10 0 0 0 OA 電気年鑑

著者
電気之友社 編
出版者
電気之友社
巻号頁・発行日
vol.昭和11年(21回), 1936
著者
西川 広平
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.191-219, 2021-09-30

大江広元を祖とする鎌倉幕府の御家人長井氏を対象に、一三世紀から一四世紀にかけての同族間ネットワークの推移について考察し、文士である広元一族による在地武士の糾合と所領支配は、主要な交通路の要衝を広域的に掌握することで実現したこと、また一四世紀前半に長井惣領家を中心にして、庶子家および広元末裔の御家人との間に二重の同族間ネットワークが成立したこと等を明らかにした。これらは、執権北条氏との連携や幕府の支配体制に依拠することによって実現・成立しており、鎌倉幕府滅亡や室町幕府の政治体制の変化により、長井氏は政権の中枢を占める地位を喪失するとともに、その同族間ネットワークも解体した。これらの考察の結果、御家人の移動が列島規模で活発化した一三・一四世紀を通して、武士団のネットワークが維持される基盤の多様性を指摘した。
著者
盛山 芳恵 加藤 和江 村 徹 十字 猛夫
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.183-201, 2006 (Released:2017-03-30)
参考文献数
7
被引用文献数
10 11

日本骨髄バンク登録ドナー(以下ドナーとする)として登録された人々のHLA型から, HLA-A, -B, -DRの3座位のHLA抗原の遺伝子頻度およびHLA-A, -B, -DRの3座のHLA抗原のハプロタイプ頻度の算出を行い, さらにドナーが登録した骨髄データセンターの都道府県をそのドナーの出身地と仮定して, HLAハプロタイプの都道府県別頻度の計算を行った. ドナー全体のハプロタイプ頻度と韓国, 台湾, 中国, 中国東北部のハプロタイプ頻度との比較も行った. 11th International Histcompatibility Workshop(以下11th IHWとする)の日本のHLA遺伝子頻度結果は, 全検体数が少なかったために検出できなかった日本人には比較的稀であるとされてきたHLA型が, 今回のドナー全体での調査では, いくつか検出された. これは大きな集団を解析することによって初めて可能になった貴重なデータである. 都道府県別ハプロタイプ頻度を較べてみると, ハプロタイプの分布に多少の差異があることが示された. 東北アジアの近隣の国々(韓国, 台湾, 中国, 中国東北部)との比較では, 日本は韓国と多くのHLA抗原ハプロタイプを共有している事が示され, 人類学的に近い関係にあることが推測された.
著者
仲野 敦子 有本 友季子 星野 直 工藤 典代
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.40-44, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
12

2012年から2013年の風疹大流行により40例以上の先天性風疹症候群(CRS)の報告があった。我々は出生時には症状がなく先天性風疹感染症(CRI)の診断であったが,1 歳 6 カ月時に左右差のある難聴の診断となり CRS となった症例を経験した。母親は妊娠10週に風疹に罹患し,出生時には児の血清抗体価上昇もあり胎内風疹感染が確認されたが,合併症状はなく自動 ABR は両側パスであり CRI と診断された。風疹分離が陰性となった後の ABR 検査で右60 dBnHL,左無反応で難聴の診断となった。 2013–2014年の CRS 報告45例中 9 例はワクチン接種歴の母から出生しており,妊娠中の風疹罹患歴がなしあるいは不明であった症例は13例であった。このうち何症例で難聴を合併していたかは不明であるが,ワクチン接種歴があり不顕性感染であった母親からの CRS による難聴症例が発生した可能性もあると考えられた。
著者
土井 慎一 石原 正彦 江角 敏明 神谷 宏 山室 真澄
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.179-183, 2018-09-25 (Released:2019-09-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

