著者
伏田 享平 渡辺 絢子 今井 二郎 山中 啓之 藤貫 美佐 戸村 元久
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.57-62, 2015-08-31

ITシステム開発においてプロジェクトが失敗する原因の一つとして,計画時やプロジェクトの早期に開発対象システムの仕様を十分に把握できていなかったことが挙げられる.開発対象の規模に応じた十分なプロジェクト体制を構築できていない場合,開発要員がシステム全体の仕様を十分把握することができず,結果としてプロジェクトの問題化につながる可能性がある.本稿では開発計画時の規模とプロジェクト体制に着目する.開発要員1 人あたりが把握すべきシステムの規模を「仕様把握規模」と定義し,この規模とプロジェクトの成否との関係を定量的に分析した.分析にあたっては,要件定義工程での体制と開発規模との関係に着目した.分析の結果,仕様把握規模が50KS/人以上であったプロジェクトは失敗する可能性があることがわかった.仕様把握規模を導入することで,開発体制の観点からプロジェクト計画の妥当性をチェックできる可能性がある.
著者
金 正福 川村 秀憲 鈴木 恵二 Shofuku KIN Hidenori KAWAMURA Keiji SUZUKI
雑誌
SIG-DOCMAS = SIG-DOCMAS
巻号頁・発行日
no.B301, 2013-10-22

Multi-Agent Simulation (MAS) is efficient for analysis of various social mechanisms. Recently,there are many studies on massive agent model to explain more complex social phenomena. Then,we aim for implementation of large scale simulation model using Repast HPC toolkit, a platformfor massive agent model. In this article, we build ”Schelling Segregation Model” for spatial modelusing geospatial data provided OpenStreetMap, an open source project creating a free editablemap. In this model, agents are located continuous space , not grid in original. When an agentis ”unhappy” and migrate to new location, it costs agents some simulation time depending ondistance between old location and new one. This article reports simulation results using Japanesecities and verification result about execution time.
著者
高木 斗希夫 湯浅 景元 Tokio TAKAGI Kagemoto YUASA
雑誌
中京大学体育学論叢 = Research journal of physical education Chukyo University (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.47-51, 2002-11-08

野球のバッティングにおける腰の回転と下肢の長軸回りの回転の様子を明らかにするため、鉛直上方より右打者において打撃動作中の腰角度および長軸回りの右脚角度を求めた。また、独自の器具を打者の右腰および右膝に装着させ、打撃動作に伴う腰の動きと右脚の動きの関連性について調べた。その結果、以下の結果が得られた。1) バットのヘッドスピードの速い打者はスイング前半から腰の回転が右脚の内旋よりも先行して行われていた。また、L (右側腸骨外側延長点から右膝外側延長線まで延ばした垂線の距離) の値は打撃動作に伴い減少し、打撃動作の比較的早い段階で0に達していた。2) バットのヘッドスピードの遅い打者はスイング前半から腰の回転に比べ右脚の内旋が先行して行われていた。また、Lの値は-192msecから増加傾向を示し、インパクト直前で0に達していた。
著者
吉田 年雄 二宮 市三
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.238-245, 1980-05-15

