出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.734, pp.35-42, 1999-01-11

「このままではハード・ディスク装置(HDD)との差が広がるばかりだ——」。光ディスク関連の研究者が危機感を募らせている。 1990年代の初めには,光ディスク装置の面記録密度はHDDよりケタ違いに高かった。しかし,HDDの面記録密度が年率60%増という驚異的なペースで伸び続けた結果,あっさりと1997年ころに逆転された。
著者
犬飼 己紀子
出版者
上田女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.89-98, 1997-03-31
著者
白石 孝
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.12-28, 1972-08-30

発展途上国の中でも,ブラジルは最近とみに注目をひき,その発展の過程に関して,さまざまな角度からの検討がなされてきた。事実,これまでの研究文献も多種多様にのぼり,いわゆる中南米やブラジル専門家とみられる人も決して少なくはない。それにもかかわらず,ブラジルは常に興味深い研究題材をあたえてくれるし,殊に,経済発展のプロセスやそこに生ずる経済制度やメカニズムとのコンフリクションを見極めようと思うものには,たしかに恰好なケース・スタディーの対象を提供してくれるといってよかろう。本稿はKeio Business Forumに筆者が発表した1970年のブラジル視察の覚書に統くものであって,主として,ブラジルの経済発展のパターンとその特徴を明らかにすることからはじめ,工業化,と貿易・為替政策,工業化のブラジルにおける条件と輸入代替の特質更に経済発展のコンフリクションを検討して,輸出多様化への発展プロセスを提示したいと思う。
著者
梶 幹男 澤田 晴雄 五十嵐 勇治 仁多見 俊夫
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.106, pp.1-16, 2001-12
被引用文献数
4

秩父山地のイヌブナ-ブナ林における17年間の堅果落下状況の推移から,イヌブナ,ブナともに2年に1回程度結実(総堅果落下量≧20個/m2)することが明らかになった。最大総堅果落下量はブナで992.4個/m2(1993年),イヌブナで943.9個/m2(1988年)であった。ブナおよびイヌブナの豊作年(総堅果落下量≧100個/m2)には明瞭な周期性は認められなかった。両種の豊作年が重なるのは2.3~3回に1回程度であると推定された。ブナとイヌブナの豊作年における平均健全堅果率(健全堅果量/総堅果落下量)は,イヌブナの方がブナよりも有意に高かった。同じく豊作年における両種の平均虫害堅果率(虫害堅果量/堅果落下量)はイヌブナよりもブナが有意に高かった。豊作年における総堅果落下量に占める潜在健全堅果量(健全堅果量+虫害堅果量+鳥獣害堅果量)の割合は7割程度で,平均値は両種間で有意な差がなかった。また,潜在健全堅果量に占める虫害堅果量の割合,すなわち虫害堅果率の平均値はブナがイヌブナよりも有意に高かった。これらのことから,ブナの健全堅果率が低い原因は同種の虫害堅果率が高いことによるものといえる。両種の豊作が同調した1993年と2000年の虫害堅果の落下時期はブナの方が早い傾向にあった。その原因として,ブナ堅果がイヌブナ堅果に比べて,早く成熟時の堅果サイズに達することによるものと推察された。ブナの虫害堅果落下時期は6月初旬~8月初旬および10月中旬~10月下旬に二つのピークが認められた。ブナの虫害堅果落下時期が二山型を示す現象は,東北地方と栃木県高原山においても観察されており,少なくとも東北地方から関東地方に広くみられる現象である可能性が示唆された。ブナ,イヌブナ堅果に共通する主要食害者としてブナヒメシンクイが重要であることが示唆された。日本海側に比べて太平洋側のブナの虫害堅果率が高い原因として,後者は冬期寡雪であることおよびイヌブナとブナが混生しており,両種の豊作年が必ずしも重ならないことが重要であると推論された。In order to investigate the long-term fluctuation of the seed production of beech species, the amounts of fallen nuts of Japanese beech (Fagus japonica Maxim.) and Siebold's beech (F. crenata Blume) were surveyed in sample plots of a natural beech forest in the Chichibu Mountains, Central Japan, for 17 years (1984-2000). Both of the beech species bore fruit (nuts≧20/m2) about half of the years. The maximum total fallen nuts were 992.4 nuts/m2 in Siebold'beech (1993) and 943.9 nuts/m2 in Japanese beech (1988), respectively. The mast year (nuts≧100/m2) interval was irregular. The probability when mast year of both beech species synchronize was estimated about once in 2.3-3 times of the mast year. The average ratio of sound nuts (SN) to total fallen nuts (TFN) of Japanese beech in the mast year was significantly higher than that of Siebold's beech. The average ratio of insect-damaged nuts (IDN) to TFN of Japanese beech in the mast year was significantly smaller than that of Siebold's beech. There was no significant difference between the species in the average ratio of potential sound nuts (PSN=SN+IDN+Animal-damaged nuts) to TFN. The average ratio of IDN to PSN of Siebold's beech was significantly higher than that of Japanese beech. The low average ratio of SN in Siebold's beech was mainly caused by high average ratio of IDN. The falling time of IDN of Siebold's beech nuts tended to be earlier than that of Japanese beech, as the growth of the Siebold's beech nuts is about two month faster than that of Japanese beech. As to the falling time of IDN in the synchronized mast year of both species in 1993 and 2000, Siebold's beech showed two modes at early June-early Aug. and mid Oct.-late Oct. The bimodal pattern for the falling time of IDN in Siebold's beech was also observed at Kunimi, Obonai (northern Honshu) and Mt. Takahara (central Honshu). This fact suggests that the phenomenon of bimodal insect damage on Siebold's beech nuts might be common in Tohoku and Kanto district. Pseudopammene fagivora Komai is one of the most important nut predators, for both Siebold's and Japanese beech. Larger insect damage in Siebold's beech nuts in the Pacific Ocean side in comparison to the Sea of Japan side, might be caused by the two factors that there are much smaller snow in winter and that mast year of two beech species is not always synchronize each other.
著者
岸田 孝弥 武井 昭 大島 登志彦 久宗 周二
出版者
高崎経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

