著者
阿部 亮 名久井 忠 櫛引 英男 石栗 敏機 岩崎 薫 早川 政市 仲野 博之
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.291-299, 1975-12-25
被引用文献数
2

ヘイゲンワセ,交8号,ジャイアンツの3品種のとうもろこしを9月6日以降,ほぼ10日間隔に経時的に採取し,飼料価値および収量の調査をするとともに,それらの品種を含む15点のとうもろこしサイレージについて飼料値価の調査を行なった。その結果,乾物率,子実含量および収量について品種間に大きな差異が見出された。また,いずれの品種も収量は9月24日以降ほぼ一定となったが,その後も乾物に占める子実割合は増加した。また,とうもろこしサイレージの飼料値価について見ると,可消化粗蛋白質,可消化粗脂肪の含量は品種間で大差なく,TDN含量の大小に関しても大きな位置を占めず,可消化全炭水化物の含量がTDN含量の大小に大きく響いた。可消化全炭水化物の中味について見ると,デンプン,単少糖類などの可消化非構造性炭水化物と可消化構造性炭水化物の割合で,試料間に大きな差異が見られた。熟期が進むにつれて構造性炭水化物の消化率は減少の傾向を示し,その可消化量も減少するが,逆にデンプン含量が増加するため,可消化非溝造性炭水化物と可消化構造性炭水化物含量との間には高い負の相関(r=-0.91)が認められた。また,粗蛋白質,粗脂肪,構造性炭水化物の含量と可消化量との間には,いずれもr=0.95以上の有意(P<0.01)の相関関係が得られた。
著者
田坂 憲二
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.A33-A58, 2006-12
著者
大槻 幸雄
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
日本ガスタービン学会誌 (ISSN:03874168)
巻号頁・発行日
vol.19, no.76, pp.107-110, 1992-03-10

1991年国際ガスタービン会議横浜大会のパネル討論会は、最終日の10月31の午後に、"Future Role of Gas Turbines for Power Generation-Energy Saving and Environmental Aspects"という題目で、約3時間にわたって活発に行われた。ガスタービンの将来の役割は興味があり、約200名が参加した。全体の司会を川重の大槻が行い、大形ガスタービンに関してはABB社のKehl-hofer、小・中形ガスタービンに関してはMWM社のHeinrichが司会した。最初に大槻が、今回の討論会の意義を説明し、引き続いて7人のパネリストによって、約20分間のスピーチを行い、それぞれのスピーチの後、約3分間の質疑応答を行った。更に全てのスピーチの終了後、パネリスト全員が壇上に集まり、約20分間、参加者を交えた自由討論が行われた。最後に、KehlhoferおよびHeinrichによって締め括りのコメントがなされた。スピーチの数を減らすか時間をもう少しとって討論の時間を多くとる方が良いと思われた。
著者
山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.290, pp.1-6, 1996-10-08

戻り光に強い半導体レーザとして自励振動半導体レーザが開発されている。自励振動を強化する為、可飽和吸収領域を層厚方向に設ける構造が多くなってきているが、この構造では量子雑音が増加しやすくなっている。また一般的に、リッジストライプ構造のレーザでは、クラッド層を層面内に流れる漏れ電流が生ずる可能性があり、この漏れ電流によっても量子雑音が増大する。本報告では、自励振動半導体レーザにおいて、これらの要因を含め、光出力強度、自励振動強度、量子雑音、横モードプロファイルなどの理論計算結果を示す。
著者
永長 知孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.474, pp.39-43, 2002-11-18

本稿では,第5回IEEE ITS国際会議(ITSC2002)の概要が報告されている.ITSC2002は,2002年9月3日より6日までの4日間,シンガポールのサンテック・シンガポール国際会議・展示センターで開催された.ITSCは,IEEE ITSカウンシルの主催で毎年開催されている国際会議である.参加登録者数は約140名であり,3日間で約160件の発表が行なわれた.また,最終日の6日にはテクニカルビジットが4コース設定され,シンガポール国内のITSに関する取り組み状況が紹介された.
著者
中川 貴雄
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.133-141, 1991-03

