1 0 0 0 OA 難聴の治療

著者
小田 恂
出版者
東邦大学
雑誌
東邦醫學會雜誌 (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.69-73, 2004-03-01

耳疾患の病態生理に関して20世紀の初頭までにはかなり解明されていたが,難聴の治療には結びつかなかった。20世紀の前半,ペニシリンの発見により感染症の治療ができるようになってから急性化膿性中耳炎の治療ができるようになり,1950年代以降は手術法の改良によって慢性中耳炎による難聴の聴力改善が可能になった。1970年ごろから突発性難聴など急性感音難聴の薬物治療ができるようになり,1980年代以降には人工内耳の手術によって高度感音難聴の治療も可能となった。また,補聴器は技術の改良によって小型・軽量化され伝音難聴,感音難聴のどちらにも適応するようになってきた。このように,20世紀はそれまで顧みられなかった難聴の治療が可能になった時代である。
著者
安田 真悟 中川 晋一 井上 潤 三井 実 石川 智治 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.615, pp.51-56, 2005-01-21
被引用文献数
1

感音性難聴等の聴覚障害者へ超低音の波面を忠実に伝送して, 音楽試聴における音質向上の研究を行っている. 96kHzサンプリング, 16bit量子化, による新たな計測法を示す. 本計測系での位相回転の検出感度は, 50Hz時に0.2°(1/1920波長, 10.4μs)であることが実験的に確かめられた. 本計測系を用い, 回路形式が明らかで低音域の音質に関してDC遮断回路の時定数の影響が支配的な回路形式の異なる各種市販オーディオアンプの入力波形と出力波形の位相周波数特性を測定した結果, ほぼ設計通りの時定数と位相回転との関係を実証できた. 具体的にはサーボアンプのNFB回路の, 低域カットオフ時定数コンデンサの容量を変化させて測定した. 各種アンプの低音域位相周波数特性を検討したところ, 25Hz時で0.01°(1.3μs)から31°(3460μs)の差があり, 250Hz付近で収束することが観測された. この, 低音域の位相周波数特性測定はBruel&Kjaer Type 2012のSteady State Responseモードによる測定に比較して, 簡便に同程度の精度で測定できる利点を有する.
著者
中山 彰 陸 金林 中村 哲 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.262, pp.57-62, 1998-09-11
被引用文献数
3

近年、ディジタル著作物の著作権を守る手段として電子透かし技術が開発されてきている。電子透かしは聴覚的には聴こえないということが重要であり、それを考慮した透かしアルゴリズムのひとつとしてLaurenceらの提案するMPEG心理音響モデルを用いた電子透かし法がある。ただこの方法は同時マスキングのみを考慮したものである。そこで本稿では心理音響実験の知見を用いて継時マスキングの定式化を行ない、それをLaurenceらの方法に導入し、もともとの方法との比較を行なった。その結果、両手法とも透かしの入った音楽でも高い品質を保っていることが明らかになった。また継時マスキングを組み込んだ場合の透かしの強度では、MPEGの符号化に対してLaurenceらの提案手法より、若干の改善が見られた。
著者
吉川 昭吉郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.263-264, 2001-04-01
被引用文献数
2
著者
鎌原 淳三 曽田 篤 下條 真司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.100, pp.13-18, 2006-06-09

GPS内蔵携帯電話の普及により,撮影した画像の撮影位置情報を容易に取得し,画像内に埋め込むことが出来るようになっている.しかし,位置情報を基に画像を地図に貼る場合を考えると,必要な位置情報は撮影対象の位置情報である.そこで本稿では,すでに対象となる場所の位置情報付きの画像データベースがあることを前提として,撮影位置情報を埋め込まれた画像の撮影対象建物を特定する手法を提案する.これにより非常に少ない計算量で,撮影された画像の対象物を同定することが可能となった.
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.4, pp.73-79, 2003-01-20
被引用文献数
2

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.In this research, we propose a method of calculating the similarity between documents for identifying the imitated document. Many of imitated documents consist of the sentences similar to the sentence contained in an original documents, and their surface-expression changes by transposing to a synonym etc. Then, our method compares two documents in the sentence unit that constitutes each document by using term frequency and concept dictionary. We show that we can distinguish clearly the document described by the same theme, and the imitated document by using our method.
著者
SHINYA Mikio
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.767-774, 2005-04-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

Spring-mass systems are widely used in computer animation to model soft objects. Although the systems can be numerically solved either by explicit methods or implicit methods, it has been difficult to obtain stable results from explicit methods. This paper describes detailed discussion on stabilizing explicit methods in spring-mass simulation. The simulation procedures are modeled as a linear digital system, and system stability is mathematically defined. This allows us to develop theories of simulation stability. The application of these theories to explicit methods allows them to become as stable as implicit methods. Furthermore, a faster explicit method is proposed. Experiments confirm the theories and demonstrate the efficiency of the proposed methods.
著者
高橋 健一郎
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.42-56, 2002-03-31

本稿は,ソビエト社会でイデオロギー的影響の下に形成された独特な言語,いわゆる「ソビエト全体主義言語」についての諸研究を概観する.全体主義言語についての研究は,言語自体のもつ政治性,言語と国家,権力の関係などについて考えるための一般理論の基礎になり得るものであり,社会言語学にとって極めて多くの示唆を与え得る.研究のタイプとしては,ソ連社会の社会的方言についての記述的研究,社会学の内容分析,「ニュースピーク・モデル」による批判的言語分析,言語文化的な実践の分析,言説分析などがある.今後それぞれの長所を生かした上で,コミュニケーションシステム全体を考慮に入れた体系的で包括的な研究が望まれる.