Xが小さい場合について 第2種変形ベッセル関数瓦K_ν(x)の新しい数値計算法を提案している.K_ν(x)の定義式K_ν(x)=(π/2)・(I_<-ν>(x)-I_ν(x))/sinνπに 第1種変形ベッセル関数I_ν(x)およびムI_ν(x)のベキ級数展開を代入し 適当に項をまとめ 桁落ちを生ずる部分を所要の精度を有する最良近似式にて計算することにより K_ν(x)を精度良く しかも能率的に計算している.例えば (0 0.5)では ν=0を中心とする展開として得られるK_ν(x)=(π/(2sinνπ))・㊥^^∞__<k=0>{A_k(ν x)+B_k(ν x)}により計算を行う.ただし A_k(ν x)の式中には 関数(1/Γ(k+1-ν)-1/Γ(k+1+v))/(k!)を含むが そのまま式どおりに計算を行うと桁落ちを生ずる.そこで これに対する最良近似式を新たに作成し それによりその関数値を計算する.また A_k(ν x)には Φ_1(ν x)=(x/2)^<ν-1>-1およびΦ_2(ν x)=1-(x/2)^νを含むが そのまま計算すると桁落ちを生ずるときには f(t)=e^t-1なる関数の最良近似式によりΦ_1(ν x)=f(-νln(x/2)) Φ_2(ν x)=-f(νln(x/2))として計算を行う.このようにして 桁落ちが無く しかも能率的にK_ν(x)の値を計算する方法を述べている.
著者
田中 晃平
出版者
電気通信大学
巻号頁・発行日
2014-02-05

卓球ボールは半径2cmと小さく, 質量2.7gと軽量である. また, ボールとラケットラバーとの摩擦が大きいのでボールに回転をかけやすい. ほかの球技に比べて競技中の無次元速度(Re?1.0×?10?^5)は低く, 無次元回転数(SP?2)が大きくなるのが特徴である. そのため, Re数, SP, 回転軸が空気力(抵抗と揚力)に大きく影響し, 重力を凌駕して飛翔軌道を変化させる. 一般にトップスピンボール(ドライブ)には鉛直下向きの, バックスピンボール(カット)には鉛直上向きのマグナス力が働くことが知られている. 一方, Tanedaの水槽実験ではマグナス力の方向が逆転する「負のマグナス効果」が観測されるパラメーター領域の存在が示された. Tanedaの提唱した「負のマグナス効果」の領域はRe=5.0×?10?^4まで広がっている. 卓球競技中に「負のマグナス効果」が発生するとなると, 競技者による球種の選択に重大な影響を及ぼす可能性が生じる. スポーツ流体力学の観点からも低Re 数領域での「負のマグナス効果」の詳細が注目される. 本論文では, Re 数, SP, 回転軸が空力に及ぼす影響を調査するため, 3ローター式発射装置により発射された卓球ボールの飛翔軌道を, 高速度ビデオカメラを用いて撮影し, 卓球ボールの抗力係数C_D , 揚力係数C_LZを計測した. Nittaku社製の卓球ボール(真球)を試験球とし, 卓球競技で想定されるRe 数とSP領域で, C_D, C_LZ のRe 数依存性, SP 依存性, 回転軸依存性を調査した. バックスピンする卓球ボールに対する2.0×?10?^4?Re?9.0×?10?^4 のSP 依存性を測定した結果, C_LZ<0となる領域はなかったが, Re=9.0×?10?^4ではSP=0.5でC_LZ?0となることを確認した. 卓球競技で想定されるRe 数領域で「負のマグナス効果」が発生しないが, C_LZ はSP の単調な増加関数でないことを見い出した. また, SPを固定してRe 数依存性を調べた. SP=0.5の場合, C_D, C_LZ ともにRe 数が増加するにつれて減少した. SP=1.0 の場合, Re 数が増加するにつれてC_D は減少し, C_LZ は増加した. 次に回転軸を水平面内の様々な角度に設定した. SP=0.34,θ=0°,30°,45°,90° におけるRe 数依存性は, C_D はほぼ一定で, C_LZ はRe 数が増加するにつれて減少した. また, Re=3.0×?10?^4,5.0×?10?^4におけるC_D, C_LZ の回転軸θ 依存性を測定した結果, C_D はほぼ一定で, C_LZ は回転軸が0°から傾くにつれて緩やかに増加し, 45°?θ?60°付近から一定となった. 以上のように, 飛翔実験では「負のマグナス効果」は発生せず, Tanedaの水槽実験や小西らの風洞実験結果とは一致しなかった. 逆に小西らの風洞実験結果から準定常性を仮定して飛翔軌道を求めてみても, 本実験結果は再現できないことがわかり, 現象の非定常性の重要性が示唆される結果となった.
著者
上﨑 哉
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大學法學 = Kinki daigaku hogaku : the law review of Kinki University (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3/4, pp.57-99, 2006-03-01