赤外線観測による星形成領域の最近の研究について, 概説を行う。太陽程度の質量を持つ星は, 分子雲中の高密度コア内で生まれる。高密度コアは乱流によっては支えられてはおらず, 10^5年程度の自由落下時間でつぶれて, 星を形成する。こうして形成された星は, 最初はダスト雲に包まれているために, 可視光ではみることができないが, 進化が進むにつれてダストが晴れ上がり, 可視光で見ることができるようになる。これらの若い星には, ディスク上の濃い雲が付随している。このディスクの存在は, 近赤外域での偏光観測や, 赤外域でのエネルギー分布などから要請される。IRASによって観測された若い星のエネルギー分布の変化は, ディスクをもった星のシステムが, 周りのダストを吹き飛ばしながら進化していくと考えれば説明することができる。中心星の周りのディスクは, 惑星系の形成に決定的な影響があるはずである。次世代の観測装置により, このディスクの直接的観測が可能になるであろう。
著者
宮下 朋子
出版者
会津大学短期大学部
雑誌
会津大学短期大学部研究年報 (ISSN:13406329)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.139-145, 2006-02-28

〔目的〕短期間の学習において、減塩という食育が成り立つかどうかを検討するため、本学学生を対象に、調理学実習I・IIの授業において塩分濃度差識別教育を行い、その結果を確認したので報告する。〔調査の条件と設定〕塩分濃度差識別能力を見る官能調査を実施するにあたり、試料温度を実際の調理で用いる温度である70℃付近に調整して実施した。〔調査対象および調査方法〕平成15年度の食物栄養学科1年に在籍した学生を対象に、訓練前の前期調理学実習Iの第1回目の授業と、訓練後にあたる後期調理学実習IIの授業の最終日に行った。調査は、塩分濃度0.5〜1.0%の範囲で濃度差0.1w/v-%に調整し、品温70℃±3℃に保持した試料をランダムに配置し、順位法による弁別試験と、その6試料の中から自分が最も好ましいと思う塩分濃度の試料を選ぶ選択法による嗜好濃度試験を実施した。〔結果および考察〕Kendallの一致性の係数W、Spearmanの順位相関係数γs、は、いずれも有意に高く、塩分識別能力が上がったことを示した。また、訓練の効果を見るコクランによるQ検定でも、学習効果があったことを示していた。しかし、選択法による嗜好濃度試験では、前期と後期では大きな差は見られなかった。これらの結果から、1年間の授業を通して行った減塩教育は、学生の塩分を知覚する能力を高める効果は認められたが、嗜好塩分濃度には大きな変化は見られず、文化的に手に入れた味覚は、1年間という学習期間では変化しない事を示していた。一方で、パネルは、前期より後期において塩分濃度を識別できるようになっていた。このことは、味覚識別能力の獲得は、訓練と環境によって可能である事を裏付ける結果となり、1年間という短期間の学習でも可能であることを示していた。塩分濃度差を識別する能力の獲得は、自らの食生活の中で塩分をコントロール出来る能力の獲得である。減塩を目的とし、塩分濃度を見分ける能力を培うとともに、意識的に料理の塩分を捉える習慣を持つことで、食生活の中での塩分摂取量をコントロール出来るものと考える。
著者
戸田 真志 秋田 純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI, ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2007, no.11, pp.iii-vi, 2007-02-09

今年で10回目を迎えるISWC2006(International Symposium on Wearable Computing)は、スイスMontreux駅前のGrand Hotel Suisse-Majestic(図1)を会場に、2006年10月11〜14日の4日間で開催された。ISWC2006に引き続き、同じMontreuxにて、10月15〜18日の期間でUIST2006も開催されたため、両方の会議に参加した方も多かったようである(筆者らは残念ながらISWC2006のみで帰国の途についた)。本年は16カ国から85件の投稿があり、査読の結果、口頭発表17件(Longpaper8件、Shortpaper9件)、ポスタ発表18件の計35件が採択された。投稿の内訳、採録数、採択率を表1にまとめる。[table]11日の午後から13日までがいわゆる本会議であり、最終日の14日はチュートリアル(午前セッション2件、午後セッション1件、終日セッション1件)が開催された。本会議は前述した口頭発表、ポスタ発表に加えて、2件の招待講演、パネル討論会、デモセヅションが開かれていた。
著者
寺嶋 芳江
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.359-363, 1992-09-01

