著者
石川 博康 玉井 克人 見坊 公子 角田 孝彦 澤村 大輔 梅木 薫 菅原 隆光 矢島 晴美 佐々木 千秋 熊野 高行 三上 英樹 三上 幸子 高木 順之 門馬 節子 菊池 朋子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.8, pp.1229-1239, 2003-07-20 (Released:2014-12-13)

帯状疱疹の現状把握を目的とし,2000年4月から2001年3月までの1年間に東日本地区の総合病院と診療所の計11施設を受診した帯状疱疹患者1,065例を対象に統計的解析を行った.結果として,1)8月が最多であったが季節差は認めなかった.2)男女比では女性が多く(M:F=1:1.4),年齢別では60代を中心とした大きな峰と10~20代の小さい峰との2峰性を示した.3)発症部位は上肢~胸背部が最多で31.2%を占め,胸髄部発症例は全体の50.8%であったが,部位別分節別で比較すると頭顔部が最多であった.4)汎発化は2.3%にみられ,70代を中心に頭顔部症例が多かった.5)PHN(postherpetic neuralgia:帯状疱疹後神経痛)は5.3%に残存し,70代を中心に腹背部に多かった.6)抗ウイルス薬は全体の79.0%に投与されていた.7)頭顔部症例の13.4%に眼病変が,1.1%にRamsay-Hunt症候群がそれぞれ合併していた.8)全体の8.8%に基礎疾患を認めた.9)2回以上の再罹患率は全体の3.6%であった.10)医療機関別の比較では患者の年齢層が有意に異なっており,総合病院は60代以上の高齢者主体で診療所は50代以下が多かった.
著者
守岡 知彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.171-178, 2020-02-15

複数の包摂粒度を許容する漢字構造記述を内容アドレッシングを用いた分散データモデルの1つであるIPLDに基づいて実現する試みについて述べる.IPLDはMerkle DAGというデータ構造を用いている.これは暗号学的ハッシュを用いてラベル付けされた不変オブジェクトをノードとする有向非巡回グラフであり,オブジェクト間の関係は片方向しか表現できない.この制約の下で編集可能な文字知識を表現するために,不変性の高い基礎的オブジェクトへのリンクを含む複合的なオブジェクトによって可変性のある文字オブジェクトを表現するための形式を提案する.また,IPLDグラフの逆リンクや場所アドレッシングの実現手法について検討するとともに,既存のグラフストレージでの試験的実装についても述べる.
著者
乃村 俊史
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.11, pp.2495-2500, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
参考文献数
23

化膿性汗腺炎は,腋窩・臀部・鼠径部などの間擦部を中心に炎症性結節や囊腫,排膿,瘢痕,瘻孔を繰り返す難治性皮膚疾患であり,かつて本邦では慢性膿皮症と呼称されていた.診断には,好発部位での皮疹出現と慢性再発性の経過が重要であるが,未だ本症についての医師の疾患理解は十分とは言えず,診断と治療の遅れが本症の難治例の多さに繋がっている可能性がある.本症は,かつてはアポクリン汗腺を主座とする細菌感染症のひとつと考えられていたが,2010年に一部の患者にγセクレターゼをコードする遺伝子群(NCSTN,PSENEN,PSEN1)に機能喪失変異を持つことが発見されてからその病態理解が進み,現在は毛包を主座とする自己炎症性疾患と考えられている.化膿性汗腺炎に対しては,以前は抗生剤の内服と外用,外科的治療が行われていたが,2019年にアダリムマブが使用可能になり治療成績が向上している.今後,さらに治療が多角化していくことが予想されるが,皮膚科医が本症の疾患概念や病態を正しく理解することで治療新時代にうまく適応し,本症の治療成績が向上することを強く期待している.
著者
浜村 俊傑 Jack Mearns
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PD-078, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

本邦では60-69歳の飲酒割合が最も高いが(国税庁,2020),独りでの多量飲酒と他者との多量飲酒で精神健康への影響に違いがあるのかは明らかでない(April, et al., 2015; Gonzalez & Skewes, 2013)。そこで本研究では高齢者において過度な単独飲酒と社交飲酒でアルコール使用障害や気分障害の症状に違いがあるのかを検証した。65歳以上の飲酒者(N=500)より飲酒行動,アルコール使用障害(AUDIT),孤独感,うつ・不安(K10),情動制御期待(NMRE)を測定した。サンプルの22.5%は過度な社交飲酒者,39.4%は過度な単独飲酒者であった。2群の比較にはBrunner-Munzel検定を用いた。単独飲酒者は社交飲酒者よりも,AUDIT (効果量=.78, 95%CI [.73 .84]) および孤独感(効果量=.59, 95%CI [.53 .66])が高かった。K10およびNMREにおいては差は有意でなかった。高齢者の過度な単独飲酒は社交飲酒よりもアルコール使用障害が中程度に,孤独感が小程度に高いことが示唆された。うつ・不安および情動制御期待に関しては違いは確認されなかった。社会的孤独が課題となりうる高齢者において,他者との関わりはアルコール使用障害の発症リスクを低める上で重要であることが考えられる。
著者
福山 大地 田中 伸治 中村 文彦 有吉 亮 三浦 詩乃
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.A_161-A_166, 2019-02-01 (Released:2019-02-06)
参考文献数
8

我が国では自転車の信号制御に関して議論が少ない。車道を走行する自転車は車両用信号に従うものとされているが、車両用信号のクリアランス時間は自動車の速度で決められているため、自動車よりも速度の遅い自転車には十分な時間が確保されておらず、信号切り替え時に交差点に残存するおそれがある。本研究では、信号交差点観測調査を実施し、信号切り替え時の自転車のクリアランスに関する問題の把握を行った。その結果、交差点の信号制御や幾何構造等様々な要因によって残存の起こる割合が異なることがわかった。また、交差点ごとに観測した自転車の速度で算出したクリアランス時間は現在設定されている車両用信号の値より長く必要であることが示された。以上の観測調査の結果を踏まえ、自転車を考慮した信号制御の指針作成のための知見を述べた。
著者
石渡 哲哉 榊原 航也
出版者
芝浦工業大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

複素平面上で定義される複素数値関数の解析学である複素解析学は、数学のみならず工学等における応用でもよく活用されている数学の理論の1つです。本研究では、その離散的対応物である離散複素解析学の基盤を作ることです。このような研究は20世紀前半より進められてきましたが、複素平面の離散化の形状に制限がありました。これは、複素関数論で重要となる正則性の離散版の定義に起因します。本研究では、この離散正則性の定義をコーシーの積分定理を基礎に見直し、複素平面の離散化に対する制限を完全に取り払い、任意の平面分割上での離散複素解析学の構築のための基礎を確立します。
著者
時安 邦治 平川 秀幸 西山 哲郎 宮本 真也 関 嘉寛 谷本 奈穂
出版者
学習院女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本共同研究のテーマは、人々(特に子どもたち)が日常的に親しむ文化において科学がどのようなものとして描かれ、人々がそれをどう受容して、どのように「科学的なもの」を理解しているかである。子どもたちが接するコンテンツに描かれているのは、科学的な根拠を欠く「非科学」というよりは、科学的には実現されていない、いわば「未科学」である。これらのコンテンツには科学を批判的に見る視点が確かに含まれているが、最終的には科学技術のリスク認知よりもそれへの期待が上回るという分析結果となった。
著者
長沢美津著
出版者
短歌新聞社
巻号頁・発行日
1975

1 0 0 0 五黄 : 歌集

著者
長沢美津著
出版者
新星書房
巻号頁・発行日
1974