著者
山本 耕三
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:04546148)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.91-98, 2011-12-12

Rikubetsu Town is the periphery of the two center: Obihiro City and Kitami City. We measured that how thetown depend on the two center. The results are as follows: Rikubetsu belongs to the Ashoro Town commuter area. Thus, in the commuter, Rikubetsu has links with the Tokachi region. Similarly, in visiting relatives and friends, Rikubetsu has strong links with the Tokachi region. On the other hand, Rikubetsu belongs to the Kitami trading area and medical care zone. Rikubetsu residents, as well as shopping goods, which depend on grocery shopping in Kitami. In conclusion, Rikubetsu has traditionally stronger ties between Tokachi region. However, because of motorization and changes in retailers, in some aspects, Rikubetsu became positioned on the periphery of Kitami.
著者
魚住 孝至
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.29-42, 2016

<p>In „Zen in der Kunst des Bogenschießens" schildert Eugen Herrigel den von ihm durchlaufenen Lern- und Übungsprozess unter Anleitung eines Meisters, für den die Essenz des Bogenschießens im Zen liegt. Herrigel führt aus, wie er durch die Übung des Bogenschießens zur Erfahrung der „absichtslosen Ichlosigkeit" gelangt.</p><br><p>In dieser Arbeit wird auf der Grundlage von Herrigels Werk analysiert, wie die Transformation von Körper und Geist mittels des Übungsprozesses erfolgt. Hierzu wird auch der schriftliche Nachlass von Herrigels Meister Awa Kenzo in die Deutung einbezogen. Außerdem wird untersucht, wie Herrigel die Erfahrungswelt des Zen-Buddhismus in seinem Nachlass „Der Zen Weg" interpretiert.</p>
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40065, (Released:2017-01-31)
参考文献数
31

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCATを用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
山口 弘江
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.703-706, 2008-03-20

天台智〓は当時の仏教界の中心的存在であった地論師の説に批判を加え独自の教学を形成した。一方、その教学形成において地論師の思想が影響していることも諸先学の研究に指摘されるところのものである。本稿ではその一つである四宗義批判について取り上げる。特に智〓の最晩年に成立した文献である『維摩経玄疏』の記述に着目し、智〓が強調する地論師四宗の問題点が奈辺にあるかを考察する。その上で智〓がこのような批判を展開する背景についても検討を加えたい。
著者
泊 敏男
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.19-30, 1992

通産省の日欧国際I-O表シリーズの連載として,今回は日英I-O表をとりあげる。この日英表を通じて1985年の両国経済構造の相互比較と両国経済の相互依存性が今回初めて解明されいくつかのユニークな事実が以下に指摘される。例えばドル表示では日本の生産額は英国の3.3倍,付加価値では英国の3.1倍,生産のシェアーでみると,日本は建設,機械,鉄鋼が高く,英国は鉱業,石油,食料品が高い等々。また日本は輸出依存度で英国の約2倍,逆に輸入依存度では英国の2分の1以下である。このほか英国の鏡に映った日本の顔はどのような特徴があるのか,以下詳細な部門別分析を通じて,この興味ある2国経済の比較を行ってみよう。
著者
清貞 智会
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.213-217, 2003
被引用文献数
1

日本のR&D投資は世界第二位である。また,日本のR&Dポテンシャルは非常に高いが世界から見るとその日本の顔がよく見えない。一方,日本の学会をみると医療系やバイオ系でその会員数が伸び活力があるが,伝統的な学会,例えば応用物理学会や機械学会は最近その会員数が減少し続ける。こういった状況下での日本の科学技術コミュニティの現状を次の観点から論じた。1) 日本の研究インフラの不整備 2) 日本の国際競争力の評価が低い 3) 国際的に評価の高い,例えばノーベル賞,ラスカー賞などからみた,および,世界的に定評のあるアカデミーの日本人の会員数から見た日本の国際的な存在感 4) 日本の論文の被引用度と主要国の論文のシェア。日本の顔を世界に見せるには,研究成果を流通させることが必要である。そのためには,サイエンス・コミュニケーションを活性化すること,具体的にはジャーナルの国際化を図ること,学会の活性化が必須であると述べる。
著者
土肥 宏志 山田 明央 圓通 茂喜 福川 胎一郎
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.474-480, 1997-05-25
被引用文献数
3