宍道湖ではネオニコチノイドの使用開始直後からオオユスリカの減少や動物プランクトンの減少,エビ類漁獲量の減少が生じているが,宍道湖でのネオニコチノイド濃度の報告はこれまでになかった為,予備的に分析を行った。斐伊川の影響を受ける地点ではネオニコチノイドが検出されなかったが,水田排水を宍道湖に流す排水機場に近い地点でネオニコチノイドが検出された。その濃度は動物に慢性毒性を与える影響より小さかった。しかしながら水田排水が集積する排水機場で田植え期に近い6月の方が7月より高い濃度が見られたことから,田植え直後など大量に殺虫剤を使用する時期には濃度が高くなる可能性があると考えられた。
著者
松本 剛 木村 政昭 仲村 明子 青木 美澄
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.286-296, 1996-06-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
27
被引用文献数
6 11

Precise topographic features at the two major structural boundaries in the Ryukyu Arc, Tokara Gap and Kerama Gap, revealed that there exists a ridge feature of the Ryukyu Arc as a saddle topography. The feature supports the idea recently proposed that a landbridge connecting the Chinese continent, Ryukyu Islands and Japanese Islands, is thought to have been subsided since Late Pleistocene. The saddle is offset by large-scale left-lateral normal faults both of which are related to the opening of the Okinawa Trough. These topographic features and geological structure together with the gravity anomaly and regional tectonics in the Ryukyu area suggest that a north-south tensional stress regime, due to the rolling buck of the Philippine Sea Plate at the Ryukyu Trench, has dominated in this region since last 20, 000 years.
著者
矢嶋 翔
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.153-189, 2021-09-30

本稿は『相国寺供養記』の写本の一つであり、東北大学附属図書館内狩野文庫が所蔵する『相国寺供養日記』(以下、狩野本と表記する)の史料紹介と翻刻を行うものである。『相国寺供養記』とは、北朝の公家である東坊城秀長が執筆した明徳三年(一三九二)八月二十八日における万年山相国承天禅寺(相国寺)の慶讃供養に関する記録である。 右史料は、従来、『群書類従』釈家部所収本(以下、群書類従本)が善本として研究利用されてきたが、狩野本を調査した結果、群書類従本に見られない記述を数箇所確認することができた。『相国寺供養記』の全容を把握するためには、群書類従本以外の写本の検討を通した『相国寺供養記』の復元作業が必要である。本稿では狩野本の翻刻掲載を通して、『相国寺供養記』の研究の前進を試みた。
著者
Toichiro Asada
出版者
The Keynes Society Japan
雑誌
The Review of Keynesian Studies (ISSN:24356581)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.148-174, 2020 (Released:2021-04-24)
参考文献数
26

In this paper, we analyze the macroeconomic effects of the coordinated fiscal and monetary stabilization policy in the manner of MMT by using a dynamic Keynesian model that has been developed by ourselves and others. The MMT (Modern Monetary Theory or Modern Money Theory), which was proposed by L. R. Wray, W. Mitchell, M. Watts and others, has the following remarkable characteristics. (1) The role of the central bank is completely passive in the financing of government expenditure, which is actively determined by the government. (2) The amount of government debt is not subject to the constraint of fiscal policy, its only constraint being the rate of inflation. In this paper, we construct a mathematical model that incorporates these characteristics and study the dynamic stability/instability of the coordinated fiscal and monetary stabilization policy.

10 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1902年06月09日, 1902-06-09
著者
地主 あい 日塔 啓太 大瀧 夏海 富塚 万璃 相馬 正之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.30-35, 2017 (Released:2017-04-11)
参考文献数
17

本研究では,効果的な足趾把持力トレーニングを検証するために,静的ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響について検討した。対象は若年健常者40名とし,1週間に4回の頻度で3週間,静的ストレッチを実施するストレッチ群,筋力増強運動を実施するトレーニング群,双方を実施するストレッチ・トレーニング群,特別な介入をしないコントロール群に分類した。測定項目は,足趾把持力,足部柔軟性,足部アーチ高率とし,介入前後に2回計測した。分析の結果,足趾把持力はストレッチ群,トレーニング群,ストレッチ・トレーニング群において有意に向上した。これらのことから,静的ストレッチのみの介入によって足趾把持力は,増強できることが示された。これらの知見から足趾把持力への静的ストレッチの介入は,足趾把持力トレーニングとして有効であることが示唆された。
著者
Kiwamu NISHIDA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.423-448, 2017-08-02 (Released:2017-08-02)
参考文献数
183
被引用文献数
63

