1 0 0 0 OA 泉鏡花研究

著者
野口 哲也
巻号頁・発行日
no.22,
著者
湯浅 哲也 加藤 靖佳 板橋 安人 YUASA Tetsuya KATO Yasuyoshi ITABASHI Yasuto
出版者
Special Needs Edudcation Research Center, University of Tsukuba
雑誌
筑波大学特別支援教育研究 = THE JAPANESE JOURNAL OF SPECIAL NEEDS EDUCATION RESEARCH (ISSN:1883924X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-8, 2018-03

本研究は,重度聴覚障害児の発話にみられる発話速度およびピッチを取り上げて,その韻律的特徴の変化を縦断的に究明していくことを目的としている。今回は,重度聴覚障害児1名を対象に,小学部3年,小学部6年,高等部3年の3時点において,「せつぶん」の音読を実施した。その音読された発話音声の発話速度とピッチを音響的に測定し,各段階および健聴者との比較検討を行った。その結果,発話速度は小学部3年時点に比べ高等部3年時点になると速くなることが示された。ただし,小学部6年時点は小学部3年時点より速度低下が認められた。その要因として,①発話材料の内容を熟考しながら音読したため,②発音要領を明瞭に意識して読もうとしたため,結果的にゆっくりになったと考えられた。また,ピッチに関しては,年齢が上がるにつれて下がっており,高等部3年時点では健聴女性と近似したピッチを示すことが明らかになった。
著者
矢ケ﨑 太洋 竹下 和希 松山 周一 川添 航 竹原 繭子 曾 宇霆 玉 小 益田 理広
出版者
Association of Human and Regional Geography, University of Tsukuba
雑誌
地域研究年報 = Annals of Human and Regional Geography (ISSN:18800254)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.75-103, 2018-04

日本の高度経済成長期に「ニュータウン」と呼ばれる新興住宅地が郊外地域で多数形成された.今日,ニュータウンの課題として住民の高齢化や空き区画の増加などが指摘され,ニュータウンの再開発や再生が求められている.そこで本研究は,土浦協同病院の移転によって発展が加速する茨城県土浦市おおつ野を対象に,ニュータウンの再開発について考察した.聞き取りおよびアンケート調査を実施して,おおつ野の開発史,土浦協同病院の移転経緯,住民のライフコースと日常生活の変化を明らかにする.茨城県南部におけるニュータウンは,バブル崩壊後の都心回帰の傾向が強まる中で,東京大都市圏の郊外としての機能が低下し,地方都市の郊外として戸建住宅の用地を供給する役割を持つように変化した.その結果,おおつ野では空き区画が増加したが,土浦協同病院の移転により,商業施設が立地し,生活環境が改善され,ニュータウンとしての再発展が始まった.
著者
ナスティオン 土屋 武志
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.101-110, 2003-03-29

本論文は,教科書を通して日本とインドネシアが,どのようなナショナリズムを育ててきたのか,また現在,育てようとしているのかを分析した。第二次世界大戦以前の日本のナショナリズムの大きな力は,国家神道と呼ばれる宗教的な精神によって支えられていた。その意識(国家-天皇-神)は戦前日本の教科書を通して育てられた。戦後は日本国憲法および教育基本法の理念に基づき,民主主義や平和を愛する意識を育てることを重視する経緯をたどってきた。しかし,現在は一部の日本人が戦前のナショナリズムの復活を期待する傾向がみられる。近代的な国民国家形成期に日本は天皇を統一のシンボルとしてきたが,インドネシアの場合はこのような存在がなかった。多民族,多文化,多言語,多宗教,多島などの国として成立した国家を守り育てていくためにパンチャシラ(五原理)いわゆる「寛容的なイデオロギー」(多様性の中で統一)を作った。これを教育で強調し,インドネシア国民の社会的,政治的,文化的な統一を企図してきた。しかし,インドネシアの各時期によって,政府の政策は異なった特徴を持っている。
著者
五嶋 陽子 Gotoh Yoko
出版者
神奈川大学経済学会
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.169-189, 2016-02-29

論説
著者
若松 寛
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.596-603, 1980-12-31
著者
Permanasari Maharani Dian Maharani Dian Permanasari
出版者
The International Center for Cultural Resource Studies, Kanazawa University
雑誌
Journal of the International Center for Cultural Resource Studies (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-22, 2017-03

Banana plants attain a position of central importance within Javanese culture: as a source of food and beverages, for cooking and containing material for daily life, and also as offerings for numerous ceremonies and rituals. The role and functions of banana plants in Javanese culture also imply philosophical meanings and wisdom of Javanese who perceive the plants as a resemblance of human beings. This article describes the role and functions of banana plants in Javanese rituals and analyses their philosophical meanings. The findings would contribute to the continuity in usage and functions of banana plants among Javanese people, and may affect the villagers who are deeply involved with the use of banana plants, by deepening their knowledge on the philosophical meanings of banana plants, to preserve and accommodate this material culture into their future life.
著者
中野 泰 Nakano Yasushi
出版者
神奈川大学 国際常民文化研究機構
雑誌
神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報 (ISSN:21853339)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-74, 2010-10-30

本稿は、「漁業民俗」の研究動向(1980年代〜)を取り上げ、海洋民族学(海洋人類学)と対比しつつ、社会・歴史的文脈を重視する視角から整理・検討した。研究史の展開を4つのテーマ領域(「漁民社会研究」「知識・技能研究」「サブシステンス研究」「資源利用の研究」)別に整理し、以下の3 点が主たる課題として導かれた。 既存の「漁業民俗」の研究においては、第一に、「漁業民俗」の担い手の位置づけが、漁村、あるいは主体的個人という二通りの捉え方に乖離したままで不充分であること、第二に、「漁業」の範囲を、生産や技能中心の概念へ暗黙裡に限定しており、現況を捉える困難さがあること、第三に、変化の契機、条件や要因の分析が不充分な点である。 以上の課題に対し、本稿では、第一に、世帯・家族レベルに焦点化して「主体」概念を深化させ、社会構造との間の弁証法的関係を重層的に関連づける必要を説いた。そのためには、具体的な場の文脈に即して検討する必要がある。第二に、「漁業」概念を拡張し、家内労働を含め、地域社会における生活文化と連関させること、第三に、地域社会外と連鎖する関係性も捉え、科学技術や社会経済の動向などのより広い国内外の時代的文脈に位置付け、変動の契機、その諸条件や要因の分析が必要であると説いた。 漁業をめぐる価値観が多様化しつつある現在、「漁業民俗」の研究は、グローバルに展開する関係性を対象に入れ、異なる立場で関わる者へもミクロに迫り、現象を取り巻く力関係を歴史的社会的文化的文脈へ位置づける必要がある。その力関係を対象化する上で、巷間に流布する「海民」概念など、「主体」に関わる民俗学の表象が有する歴史的背景と政治性への省察を行う必要もあることを説いた。