[目次] 一.はじめに, 二.争点化過程, 三.政策内容の変容, 四.結びにかえて
著者
渥美 雅保
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.51(1997-ICS-108), pp.13-18, 1997-05-26

近年のWorld Wide Web (WWW)の指数的な成長に対して,Web上の情報にインデクスを付け情報収集を支援するサービスが多く提供されているが,ユーザの興味にあった情報を効率的に見つけるという点からはほど遠い状態にある.ユーザの興味を情報収集に反映させるためには,ユーザの興味を表すユーザプロファイルを情報収集システムに蓄積し,それらを情報収集において活用する個人適応化機能を情報収集システムに持たせることが有用な方法と考えられる.本論文では,情報検索,情報フィルタリング,ブラウジングといったユーザの情報収集を個人適応化するために,ユーザの情報収集過程からプロファイルを遺伝的アルゴリズムに基づき抽出する方法を提案する.また,情報収集結果の評価尺度として,ランク正確度,ランク再現度という尺度を導入する.そして,WWWからの情報検索を対象とした実験により,本手法に基づくプロファイル抽出の有用性と限界を示す.
著者
中西 泰雄 Yasuo Nakanishi
雑誌
東京都立産業技術高等専門学校研究紀要 = Research reports of Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology
巻号頁・発行日
vol.5, pp.88-98, 2011-03

Reducio ad absurdum (RAA) is a typical method of proving in mathematics. In aproof by RAA, however, once we put false assumptions, it is hard to distiguish true propositionsfrom other propositions in the following part of the proof. On the other hand, all intermediatepropositions in a direct proof are true and mathematically understandable. Therefore, fromeducational point of view, it is very fruitful to write proofs without RAA. By rewriting theproof by RAA into a direct one, moreover, we sometimes get more general theorem than theoriginal one. In this paper, we introduce a logical system (WNK) which is free from RAA.The proof diagrams of WNK allow plural conclusions as well as plural assumptions, whichmakes the proof diagrams simple. Moreover, we show that proofs of WNK can be plannedefficiently by using `sequents' like in Gentzen's LK.
著者
服部 隆志
雑誌
第55回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.69-74, 2014-01-10

プログラミングにおいて変数名を適切に付けることは重要であると言われているが、変数の数が多くなると、適切な名前を考えだすのが難しくなってくる。また、プログラムの修正によって変数名が適切でなくなったのにそのまま放置され、ソースコードを読む際に誤解を与える場合がある。さらに、プログラムの動作を説明するには、変数を用いて抽象的に説明するよりも具体的な値を用いる方が分かりやすいことがよくある。以上のことから、変数に名前を付けないプログラミング言語を提案する。ソースコードは、具体的な値を用いた具体例によって記述し、複数の具体例から「例によるプログラミング」の手法を利用して、任意の値に適用可能な実行可能コードを生成する。これによって、ソースコードそのものが動作の具体的な説明として読めるようになる。すべてを具体例で書こうとするとスケーラビリティの問題があるが、一部分を具体例で書き、残りは通常の変数名で書くことも可能である。
著者
深井 智朗
出版者
東洋英和女学院大学大学院
雑誌
東洋英和大学院紀要 = Journal of the graduate of Toyo Eiwa University (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.65-80, 2017-03-15

Although it has been well known that Erich Fromm and Paul Tillich were close in Frankfurt as colleagues and in the United States as political refugees, the sources and letters that illuminate their relationship have been few. However, recently discovered letters and sources demonstrate that they continued to form a close relationship through “the Council for a Democratic Germany” and also in private study groups in the United States. By analyzing these letters, this paper clarifies the intellectual exchanges of these two men in their period of exile.