オーチャードグラス(Dactylis glomerata L. cv. Akimidori),ペレニアルグラス(Lolium perenne L., CV. Friend),トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb. cv. Lubrette)トメドーフェスク(Festuca pratensis L. cv. Tolnosakae)のエーテル抽出物から,コールドとラップ法を用い揮発性の化学物質を捕集した.その揮発性物質について,ガスクロマトグラフとガスクロマトグラフー質量分析計を用い分析を行った.その結果,緑の葉の特有なにおいを示し,また,広く植物界に存在することが知られている,シス-3-ヘキセノール(青葉アルコール)とトランス-2-ヘキセナール(青葉アルデヒド)が調べたどの牧草においても多量に検出された.そこで,この青葉を示すにおい物質を乾草に3段階の異なる濃度(50μg,5mgと100mg)で添加し,ヤギの採食に及ぼす影響を調べた.シス-3-ヘキセノールを100mgと5mgを添加した乾草に対するヤギの採食は,無添加の乾草に対する採食に比べ有意に抑制され,50μgの添加では有意でにはないが採食が抑制された.しかし,トランス-2-ヘキセナールは,どの濃度においても採食に影響を示さなかった.これらの結果により,草食家畜の採食する牧草に念まれている,青葉特有のにおいを示すシス-3-ヘキセノールが,ヤギの採食行動を抑制する作用のあることが示唆された.
著者
北村 佳久 四宮 一昭 五味田 裕
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.329-333, 2008 (Released:2008-12-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

うつ病の治療は抗うつ薬を中心とした薬物療法が中心である.多くの患者は抗うつ薬の服用により自覚症状が改善し社会生活への復帰が可能となっている.しかしながら,十分な治療を行っても,うつ症状の改善を見ない治療抵抗性うつ病の存在が問題とされている.これまで,うつ病の動物モデルおよび抗うつ薬のスクリーニングモデルが報告され,新規抗うつ薬の開発に寄与している.その一方,治療抵抗性うつ病を反映した動物モデルはその病態像が明確でないこともあわせて報告がなかった.そこで,我々は治療抵抗性うつ病の病態像の解明および次世代の抗うつ薬の創薬研究に応用させるため,治療抵抗性うつ病の動物モデルの作製を行った.これまで,うつ病は中枢神経系の機能異常のみならず,視床下部-下垂体-副腎皮質(hypothalamic-pituitary-adrenal axis:HPA)系の機能異常を含む中枢神経系-内分泌系の機能異常が関与していることが知られていた.特に,既存の抗うつ薬に反応しない患者に対してグルココルチコイド受容体拮抗薬の有効性も明らかにされている.そこで,我々はHPA系の過活動モデルが治療抵抗性うつ病の病態像の一部を反映していると仮定し,adrenocorticotropic hormone(ACTH)反復投与によるHPA系過活動モデルの作製を試みた.治療抵抗性うつ病の動物モデルとしての有用性については抗うつ薬のスクリーニング系であるラット強制水泳法の不動時間を指標として検討を行った.その結果,ACTH反復投与ラットではいくつかの既存の抗うつ薬の抗うつ効果が消失し,薬物反応性の側面より治療抵抗性うつ病を反映していると考えられた.この抵抗性には自殺者の死後脳で増加が報告されている5-HT2A受容体の過活動の関与を認めている.さらに,ACTH反復投与ラットでは海馬歯状回における神経細胞の新生作用が抑制されていることより,この抑制作用が治療抵抗性の病態の一部とも考えられる.本稿ではこれらACTH反復投与によるHPA系過活動モデルの治療抵抗性うつ病の動物モデルとしての有効性を紹介する.
著者
高光 佳絵
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-13, 2014-09

本稿は、1934(昭和9 )年の近衛文麿貴族院議長の訪米を、官民一体の対英米関係改善の試みと位置づけ、その民間主導性と日本政府との役割分担を明らかにするものである。近衛が訪米中に接触した相手は、大きく分けて、アメリカ政府関係者、メディア関係者、メディア以外の民間団体関係者の3 つであったが、このうちメディア以外の民間団体関係者との接触には日米のIPR人脈が大きな役割を果たしていた。近衛訪米に対する日米IPRの協力における中心人物は岩永裕吉と高木八尺であった。彼らは、民間レベルの満洲国「承認」模索の延長線上で近衛訪米を支援した。すなわち、彼らの目的は、政府レベルにおいては踏み込むことができないが、長期的な目標としてはアジア・太平洋情勢安定のために不可欠であると日本側が考えていた満洲国承認問題にその「非政府性」を盾にとって接近することであった。
著者
華園 聰麿
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.915-946, ii, 2005-03-30

