著者
鈴木 聡
出版者
日本微生物生態学会
雑誌
日本微生物生態学会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.23, 2007-09-15

海に目を向けてみよう.海にはクジラや魚からプランクトンにいたるまでたくさんの生物がいます.しかし,海洋にいる生物すべてを集めても,海洋全体の有機物の1%程度にすぎません.では, 99%の有機物はなんでしょう?それは「溶存態有機物」と呼ばれるもので,それを栄養として利用できる生物は微生物だけなのです.
著者
宮地 信晴 牛頭 靖幸 稲積 泰宏 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.96, pp.13-18, 2004-05-21

インターネットの利用者が,他人のコンピュータに不正にアクセスする行為や著作権者に無断でコンテンツを転載する行為等を行うと法的な責任が発生する.そこで,本稿では神奈川大学のネットワークを利用して,法的責任が発生するような行為が起こった場合の責任の所在をインターネット関連の法律を参考にして考察を行う.
著者
太田 健一 中田 昌 宮脇 冨士夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.1196-1204, 1995-08-25
被引用文献数
1

最近, 日本の夜空が明るすぎ,「光害」と呼ばれる公害が存在することが知られてきた.夜空の光量の絶対値を測定することは, この新たな公害のレベルを知る上で重要であり,特に簡単で高精度の計測手法の開発に対する要求が大きい.本論文では,冷却CCDにカメラレンズを結合して夜空の光学画像を得て,夜空の明るさを計測する手法を提案する. この方法では,観測画像に映る個々の星の除去が必要であるが,基本星表との照合は行わない.一般的に「周囲より明るい微小像が星である」と視覚が認識することを星像モデルに置き換え,この星像モデルと合致する部分を探す. これは,星像中心となる画素を検出し,星像の裾野を検索して,星像成分の存在する画素を決定して除去するものである. この手法を実際に撮影した夜空の画像に適用し,都市夜光の量の測定について,その有効性の確認を行った. また,フィールド調査で得た画像を処理して,等光度線図作成や離れた地点の絶対値比較ができた.従来の写真濃度を測微光度計で測光する方法と比べて,本法では背景光の平均値と標準偏差などが,短時間で正確に得られた.
著者
鬼丸 利久
出版者
日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.878-881, 2000-12
著者
岩井 圭司
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

裁判において精神的被害を正しく評価するためには、被験者の意識的あるいは無意識的な意図によって症状が過大に報告されることの少ない質問紙が必要である。その目的で、まずは外傷後ストレス障害(PTSD)診断におけるミネソタ多面人格目録(MMPI)の特性と有用性について検討した。対象としたのは自験例55例(うちPTSDは36例である)。従来からMMPI診断に用いられてきたプロフィール-4つの妥当性尺度と10の臨床尺度とからなるプロフィール-は、PTSDの病態を反映しており、PTSDと非PTSDをかなり正確に判別しえた(正診率0.82)。MMPIはPTSD診断テストとしても有用であると考えられた。MMPIの下位尺度であるPK尺度(PTSD Keane Scale)日本語版は、PTSDに関して非特異的な設問のみからなるにもかかわらず、PTSD診断検査として有用であることが見出された。また、PTSDの各臨床尺度得点の単純加減によるMMPI-PTSD Index(M-PTSD Index)を開発した。PK得点もM-PTSD Indexもともに、被験者の意図によって判定結果が左右されることのほとんどないPTSD診断検査としてPK尺度と同程度に有用であると思われた。次に、意図的に精神的被害を受けたかのように振舞う者と真に精神的被害を受けた者とを判別することを試みた。ドメスティック・バイオレンス(DV)からPTSDを発症した者と、模擬的にDV被害者になりすました"ニセ患者"に出来事インパクト尺度改訂版(IES-R)を2週間の間隔をおいて施行した。2回の施行間で2点以上の点数の移動があった項目数は、真の患者群(DV群)が"ニセ患者"(CP群、 Med群)に比べて有意に少なかった。"ニセ患者"では真の患者に比べて回答行動における再現性が低い、という仮説が裏付けられた。
著者
額尓徳尼 堀田 紀文 鈴木 雅一
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.338-350, 2009-11-30
被引用文献数
1

内蒙古自治区全域における砂漠化と緑化事業がもたらした植生変化の実態を把握するために,NOAA/AVHRR の衛星リモートセンシングデータから求めたNDVI(正規化植生指数)を用いた検討を行った。まず,文献から植生変化の実態が明らかな地域において,NDVI の変化と植生変化について比較し,1982~1999 年までの約18 年間における植生の変動を調べた。植生変化が少ない地域でのNDVI の変動から,植生増減を判断するNDVI 変化の閾値を検討し,1982~1986 年と1995~1999 年の夏季NDVI の差を ΔNDVI とし,植生の増減を8km 分解能のピクセル毎に求めた。そして,ΔNDVI により植生が変化した地域を抽出して図化した。その結果,内蒙古自治区全体としては,NDVI が増加した地域の割合が減少した地域の割合を大きく上回り,植生増加の傾向が示された。赤峰市(特に敖漢旗)の植生増加が顕著であり,次いでシリンゴル盟,フフホト市,バヤンヌール市の一部にまとまったNDVI 増加が示され,内蒙古全域においてNDVI が増加した面積が約20 万km<SUP>2</SUP> 程度見られた。北半球の高緯度地域では温暖化によるNDVI の増加が報告されているが,行政区毎に求めたNDVI が増加した地域の面積と,統計資料に基づいて集計した造林面積と耕地化された面積の合計に良好な比例関係が見られ,内蒙古自治区における夏季のNDVI 増加は主に緑化と農耕地の拡大という人為的な要因による植生増加である。一方で,NDVI 減少が抽出された内蒙古自治区西部(アラシャ盟),東北ホルチン砂地周辺などでは,もともと植生が乏しい地域であり,これらの地域では砂漠化による植生減少が指摘された。
著者
小笠原 崇 高橋 友和 井手 一郎 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.55-60, 2007-03-09

