著者
阪上 大地
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-119, no.2, pp.1-13, 2018-06-09

本稿では音楽情報処理に深層学習を応用する方法を解説する.本稿は二部構成で,ニューラルネットの一般的な設計と学習方法を解説した後,音楽情報処理を含めた各種メディア処理への応用例を紹介する.前半ではパラメータの初期化方法など常識となってしまっている基本的な事柄,Dropout などのよく使われるテクニック,最先端でまだ整理が進んでいない研究成果を順番に解説する.後半では WaveNet や Encoder-Decoder モデルなど各分野の代表的な応用例を紹介し,和音認識 ・ ビートトラッキングなどに深層学習を応用した研究を紹介する.
著者
野田 克彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, 1970-05-15
出版者
BOC出版部

転機に立つ私たち 広田寿子報告 芝信用金庫の男女差別裁判高裁判決を学ぶ会 主催・女性差別賃金裁判の原告と支援する会 坂本福子(弁護士)/松尾由美子(芝信原告)/北川清子(住友金属原告)/各職場からの報告原告・弁護士座談会 すべての働く女性に、この判決を生かそう (原告)伊藤貴三乃/植松富美枝/笹本美薗/浜田邦子 (弁護士)坂本福子 (編集部)斎藤千代/芦澤礼子原告からのメッセージ 後に続く女性のためにも……そんな思いで立ち上がりました 般石みね子/関口文子/播磨三枝子/大坪慶子/鳴海匡子/石井利恵/佐久間美智子/高部由美子芝信用金庫の「男女昇格・昇進・差別賃金請求」事件 判決要旨 東京高等裁判所第十一民事部名古屋で闘う女たち-岡谷鋼機女性差別裁判の報告-藤沢真砂子/海道町子/柳沢つや子解説 3・28住友化学判決について 池田直樹TOPIX 堂本さん、千葉県知事に!/行革で狙われる各地の女性センター ほか集会から 「女性国際戦犯法廷」は何を裁いたか/ベアテさんを知っていますか? ほかTVから 難民と歩んだ10年 緒方貞子・難民高等弁務官沖縄から 米軍人・軍属の事件事故被害者に救済制度を!ほかあごらのあごら
著者
生田目 学文 春川 美土里
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.97-114, 2020-03-19

本稿は,2011年3月11日に発生した東日本大震災によって起きた東京電力福島第一原子力発電所事故の報道に関する論考である。朝日新聞と読売新聞は世界でも屈指の発行部数を誇り,日本の世論形成に大きな影響力を持つマスメディアであるが,原子力発電については前者が脱原発,後者が維持・推進を主張している。この立場の相違が報道の違いに現れるのではないかという仮説に基づき,事故発生以来8年間激しい論争の的になってきた放射能の健康への影響についての報道を比較・分析した。その結果,記事件数は時間の経過に伴い全国規模で両紙ともに減少していた。朝日は特集記事において幼い子を持つ母親などの声を報じるなど,一般住民の健康影響への素朴な不安を取り上げる傾向があり,個人に寄り添う記事が多くを占めた。読売には報道記事が多い傾向があり,解説を通じて被曝の問題に対する正しい理解をもとに経済的に被災地復興に向けて進む方向性を示すという姿勢を読み取ることができた。放射線による健康不安を感じる必要はないとする専門家の声を多く取り上げ,むしろストレス等による生活習慣病等のリスクを報じた。朝日は脱原発の立場と健康被害に関するこれまでの報道との関連性を強く結びつけるものはなかったが,読売が踏み込んだ議論を行うのは震災後も原発維持・推進の立場であることと無関係ではないと推察されることが,8年間の研究結果を通して再確認された。
出版者
国際シンポジウム報告書編集委員会
雑誌
戦間期東アジアにおける大衆的図像の視覚文化論 : 新聞広告を中心に (『大正イマジュリィ』別冊)
巻号頁・発行日
2020-03-10

