの両者を利用する場合は,10月末~11月初旬に収穫するのがよいことになる. 2)収穫調査6期の材料で,イモヅルサイレージを調製したが,でき上がりサイレージの品質は,時期による差はほとんどなく,いずれも良質のものが得られた. 3)イモヅルサイレージのヤギによる消化率は,材料が10月中旬までのものが,下旬以降の材料からつくったサイレージに比較して少しく高かった. 10月19日以前の3期のサイレージの有機物の消化率は70%程度で,10月30日以降の3期のサイレージの有機物の消化率は65老程度であった. 4)ヤギとウサギによるサイレージの消化率は,本実験の前半のサイレージでは,ヤギがウサギにまさる消化率を示したが,後半では,余り差がなかった. 粗繊維の消化率は,いずれもウサギがヤギより低かった. 5)10アールあたりの圃場から生産されるイモヅルそサイレージを調製する場合TDNの収量からみて,10月下旬に収穫するのがよく,イモの収量もあわせて考える場合は10月末~11月初めに収穫するのが適当と推察された. 6)イモヅルのプロビタミンA含量は,生育が進むにつれて,その含量は低下する. 埋蔵中に失われるプロビタミンA盤は,極端に遅い期の材料のものを除いては,11~25%程度であった. 埋蔵期別による明確な差異は認められなかった。
著者
三浦 周行
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 = Agriculture and horticulture (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, 2015-08

精油目的のハーブなどの栽培では,得られる量が僅かであり,収穫の時期の他に,時刻が問題となる。Filhoら(2006)はブラジル北東部の温室で栽培したバジル'Fino Verde'の地上部を3月の満開日の異なる時刻に収穫し,そのままあるいは40~60℃で葉を乾燥後,精油を水蒸気蒸留した。8,12および16時区それぞれのha当たり平均精油収量は9.7,7.9および7.4L,GC/MS分析した主成分リナロール量の全成分量に占める割合は60.0,56.1および55.1%であった。4月に再生した地上部を8時に収穫後,40℃で0~16日間葉を乾燥した結果,リナロール割合は5日区で86.8%と最高であった。午前中に収穫し,5日間40℃乾燥後の抽出が良いとされた。Ramezaniら(2009)はリナロールを主成分とする精油を生成するコリアンダーを4月にイラン西南部の圃場に播種し,7月の果実が緑色となった日の4時刻に地上部を収穫後,乾燥した。乾物重100g当たりの精油収量は6,12,18および24時区それぞれ0.432,0.436,0.404および0.319mLであり,12時の収穫が勝った。
著者
杉山 有紀子
出版者
東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
雑誌
詩・言語 (ISSN:09120041)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.13-30, 2012-03

シュテファン・ツヴァイクの遺作となった回想録『昨日の世界』は1942年に出版された。ハンナ・アーレントは1943年に英語版に対する書評を発表し、後に『昨日の世界のユダヤ人』と題してエッセイ集『隠された伝統』(1976)に収録した。アーレントはユダヤ人としての「恥辱」の運命から個人的に逃れようとしたツヴァイクの生き方を強く批判しているが、本論では彼女の批判を通して『昨日の世界』に新たな光を当てることを試みる。「ユダヤ人」Judenの複数的運命を強調し、そこからの離脱を試みたツヴァイクを非難するアーレントに対し、ツヴァイクは「ヨーロッパ人」ein Europäerとしての単数性と、その政治的敗北の状態に彼の信念である「自由」の可能性を見出そうとしていたことが示される。
著者
斎藤 秀雄 田浦 健次朗 近山 隆
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.87(2006-HPC-107), pp.25-30, 2006-07-31

我々が開発している広域分散計算環境用のメッセージパッシングシステムMPI/GXPについて説明する.MPI/GXPは計算環境が実行毎に変化するということを意識して,実行時に測定した遅延や通信量を基に様々な性能最適化を行う.5クラスタ256プロセッサという環境では,遅延を考慮した接続確立を行うことによって,既存のグリッド用メッセージパッシングシステムのようにルータが維持できるセッション数に制限されることなく動作した.また 通信オーバヘッドを考慮したrank 割り当てを行うことによって ランダムなrank割り当てを行った場合と比べてNAS Parallel Benchmarks の性能が60%から100%向上した.
著者
Gallahue David L.
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
pp.15-16, 2004