企業の意思決定過程における組織エラー防止のための組織人間工学的研究として、以下のような研究に取り組んだ。(1)雪印乳業(株)大阪工場における低脂肪乳による食中毒事件、(2)三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故及びトラックハウジング破損事故に関わる情報操作、(3)明石市花火大会歩道橋事故、(4)日本フード食肉偽装事件と日本ハムグループの組織改革及び食品安全委員会の組織心理学的研究、(5)京福電鉄過去30年の事故分析、(6)JR西日本救急隊員列車接触事故、(7)韓国大邱市の地下鉄「中央路」駅車両火災事故、(9)美浜原発高温蒸気噴出死傷事故、(9)新宿歌舞伎町雑居ビル火災と経営者の役割等である。雪印乳業低脂肪乳食中毒事故では、昭和30年に起きた北海道八雲工場の製品による食中毒事故を、企業風土の中に生かしきれなかったケースである。このことは雪印乳業で育まれた安全文化が継承されなかったことが原因と考えられる。三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故の例では、企業風土に基づく組織事故であり、組織文化的接近が必要である。三菱自動車では、自分より職位が上の者に対して意見を言うことの困難さが感じられた。社内の階層権威の勾配が大きかったことが原因の一つとして示唆されていた。明石市の歩道橋事故では、主催者、警備会社、警察の三者が花火大会の警備について、一つの方向性を見出すことなくバラバラに取り組んでおり、組織としての対応がなかった点に組織事故としての要素が大きい。この3事例を始めとして、3年間に取り組んだ全ての事件・事故で企業の意思決定過程における組織エラーが認められ、企業の安全文化の確立が必要であることが示唆された。そのための解決策として参加型人間工学の導入が強く望まれる。今後は企業倫理を確立し、企業の行動基準を従業員に示し、従業員が安心して企業活動に取り組めるような、コンプライアンスに基づく活動が企業に定着することが望まれる。
著者
森 俊二 山田 博三 斉藤 泰一 宮川 達夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.p814-821, 1977-08-15
被引用文献数
4

最近OCR, なかでも手書文字用のOCRの研究開発が盛んである昨年1975年の11月, 晴海で開かれたデータショーでも, 10社に余る会社が, その商品化されたもの, またはミニコンによる実験機を発表していた. 良く読んでいたものもあったし, そうでないものもあった. そこで, 一体何%ぐらいの読取率ですか, という質問をしてみた. ずばり答える人はまずない何かはぎれの悪い返事が帰ってくる. こちらの指示通りにきちんと書いて下されば98%はいきますが, といった返事である.
著者
三上 弾 紺谷 精一 森本 正志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.526-534, 2007-02-01
被引用文献数
5

本論文では,野球映像からピッチャーによる投球イベントを検出する方法を提案する.提案手法では,(1)映像撮影環境(撮影角度など)の影響を受けにくい音響解析によって,投球後に発生する打球音あるいは捕球音を取得し,投球イベントの候補とする.(2)音響解析により求めた投球イベント候補について,各候補の時刻における動き特徴によりクラスタリングを行うことで,投球イベント候補の中から投球イベントのみを選別する.(3)投球イベントから投球動作テンプレートを作成する.(4)投球動作テンプレートを処理対象映像から自動的に選び,映像全体を再検索する.以上の処理により,音響解析によって検出が不可能であった投球イベントについても検出することが可能となり,高精度な投球イベント検出が実現できる.野球の放送映像及び個人撮影の野球映像を用いて実験を行い,放送映像において,音響解析による投球イベント検出の適合率は約60%,再現率は約81%であったが,提案手法を用いることにより,適合率約90%,再現率約95%(検出漏れはテロップによる投手の遮へいなど)の精度で検出が可能となり,野球映像構造化の第1段階として十分な精度を得ることができた.
著者
鈴木 文菜 吉田 泰将 村山 光義 内山 孝憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.98, pp.11-16, 2008-06-13

