著者
作本 悦子 渡邉 直行 小倉 敏裕
出版者
群馬県立県民健康科学大学
雑誌
群馬県立県民健康科学大学紀要 (ISSN:18810691)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-72, 2011-03

目的:The Lancetに掲載されたBerrington氏らによる論文をレビューし,CT検査の在り方について考察する.方法:Risk of Cancer from Diagnostic X-rays : estimates for the UK and 14 other countriesという論文をレビューし,CT検査の利益および不利益という見地から,CT検査の在り方について考察する.結果:本論文において,診断X線検査の放射線による発がんの寄与リスクは,他国に比べ日本が最も高く,日本で年間に発症するがんのうち,3.2%(年間7,587例の発がんに相当)が,診断に使われている放射線によるものであると推定された.結論:放射線を人体に照射する業務を行う我々は,患者に放射線による有害な影響の可能性を上回る利益を提供できるようにするべきであり,防護の最適化について,より工夫する必要がある.
著者
中田 晋
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
no.25, 2015-11-06
著者
渡辺 健太郎
出版者
東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(情報理工学) ; 学位記番号: ; 研究科・専攻: 情報理工学系研究科電子情報学専攻
著者
薦田 治子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.33-43, 2007-07-10

日本の中世芸能のなかで大きな役割を果たした盲人音楽家には、「琵琶法師(座頭)」と「盲僧」の二種があったと考えられているようである。「盲僧」という用語は近世になって突然文献資料にあらわれる。現時点の研究が、中世の盲僧像を、盲人音楽家としてはやや特殊な状況にあった近世以降の盲僧の実態を手掛かりに、イメージしているのではないか、中世の盲僧とは何だったのか、という点を考察する。
著者
池田 誠
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.17-36, 2011-12-26

本稿では、ジョン・ロールズの博士論文「倫理的知識の基盤の研究」(一九五〇)を考察し、若きロールズが『正義論』(1971/99 rev.ed.)の著者へと成長していく軌跡を辿る。そこで私は、ロールズの博士論文と、この博論の「ダイジェスト」とされる彼の翌一九五一年の処女論文「倫理学における決定手続きの概要」との間の共通点と相違点に焦点を当てる。 まず、第一の共通点として、両論文は法学や科学哲学における「議論の理論」を参考に、当時の倫理学における懐疑的風 潮への反論として理性的な倫理学的探求の可能性を擁護することを主題としている。また第二の共通点として、両論文のうちにはすでにのちに「反省的均衡」と呼ばれる反基礎づけ主義的な方法論が確立され展開されている。しかもそこでは、『正義論』にみられる功利主義と(多元的)直観主義に代わる新たな規範倫理学理論を立てることへの意欲も見られる。 一方、両論文の間の相違は三つある。第一の相違点は、ロールズが実際に自らの提示する理性的な倫理学的探求の実例を 素描してみせる際に解明と正当化の題材とする道徳判断の種類である。博士論文のロールズは「(i)よい性格に関する 道徳判断」の解明を図るが、「概要」論文の彼は「(ii)正しい・正義にかなう行為に関する道徳判断」の解明を試みている。これに伴い、第二の相違点として、それぞれの論文でロールズが提示する道徳判断の解明原理(道徳原理)も異なっている。第三の相違点として、博士論文では、「概要」論文には登場しない「形式的正当化」と「実質的正当化」という二種類の正当化方法が登場する。 この相違点にもとづき、私は、博士論文のロールズは早くも彼の倫理学方法論を確立する一方、その実例の提示である規 範倫理学理論においてはいまだ発展途上であり、以降、彼はより包括的な規範倫理学理論の確立をめざし、彼なりの「反照的均衡」のプロセスを幾度も重ねて「概要」『正義論』へと歩みを進めていったと主張する。
著者
小林 憲太郎
出版者
立教大学
雑誌
立教法学 (ISSN:04851250)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.410-355(31-86), 2010-03-31
著者
阿部 希望
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6120号)
著者
阿部 希望
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究は、農業史研究において等閑視されてきた近代日本農業の展開に関する研究であり、農業の基盤となる種子生産、特に研究蓄積のなかった民間主導の野菜種子の生産・流通に焦点を当てた研究である。わが国の資本主義経済の確立に伴う近代都市の成長により、消費者人口が増加し、都市近郊に野菜産地が形成された。こうした近代市場の成立に対応した新たな野菜生産の発展には、高品質な種子(固定種)の大量供給が不可欠であり、これを支えたのが「野菜種子屋」であった。本研究では、明治中後期以降の野菜生産の近代化という新たな動向の中で、「種子屋」がどのような役割を果たし、展開したのかを実証的に解明することを目的とした。本年度は主に、昨年度から調査研究を進めてきた「採種管理人兼種子仲買商」の経営分析を中心に、新たに発見した「採種農家」の史料を分析し、それらとこれまでの研究成果を総合的に検討することで、近代日本における民間育種家の役割とその歴史的展開を明らかにした。この成果を社会経済史学会、経済制度センターセミナー・経済発展研究会、首都圏形成史研究会において口頭発表するとともに、「近代における野菜種子需要拡大に伴う種子屋の機能分化と連携-『採種管理人』と『種子仲買商』の役割-」としてまとめ、現在、社会経済史学会『社会経済史学』に投稿中である。また、昨年度に引き続き、野菜育種に関する一次史料所在調査を蓄積する一方で、今年度は野菜以外の作物育種(稲・蚕種・果樹等)にも分析対象を広げて、複数の重要史料を入手した。
著者
Michio Shimabukuro Taro Saito Toru Higa Keita Nakamura Hiroaki Masuzaki Masataka Sata the Fukuoka diabetologists group
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.2422-2429, 2015-10-23 (Released:2015-10-23)
参考文献数
36
被引用文献数
4 9