まえがき : 国際シンポジウム開催の経緯と研究課題 / 国際シンポジウム報告書編集委員会シンポジウムの記録論文【総括】I 広告図像の視覚文化論 : 京城三越のメディア戦略 / 岸文和【海外】(発表順)II 韓国近代の女性雑誌『婦人』と『新女性』の表紙イメージ / 徐有利 (翻訳: 金秀燕)Ⅲ 擬似的近代空間への招待 : 『朝鮮日報』連載漫画「ぽん太郎(멍텅구리)」からみる欲望と楽しさ / 河鍾元 (翻訳: 朴株顯)Ⅳ 戦期間中国におけるタバコ広告 : 日本による「中国華北タバコ業界に関する調査報告書」を手掛かりに / 胡平 (翻訳: 汪文磊)V 中国『盛京時報』に見る医薬広告の図像記号学研究 / 孫秀蕙 (翻訳: 王婧瑜)VI 戦間期(1919-1938)の日本商品広告における台湾図像 / 姚村雄 (翻訳: 施燕)VII 『華文大阪毎日』の広告における視覚文化論 : 「面速力達母膏」の広告を手がかりに / 湯筠氷 (翻訳: 汪文磊)VIII 韓国の近代新聞広告に現れたマンガ的表現 : 「証言型」広告を中心に / 河鍾元 (翻訳: 丁智洙)IX 民国期日本企業のカレンダーポスター(月份牌)の女性像 : 異文化圏応用と再構築 / 張磊 (翻訳: 汪文磊)【国内】(発表順)X 戦前期の中国におけるヴィジュアル・デザインに見る外国作品からの影響と受容 / 田島奈都子XI 嗜好品の広告戦略 : 戦間期日本における麦酒広告を中心に / 熊倉一紗XII 流布されたエロ・グロ・ナンセンス : 『現代猟奇尖端図鑑』と新聞広告 / 松實輝彦XIII 戦間期東アジアにおける森永製菓の販売促進・広告戦略と新聞広告 / 前川志織XIV 病と健康のレトリック1896~1939年 : 健脳丸の新聞広告と創出される病 / 佐藤守弘【国内(関連研究)】XV 広告媒体と広告内容の比較検討 : 雑誌と新聞媒体の中将湯広告から / 高畠麻子XI 1920 年代の朝鮮における中山太陽堂の広告戦略 : 『東亜日報』の化粧品広告に描かれた女性表象からの考察 / 小出治都子【国内(メディアの交流)】I 新聞広告とポスター / 熊倉一紗II 新聞広告とアール・ヌーヴォー風図案 : 明治30~40年代における文芸雑誌表紙絵と京都高等学校図案科学生作品を手がかりに / 前川志織III 新聞広告と写真 : モダニズム期日本の事例を中心に / 松實輝彦IV 新聞広告と戯画/漫画 / 佐藤守弘【付録】「戦間期」について / 佐藤守弘

「研究データ管理サービスの設計と実践」は、大学図書館員、URA、技術スタッフ等の研究支援職員が、研究者の研究プロセスに沿って、研究データ管理サービスの設計と実践の方法を身につけることを目的としている。各章の構成(シラバス)は下記のとおり。第1章:序論研究データ管理に関する基礎知識を学ぶ。第2章:サービス設計それぞれの機関の実情に沿ったサービスを設計するために必要なことを学ぶ。第3章:研究前の支援研究者が守るべきポリシーやDMP(データ管理計画)の作成支援について学ぶ。第4章:研究中の支援研究データの種類とセキュリティポリシーの関係や、データの保存と機関の役割について学ぶ。また、データの発見、分析、可視化の支援についても学ぶ。第5章:研究後の支援データの公開前に確認しなければならないこと、データの公開場所としてのデータリポジトリについて学ぶ。また、公開するデータに付与すべきメタデータ、識別子、ライセンスなどについても学ぶ。第6章:日常的な支援研修の実施、ポータルサイトの構築、窓口業務や広報活動について学ぶ。
著者
黒田 誠
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:24326925)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-14, 2017-03-31

