著者
丁 奕春 黒須 里美
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 = Language & Civilization (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.137-155, 2013-03-30

中国都市における女性の晩婚化について統計とメディアからの情報を整理し、上海においてインタビュー調査を実施することから、結婚難の実態とその要因を探った。「80 后」世代の結婚は女性自身の高学歴化と高収入化により結婚に対する理想が高くなったことや、結婚式と新居を含めた結婚コストの上昇が大きく影響している。さらに一人っ子第一世代として、親との絆が強い分、親の結婚への干渉も大きい。中国特有の歴史文化的経緯があるものの、都市の女性の結婚難の実態は東アジアや日本の状況とも共通点が多い。
著者
進藤 康子
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.77-88, 2014-03

江戸時代後期の博多の歌人大隈言道(おおくまことみち)は寛政十(1798)年生まれ、慶応四(1876)年没、七一歳。先祖は清原姓で、天武天皇第三皇子舎人親王の子孫であることを誇りとし、家集『草径集』には、清原言道とも記す。黒田藩士二川相近(ふたがわすけちか)のもとで、書や和歌を学ぶ。家業を弟に譲り、専ら和歌の師として福岡今泉の自宅「ささのや」にて門下歌会を開き活動する。日田の広瀬淡窓にも師事する。『草径集』を出版するため大坂に登り、そこで緒方洪庵、萩原広道、中島広足、広瀬旭荘らと交流する。門下には野村望東尼など。本稿において、門下歌会に於ける添削指導の実態を明らかにし、門人への書簡資料や、新たに見つかった月ヶ瀬の宿帳の資料等から類推できる大坂での活動を新出資料として示した。また、言道の歌集出版前後の歌稿資料や、『ひとりごち』『こぞのちり』などの歌論をもとに、年譜形式で言道の事蹟を記し、文事を顕彰、言道の年譜を足掛かりとして、更に幕末歌壇の動向と展望を知る基礎資料として示した。
著者
酒井 聡樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

これまでの研究では、集団間で送粉者が異なることによって、花の香りが異なることが知られている。しかし、花の香りは以下の要因でも変化しうるのではないだろうか。1.昼夜:昼夜で送粉者が変化することがあるため。2.花齢:花齢が進むにつれて、訪花要求量(残存胚珠・花粉)が減少するため。本研究では、これらの昼夜・花齢によって花の香りが変化するのかどうかを量・質に着目して調査し、それが雌雄繁殖成功に与える影響を明らかにする。質のデータを付け加え3年分の結果を報告する。【実験方法】ヤマユリ(ユリ科・花寿命約7日)を用いて以下の調査を行った。1.香りの時間(昼夜・花齢)依存変化 2.送粉者の昼夜変化 3.繁殖成功(送粉者の違いの影響をみるため、昼/夜のみ袋がけ処理を行い、雌成功:種子成熟率・雄成功:花粉残存数を比較)【結果】1.昼に比べ夜の方が香りは強くなり、花齢が進むにつれて香りは弱くなる傾向にあった。時間によって組成比は様々に変化したが、最も類似度が高かったのは夜の香り.同士を比較したものだった。2.昼にはカラスアゲハ、夜にはエゾシモフリスズメが訪花していた。3.雌成功・雄成功共に、昼夜での違いはなかったが、雌成功は昼夜どちらかの送粉者のみで十分だったのに対し、雄成功は昼夜両方の送粉者に訪花される必要があった。ヤマユリの花の香りが夜に強くなるのは、暗闇によって減少する視覚効果を補うためであり、昼夜両方の送粉者を呼ぶという戦略をとっているのは、主に雄繁殖成功を高めるためではないかと考えられる。
著者
東海生
出版者
フレーベル會
雑誌
婦人と子ども
巻号頁・発行日
vol.1, no.6, pp.40-43, 1901-06

2 0 0 0 OA 古渡更紗譜

出版者

更紗の模様帖。エキゾチックな動植物・人物模様が描かれている。(電子展示会「江戸時代の日蘭交流」より)
著者
田中 慶悟 藤本 典幸
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.76-83, 2011-10-28

