著者
鵜沢 秀
出版者
中央経済社
雑誌
基本現代経済学. 第3章
巻号頁・発行日
pp.29-49, 1992-04

197
著者
中津謙雄著
出版者
鶴林寺
巻号頁・発行日
1963
著者
竹沢 尚一郎 シセ ママドゥ
出版者
Japan Association for African Studies
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.31-48, 2008-12-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
49

奴隷貿易と植民地支配以前, 西アフリカは繁栄を謳歌し, ガーナ, マリ, ガオ等の大国家が成立した。しかしその実態は, 歴史資料が乏しいこともあり十分に明らかにされてはいない。その空隙を埋めるべく, マリ共和国東部のガオ地区で発掘をおこなってきたので, その成果を報告する。ガオ-サネ遺跡での発掘からは, 長方形の日干しレンガ製建造物が出土した他, 400点を越えるビーズ, 北アフリカと同型のランプ, 鉄や銅の製品, 紡錘車が出土した。小型坩堝の他, 大小2種類の鎌形の銅の板が存在したが, これは貨幣として流通し, 必要に応じて製品に加工されたと考えられる。放射性炭素分析から遺跡はAD8Cから10Cと考えられる。製法と種類の異なる多様な土器の存在, 土製ランプの出土, 長方形の日干しレンガの使用, 西アフリカ最古の紡錘車の出現など, 西アフリカの他の遺跡との相違は顕著である。以上から, この遺跡は南方の黒人系だけでなく, 北アフリカの交易者・工人が居住していたと考えられる。古ガオ遺跡での発掘からは, 片翼36mの総石造りの建造物の他, 浴室を備えた小型建造物が出土した。出土品には, 約1万点のビーズ, 1千点以上の銅製品と鉄製品, 北アフリカ・中東産のガラス製小型容器片や磁器片などの貴重品がある。放射性炭素分析から建造物は10Cを通じて利用されていたと考えられる。使用された石は付近に存在しないので, 遠方から運ばれていたはずである。他に類を見ない石造りの大規模建造物であること, 建造用の石を遠方から運ぶほどの権力の集中が存在したこと, ガラス製容器等の貴重品がサハラを越えて運ばれていたことから, 建造物は王宮ないし権力者の居宅であったと考えられる。アラビア語史料によれば, 10Cのガオは王都と交易都市からなる双子都市であり, 私たちの発掘はそれを裏付けている。その他, 西アフリカで発見された最初の「王宮」であること, サハラ交易の開始が従来より少なくとも2世紀早められたこと, 西アフリカを東西に結ぶ交易路の存在が確認されたことなど,「中世」前期 (8-10C) の西アフリカ史を解明する上で多くの成果がもたらされている。
著者
永野 順子 安広 美智子
雑誌
比較舞踊研究 (ISSN:13440578)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.25-35, 2011

1、The purpose of this study is to clarify how "The School Dance" has evolved from its beginning to present-day high schools.The "Square Dance" was introduced to women's high schools in the Meiji Era. "Faust," which was introduced by Akuri Inokuchi from America at the end of the Meiji Era, and "Tokura Dance," which was instructed in high schools from 1940s to 1950s, derived from "The School Dance"2、Materials for this research were gathered by means of inquiry. In addition programs of high school sports days in 2010 were gathered. Some school's home pages were also examined.Subjects for this research were interviewed on sports days in 2010 and 2011.3、Our research revealed four main points.1) The dance instructors were gymnastics teachers who had used their gymnastics classes to teach “The School Dance."2) “The School Dance" taken up by the schools we investigated were ‘Quadrile,’ ‘Faust,’ ‘Minori,’ 'Tagoto no Tsuki,’‘Hanabatake no Ashita,’ and so on.3) “The School Dance" was practiced in high schools for many years. One reason for this was tradition. Traditional dances continued to be proudly practiced and performed for long time in high schools. Another reason was a yearning from the graduating class,which hoped that “The School Dance" would be performed as a memorial to their last school year. The pupils looked forward to participating in "The School Dance" on sports day.4) “The School Dance" was ideal for teaching basic dance techniques and contained various expressions. Many pupils were able to communicate with each other through the synchronized movements and enjoy the sense of harmony it brought them.Traditional dances in high schools were something with which each school could be identified. Furthermore “The School Dance" connected one generation of pupils to the next. These factors make up the educational significance of “The School Dance" in present-day high schools.
著者
原田 小夜 西垣 里志
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.122-132, 2021-07-27 (Released:2021-10-16)
参考文献数
28

