著者
成瀬 宇平 角田 文 加藤 真理 秋田 正治 村松 啓義 Uhei NARUSE Aya TSUNODA Mari KATO Masaharu AKITA Takayoshi MURAMATSU
雑誌
鎌倉女子大学紀要 = The journal of Kamakura Women's University (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.10, pp.141-145, 2003-03-31

京料理の手法を参考に昆布だし汁のグルタミン酸量とだしの調製条件との関連について検討し,さらに昆布だしにかつお節を加えた「一番だし」の香気成分についてガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー(GC-MS)を用いて検討し,次の結果を得た。1)だし汁を調製する水の温度は60℃,昆布の浸漬時間が60分間のだし汁のグルタミン酸量は他の条件に比べて多かったため,京料理のだしを調製する方法は本実験と一致した。2)京料理では昆布に利尻昆布を使用するのは,濃度の薄いだしをとるためと考えられる。3)一番だしの主な香気成分はかつお節由来の成分であった。
著者
松浦 美由紀 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.43-54, 1992-03-25 (Released:2017-06-15)
参考文献数
11
被引用文献数
16

12 0 0 0 OA 相合傘

著者
泉鏡花 著
出版者
鳳鳴社
巻号頁・発行日
1914
著者
新井 宏
出版者
公益社団法人 日本鋳造工学会
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.599-606, 2004-07-25 (Released:2015-01-10)
参考文献数
13
著者
安田 陽
出版者
一般社団法人 日本計画行政学会
雑誌
計画行政 (ISSN:03872513)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.3-8, 2019-05-15 (Released:2022-06-03)
参考文献数
17

Who makes decisions about power system planning in terms of generation deployment and grid infrastructures? Since the worldwide deregulation and unbundling of power systems, various scientific and objective modelling tools for grid planning have been developed. However, few planning discussions have taken place in Japan, where the power systems have not been fully unbundled. This article shows the latest international trends on grid planning including targets/projections of energy mix, generation deployment and grid expansion.
著者
西川 淳 岡ノ谷 一夫
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.79-93, 2007-06-05 (Released:2008-11-21)
参考文献数
64
被引用文献数
2 2

小鳥の歌は, 複数の歌要素が特定の規則に従って並べられた学習性の音声である. その複雑な時系列構造や発達過程の類似性などから, 小鳥はヒト言語の文法的側面を司る神経機構を探るための良い動物モデルとして盛んに研究されている. 本稿では, 小鳥の脳の解剖や局所破壊実験, 電気生理実験, 数理モデル研究について著者らの研究を交えて紹介し, 歌系列の生成と学習を司る神経機構の可能性について述べる. 最後に, 今後検討されるべき問題について議論する.
著者
大久保 いづみ
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.4_25-4_51, 2015 (Released:2017-11-10)

This paper examines the influence of foreign alliances on competitive advantage in the Japanese record industry prior to World War Ⅱ. In pre-war Japan, the main industry competitors were Nihon Chikuonki Shokai (NCS), Nihon Victor Chikuonki (NVC), Nihon Polidor Chikuonki (NPC), King Record (King), Teikoku Chikuonki (Teikoku), and Dainihon Chikuonki (Dainihon). NCS and NVC had alliances with companies in the United Kingdom and the United States, while NPC and King partnered with German record companies. In contrast, Teikoku and Dainihon remained purely Japanese companies, without foreign affiliations.What benefits did the record companies receive from their foreign partnerships? And, how did the alliances influence the strategies of their counterparts?As concerns Western music recordings, the companies with foreign alliances maintained a formidable competitive advantage throughout the pre-war period. On the other hand, for recordings of Japanese music, technological disparity between firms with foreign alliances and solely Japanese firms were essntially erased, and the latter rose to competiveness with the former, especially in the so-called “ryukoka” (Japanese popular songs) market. Thus, the foreign-allied-companies were forced to focus on Japanese music more than ever, this in turn accelerated the expansion of the Japanese music records market. In this context, foreign-partnered companies, such as NCS and NVC, made important contributions to “the golden age of ryukoka”.Until the beginning of the 1930s, the keys to competitive advantage in the Japanese record industry involved the introduction of new technologies and the sale of Western music records, based on alliances with foreign companies. After the mid-1930s, however, the capability to produce and sell records of Japanese music played a larger role in determining competitive advantage within the industry.
著者
清野 淳司 中井 浩巳
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-17, 2014-03-21 (Released:2014-03-21)
参考文献数
63
被引用文献数
3 6

本稿では,大規模な重元素化合物を高効率・高精度に計算するための理論を取り上げる.まず相対論的量子化学の現状を概観し,それを踏まえて目的を遂行するためにどの部分を考察しなければならないのかを述べたい.次にこれらの問題点を解決すべく,著者らが開発した高効率・高精度な2成分相対論計算手法,無限次Douglas-Kroll-Hess変換に基づく局所ユニタリー変換法の理論について解説し,数値検証を行うことで有用性を示す.さらに本手法を分割統治法へと拡張することにより,計算全体の線形スケーリングを達成する手法となることを示す.本手法に基づけば,非相対論と同等の計算コストで (スピン非依存の) 4成分相対論と同程度の精度を与えることができるため,従来の非相対論的なSchrödinger方程式から相対論的なDirac方程式へのパラダイムシフトが可能となる.
著者
沼田 健哉 Kenya Numata
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学社会学論集 = ST. ANDREW'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL REVIEW (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.81-112, 1990-12-25

The Institute for Research in Human Happiness is a sociaty of people researching the principles of human happiness. From the "private happiness" of each individual to the "public happiness" of the whole society and the whole world-this serve as a slogan for those gathered at the Institute. They hold that there are four principles of happiness: "love", "knowledge", "reflection" and "development". They have established a clear over-view of the universe. The world we are living in is not simply divided into the physical world and the spiritual world, but is involved in a multi-dimensional and high-dimensional universe. They are determined to initiate a salvation project throughout the world with Japan as its center.

