著者
高根 雄也 近藤 裕昭 日下 博幸 片木 仁 永淵 修 中澤 暦 兼保 直樹 宮上 佳弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本研究では、地表面からの非断熱加熱を伴うハイブリッドタイプのフェーンが、風下末端地域の高温の発生に寄与しているという仮説を、3つの異なる手法・視点:独自観測・数値シミュレーションによる感度実験・過去データの統計解析から検証した。このタイプのフェーンは、1)典型的なドライフェーン(断熱加熱)と、2)地表面からの加熱(非断熱加熱)の複合効果によって生じる。フェーンを伴うメソスケールの西寄りの風に沿った地上気象要素の現地観測により、1)の典型的なフェーンの発生が確認できた。このフェーン発生地の風下側の平地における2)地表面からの非断熱加熱の効果に関しては、風下の地点ほど温位が高くなるという結果が得られた。そして、その風下と風上の温位差がフェッチの代表的土地利用・被覆からの顕熱供給(地表面からの非断熱加熱)で概ね説明可能であることが、簡易混合層モデルによるシンプルな計算にから確認できた。この非断熱加熱の存在を他の手法でより詳しく調査するため、WRFモデルによる風上地域の土壌水分量の感度実験、および過去6年分の土壌水分量と地上気温、地上風の統計解析で確認した。その結果、風上側の地表面から非断熱加熱を受けた西寄りの風の侵入に伴い、風下の多治見が昇温していることが両手法によっても確認された。この地表面加熱を伴うハイブリッドタイプのフェーンが、この風の終着点である多治見の高温に寄与していると考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1006, pp.56-60, 1999-09-06

「国内のリストラはこれでだいたい一服した」。ヤマハ発動機の長谷川武彦社長はこう言って胸を張る。 リストラといっても、ヤマ発の業績は好調だ。1999年3月期の単独決算で売上高は5期連続増収の5812億円、営業利益は過去最高の230億円を記録した。連結決算でも、売上高は前期比5.1%減の8082億円だったものの、営業利益は前期比21.4%増の406億円と大きく伸びた。
著者
船津 衛
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
no.27, pp.63-73, 2009

21世紀はリスク社会であり、そのリスクは内省(reflexivity)によって克服されるといわれる。内省とは人間が自己を振り返ることを表わし、内省によって「問題的状況」が乗り越えられるようになる。A・ギデンズによると、近代社会の内省は社会的実践がその実践に関する情報に照らして常に検討され、改善され、その性格を構成的に変容するという事実のうちに存在する。ハイ・モダニティの時代には「組み込み解消」によって人々が孤立化し、不安定化し、そこにリスクが生じる。そのリスクの解決のために内省が活性化するようになる。ギデンズの見解によれば、リスクの乗り越えのためには専門家システムが必要であり、専門家によるセラピーが大きな役割を果たすようになる。そこから純粋な関係性が生み出され、親密性の変容がもたらされることになる。 このようなギデンズの理論に対して、特殊西欧的であり、認知中心的であり、感情が無視されており、内省の構造的条件について十分な解明がなされていないという批判がある。現代のリスクはさまざまな不平等や格差が存在し、経済的、文化的、社会的なズレ・不一致・対立が広まり、深まってきており、リスクの克服には多くの困難が生じている。ここから、内省について経済的、文化的、社会的な多様性を理解することが必要となり、内省の社会性と創発性についてより具体的に明らかにすべきことになる。 内省は他者とのコミュニケーション過程において行われる。そこにおいて人間は「意味のあるシンボル」を通じて他者と会話するとともに、自己とも会話を行う。他者との会話という外的コミュニケーションが個人のなかに内在化することによって、内的会話としての内的コミュニケーションが発生するようになる。内的コミュニケーションの展開によって新たなものが創発されてくる。それが創発的内省である。 創発的内省の活性化によって、親密性が再構成される。新たに生み出される親密性は人々の間の完全一致や一元化ではなく、自由なネットワークからなる新たな親密性となっている。また、新しい親密性は産業や経済の目的合理性ではなく、コミュニケーション合理性にもとづく親密性となっている。コミュニケーション合理性にもとづく親密性において「本当の自分」を表現することが可能となる。そこにおいて、オルターナティブな親密性として現代的親密性が姿を現すことになる。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.80-89, 2014
被引用文献数
2

