著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子 Setsuko OKANO Hiroko IWASAKI 鈴鹿短期大学 鈴鹿短期大学 SUZUKA JUNIOR COLLEGE SUZUKA JUNIOR COLLEGE
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.63-70, 1998-01-01

鈴鹿の庄野地区に伝承される食文化について調べた結果,次のようであった。1.「焼米俵」は丙辰紀行(林羅山著)によると宿場の土産として売られていたが,今では記録に残るのみとなった。2.「毬もち」は名物として,昭和の初期まで売られていたが,今は僅かの家庭でお盆に作るぐらいになった。3.「毬もち」を商品としている店舗(7店舗)を訪ねてみたが,地方により呼び名,作り方あんの種類,もちの大きさ(重量),もちの上面につける糯米の色等が,異なっていた。4.「地蔵盆の土用餅」は20年程前に一旦消滅したのを,年に1回くらいは村の住民が集い,親睦を高めようと復活している。5.「川浚えの鶏飯」は出合い仕事が終わり,夕食でその労をねぎらうために村の衆が一献するのである。しかし,昨今では人気がなくなってきているようである。以上,庄野地区の昔ながらの食習慣も現代の生活感覚にはあわなくなり,消えゆきつつあることを実感した。
著者
OGATA Takayuki LI Wei YAMADA Shoji
出版者
International Research Center for Japanese Studies
雑誌
Nichibunken Japan review : Journal of the International Research Center for Japanese Studies
巻号頁・発行日
vol.22, pp.213-221, 2010-01-01

Th is study analyzes the location of 164 renowned Japanese gardens in the Kyoto basin, that is the Kamogawa alluvial fan and the Katsuragawa fl ood plain. Th e gardens were mapped using Geographic Information System (GIS) technology. Th e mapped data indicate that physiographic environments constrain the location of the gardens. Rock gardens (karesansui type gardens) are located accross the whole area of the alluvial fan, while water gardens (chisen type gardens) are concentrated along the piedmont spring zones and the artifi cial canals of the irrigation system known as the Biwako sosui (constructed in 1890). In brief, hydrological conditions aff ect the location of Japanese gardens, which is primarily constrained by surface geomorphic units.
著者
三島 和宏 根本 貴弘 萩原 洋一 辻澤 隆彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2019-IOT-46, no.14, pp.1-6, 2019-06-07

東京農工大学では,2016 年度の教育用電子計算機システムの更新に合わせて,新入生向けの教育プログラムである 「情報オリエンテーション」 のプログラム改訂を行った.情報オリエンテーションでは,新入生に対して本学での情報システムの利活用を支援するべく,教育用電子計算機システムの概要と様々な情報システムを網羅的に取り扱う.本プログラムに並行して,新入生向けの基本的な情報リテラシに関するアンケートを実施しており,高校までに習得した情報技術の状況を複数の大学にて連携し調査を行っている.本稿では,情報オリエンテーションにて実施しているアンケートを基に本学における学生の情報リテラシ動向の分析を行う.2018 年 3 月に同様の報告を行っているが,本稿ではこれ以降に実施されたアンケート結果を含めて複数年での状況比較を実施する.これにより,本学学生における情報リテラシ動向と今後のアンケート改善につなげる要素を検討していく.
著者
青野 篤子
雑誌
福山大学人間文化学部紀要 = Journal of the Faculty of Human Cultures and Sciences, Fukuyama University
巻号頁・発行日
vol.8, pp.19-34, 2008-03

本研究の目的は,子どものジェンダー化を推進する主要な担い手(エイジェント)として保育と幼児教育に焦点を当て,子どもをとりまく物的環境と人的環境に潜んでいる隠れたカリキュラムを明らかにすること,そして,保育者に対するフィードバックを通して,隠れたカリキュラムに対する意識化を促すとともに,それに対する態度を把握することであった。その結果,以下のことが見出された。物的環境として,衣服や持ち物,表示物における男女の色分け,人的環境として,保育者の働きかけや園児同士の相互作用における男女差が認められた。園関係者からは,性別を教える必要性,性差を把握する必要性も指摘されたが,単に習慣から行われている不必要な区別と言えるものもあった。次に,創作活動や遊びにおいて男女の興味関心にいくらかの差異が見られたが,保育者はそれを自然の姿として認める傾向があった。男性保育者の参入が進んでいる園でも,男性保育者の仕事・保育内容は女性保育者と異なり,乳児の世話は困難だと思われていた。このような結果をふまえ,黙示的な隠れたカリキュラムを是正するためのプログラムが必要であることが論じられた。
著者
児玉 公信
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2019-IS-147, no.7, pp.1-8, 2019-02-28

SESSAME WG2 の 「話題沸騰ポット」 の分析モデルには疑問がある.そのモデルでは,「ふた」 や 「給湯口」 がクラスとなっている.「ポット」 というシステムにおいて,「ふた」 や 「給湯口」 はどれほどのデータや責務を持っているというのだろうか.経験的に,このモデルは少なくとも二つの目的を混合していると感じる.一つはポットの制御システムの設計,もう一つはポットの物理的構造の設計,すなわち部品表である.従来の部品表のモデルは 「品目」 クラス間の再帰関連で記述され,そのインスタンス群は木構造となる.ここでは,「ふた」 や 「給湯口」 は 「品目」 クラスのインスタンスとされる.しかし,製品が多仕様化する現代では 「ふた」 や 「給湯口」 などの部品のバリエーションが多数あり,それゆえその間のリンクには明確な制約が必要となる.これを記述する部品表は Fowler のいう分析モデルの知識レベルにあるが,これまでデータモデルの視点でしか議論されないできた.本報告では,こうした多仕様の部品表を記述するためのモデリング要素としてステレオタイプ <<item>> を提案し,「話題沸騰ポット」 の多仕様版のモデルを記述してみる.この作業を通して,制御システムとのモデルの分離を試みる.
著者
布施 匡章 三松 孝嘉
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.101-109, 2018-07-31