Background:Patients with type 2 diabetes mellitus (T2DM) show a greater risk for coronary artery disease (CAD), but the risk stratification in asymptomatic CAD patients has not been established. This study investigated the prevalence and severity for asymptomatic CAD and predictors in T2DM patients.Methods and Results:In a multiclinic group, diabetic patients (320 men, 186 women) without known symptoms suggestive of CAD were recruited for multidetector computed tomography (MDCT). Patients were categorized according to severity of coronary atherosclerosis: Grade 1 (normal findings), Grade 2 (mild atherosclerosis without significant stenosis), Grade 3 (moderate stenosis/atherosclerosis, 50–74% stenosis), Grade 4 (moderate stenosis/atherosclerosis, 75–89% stenosis), Grade 5 (severe stenosis/atherosclerosis, ≥90% stenosis). The trend for severity grade of CAD was slightly higher in men than women (P=0.054). For critical lesions (combined Grades 3–5), the prevalence was almost equal (men 44% vs. women 37%; P=0.113). Multivariate models showed that in men, HbA1c≥7.4%, dyslipidemia, duration of diabetes, retinopathy, and other type of cardiovascular diseases were predictors of critical lesions and in women, duration of diabetes and retinopathy were predictors.Conclusions:The prevalence and severity of asymptomatic CAD are comparably high in men and women with T2DM. Risk stratification by using MDCT might be useful to predict asymptomatic coronary lesions requiring coronary revascularization. (Circ J 2015; 79: 2422–2429)
著者
剣持 敬 福嶌 教偉 肥沼 幸 牛込 秀隆 久保 正二
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.393-401, 2014-12-10 (Released:2014-12-26)
参考文献数
21

The number of organ transplantations from donation from brain-dead (DBD) donors has recently increased because of the enforcement of the revised Organ Transplantation Law in 2010 in Japan. More than 500 kidney transplant recipients, more than 30 liver transplant recipients, and two recipients of simultaneous pancreas and kidney transplantations have already experienced pregnancy and childbirth in our country. Along with the increase of DBD donors, pregnancy and childbirth must be an important issue for the recipients of heart and lung transplantations as well as kidney and liver transplantations. The Japan Society for Transplantation has decided to make a guideline for pregnancy and childbirth in patients after organ transplantation.The contents of this guideline are planned to be classified into two chapters. One concerns common problems after organ transplantations, such as the use of drugs, including immunosuppressive agents and vaccines. The second chapter is planned to focus on problems particular to reach organ transplantation. Furthermore, this guideline will include the problems of living donors for kidney and liver transplantations and male recipients who underwent organ transplantations.