Galaxy ZooやeBirdに代表されるシチズンサイエンスでは,基礎研究データの効率的な整備や新たな知識の生産に市民が直接貢献している。「開かれた科学」は17世紀後半の科学アカデミーの成立や学術誌の成立に端を発し,今日の科学研究の基本理念である(1)先駆性の確保,(2)科学の集約化,(3)第三者による正当性の担保,(4)著者による説明責任の確立,といった基礎を築いた。サイエンス2.0の到来によって,プレプリント,オープンピアレビュー,オープンデータリポジトリ,科学のソーシャル化によるネットワークを介したイノベーションなど,学術コミュニケーションの多様化が促進された。これまで論文とその引用という形でしか計ることのできなかった研究インパクトに,オンライン上の注目度を定量化するオルトメトリクスが加わり,各国政府の研究データのオープン化の方針が進む中,科学データ流通を促進するための情報基盤の確立は急務である。
著者
吉永 進一
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.68-83, 1993

In Chapter XXVI of <i>The Principles of Psychology</i>,William James tries to argue for the existence of "will" using a physiological concept of the reflexive action. His argument of "will" seems to consist of the two seemingly conflicting standpoints, of which one is a physiological psychology and the other is an introspective psychology. The former enables him to discard the dualism of mind and matter and to connect the voluntary actions with the reflexive actions, the latter proving the existence of mind's functions, that is, to choose an object of mind and to make an effort to attend to it. In the last analysis, James' conception of mind could be thought of as the teleologically interpreted reflexive arc. <br>This paper is intended to deal with the relationship of these psychological schemes and his theism, which is described in the papers included in <i>The Will to Believe</i>, such as "Reflexive Action and Theism","The Dilemma of Determinism", and so on. His concept of "God" is a relative and functional term as his concept of "self" is. So his theism is not a traditional one, but something like an indeterministic world-view, which permits "chance" or "effort" to contribute, for its part, to the future of the world.
著者
樋口 雄三
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.295-298, 2006-09-01

現代医療は最高の水準にあり、検査機器も高度に発達しているにもかかわらず、病気が治らないのは現代医学が病気の本質を捉えていないからである。精神的ストレスや生活習慣の誤りなどによるものは現代医療で治療できるが、残りは気の不足と滞り、霊障によるものである。近年ようやく代替医療が取り入れられ、統合医療が行われるようになってきたが、それでも不十分でさらに霊的施療を加えた高次元医療でなければならない。高いレベルの氣功師や霊的施療によって著しい効果が認められた症例を紹介する。
著者
津田 和俊
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.259-260, 2020-02-20

東京電力福島第一原発の事故により環境中に放出された放射性セシウムの場所ごとの空間分布について、これから原発近辺の避難指示が出されていた地域が帰還解除になるにあたり、経年変化の予測が求められている。昨年度の情報処理学会全校大会で、主として避難指示が出されていた地域で現状の状態で住民が生活を続けた場合の外部被ばくを推計するシステムの開発を紹介した。この評価を行うための情報は、原子力規制庁による1年毎の航空機モニタリングや、主として自治体による数ヶ月置きの車載モニタリングなどを元としている。これらの情報は、webアプリでRDBのGIS情報として格納されている。この経年変化を求める計算は、RDB上でのSIMD処理に相当する。本研究では、GPUを用いたRDBの高速化の手法などを用い、RDBによる並列数値計算の技法に関して議論する。
著者
阿部 敬信 長谷部 倫子
出版者
九州産業大学 人間科学会
雑誌
人間科学
巻号頁・発行日
vol.2, pp.17-28, 2020

<p>本研究の目的は,ろう児の第二言語としての日本語の読解力を評価する方法を開発することにある。そのために日本で暮らす外国人児童生徒のための日本語能力の評価である「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント;DLA」の考え方を援用し,Visual-Gestural modeの言語を用いるろう児の適性に応じた手続きをとる評価法とした。それを日本手話・日本語バイリンガル教育を実践しているろう学校小学部のろう児に対して試行することによって,第二言語としての日本語の読解力評価法の構成概念妥当性を検討した。その結果,本評価法の評価ツール〈読む〉では,あらすじ再生や「あらすじチェック」等を行うことで,その解答やテキストの日本語文の読みの実態や課題が個別に明らかにできた。また,語彙数や文型を考慮したリライトされた読み物は,ろう児が,日本語のテキストを読み味わうこと,すなわち読書を楽しむことを学ぶ上で有効であることが示唆された。</p>