The ambient seismic wave field, also known as ambient noise, is excited by oceanic gravity waves primarily. This can be categorized as seismic hum (1–20 mHz), primary microseisms (0.02–0.1 Hz), and secondary microseisms (0.1–1 Hz). Below 20 mHz, pressure fluctuations of ocean infragravity waves reach the abyssal floor. Topographic coupling between seismic waves and ocean infragravity waves at the abyssal floor can explain the observed shear traction sources. Below 5 mHz, atmospheric disturbances may also contribute to this excitation. Excitation of primary microseisms can be attributed to topographic coupling between ocean swell and seismic waves on subtle undulation of continental shelves. Excitation of secondary microseisms can be attributed to non-linear forcing by standing ocean swell at the sea surface in both pelagic and coastal regions. Recent developments in source location based on body-wave microseisms enable us to estimate forcing quantitatively. For a comprehensive understanding, we must consider the solid Earth, the ocean, and the atmosphere as a coupled system.
出版者

図名は裏面墨書。大坂三郷を中心に周辺の摂河泉三国の一部を描く。周辺各国は道筋、河川、村形・村名の記載に限られ、三郷部分を詳細に描く、「大坂三郷図」とよばれる地図のひとつで、町奉行の行政用資料とされる。城代、玉造・京橋口両定番、両(東・西)町奉行役宅とその与力・同心等の屋敷地等を色分けし、北・南・天満の各組は街区ごとに記号で表示。凡例あり。町筋、橋名など詳細。城代下屋敷に青山因幡守、町奉行屋敷東に石丸石見守、西に彦坂壱岐守など、現況に対応したとみられる付箋が20弱ある。上記3人の在任が重なるのは寛文3年(1663)8月15日から延宝元年(1673)6月10日。
著者
斎藤 義朗 福村 忍 齋藤 貴志 小牧 宏文 中川 栄二 須貝 研司 佐々木 征行
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.477-481, 2012-11-01

ノイロトロピン<sup>®</sup> (Neurotropin, ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) は頸肩腕症候群や帯状疱疹後疼痛に有効であり, 成人の一次性頭痛に対する効果も報告されている. 今回, 他の各種薬剤に効果が乏しかった慢性頭痛の小児2例で本剤が有効であった. いずれも中学生女子, 片頭痛を発症して2~3年後に増悪をきたし, 不登校にいたった経過で, 起立性調節障害の併存, 間欠的な四肢・背部の疼痛, MRI上の大脳白質散在性病変も共通していた. Neurotropinには他の鎮痛薬にはない下降性疼痛抑制系の増強効果があり, 小児の難治な慢性頭痛にも有効と示唆された.
著者
稲男 洋一 佐伯 尚哉 杉崎 俊夫 清水 雅司 因幡 和晃 岸本 喜久雄
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.308-313, 2012-09-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
33
被引用文献数
2

粘着剤を2種の剥離フィルムで挟まれた構造の基材レス粘着シートは,耐溶剤性,耐熱性に劣るフィルムに,粘着剤のみがシート化され貼り合わせることが出来るため,テレビや携帯電話に代表されるディスプしイを製造する際の偏光板等とガラスを積層するために使用されている。粘着剤と剥離剤を剥離する剥離力は,粘着剤種により変動するため,弾性率を変化させた粘着剤を用いた基材レス粘着シートにおいて,剥離角度や剥離速度の条件を変動させ剥離力を測定した。その結果より,粘着剤と剥離剤の界面の剥離エネルギを解析した。また,剥離角度を変更した条件で剥離先端部の可視化を光学顕微鏡で行うことで,剥離時の粘着剤の変形を観察した。これらの結果を併せることで,粘着剤の弾性率の違いによる剥離のメカニズムを予測した。