近年、大量に蓄積された映像データを効率的・効果的に利用するための技術が求められている。ニュース映像アーカイブにおいて、閲覧・検索のキーとなる重要な情報の一つとして映像中の登場人物がある。登場人物をキーとした映像の閲覧や検索を支援する技術は、従来から研究がなされているが、それらはもっぱら「名前」によってのみ人物を区別し、複数の呼称を持つ人物は、その呼称ごとに別々の人物として扱われてきた。本研究では、この問題に対処すべく、複数の呼称を持つ登場人物の同定(いわゆる"名寄せ")を行う手法の開発を行っている。名寄せは、言語処理や意味解析の高度化により、ある程度は実現できるが、「東国原知事」に対して「そのまんま東」のような通称を名寄せする場合など、言語処理での解決が困難な場面は多々ある。そこで、本手法では各呼称に対応付く人物の顔を利用することで、言語的な変化に影響されない枠組みでの名寄せを試みた。本報告では、5年半に渡り蓄積されたニュース映像アーカイブに対し本手法を適用した。結果から、本手法の名寄せ効果を確認した。
著者
権藤 克彦 冨永 和人
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.2_93-2_99, 2010-04-27 (Released:2010-05-17)

Cプログラム中の#includeの正しさをチェックするツール「簡単#include検査君」を開発した.教科書用の158個の小さなサンプルコードに実験的に適用し,58個のファイルから#includeミスを発見できた.経験として,ツールは#includeミスの発見に非常に有効だったこと,この成功は「使い捨てツール」のアイデアを裏付けること,#includeミスは予想よりもはるかに多かったこと,などを述べる.
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.259-260, 1997-03-12

人間は複雑系に対応して生きて来た。今回, 問題にする楽曲パタン系も, 典型的な複雑系と思われる。楽曲パタン系を扱うのに, 我々は, 数理伝送の立場から, 正規化系という, 射影関係から, その問題に対応しつつある。一般に, 複雑系といった場合, それが全てにかかわる為, その中核となる, 又は, 基礎となる分野とは, そして, その複雑性を減少させる方法とは, ということを考えたい。音楽的系は, 伝子工学系 (一般化された線路・回路伝送工学) の立場からしても, 他の全ての分野の問題系の, 重要な基礎系である。その楽曲パタン系を正規化系としてゆくのも, その複雑性の減少の試みでもある。通常の科学哲学を背景に, 少し前から, ガイア, ファジー, 痛覚, カタストロフ, フラクタル等のいわゆるニューサイエンスの系列上に, フラクタル, カオスがあリ, 一方, 物理系でも, DNA, 人間原理, 超弦理論等と流行し, 今回の複雑系は, これ等を背景に, 最近, 脚光をあひているものである。我々は, 生物的, 意識・行動的機能, に対応する人工的シスてム, について考えを進めている。今回は, その基礎系として, 楽曲パタン系の問題の, 複雑系としての軽減の試みをする。
著者
兼折 泰彰 村松 浩幸
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.189-192, 2006
被引用文献数
1

現在,教員研修における方法として,教員が協同し問題を解決するワークショップが注目されている.中学校技術科の「情報とコンピュータ」の研修方法は,個人実習と講義が中心であるという現状がある.そこで,「情報とコンピュータ」の研修にワークショップの導入を検討し,講義と共に実習を含んだワークショップを取り入れた研修モデルを構想した.研修モデルに基づいて「情報通信ネットワーク」の教員研修プログラムを開発し,評価した結果,本事例におけるワークショップを導入した技術科専門研修における教員研修プログラムは,参加教員から肯定的な評価を得ることができた.
著者
村松 浩幸 川俣 純 山口 治 森山 潤
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.41-49, 2009-12-18

本研究は,CMSによる情報共有システムを用いて,中学校技術・家庭科技術分野において,ロボット製作に関するアイデアを模擬特許として共有する知的財産学習を実践した.実践には,2006年度から2008年度の間に計20校が参加した.実践の結果,(1)CMSの活用により複数データベースの連携と管理作業の軽減が図れた.(2)共有された特許情報の進歩性,有用性を評価した結果,アイデアの質が年々向上していることが確認された.(3)抽出した中学校1校の生徒を対象に,知的財産に対する意識の変容を調査した結果,「F1:アイデア共有の価値認識」,「F2:創造的活動の意欲」,「F4:発明への関心」,「F5:知財の尊重」の4因子において事前・事後間の有意な伸びが確認された.(4)使用した情報共有システムに対して生徒は,アイデアの発想や製作上の課題解決,工夫する意欲の向上に有用であったと回答した.以上の結果から本実践の有効性が検証された.