著者
長谷 龍太郎 高橋 香代子 友利 幸之介
出版者
神奈川県立保健福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,回復期リハビリテーション病棟に入院する脳卒中片麻痺患者を対象に,ADOCを用いたトップダウン型作業療法の効果について,無作為化比較試験によって検証した.54名の脳卒中片麻痺患者をランダムにトップダウン群とボトムアップ群に振り分けた.成果指標は,2ヶ月目でSF-36,FIM,ブルンストロームステージ,退院時に患者満足度,入院日数とした.介入前後の比較では,両群とも多くの項目で有意な改善が認められたが,両群間の比較では有意差は認めれなかった.ただしトップダウン群では,SF-36の全体的健康感と日常役割機能(精神)において効果的である可能性が示唆された.
著者
中川 登美雄 杉本 裕美
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.295-304, 2004-09-25

石川県加賀市の大聖寺層から産出したEchinarachnius microthyroidesに見られる捕食痕について研究した.捕食痕は産出した241個体中120個体から見つかった.捕食痕率はカシパンウニの大きさにより大きく異なり,長さ28mm以下の個体では22.0%であるのに対して長さ28mm以上の個体では69.5%であった.円筒型で2〜3mmの修繕跡のない小さな径を持ち,酸によるエッチングが見られ,複数の穴が開けられている個体は6.7%とまれであることからLiracassis japonicaのように殻高数cmのトウカムリ科巻貝による捕食痕と考えられる.ほとんどの捕食痕は完全で,反口側に開けられていることから,捕食者はカシパンウニの上部(反口側)から襲いかかったものと推定される.Echinarachnius microthyroidesはトウカムリ科巻貝により捕食され,波の影響により浅い海に集積したと考えられる.
著者
鷲見 朗子
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.269-294, 2004-09-30

最後のスペイン・イスラーム王朝であるナスル朝が建造したアルハンブラ宮殿の壁面や噴水には、クルアーン句、カシーダ(アラブ古典詩)句、神と統治者を崇める定式文句が美しいアラビア書体で刻まれている。本論はアルハンブラ銘刻句の図像的機能に注目し、それが表象するイスラームの美と精神を探求することを目的としたものである。イスラームの聖なる象徴である銘刻句の分析から、宮殿内の大使の間は荘厳なイスラームの七つの天を象徴し、獅子の中庭はクルアーンにあらわれる天国を表象していることが導き出された。ナスル朝スルタンはアルハンブラ宮殿を通してイスラームの信仰に基づく理想的な国家と政体を実現しようとしたのである。すなわち、銘刻句は建築物に意味と解釈を与えており、ナスル朝ムスリムの尊い宗教心と神への真摯な態度が建築芸術として表現されたものといえる。

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著者
滝沢馬琴 著
出版者
東京稗史出版社
巻号頁・発行日
vol.巻之1,2, 1883
著者
張 輝陽 星野 准一
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.135-138, 2014-10-31

本稿ではMOBAにおいてグラフ理論と時相理論を用いた適切な戦術でプレイヤと協力できるチームメイトAIを提案し,AIエージェントの行動とゲームの楽しさの関連性について検討する.
著者
森 俊明 舟崎 真理子 小林 厚志 岡畑 恵雄
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.564-568, 2001-10-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

脂質修飾リパーゼは超臨界フルオロフォルム中に可溶化し, R-1-フェニルエタノールを不斉選択的にエステル化する. 超臨界フルオロフォルムの圧量と温度を変化させると, 系内の誘電率を可逆的に変化でき, それにより反応収率は変化しないが, 反応速度を可逆的に制御できることがわかった.
著者
吉池 紀子 北端 美紀 武藤佳恭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.85, pp.61-64, 2000-09-21

本論文では,ニューラルコンピューティングの組合せ最適化手法の応用として,現代語を組み合わせた現代風「いろは歌」の作成方法を紹介する.ここでは,現代風「いろは歌」作成問題を二種類の組み合わせ最適化問題として捉えることによりニューラルコンピューティング手法により解くことを可能にした.一つ目の問題はすべての仮名を重複なく用いるような文節の組を選ぶ問題である.二つ目の問題は日本語の係り受け制約に基づいて語順を決める問題である.シミュレーションでは,あらかじめ語群として用意した964語の文節の中からいろは歌作成を行なった。その結果,自然な日本語に近い現代風「いろは歌」を生成できることが示された.We present a neural computing approach for composing a new version of Iroha-Uta using modern Japanese words and grammar. A new Iroha-Uta can be composed by satisfying the following tow restrictions. ura One of restrictions is how to chose words that satisfy the rule of Iroha-Uta and the other is how to order these words for making sentence based on Japanese grammar. In our simulation, 964 preset words are used for making Iroha-Uta. Our experimental results shows that the proposed algorithm can compose variations of Iroha-Uta as natural Japanese sentence.