著者
前原 政之
出版者
潮出版社
雑誌
巻号頁・発行日
no.470, pp.284-291, 1998-04
著者
稲垣 具志 藤澤 正一郎 高橋 和哉 池田 典弘 竹内 聖人 荻野 弘
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.A_166-A_173, 2016-02-05 (Released:2016-02-05)
参考文献数
12

市街地での移動制約が著しく高い視覚障害者の交差点横断を支援するために,視覚障害者誘導用ブロック,音響式信号機,エスコートゾーン等の施設の普及が全国各地で進んでいる.一方,横断時の方向定位の手がかりとなるこれらの支援施設や歩車道境界部の縁石等の信頼度が横断場面によって異なる状況は,当事者にとってむしろストレスを助長する要因にほかならず改善が急務の課題である. 本稿では,視覚障害者の道路横断時のより正確な方向定位を促す手法の構築を目指し,横断歩道口の視覚障害者誘導用ブロック付近へ敷設する方向定位ブロックの提案を目的として,全盲者を対象とした歩行実験を実施した.実験参加者の主観評価のヒアリングならびに歩行・方向定位状況の観察に基づき,支援性を最大限に高めるための仕様要件と敷設方法を抽出するに至った.
著者
大久保 将貴 オオクボ ショウキ Okubo Shoki
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
no.34, pp.73-91, 2013

本稿の目的は、社会科学における制度研究をサーベイするとともに、一連の制度研究が、日本の社会保険制度の発展構造分析にいかに応用できるのかを考察することである。「制度変化はいかにして起こりうるか」という問いは、現在、社会科学者が直面している難問である。制度研究は「制度とはなにか」という問いに始まり、過去に多くの研究成果が提出されており、とりわけ、政治学、社会学、経済学において活発に議論されている。制度研究においては、各分野の固有の分析枠組みが相互対立的に捉えられがちであったが、近年では、各方法論は相互補完的であることが認識されるに至っている。本稿では第1 に、社会科学における近年の制度研究をサーベイし、各分析枠組みの特徴と限界を整理する。第2 に、「社会保険制度の発展構造はいかなるものか」という問いを軸に、制度変化の理論的枠組みを提示する。第3 に、提出された制度変化理論の諸段階で生じている制度強化と意図せざる制度帰結に関するモデルを提示する。社会保険制度の発展構造分析における主要な問いは、「ある特定の社会保険制度が、歴史上のさまざまな場面で、なぜ、どのように出現し、何がその存続と衰退をもたらしたのか」というものである。この問いに応えるためには、各制度構造とその前史の成立過程を複眼的に分析し、各時代における制度をとりまくプレイヤーが直面する制約条件と選択肢を「追体験」することが不可欠である。This paper asks why and how institutions change and proposes an analytical-cum-conceptual framework for understanding institutional change in social insurance in Japan. First, it surveys preceding studies on institutions and institutional change in the social sciences. Second, it proposes a theoretical framework for institutional change in social insurance in Japan. Third, it proposes models over institutional reinforcement and unintentional outcomes.
著者
稲垣 照美
出版者
茨城大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、日本の豊かな自然環境の象徴の一つであり、幻想的な光で古くから日本人の心を魅了している昆虫"ホタル"を取り上げ、その発光現象中に人に対してどのような癒し効果が含まれているのかについて実験的な検討を行ったものである。まず、平成11年度には、ホタルの発光現象を計測・解析する光計測処理システムを新たに構築し、関東エリアにおいてフィールド計測を開始した。平成12年度には、四国エリアにも広げてフィールド計測を継続しつつ、統計解析や画像処理などの工学的技法を応用してホタルの発光現象を解析・評価し、人の精神に安らぎを与える効果があると言われている1/fゆらぎを始めとする様々なゆらぎ現象について考察を進めた。また、各地で開催されているホタル鑑賞会などにおいても、感性工学に基づいた意見サンプルを充分に採取し、ホタルの発光現象が人の精神に及ぼす影響を評価した。その結果、ホタルの発光輝度変動・発光間隔変動・輝度差変動には、人の網膜が反応することの出来る中低周波数域において1/fゆらぎが存在することを初めて明らかにすることができた。これには、十分な癒し効果が期待できるものと考えられ、ホタルを活用したヒーリング機器や福祉機器への応用が十分に期待できることが予想された。また、ホタルの発光パターンが有する癒し効果については、感性工学的な立場からもその有効性を統計学的に確認することができた。したがって、本研究から得られた知見は、今後、ホタルを利用したヒーリング機器や福祉機器の開発を展開研究して行く上での基礎と成り得るものである。なお、一連の研究成果は、日本機械学会へ研究報告したばかりではなく、NHKテレビ・ラジオや日本工業新聞などのメディアなどにおいても報道された。
著者
稲垣 照美
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,福祉施設や病院などの医療施設・ホスピス等の福祉住環境の構築へ向けて,提唱した要素技術(マイクロバブルと多孔性媒体によるホタル水圏環境の改善技術,遮熱塗料を施工した通気層制御型外断熱技術,色香と人の感性に関する評価技術)を個別に検証するとともに,これら要素技術群を試験的に構築したネイチャー・テクノロジーに基づいたサステフィナブルな模擬環境空間へ取り込んでその効果を総合的に評価したものである.
著者
稲垣 照美 穂積 訓
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本申請課題では, 要素技術として確立した知識を総合的に融合して, 住空間だけでなく福祉施設や病院などの医療施設・ホスピス等に, 自然や生物情報に基づいた(模した)サステイナブルかつ省エネルギーな快適(癒し)空間の設計指針を提供することを最終目標として研究を行ってきた. そのために, 昆虫類の活動特性や人の感性におよぼす影響を解析した. また, マイクロバブルの気泡発生に関わる物理特性を解明し, より細かくかつ大量の気泡発生について検討を行った. さらに, 風車を用いた発電におけるゆらぎ現象や, 風車の回転時に生じる不快音の調査を行って, より効率的かつ住環境に配慮した風車の配置・運転について提案した.
著者
守安 由香 森近 貴幸
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.E4P2273-E4P2273, 2010