真下耕一監督のアニメ作品『Madlax』を対象に、仮構作品が鑑賞手順として要求する仮構世界受容の過程において前提とされる暗黙の了承事項が意図的に脱臼させられ、全方位的に仮構的意味構成軸を散乱させる表現が達成されている実態を検証する。これは独特の創作戦略を採用した演出における詳細記述の内実をユング心理学におけるプレローマ世界の発想と照らし合わせることにより、仮構的リアリティの本質に対する形而上的把握を図ることを目的とするものである。本稿はこの企図に基づき全26話中の第3話から第5話までの映像表現の概念化を図り、原型的多義性を反映したハイパーナチュラルな主題提示手法についての考察を進めたものである。
著者
加藤 宏幸 KATOU Hiroyuki
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
言語と文化
巻号頁・発行日
pp.199-212, 1993-03-20

サン・テグジュペリSaint-Expéry(1900-1944)のほとんどすべての作品にはその背景に砂漠が存在している.『星の王子さま』Le Petit Prince(1943)の24章で砂漠に不時着した飛行士は次のように述べている。「ぼくはいつも砂漠がすきだった。砂丘の上に座る。何も見えない。何も聞こえない。しかしながら,何かが沈黙の中で輝いている……」1)。サン・テグジュペリがどうして砂漠を一生涯愛し続けたのか,彼にとって砂漠はどのような意味を持っていたのかについて,彼の砂漠での実際の体験,彼の作品の背景として存在する砂漠を通して明らかにしたい。
著者
小山 由
出版者
成城大学
雑誌
常民文化 = Jomin bunka (ISSN:03888908)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-30, 2014-03

The belief that there is a relationship between personality and ABO blood type has been widely accepted among people in Japan. Many researchers have studied this belief. However, the studies have given the wrong names to and definitions of the belief because they have not focused on its inherent theory. This study aims to show the actual theory for the belief while examming limitations in the previous studies. Further, the current study intends to name and appropriately define the belief. This study identifies two misinterpretations in studies by psychologists while reviewing previous studies, and confirms that those fallacies can also be seen in the interpretation of the concept of totemism. Consequently, this study indicates that the belief about blood type is linked to Claude Levi-Strauss' totemistic classification. The totemistic classification refers to the thinking that distinguishes between the human line and the totem line and matches subjects belonging to the totem line with those belonging to the human line. Based on Claude Levi-Strauss' totemistic classification, this study shows that knowledge of blood transfusions is related to the establishment of the belief about blood type, and that the belief links the relationship between each totem of ABO blood type with the relationship between each human group perceiving people as owners of each blood type. Finally, this study defines the belief as follows: by leveraging the knowledge of blood transfusion, the belief classifies all human beings into four groups according to their respective types of blood based on ABO blood typing, and matches the relationship between each ABO blood type based on blood replacement with the relationship between each human group. This study also names the belief: the classification of people based on blood type.
著者
若宮 由美 Yumi WAKAMIYA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.75-87, 2014-12-01

The Austrian National Library possesses a piano score of potpourri based on Ch. Gounod’s opera “Romeo and Juliet” that was arranged by Josef Strauss. The socre was published as No.107 of the series named ‘Anthologie Musicale’ by the publisher Spina. The background of this potpourri is not known. The French Opera “Romeo and Juliet” by Gounod was premiered in Paris on April 27, 1867 during the Expo in Paris, and was performed in German in Vienna on February 5, 1868. The author found the advertisement of the Strauss’s Concert in Volksgarten dated July 24, 1867 in which the “Groses Potpourri aus der Oper Romeo und Julie” by Josef Strauss was announced as a new work. It became clear that this potpourri was actually performed by the Strauss Orchestra.
著者
谷 謙二 春原 光暁
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 = Journal of Saitama University. Faculty of Education (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.261-277, 2020

In this study, we analyzed distribution of condominiums, supply fluctuations and land use changes in Chuo Ward of Tokyo from 1997 to 2016. The results are summarized as follows. During the period, supply of 368 condominiums was confirmed. In terms of location, only a few are in the first zone, and the second and third zones occupy many. There are many 10 to 14 story condominiums in the second zone, and many of the condominiums over 30 stories located in the third zone. The number of units supplied decreased from 2006 to 2009, but later recovered in Chuo Ward. Compared with the first half and the second half, the price and the floor space increased in the second period. The most common land use 6 years ago was the business, followed by the housing. In the Nihonbashi wholesaler district, there were many changes from office buildings to condominiums.