日本における宗教研究の百年の歩みを、比較宗教学および宗教現象学の分野に限って見る場合、欧米の研究に触発されて、その基本的な概念や方法を吸収し、応用してきたというのが、大筋の展開である。研究の内容では、学説や概念並びに方法などに関する理論的研究や批評が目立ち、比較研究においては、研究の環境あるいは条件の特殊性にも制約されて、分類論や類型論を目指すものよりも、宗教現象に着目した比較研究に特色が認められる。このことは宗教現象学の分野においても同様で、豊富な宗教史の資料をもとに宗教の普遍的理解を追究するよりも、個別の宗教現象の意味や構造を解明する研究に独自のものが見られた。
著者
成 玖美
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.43-56, 2005-01-14

アメリカの大学が地域サービスを重視しながら大学エクステンションを発展させてきたことはよく知られている。しかし南部黒人集住地域の地域開発に寄与した黒人大学のエクステンションについては、従来、等閑視されてきた。本稿は19世紀末から20世紀にかけてのタスキーギ学院におけるエクステンション活動を、地域開発教育の視点から検討するものである。タスキーギ学院は、タスキーギ黒人会議および地区会議ネットワーク、および数種の農業技術指導講習会を通して、農村生活改善に尽力した。また家庭を支える女性の役割を重視し、母親集会やセツルメントなどを通して、女性の意識向上に努めた。さらには地域図書館設立や農村公立学校の改善指導など、さまざまな形で地域開発教育を展開した。こうした実践は、学習機会が圧倒的に乏しく、差別の厳しい環境における切実な地域開発教育実践として評価されると同時に、体制内改良主義的教育としての限界をも持つ。それは現代多文化主義教育が構想される以前の、「近代」マイノリティ成人教育の光と影を示していよう。一方で、タスキーギ学院のエクステンションは、大学の専門性の地域還元という性格だけでなく、より幅広い対象へのアプローチを展開させており、地域開発の総合的教育機関としての役割を担っていたとも解される。地域開発を梃子として人種の地位向上を目指した、南部農村地域における黒人大学エクステンションの歴史的性格を、検討する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.825, pp.68-71, 2006-06-26

東京・銀座に4月22日、オープンしたライカ銀座店は世界的なカメラブランドである「ライカ」の世界初の直営店だ。設計を手がけたのは岸和郎氏(京都工芸繊維大学教授)。発注者であるライカカメラジャパンが岸氏に要求したことは次の2点だ。
著者
道下 雄大 山口 裕文
出版者
大阪府立大学
雑誌
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科学術報告 (ISSN:18816789)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.13-37, 2006
被引用文献数
1

民家庭園など人の身近な場には,遺伝資源または文化遺産として重要なさまざまな維管束植物が生育している。これらの植物の多様性を体系的に知るために,2005年の春と秋に長崎県平戸市の2集落と松浦市の2集落において庭園に生育する維管束植物を調査し,その利用法と導入経緯を聞き取り調査した。確認された161科868種の植物について,確認した戸数,常在度,鉢植えの実態(鉢比率),利用法をまとめた。有用植物では,ナンテン,イヌマキ,ヒラドツツジ,ツワブキ,ツバキ,マンリョウ,シンビジュームの順で常在度が高く,雑草ではカタバミ,オニタビラコ,ムラサキカタバミ,メヒシバ,ツユクサ,キツネノマゴ,コミカンソウ,ツメクサの順に常在度が高かった。651種の植物は,観賞用,垣根,食用,薬用,儀礼用,工芸用などにされていた。有用植物の約8割は観賞用で,花や葉や果実が観賞対象とされ,盆栽や忍玉としても利用されていた。国外産多肉植物は鉢植えとされる傾向が高く,シンビジューム,フチベンベンケイ,クンシラン,クジャクサボテンの順で鉢比率が高かった。40科58種では地方名を記録した。調査対象地の民家庭園の植物は,観賞植物を中心として高い多様性を示した。
著者
田沼 逸夫
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.396-400, 2007

我々は電子粉流体<sup>&reg;</sup>を用いたカラーディスプレイとフレキシブルディスプレイを開発中である.カラーディスプレイは着色した電子粉流体<sup>&reg;</sup>を用いたものとカラーフィルターを用いたものがある.また,同時にフレキシブル化にも取り組んでおり,ポリエステルフィルム基板を中心に開発を進めている.本誌ではQR-LPD<sup>&reg;</sup>の可能性に関して実用例を入れて紹介する.<br>加えて,新開発のフレキシブルドライバICを用いたオールフレキシブルディスプレイに関しても紹介する.