ナメコ2品種を用いて, 未利用樹種であるマテバシイについて培地基材としての適性をブナを対照として検討した。菌糸体伸長および腐朽については, マテバシイはブナよりも劣っていた。しかし, 米ぬかを10%加えた培地における収量性, 収量パターンおよび子実体の品質についてはブナと差はなかった。さらに, 培地添加物の量を増したり, 種類を変えることにより, 収量を増すことができた。マテバシイの鋸屑製造時に10%程度の樹皮が混入しても大きな影響はなく, ブナの代用基材としてマテバシイの価値は高いものと推察された。
著者
宮崎 慎也 馬強 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.96-107, 2001-07-15
被引用文献数
4

Web 上には大量の情報が溢れ,つねにその量は増加している.ユーザがつねにその変更の中から価値ある変更を探し出すことは非常に困難な作業である.本論文では,Web サイトを監視し,サイト内のWeb ページの変更,追加に対して,その価値を内容,サイトの構造などに基づいて解析し,ユーザへの変更通知を行う機構について述べる.変更ページの解析手法として,その価値を評価するための尺度として新鮮度,流行度,アクセス頻度,更新頻度などを用いる.また,変更通知機構として,変更データをプッシュ型配信機構により配信する.変更データには解析結果の情報が含まれ,受信された変更データのすべてを呈示するのではなく,ユーザごとのユーザ・プロファイルによりパーソナライズされ,各ユーザにとって価値のある変更情報に変換,呈示する.The vast amount of information is availabel on the WWW, and grows rapidly. It's not easy for user to acquire the valuable new information via the Internet. In this paper, we propose a change monitoring/notification system WebSCAN (Web Sites Change Analyzer and Notifier) for Web sites, which monitors and analyzes the changes of Web sites to notify a user the important changes by a push-type delivery mechanism. In WebSCAN, the changes of Web sites are not only monitored periodically, but also are estimated by the content, browsing frequency and update frequency. The structure of Web sites is also considered to estimate the change worth at WebSCAN. Based on the estimated change worth, the notification is generated and delivered to user automatically with the push technology.
著者
渡辺 陽介 北川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.873-886, 2004-10-01
被引用文献数
15

今日,情報配信の形態としてデータ放送やプッシュ型情報サービスなどのデータストリームが注目されており,その数と種類が増加している.そのため,ストリーム型情報源の高度利用の重要性が高まっている.データストリームから必要なデータを抽出したり加工するための手段として,連続的問合せがある.多数のストリーム型情報源に対する多数の連続的問合せが与えられた際,その効率的実行が要求される.本論文では,そのためのアプローチとして,連続的問合せに対する複数問合せ最適化方式を提案する.本研究が想定する複数のデータストリームの処理環境では,連続的問合せ中の演算においてウィンドウなどの時間条件を用い,かつ利用者がその情報を必要とするタイミングで提供することが必要である.このような連続的問合せは,同一の演算であっても実行タイミングによって全く異なる結果を生成し得るため,従来のバッチ処理などを想定した複数問合せ最適化手法をそのまま適用することは困難である.本提案手法は,実行タイミングの違いによる問合せの参照範囲の違いを考慮し,参照範囲が近い同士の問合せをグループ化することにより効率的な実行処理プランを導出する.
著者
長尾 秀夫
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.21-28, 1995-01-31
被引用文献数
4