【目的】訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)では、利用者の自宅でリハビリテーションを提供するため、利用者以外の家族とも接する機会が多い。訪問した際に、家族と会話を交わすことも多いため利用者を在宅で介護することの悩みや、家族自身の健康面の不安など様々な話を聞くことがある。身体的、精神的に追い詰められているケースも少なくない。そこで、利用者を対象に現状の問題点を調査し、理学療法分野における家族ケアの必要性と訪問リハの可能性を見出すこととした。<BR>【方法】当院訪問リハ利用者のうち、家族ケアが必要であると考えられた2症例について検討を行った。<BR>ケース1:脳梗塞後遺症、慢性心不全、呼吸不全で在宅酸素療法を実施している80歳代女性。夫と二人暮らしで、家事はほぼ夫が行っている。FIM72点。HDS-R22点。うつ傾向があり精神科通院中。夫への依存、暴言があるが、通所サービスは本人が拒否しており、夫は介護負担感あり。このケースに対しては、夫の介護負担感が増加しており夫自身の健康面の不安も多くなってきていることから、通所サービス利用に向けて訪問する度に話し合いを設けた。利用者の生活リズムの構築、他者との交流という目的と、夫が自由に使うことができる時間(通院など)の確保という点から通所サービスを利用することの重要性を説明した。<BR>ケース2:脳梗塞後遺症による左片麻痺の70歳代男性。妻と二人暮らし。FIM84点。妻は利用者を積極的に歩行練習や映画に連れて行っているが、商業施設のハード面の不満などを感じ、障害者を介護することへの孤独感やいらだちを漏らすことが多い。このケースに対しては、介護保険サービスや自治体の制度についての関心も高かったため、それらについての情報提供や説明をその都度行った。訪問した際には妻からの話を聞く時間も取り、また妻への介助方法の指導も行った。<BR>【説明と同意】症例に挙げた利用者および家族に対して本研究について十分説明をした上で納得・同意を得た。また、結果において個人情報が漏れないことを説明し、同意書に署名していただいた。<BR>【結果】当院訪問リハ利用者のうち、一人暮らしではなく家族がいるケースではほぼ何らかの問題を抱えているということが分かった。ケース1については、利用者が通所サービスの利用を強く拒否していたが、利用者、家族、担当PTと話し合いを重ねることで生活リズムを作ること、および夫が自分のために使える時間を確保することの大切さを理解してもらうことができた。夫ともコミュニケーションをしっかりとることで悩みを傾聴した。そして、利用者は通所サービスを利用し始めることができ、夫も自分の時間を持つことができたため息抜きができている。また、訪問リハ以外の日でも夫が進んで利用者の歩行練習を行うようになり、歩行能力の向上が認められた。<BR>ケース2については、妻から行政やデパートなどの施設への不満を話されることが多いため、しっかりと傾聴して各種相談窓口や介護保険についての情報を提供したことで信頼関係を築くことができた。通所サービスへの要望も出てきたため、ケアマネジャー、通所サービススタッフ、担当PTと利用者・妻とでカンファレンスを開催し、情報の共有ができた。<BR>【考察】上記二つのケースを通して、利用者と家族が同居しているケースでは内容は様々ではあるが何らかの問題を抱えていると考えられる。在宅で利用者を介護する家族は相談相手がいない状況も多く、思いつめてしまうことがある。利用者は通所サービスなどで他者との交流があるが、家族はなかなかそのような機会を持つことができていないのが現状である。訪問リハでは、利用者とその利用者を看護・介護する家族等へのサービスの提供も含まれている。サービス提供の対象者は利用者であるが、その家族も含めてケアを行うことで利用者を取り巻く環境に介入することができると考えられる。看護の分野では家族ケアが重要視されているが、これからはリハの分野でも家族ケアが必要になってくると考えられる。利用者の家庭に入っていく訪問リハにおいては特に重要で、家族も含めた家庭全体をみていくことが、利用者一人一人にとってのより良い生活を送ることに繋がると考えられる。<BR>【理学療法学研究としての意義】高齢化が進む中で、在宅で介護を行う家庭は更に増加することが予想される。今後も訪問リハの需要が増加するため理学療法の分野でも家族ケアに関する研究が重要となり、利用者とともにその家族への介入の必要性が高まってくる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.602, 2014-10-27