12 0 0 0 OA 鳥体外部の名称

著者
茂田 良光 佐野 裕彦
出版者
日本鳥類標識協会
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.56-69, 1986 (Released:2015-02-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1

In the present paper we briefly reviewed and commented the terminology for bird topography, especially wing and tail. We named here newly required Japanese terms, such as alula coverts and carpal covert, and also illustra-ted some of them. Terms for bird topography are given, which including new Japanese ones indicated by asterisk (*) in table 1.
著者
房 瑞祥
雑誌
崇城大学芸術学部研究紀要
巻号頁・発行日
no.10, pp.131-132, 2017

本稿は、中国古典文学『西遊記』における孫悟空の例を通して、日中における孫悟空の映像表現の相違とその背景を示すことを試みるものである。制作された時代や国によって孫悟空の表現描写は異なっている。孫悟空のキャラクターは、骨格、顔の造り、衣服、道具、彩色などの外的要素と、性格やセリフなどの内的要素によって構築されているが、制作された時代を反映する文化的あるいは社会的な影響が、孫悟空という共通キャラクターにも少なからず寄与している。『西遊記』が多く映像化されてきたのは、常に大衆受けする題材であったことや、映像技術の進歩と共に原典の映像表現が変化することなどから、時代性と関連づけられた題材として適合していたことなどが考えられる。本研究では、中国アニメ『西遊記之大聖帰来』(2015年)と日本アニメ『ドラゴンボール』(1984年)を通して、日中における孫悟空のキャラクター設定を比較し、原典小説『西遊記』で表現されている孫悟空との相違点を考察することにより古典小説の映像化におけるキャラクターの時代性の影響を明らかにすることを目的とした。西遊記の原典『元本西遊記』(14世紀)における孫悟空は、本来の主人公である玄奘三蔵をしのぐ活躍を見せており、非常に人気の高いキャラクターとなっていた。『西遊記』における悟空像の変化は、取経の旅を通じて、いかに自己改善を成し遂げていったかを描いたものと理解できる。『西遊記之大聖帰来』の孫悟空では、馬面の猿の顔に、革製の鎧を身に着けた長身となる。徹底的に無表情で、挫折感と反発心のみを強く抱いた、現代的なニヒリストの風貌である。中年の悟空と7歳の江流児がペアになるという奇想天外な設定で、原典『西遊記』からは大幅に離脱している。法力を失った昔日の戦士であり、冷たく、気性が荒く、それでいて心の奥底に捨て難い義侠心を秘めている。危険に出会うと、善良と正義の心で仲間を救助し、仲間の守護者になっている。『ドラゴンボール』における孫悟空は、黒髪の特徴的な髪型をしており、元気で明るく、朗らかな性格であり、誰からも好かれている。理不尽な目にあっても、大抵の事を「ま、いいか」の一言で済ますなど、あまり物事を深くは考えない。心が清らかでないと乗れないという「筋斗雲」に乗ることが可能であるなど、非常に無邪気な性質を持つ。常に自然体で、戦闘や緊急時にはシビアな対応を取り、かつ分け隔てない面がある。圧倒的な戦闘力と清らかな心により、地球、ひいては全宇宙を救う。孫悟空といえば、筋斗雲で飛び回る自由な印象を受けるが、敵をなぎ倒す力強さによって人の心を掴んでいる。それに加えて更なる自由や力を求める精神、仲間思いの心、機転とユーモアなどは孫悟空を理想のヒーローにまで引き上げている。孫悟空が幅広い層に受け入れられた大きな要因は、不自由な社会環境の中で多くの人々がそれを打破するイメージを孫悟空に重ねたものだと考えられる。三作品とも、孫悟空は「守護者」の役割を持ち続けた。守護の対象は、原典『西遊記』では玄奘三蔵、『西遊記之大聖帰来』では仲間、『ドラゴンボール』では地球と異なるが、すべての孫悟空は責任感が強く、何も恐れていない。孫悟空の図像イメージは、原典小説を基礎としながら、時代と表現メディアの変化を受け入れていった。そして、メディアに適応する形で、現代の要素を取り入れながら新しいイメージが作られた。『西遊記』に関する映像表現の変遷は、文学と映像表現および映画文化の変遷史とも言える。文学作品を原典とするキャラクターは文字のみで表現されている。その特徴を図像化することによって漫画、アニメ、ドラマ、映画など他ジャンル作品に拡がりを見せ、多くの人のキャラクターイメージを定着させるきっかけを作ってきた。また、図像化したキャラクターは原典の理解を深めることにもつながっている。孫悟空のキャラクターは、長い歴史の中で変化してきたが、多くの新しいキャラクターが出現したことで、伝統的なキャラクターが見えなくなった点も否めない。再度、歴史的資料による伝統的なキャラクターを軸にした他の国や地域で受け入れるキャラクターを作り出すことができるのではないかと考える。