てんかん患者が安全で且つ活発な生活をするために配慮すべき点を明らかにする目的で、0歳から31歳までのてんかん患者204例について事故調査を行った。その中で予防対策上示唆にとむ6事例を抽出し、各事例の発作と事故との関連性及び予防対策について検討した。その結果、発作型では意識障害ゆえに状況に応じた身体の調節ができないもの、急に倒れるものが危険であった。発作頻度は1ヵ月に1回以上の発作が要注意であった。発作時の姿勢では立位、歩行時、自転車乗車時が危険であった。そして、発作が生じた環境は事故との関連性が高く、外傷に対してはヘルメットや車椅子等の補装具を使用する、入浴時や水泳時の溺水、高所よりの落下、湯による熱傷、包丁による切創等には一対一での十分な注意が必要であると思われた。以上の結果と今日までの文献にもとづき、事故予防対策案を提起した。
著者
春山 喜重
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.92-98, 1987-01-01

妊娠16週から41週までの妊婦に、延べ5、294回、また47例の正期産骨盤位分娩例に超音波断層法を施行し、胎盤付着部位と胎位胎向との関係を検討した。なお、子宮奇形、筋腫合併、卵巣嚢腫合併、多胎、早産、羊水過多、前置胎盤、未熟児、胎児奇形、狭骨盤などの異常妊娠は検査対象から除外した。得られた成績は次の通りである。1)妊娠各期を通じて、胎盤付着部は、中央付着が最も多く、その頻度は60.9〜74.0%におよんでいた。2)骨盤位の発生頻度は、妊娠16〜19週で48.2%であったが、妊娠28〜31週で16.0%、妊娠36〜41週では5.0%と激減した。また、胎盤付着部別の骨盤位の発生頻度は、妊娠16〜19週では、胎盤卵管角付着では38.0%、側壁付着では50.0%、底部付着では52.8%、中央付着では47.2%と大差はなかった。しかし、妊婦36〜41週の検討では夫々20.2%、 6.4%、 9.0%、 1.1%であり、中央付着での胎位変換率は他の部位より明らかに高かった(p<0.01)。3)正期産骨盤位では、その約60%が胎盤卵管角付着であった。以上の事実から、骨盤位発生の大きな原因は、本来の子宮腔の形状である逆三角形的な洋梨状形態が著明に変形した場合であり、胎盤が卵管角、側壁、底部に付着する時には、胎児の自己回転が障害されるためであると結論された。
著者
中野 秀之 奥田 匠昭 右京 良雄
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1275, pp.974-977, 2001-11-01
被引用文献数
1

Hydrothermal synthesis of lithium manganese oxide with α-NaFeO_2 structure has been studied. A Li_xMnO_2 nH_2O, (Li-birnessite), with rhombohedral symmetry was used as a starting material. When the molar ratio of Mn/Al was smaller than 0.9/0.1, spinel type lithium manganese oxides were obtained. On the other hand, when the molar ratio of Mn/Al was larger than 0.85/0.15, metastable lithium manganese oxides with α-NaFeO_2 structure formed at 80℃, and the capacity fade of the Li-ion cell with cathodes made of these oxides was very small in comparison with that of cathodes made of layered Li-manganese oxides, as previously reported.
著者
葉山 眞治 渡辺 辰郎
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
日本ガスタービン学会誌 (ISSN:03874168)
巻号頁・発行日
vol.17, no.68, pp.42-47, 1990-03-10

An ecxperimental investigation was carried out on the swirling flow-induced pressure pulsation sins in a pipe, connected to a swirl generator with inlet guide vanes. The pressure fluctuations with discrete frequencies are generated at the pipe inlet. Their frequencies are expressed by two groups of Strouhal number. One is 0.9-0.1 and the other 0.5-0.6. When the frequencies of the inlet pressure fluctuations coincide with the natural frequencies of the pipe, resonant pressure pulsations could be generated. Though, in this experiment, resonances due to the higher group of Strouhal number were not detected, severe resonances of the first three modes due to the lower group of Strouhal number are observed. Accordingly, it is concluded that the swirling flow-induced pressure pulsations in a pipe are considered to be resonant phenomena caused by the Strouhaltype excitation.