著者
八十田 典克
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.39, pp.127-129, 1999-06-25

1.エーザイの企業目的は「hhcの実現」当社は1941年に創業以来、良い研究をベースに良い製品を次々と生み出し、世界の国々の多くの人々の健康福祉に貢献したいという「高い志」をもって企業経営を行ってきた。国民皆保険制度のもと、製薬業界全体が右肩上がりの成長を遂げていた従来の状況では、この価値観(どちらかというとプロダクト・アウトの発想)は効果的に機能してきた。しかし医療費削減政策等により医薬品産業を取り巻く市場も大きく変化し、この考え方では企業が継続的に社会貢献し続けることは難しい環境となってきた。このような状況のもと、現社長(内藤晴夫)は就任直後の1989年に、よりマーケット・インの発想で新たな企業ビジョンを提示した。新たな目指す企業像(ビジョン)は「いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒュマンヘルスケア(hhc)企業」になることであり、企業理念(ミッション)は「患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考えこのベネフィット向上を第一義とし世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する」ことである。つまり私達の顧客(主役)は「世界の患者様と生活者の皆様」とし、その方々へのベネフィット向上を図ることが企業の目的(=hhc)と考えている。この"hhc"という3文字に実現したい「夢・思い・志」を込めて、企業活動を行っている。より具体的に言うと「よき素材を探索し、一日も早く薬と成し、世界の患者様に安全にお届けする」ということである。
著者
高畑 美代子 齋藤 捷一
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学大学院地域社会研究科年報 (ISSN:13498282)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.113-138, 2004

明治11年(1878)に英国の女性旅行家イザベラ・バードは北日本を「蝦夷」へ向かって旅をしていた。蝦夷への汽船の出る青森港を目前にして、彼女は県境の碇ヶ関村で大雨に足止めされ4日間を過ごした。彼女はそこで眼にした大雨の矢立峠や洪水に見舞われた村人の様子を書いている。水が引くのを待つ間に彼女は、休暇中の子どもたちが甲虫、水車、凧、カルタをして遊ぶ姿を描いた。同時に彼らは休暇後の試験に向けてまじめに勉強する子ども達でもあった。碇ヶ関での現地調査と文献を基に、彼女の記述を辿り、青森県の学校事情を踏まえて明治の子どもを取り巻く環境と津軽の地域子ども文化の復原を試みた。 また、翻訳された『日本奥地紀行』は初版の2巻本に基づくものではなく、碇ヶ関ではカルタ遊びの部分が未訳となっているので翻訳紹介をした。これらはいずれも、研究者により1巻本の省略の要因のひとつとされてきたブラキストンの指摘にかかわる部分を含んでいる。ブラキストンが『蝦夷地の中の日本』において、バードの記述の問題点として指摘した中に、グリフィスの名前がある。彼の『明治日本体験記』の中には、バードの記述との類似が見られる。そこでグリフィスとバードの記述の比較をした。 子どもの遊びを検証する一方で、彼女の滞在した碇ヶ関の宿屋・店屋や登場する人々の特定をした。その葛原旅館は現存しないもののバードが来たことを伝聞された曾孫から話を聞くことが出来た。また戸長と宿の亭主が兄弟であったことや彼女と話を交わしたと思われる人々が揺籃期の明治の教育制度の中で重要な位置を占めていたことなど彼女の記述の裏づけとなる背景がわかった。また橋や災害の記述の正確さを示す史料も見つけることができた。 しかし子どもの遊びに関しては、特に津軽では史料の多い凧の記述などからバードは見たままを描いたのではなく、碇ヶ関という場で彼女がとても好きだという「バードの日本の子ども観」を展開したという結論に達せざるを得なかった。
著者
財津 昌幸 古明地 通孝 田中 滋郎 井口 武夫
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.49, pp.70-72, 1982-12-10

1栽植株間の広狭に対する株当総分枝数の増減には品種間差がみられ,タチマサリは株問とする25〜7.5?の問では増減しないが,ナカテユタカ,千葉半立は株間を広げるほど増加した。2ナカテユタカと干葉半立は株問25?以下の株当総分枝数ではほとんど品種問差異が認められなかったが,株問426棚の疎植区では干葉半立の分枝発生が著しく多くなり,両品種の特性の差が明確になった3.子葉節分枝の節間長が最長となる節位は,タチマサリでは株問を変えても比較的基部の第5〜第6節間にあり,変化しないが,ナカテユタカは株間が狭くなるにつれ上位節に移動し,干葉半立はすべて上位節に位置した。
著者
佃 和民 星野 正生
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.9-12, 1980

1.裏作イタリアンライグラスへの効率的な施肥法を検討する基礎資料を得るため, 生育の早期に施用する追肥の効果, 施用時期の影響を検討した。2.秋無追肥条件では土壌中の可給態Nは播種後1ケ月余でほぼなくなり, その時までに植物体地上部が吸収したNは基肥の約4割であった。3.早期追肥における秋の収穫物の乾物重, N吸収量は一般に追肥の遅い区で高かったが, 乾物重は秋刈前20日の区でかえって低下した。4.早期追肥における秋刈時の土壌中の可給態Nは一般に追肥の遅い区で高く, 秋刈前20日の区では極めて高かった。5.根雪前の株のN含有率ならびに雪害面積率は早期追肥においては一般に追肥の遅い区で高く, 秋刈後追肥区は更に高くなり, また, 雪害は根雪前追肥区が最も高くなった。
著者
日塔 喜一
出版者
筑波大学大学研究センター
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
no.28, pp.97-122, 2003-12