近年,汎用計算ができるようになったGPU上でCUDAを用いて,Somersの高速なN-Queens問題求解アルゴリズムをさらに高速化する手法を提案する.提案手法はN-Queens問題をSomersのアルゴリズムで計算可能かつ独立な部分問題の集合にCPU上で分割し,生成した部分問題をGPUのVRAM上へと転送し,各スレッドへ動的に割り当て,効率よく並列計算を行う.評価実験を行ったところ,NVIDIA GeForce GTX480と2.93 GHz Intel Core i3 CPUを用いた場合,提案手法はSomersのアルゴリズムと比べN=19で24.5倍高速であった.また,GPUを用いたFeinbubeらの既存手法に比べ,提案手法は2倍高速であった.
著者
小寺 敦之
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.51-59, 2014

本稿は、その定義や指標に焦点を当てながら、日本国内における「インターネット依存」に関する調査研究のメタ分析を行うものである。<br>CiNiiやNDL-OPACから「インターネット依存」や「携帯電話依存」についての実証的研究を行った論文53編を抽出して分析したところ、海外の状況と同様にその定義や用語の使い方が曖昧であることが明らかになった。また、指標については、DSM-IVを転用したYoung(1996, 1998)の尺度を基盤にするものに加え、自由回答から作られた項目で構成される尺度が開発されているという独自性が見られた。サンプルや因果関係の仮定に偏りがあることも問題点として挙げられた。<br>日本でも「インターネット依存」の概念検討は不充分な状況にあり、言葉のみが拡散している可能性がある。本稿では、このような状況で「インターネット依存」に対する対策が採られることには注意が必要であると主張している。
著者
高橋 浩晃 笠原 稔
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.115-130, 2004-12-27 (Released:2010-03-11)
参考文献数
62
被引用文献数
2

The Tokachi-oki earthquake (MJMA8.0) occurred on September 26, 2003 (JST) off southeastern Hokkaido, Japan. We investigate the seismic activity before and after the mainshock using hypocenter catalogues produced by Japan Meteorological Agency and Hokkaido University. A decline of seismic activity and a seismic gap in the asperity of the 2003 earthquake had been clearly recognized from the early 1990's to just the mainshock faulting. Similar low seismicity had been observed before the former 1952 Tokachi-oki earthquake (MJMA 8.2). These facts may reflect that the plate boundary fixed loosely has become tight coupling during one seismic cycle. A relatively low seismicity patch during the interseismic phase corresponds to the asperity. This suggests that interseismic seismic activity is strongly controlled by existence of the asperity. The aftershock region of the 2003 earthquake is approximately 160km by 160km, which is slightly smaller than that of the 1952 earthquake. This feature is in good agreement with the slip distributions of the 1952 and 2003 earthquakes estimated from tsumani waveform inversions. Large aftershocks are located out of the asperity, which may reflect the stress status in and around the asperity. Remarkable triggered seismic activity has begun just after the mainshock along the volcanic front in the eastern Hokkaido.
著者
小槇 孝二郎
出版者
天文同好會
雑誌
天界 = The heavens
巻号頁・発行日
vol.8, no.84, pp.103-110, 1928-02-25
著者
味澤 幸義 赤羽 健司 赤羽 増夫 佐藤 和明 玉井 哲郎 斉藤 勝 田中 信之 鎌田 晃爾 小林 通洋
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.116, no.9, pp.735-747, 1996-09-25
参考文献数
13

A number of benzimidazole derivatives were synthesized and tested for cholecystokinin A (CCK-A) receptor inhibitory activity in order to study structure-activity relationships. Significant CCK-A receptor inhibitory activities were found in the compounds having carboxyl or tetrazolyl group. As the most preferred compound, 4-(5,6-dichlorobenzimidazol-2-yl)-N-(3-methoxypropyl)-N-pentylglutaramic acid (4g) was selected.
著者
山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.43-56, 1997-07-11

女子短大生の食生活, 自覚症状の訴え, 身体活動および, 食生活と身体活動との関連について調査・検討した。結果は次の通りである。1. 対象者は地方都市に居住し, 自宅通学生が主体である。週1&acd;2日休めるもの85.2%, 規則正しい生活をしているもの12.2%, ストレス正常者35.4%, 自分は健康であるとするもの45.5%であった。2. 対象者の食習慣は79.7%のものが少し悪い, 悪い状態であった。3. 自覚症状の訴えとして「ねむい, あくびがでる, 横になりたい, 全身がだるい, 根気がなくなる, イライラする, 肩がこる, 時々立ちくらみしそうになる等の症状」であった。4. 対象者の81.0%のものが運動不足がち, 運動不足であった。5. 食習慣が悪くなるにつれて体の動きが悪くなり, 体の動きが悪いものは食習慣も悪くなる傾向がみられた。
著者
中谷 直司
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.245-332, 2004-07-31