高齢精神障害者支援において精神科訪問看護が介護支援専門員との連携を進める上で直面している課題と対応について明らかにすることを目的に,精神科訪問看護ステーション3カ所6名の精神科訪問看護師にインタビューを行い,質的帰納分析を行なった。その結果,【家族が抱え込んだ精神・身体の両方のケアが必要な高齢者】,【介護支援専門員の高齢精神障害者に対する生活支援力の不足】,【地域での連携が進まないジレンマ】,【訪問看護は介護と障害の架け橋】の4コアカテゴリを抽出した。家族だけで長年援助してきた精神科未治療で身体的ケアの必要な高齢精神障害者の紹介が介護支援専門員から精神科訪問看護に入るが介護支援専門員の精神疾患・精神障害に対する知識不足や観察力不足があるため連携が難しいこと,介護支援専門員は精神科訪問看護の役割が理解できていないこと,支援を進める上で介護保険制度上の課題があること,精神科訪問看護が多職種間の連携を主体的に進めていこうと考えていることが示唆された。

1 0 0 0 OA 体温調節と脳

著者
細野 剛良
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.58-64, 2000-11-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
22
著者
煙山 千尋 小川 千里
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-21, 2021 (Released:2021-09-27)

本研究の目的は,大学生アスリートの家族・家族的関係にある者への心理的依存尺度を作成し,スポーツ推薦入学経験の有無による依存性得点の違いを検討することであった。調査は,4年制体育系大学に所属する大学生アスリート311名(男性=202,女性=108,不明=1,平均年齢=19.59,SD=0.76)に対して実施され,対象者の属性,大学生アスリート版依存性測定尺度の原案,依存性についての測定尺度について回答を求めた。分析の結果,信頼性と妥当性のある4因子28項目の大学生アスリート版家族ら関係依存性測定尺度が開発された。また,スポーツ推薦群が一般学生群と比較して全ての依存性得点が有意に高い結果が認められた。これらの結果から,トップ・アスリートにおいて,選手と親や指導者との根深い依存関係が維持され,自立が先送りにされている可能性が高い。そのため,親や指導者との関係を再構築し,アスリートの主体性を育む支援が必須であると考えられる。
著者
昆 隆
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.23-32, 1985-06-10 (Released:2017-08-01)

「山月記」本文の叙述そのものから、「作品」としての、(辞書的)意義ならぬ(文脈的)意味を、読解しようとする試みである。基本線は、変身後の李徴が亡霊であること、その悲痛な独白自体が彼にとって未到の詩的達成を遂げていたこと、そして、鎮魂のあったこと、に在る。意識家李徴は変身による不幸の完成によって、無意識の裡に、感情の表現を得た-という逆説が、読み取られる。
著者
林幹彌著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1980
著者
若松 小百合 中村 美里 松代 真琳 角川 雅俊 嶋本 良則 遠藤 大二 郡山 尚紀
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.71-80, 2020-06-23 (Released:2020-08-24)
参考文献数
16

海棲哺乳類の排泄物は海洋環境において重要な栄養源となっているが,飼育下の海棲哺乳類はその水質によって健康を損なう可能性がある。本研究ではその水質に着目し,細菌の群集解析を行うことで,それぞれの動物種の飼育水の細菌学的特徴を明らかにすると共に感染症を引き起こす原因菌のスクリーニングを行うことを目的とした。おたる水族館で飼育されている鰭脚類と鯨類を含む計10の飼育水と元の海水について次世代シークエンサにて細菌の塩基配列を調べ,細菌の群集解析を行った。その結果,飼育水の特徴としては,Proteobacteria,Bacteroidetes,Firmicutesが元海水と共通して見られたが,FusobacteriaおよびOD1・GNO2といった培養不能細菌門は飼育水に特徴的であった。各動物の飼育水細菌叢は鯨類や鰭脚類においてそれぞれ特徴的であったが,鰭脚類においてワモンアザラシは他との類似性が低かった。飼育水には環境中に存在する日和見菌がわずかに見つかったが,伝染性細菌やその他公衆衛生上特に注意すべき細菌は認められなかった。今後,他の水族館の飼育水についても調べることで,より理想的な海棲哺乳類の飼育環境づくりに繋がることが期待される。