[Abstract]本稿ではサービスデザインの考えを用いて,世界的な問題である食品ロスを減らす方法のひとつとして,コンビニエンスストアにおけるおにぎりの新しい販売方法を提案した。意識啓発や企業努力によらず,簡単な手法で実行可能である点が社会的な貢献である。約一週間の実店舗における販売実証実験の結果,おにぎりの食品ロスを大幅に減少することができたことに加えて,仕掛けを施していない棚への波及効果も確認した。また,実施に当たっての課題についてもまとめた。[Abstract] In this paper, as a method to reduce food loss, which is a worldwide problem, we proposed a new way to sell rice balls at convenience stores using the idea of service design. The fact that this can be executed with a simple method that is independent from raising awareness or the company’s efforts, is what contributes to society. As a result of sales demonstration experiments in real stores for about a week, in addition to being able to drastically reduce the food loss of rice balls, we also confirmed a ripple effect on the shelves that weren’t manipulated. We also summarized the issues we faced in implementing.
著者
石井 薫 上野 瑞子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-8, 2019-03-30

認知症以外の精神疾患患者とBPSD を有する患者が混在する状況下における精神科急性期病棟看護師の体験を明らかにすることを目的に,混在による体験を持つ看護師10 名を対象にインタビューガイドを用いた半構成的面接を行った.本稿では,混在する状況下における精神科急性期病棟看護師の対応について報告する.看護師の対応として,【疾患特性に合わせて接し方を切り替え】【相互作用による患者の刺激を回避】【トラブル対処能力が低い患者の安全を確保】の3 カテゴリが明らかになった.看護師は,精神状態の不安定な患者集団の思いを橋渡しし,患者にとって未知の存在である新たな入院患者の環境適応を促すことで,疾患特性の異なる患者間の共同生活で生じる刺激を軽減し,環境変化への順応を促進していた.また,患者の関係が量的にも質的にも適正なコミュニケーションとなるよう調整し,患者の対人関係にまつわる問題に対応していたことが明らかになった.
著者
Прасол А. Ф.
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学 国際学部 紀要 = NUIS Journal of International Studies (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-72, 2019-04-01

Основные положения статьиНаиболее сложным в плане преступности периодом для Японии стало рубежное десятилетиена стыке веков, с 1995 по 2005 год. После этого криминальная ситуация в стране начала улучшаться:снизилось общее количество преступлений всех видов и число заключённых, появились тюрьмынового типа, финансируемые и управляемые частными компаниями. Эти благоприятные измененияпозволили снизить расходы на содержание пенитенциарной системы и расширить возможности поеё модернизации и приближению к лучшим мировым образцам.Японская система исполнения наказаний представляет собой любопытное сочетаниенациональных традиций и современных технологий, заимствованных в передовых странах мира.Общее движение в сторону гуманизации системы наказаний просматривается отчётливо, однакоосуществляется крайне медленно и осторожно, с оглядкой на передовой опыт.
著者
金井 一成 新村 悠典 森田 茂紀 Issei Kanai Yusuke Shinmura Shigenori Morita
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.13-20, 2017-06-22

石油枯渇対策や地球温暖化対策として再生可能エネルギーが注目されているが,著者らのグループは,食料と競合しないセルロース系原料作物として,イネ科のC4型・多年生植物であるエリアンサス(Erianthus spp.)を取り上げ,栽培研究を進めている。エリアンサスは高いバイオマス生産性を発揮することが知られているが,物質生産を支えている群落構造の解析はほとんど行われていない。そこで本研究では,定植1年目および2年目の群落について出穂期における群落構造を比較検討した。定植2年目の群落では,1年目に比較して地上部バイオマス量が4倍ほどに増加していた。地上部バイオマス量を光合成器官(葉身)と非光合成器官(葉鞘・茎・穂)とに分けると,両者とも大きく増えていたが,とくに後者の増加が著しかった。これは,定植2年目の群落は1年目の刈り株から再生したものであり,再生を開始する時点ですでに多くの分げつ芽が形成されており,生育初期に急激に茎数を増やすことができたため,茎が長く,太くなるための生育期間が十分に確保できたからと考えられる。また,出穂期における層別刈取り法で葉重の垂直分布を調査した結果や,プラントキャノピーアナライザーを利用して葉面積の垂直分布の形成過程を調査した結果によれば,群落構造は生育とともに変化し,光合成器官の垂直分布は定植2年目に群落の高い方へ移動した。そのため,群落内の比較的高いところで相対照度が減衰してしまい,群落内部まで光が到達していなかった。このように,定植2年目は1年目よりバイオマス量が著しく増えていたが,群落構造と相対照度の減衰の様相からみると,群落としての受光態勢は必ずしも最適かどうかは分からない。間引きをして群落の光環境を改善すれば,さらに収量が上がる可能性が高い。エリアンサスは多年生作物であるため,栽植密度の影響も含めてさらに追跡していく必要があるが,本研究の結果を低投入持続的な栽培方法の確立に役立てたいと考えている。
著者
北野 宏明
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.270-271, 2017-03-15