国土交通省の有識者委員会は10月8日、インフラの維持管理に関する自治体支援策の提言骨子案をまとめた。そのなかで、維持管理を効率的に進めるため、点検・診断業務と補修・修繕工事を一体で民間に発注するなど、包括委託を推進すべきだとの考えを示した。通…
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.614, pp.20-21, 2015-04-27

国土交通省の有識者委員会が昨年7月に羽田空港の再拡張に関する報告書をまとめたことを受け、建設業界では新滑走路建設への期待が高まっている。 日本建設業連合会の羽田空港処理容量専門部会は、新滑走路の施工方法を検討した中間報告書を、この3月に公表…

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著者
柳亭燕枝 口演
出版者
滑稽堂
巻号頁・発行日
vol.第1-20回, 1884
著者
浦 一章
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.38, pp.170-192, 1988-10-30

Gli scritti sul primo " libretto" di Dante usciti nel Giappone, o esplicitamente o implicitamente fanno riferimento (critico oppure meno) alla lettura in chiave agiografica, la quale, interpretata come un prodotto storico della critica dantesca, tiene il doppio carattere distintivo : (1) interpretazione tipologica dhe rende possibile la conciliazione fra la storicita (base solida dei fatti) el' " import" allegorico del racconto ; (2) sviluppo tematico e ininterrotto a partire dalla Vita Nuova fino alla Divina Commedia, lungo il quale l'amore per Beatrice di carattere ancora terreno e cortese va trasformato di grado in grado in quello di carattere completamente diverso, vale a dire, l'amore spirituale e mistico per l'essenza divina. Fra le critiche possibili a rivolgersi a gal lettura, merita la sottolineatura soprattutto il problema del capitolo XXV, in cui si legge nella maniera piu scoperta l'aspirazione del Poeta per la creazione di una nuova cultura " volgare" (volgare nel senso che l'italiano, lingua volgare contrapposta alla latina colta, costituisce il suo strumento basilare) . Mettendo in disparte (o addirittura sembrerebbe trascurando) il capitolo XXV come una divagazione difficilmente riducibile allo schema della " Legenda Sanctae Beatricis, " la lettura agiografica rischia di ristringere ingiustamente il raggio dell'esperienza letteraria del Poeta ; e quindi rischia di presentare sotto falsa luch il problema della formazione culturale di Dante. Creare una nuova cultura " volgare" non significa nella coscienza del Poeta ne il distacco dalla tradizione classica (e mediolatina) ne la solitudine, orgogliosa ma angusta, dell'italiano staccato dal movimento " volgare" (gia da tempo avviato) di altre lingue romanze ; significa bensi una concorrenza viva con le tradizioni precedenti e aperta agli stimoli proenienti dalla ricca eredita culturale. Alle spalle del capitolo XXV sta dunque il problema della traduzione (in senso lato) della cultura e, scorto una volta tal motivo in Dante, si profilera piu chiaramente la somiglianza fra la Vita Nuova e altri tentativi di traduzione : ad esempio, la Rettorica di B. Latini e De Amori di A. Capellanus. L'opera giovanile del Poeta, vista in quest'ottica, si potrebbe intendere como un " collage" che ha per musica di sfondo (sia pure assai sommessa) la vita leggendaria (piu esattamente bisognerebbe dire leggendariamente stilizzata) di Beatrice. Gli elementi miscellanei chiamati al " collage" , Dante li utiliza contaminando e trasformando per conto suo. Fra le caratterizzazioni della Divina Commedia si trova " enciclopedia" (oppure piu negativamente " salmigondis" ) e in un certo senso anche la Vita Nuova si potrebbe caratterizzare in tal modo. Salta pero subito agli occhi il contrasto profondo : nello schema escatologico dell'universo etico fisico della Divina Commedia va giudicato tutto e tutto, incominciando dalle realta di infima volgarita fino ai sentimenti piu nobili, trova il suo posto ; mentre invece la Vita Nuova, scritta esclusivamente per pochi eletti intellettuali che sanno il sentimento di amore, perde spesso di vista la concreta realta e mostra una forte tendenza ad essere astratta. Si potrebbe, quindi, dire che Dante prova a creare un nuovo sentimento piu raffinato (che non e ancora sublimato nell'amore per Dio, ma rimane tuttavia amore di carattere terreno) , traducendo e introducendo nella poesia vari elementi della cultura del tempo. Nel presente saggio si svolgera una lettura della Vita Nuova interpretata come un'opera di carattere mondane, tematicamente staccata dalla Divina commedie.
著者
北爪 直二
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.281, pp.84-87, 2001-06-08

建設現場で行う墨出し・測量作業には様々な機器が使われている。水平位置を計測するレベルのほかに,角度を計測するセオドライトや距離を計測する光波距離計などが,昔から利用されてきた。最近では,角度と距離を1台で計測できるトータルステーションを使う機会が増えた。