本研究は,3軸加速度センサを剣道で使用する竹刀の先端部に取り付け,剣道の熟練者と初心者の素振りの違いを定量化し,初心者や技術の向上を目指す人のための練習支援システムを開発することを目的とする.現在,運動解析は主に,画像解析によって行われている.しかし,多数の高速度カメラを必要とし,専用の施設で計測する必要がある.また,データ処理に膨大な時間を必要とする.それに対して,本システムは,加速度センサを用いることにより,短時間で処理出来るため,実際の指導現場において有用な運動解析法であると考えられる.画像解析による結果を比較することにより,本研究は,振り降ろし方向の加速度が10%から90%に変化する時間(評価指標:T_2)と躍度(評価指標:Jerk)が,熟達度を評価出来る指標であることを示した.
著者
塚越 哲 蛭田 眞一
出版者
静岡大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

間隙性貝形虫類について種ごとの分布範囲をとらえるために,駿河湾・相模湾(伊豆大島を含む)沿岸を調査地とし,Microloxoconcha属の種について調査した.一般に表在性貝形虫類では,一種の分布範囲が本州全体,あるいは本州の西半分程度の範囲を持ち,当該地域程度のエリアであれば,1属につき高々3,4種程度である.本研究では,キチン質部分の解剖によって交尾器の形態差から種を認定し,当該地域より10種のMicroloxoconcha属の種を分類し,いずれも未記載種であった.間隙性貝形虫類は表在性のそれよりも,非常に狭い地域で種分化し,各々の種の分布範囲が狭いという傾向をとらえることができた.また,表在性貝形虫類では一般に背甲表面に開口する感覚子孔の分布パタンが種ごとに独立であり,交尾器の形態差と1対1になることが知られているが,本研究で確認されたMicroloxoconcha属10種のうち4種は,交尾器の形態で区別がつきながらも,感覚子孔の分布パタンは同一であることが明らかにされた.このことは種を特徴づける2つの形質,すなわち交尾器の形態と感覚子孔の分布パタンを比較した場合,前者の方が後者よりも早く変化して個体群中で安定することを示唆するものであり,貝形虫類の進化を考察する上で新たな視点となる.また,北海道南部折戸海岸の2ヶ所より得られた間隙性種が遺存的分類群Terrestricytheridaeであることを確認した.この分類群は,これまで択捉島で1種およびロシア:ウラジオストック付近で2種(1種は択捉島とおなじ),そして英国で2種が見いだされているだけであり,他の貝形虫には見られない半陸棲ともいえる海岸付近の特殊な汽水環境に生息している.この分類群が間隙生種としてとらえられるのは初めての例であり,その生態学的研究にも新たな展開が期待される.
著者
山本 和生 マジェティック サラ
出版者
一般財団法人ファインセラミックスセンター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

磁性ナノ粒子自己組織化膜に形成される集団的に各粒子の磁化が揃う「超強磁性現象」の特徴を,電子線ホログラフィーとローレンツ顕微鏡法を用いて解明することが目的である.ホログラフィー観察の結果,超強磁性の磁区構造はミクロンオーダーであり,温度変化により磁壁が移動することがわかった.また,超強磁性-超常磁性転移の観察にも成功した.動的ローレンツ顕微鏡法により,100-300nmの領域で磁化が強く揃っており,その領域の磁化ベクトルが高速に回転していることが明らかになった.
著者
阿部 征次
出版者
東京女子体育大学・東京女子体育短期大学
雑誌
東京女子体育大学紀要 (ISSN:03898806)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.38-44, 1987-03

400m走のピッチについて明らかにし,今後の400mのレース展開やトレーニング構成をより効果的にする一助とすることを目的に,試合時の400m走のピッチの経時変化に考察を加え,次のような結果を得た。(1)ピッチは平均,最大,最小ともやや男子が高いが,ピッチの低下率は女子が高かった。(2)総歩数は男子の方が少なく,平均ストライドは0.32m男子が大きかった。(3)記録とピッチは男子は平均,最大,最小とも相関を示し,女子は最大ピッチのみ相関が認められた。(4)記録と平均ストライドは女子で1%水準で有意な相関が見られた。(5)最大,最小ピッチの発現区間は,女子はほとんど同じ傾向を示し,男子は記録レベルの低い群にバラツキが見られた。(6)ピッチの経時変化はレベルの高い群では記録との関係を示すが,低い群には見られなかった。本研究の結果,400m走の記録レベルが高くなればピッチとの関係があることが推測されたが,高いレベルのデータが少なく明らかにするに至らなかった。今後の課題としては,高い記録のデータを得ることと,経時変化に距離を加え,スピード,ストライドの変化との関係を明らかにすることがあげられる。また今回のデータには,予選,準決勝のデータも含まれていたが,決勝のデータがより望ましく,今後も研究を進めたい。
著者
中岡 茂
出版者
日本森林技術協会
雑誌
森林技術 (ISSN:1349452X)
巻号頁・発行日
no.752, pp.2-6, 2004-11
被引用文献数
1 1