ただいまご紹介いただきました日塔と申します。私は、日本私立大学連盟事務局に、昭和40年以降36年間勤めまして、昨年の3月に定年で退職しました。その間、ずいぶんといろいろな経験をさせていただきました。今日は、テーマに関連して ...
著者
古山 勝彦 長尾 敬介 三ツ井 誠一郎 笠谷 一弘
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.519-532, 1993-11-25
被引用文献数
9

山陰東部地域の後期新生代の約30の火山についてK-Ar年代を測定した.試料のほとんどは玄武岩質単成火山からのものであるが大量に噴出したカルクアルカリ安山岩溶岩についても測定した.スコリア丘の開析の程度や溶岩が作る地形はそれらのK-Ar年代と調和している.測定試料はK-Ar年代にもとずくと,鮮新世と第四紀のものである.鮮新世の火山(浜坂,轟,大屋)は長径50km,矩形35km,N45°Wの延長方向の楕円形をなす山陰東部地区の北西・南西境界部分に分布する.第四紀の火山活動は玄武洞で1.6Maに始まり,1.3-1.5Ma,0.7-0.9Maの2回の休止期を除き,各10万年の間に1〜4の単成火山を形成しつつ完新世まで継続している.第四紀の火山活動はまとして本地区の西部と北東部で始まり中央部・南東部へ移動した.本地区で第四紀における最も活動的な時期は0.9-1.3Maの間であった.
著者
長南 浩人 齋藤 佐和
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.283-290, 2007-01-30
被引用文献数
2

本研究は、人工内耳を装用した聴覚障害児38名を対象として音節分解(実験1)と音節抽出(実験2)課題を行うことにより、人工内耳装用児の音韻意識の発達的変化を明らかにすることを目的とした。実験1の結果、人工内耳装用児のほとんどの者が直音節の分解を正しくすること、実験2の結果、人工内耳装用児は音節分解の正反応率が音節抽出よりも高いことがわかった。これらの結果は健聴児の反応に近いもので、人工内耳装用児の音韻意識の発達は、全体的には健聴児に類似した発達をしており、人工内耳装用児の音韻表象は音のイメージによって形成されていると考えられた。
著者
道山 弘康 松岡 篤司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東海支部会報
巻号頁・発行日
no.122, pp.11-18, 1996-12-10

1) 分げつの節位によるマコモタケ肥大の差異および1株植え付け苗数の違いがマコモタケの肥大に及ぼす影響を明らかにした.2) マコモの場合, 主茎第n葉が抽出するときに分げつ第1葉の抽出する節位は第(n-4)節であり, 分げつ節位が1節下位になると葉数が1枚増加し, イネの様な規則性があることが推定された.3) マコモタケが肥大する茎は基本的には肥大終了期に葉数8枚以上になる茎であることが示された.本実験では最終主茎葉数19.3枚のとき第8節以下の分げつであった.このような茎では伸長節間数がイネと同様4〜5節あり, マコモタケ内には最上位抽出葉まで2〜3節, その先に2〜3節あった.4) 葉数が8枚未満のものはイネでいう「遅れ穂」的なものであり, 肥大開始が遅れることがわかった.5) 第3節以上の分げつでは上位節分げつほどマコモタケが小さかった.これは, マコモタケ肥大茎の伸長茎部の節間数が4〜5節で一定であることから, 上位節分げつほど根の発生する不伸長茎部の節数が少なくなり, 地中からの養分吸収量が少なくなることによると思われた.6) 1株苗数1本〜5本植えの範囲では苗数が多いとマコモタケ数が多くなるが, 30g以上の大きなマコモタケの比率が小さくなった.7) 3本植えまでは全マコモタケ数が多いため, 大きなマコモタケ数も多くなった.しかし, 5本植えになると大きなマコモタケの比率の減少を全マコモタケ数の増加が補えなくなることによって, 大きなマコモタケ数および重さが減少した.これは, マコモ栽培上好ましくないと思われた.
著者
山本 由徳
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.22, pp.5-11, 1985-12-25

水稲の主稈の第2〜12節の各節1節にのみ分げつを残して,節位別の分げつの生産力を調査するとともに,対照(無処理)区との生育・収量を比較した。一次分げつの発生から止葉展開および出穂まで日数は,残存節が上位節ほど短くなり,主稈葉数は多くなったが,一次分げつの葉数は威少した。そして,それに伴って二次以上の分げつ発生数が低下し,穂数が少なくなって穂重は劣った。しかし,一次分げつ穂重および二次以上の分げつの平均1穂重,さらに主稈穂重には分げつ残存節の影響がほとんど認められなかった。また,対照区では主稈の第2〜11節に分げつが発生したが,処理区の同節位の一次分げつにくらべて,発生から止葉展開および出穂まで日数は短くなり,栄養生長量は劣ったが,とくに第6節以上の差が大きかった。一方,各処理区の株当り穂重は,穂数の差によりいずれも対照区にくらべて劣ったが,1穂重の増加により穂数にくらべて穂重の低下割合は小さかった。また,対照区にくらべて各処理区の1穂重の増加割合は主稈>一次分月>二次以上の分げつの順に大であった。そして,対照区の節位別一次分げつ穂重は,上位節ほど軽くなる傾向にあり,節位による差異がみられなかった処理区と著しく異なった。以上により,主稈の節位別分げつの生産力は穂数の差により下位節分げつほど高いが,節位による1穂重の差は小さいことが明らかとなった。また,主稈の1節にのみ分げつを残存させた場合には節位にかかわりなく対照区にくらべて1穂重が重くなり,また,有効分げつ歩合も高くなる傾向がみられたことから,少数の主稈節に分げつを確保することによって増収する可能性が示唆された。