今回の講演の焦点は, 記述的および解説的な運動発達の理論モデルを示すことである. 記述的モデルについては, 出生から老年に至る過程において普通に成長していく個人が通過する典型的な局面と段階を表現する砂時計モデルを中心に示す. 解説的モデルについては, 運動課題の必要条件, 個人の生物学的特徴および学習環境条件の中で生ずる一連の過程を表現する逆三角形モデルを利用する.<br>このような知識は, 同時に運動スキル習得の過程に関して我々が理解していることと結び付けられる. すなわち, 新しい運動スキルの習得は段階および水準ごとに生じ, 学習者の目標と同様に学習者の認識状況の両方から検証されうる.<br>最後に, 我々は運動発達と運動スキル習得について観察される水準を考慮に入れて, 学習者の役割に対する指導者の役割について検討する. この場合の論点は, 両者を考慮して, 運動スキルの教師としての我々は, 運動スキルの観察された水準において良い変化をもたらすように利用された教授法に関して, 我々の行動を適応させることができるということである.
著者
加藤 和暢
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.319-328, 1994-12-31

経済活動の「グローバル化」と「サービス化」を軸とした社会経済環境のドラスティックな変貌は, 地域構造論にも重大な反省をせまっている. その場合の論点として指摘すべきは以下の2点であろう. まず第1は「グローバル化」の進展にともなって, これまで地域構造論が自明の前提としてきた国民経済の「全体性」を再検討する必要がでてきたことである. つぎに第2として「サービス化」の進展により, 貯蔵も輸送も可能であった「モノ」づくりの特性を反映したこれまでの地域構造の編成論理が変化しつつある点があげられよう. これらの問題をかんがえるうえでの手がかりとなるのが, 地域構造論においても重視されている「経済循環の地域的完結性」という議論にほかならない. 経済循環の「完結性」を基準に地域(経済)を把握することにたいしては, かねてから批判があった. また, 地域構造論の全体的な論理構成とも, それは矛盾しているようにおもわれる. 小稿では, 経済地理学にたいする地域構造論の重要な貢献を「経済循環」という経済学の基本的な議論との接点を明確にした点にもとめ, それを発展させることで「グローバル化」や「サービス化」のながれに対応した枠組が構想可能な点をしめした. それが小稿にいう経済循環の「空間的分岐」として地域(経済)を把握する視点である.
著者
八木 徹 神部 順子 長嶋 雲兵 青山 智夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.227-228, 2017 (Released:2017-02-04)
参考文献数
6

A smartphone application for observating atmospheric state and visualizing suspended particle matter (SPM) was developed. By using the ratio of B/R, G/R and B/G, it was confirmed that the nonlinearity in the developed image can be canceled and the distribution of scattered light in the atmosphere can be observed.
著者
松原 仁 松原 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.685-691, 2010-06-15
参考文献数
5
著者
平原 裕行 川橋 正昭 荒舘 俊
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.68, no.667, pp.658-665, 2002-03-25
被引用文献数
2

A numerical simulation technique of creature's flow was proposed on the basis of molecular dynamics method. Creatures, such as humans, fishes, bird and so on, usually move in a cluster or crowd. Features of crowd's behavior were discussed from the point of fluid dynamical view. The motivation of its motion was classified into a several categories due to intelligent level. In the present report, three primitive categories were taken into the consideration. In order to express a suitable individual potential, directional and influence functions were introduced to with a dependency of creature's view angle. Macroscopic quantities of state such as temperature, density, and pressure of the crowd were defined for a local region in the creature flow. An interaction between two intellectual particles and crossing flows between two crowds were simulated and discussed in detail.
著者
岡部 篤行 佐藤 俊明 岡部 佳世 中川 貴之 今村 栄二 松下 和弘 長野 一博 石渡 祥嗣 飴本 幸司 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-39, 2006

当報告書は,無線LAN位置システム(以下システム)を放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用可能かどうかを調べた結果を報告するものである。システムは,連続的な地面上にいるニワトリの位置を1 mのグリッド交差点上の点として表し,ニワトリの軌跡はその点列として表す。システムは,ニワトリの位置を1秒ごとに記録することができる。実験は8羽のニワトリと2羽のホロホロチョウを170 m×90 mの広さの公園に放って5日間にわたりその軌跡を観察した。分析に利用可能なデータは3日間得られた。システムによって得られる位置のデータは雑音を含むため,位置データは確率変数として扱った。データ分析により,位置の精度は,確率0.95で2.6 m,すなわち,真の位置が,観察された位置を中心に半径2.6 mの円の中にある確率が95%であると判明した。ニワトリの生活圏は,その場所にニワトリがいた確率密度関数として表現した。その関数はバンド幅が2.6 mのカーネル法で推定をした。軌跡は移動平均で推定した。実験の結果,システムは放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用できることが判明した。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1947年11月22日, 1947-11-22