著者
鳴海貴允 吉村康彦 宮坂武志 源田浩一
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.509-514, 2011-06-30

近年,インターネット上での映像配信サービスの普及に伴い,映像トラヒックの増加によるネットワークへの影響が懸念されている.ネットワーク資源を有効活用する方法として,配信サーバを広域に分散配備することやキャッシュサーバの適用,IPマルチキャスト配信など多くの技術が利用されてきたが,従来の手法はトラヒックの急激な増減に柔軟に対応することが困難である.そこで本稿では,ネットワーク状況に応じて負荷分散方式を動的に変更し、ネットワークや配信サーバの負荷を低減する動的負荷分散制御方式について提案し,シミュレーションにより有効性を明確化する.
著者
坪内 佑樹 置田 真生 伊野 文彦 山川 聡 柏木 岳彦 萩原 兼一
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2012-HPC-133, no.31, pp.1-7, 2012-03-19

本稿では,重複排除ストレージのための SHA(Secure Hash Algorithm)-1 計算の高速化を目的として,SSE(Streaming SIMD Extensions) 命令に基づくスループット向上手法を提案する.提案手法は,異なる入力ファイルに対する処理が独立であることに着目し,SSE 命令によるベクトル処理および OpenMP によるマルチスレッド処理を併用する.実験では,単一ファイルを並列処理する既存手法と比較して 1.5 倍の速度向上を得ている.このときの実行効率は 93% に達し,計測したスループット 80 Gbps は PCI Express の実効帯域幅を超えている.したがって,重複排除ストレージにおける性能ボトルネックを除去できていると考える.
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学生活科学 = DWCLA human life and science (ISSN:13451391)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-10, 2014-02-20

The purpose of this article is to present detailed information about certified clinical social workers who are evaluated as qualified ones by the central competent authorities in Taiwan. The advantage of obtaining qualification is that they can apply for establishing an independent social worker office ; therefore they are more marketable when job hunting.This paper is composed of three parts. The first part discusses in detail characteristic patterns and approaches of Professional Social Work Act in 1997 by briefly reviewing how and why certified clinical social workers were developed. The second part is about the result of the research and its analysis. These credentials make them more inviting to those who apply for social workers by establishing a system for nursing-care insurance in the year 2017. Lastly, I make some propositions based on the result of research. The paper then describes the current dimensions of independent social work offices. It connects with certain arguments about reorganizing the mental health professions. This paper concludes by arguing that licensed clinical social workers cut across professional lines in an eclectic manner, creating a unique interprofessional approach in the areas of social work and psychology. The history of social work in Taiwan is a process of replacement of old theory and practice by new one.
著者
佐藤 成美 山内 さつき 高林 範子 石井 裕
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.45-55, 2015-03-12

本研究の目的は、マスク着用による音声への影響と話し手の音声の特徴が聞き手の聞き易さにどう影響しているかを、音声分析により明らかにすることである。音声実験では、被験者6 名に日常生活会話と同程度に話す「標準音声」、大きく・はっきり・ゆっくりと、を意識して話す「明確音声」をマスク非着用時と着用時で録音した。次に聴取実験では、別の被験者10 名に録音した音声を聞かせ、どちらが聞き易いか【声の大きさ・声の高さ・話す速度・間隔・アクセント】を基準に評価させた。その結果、マスク着用時の「標準音声」と「明確音声」の声の大きさには、有意な差は認められなかった。これは、マスク着用により発声が妨げられたことによるものと考えられた。また、聞き易い音声とは声の大きさだけではなく、抑揚をつけ話す速度も遅くすることが聞き易い音声にとって必要な項目であり、マスク着用時の円滑なコミュニケーションに繋がるという示唆が得られた。
著者
小山 尚之 Naoyuki Koyama
出版者
東京海洋大学
雑誌
東京海洋大学研究報告 = Journal of the Tokyo University of Marine Science and Technology (ISSN:21890951)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.48-67, 2016-02-29

This article is a translation into Japanese of the article entitled ≪Une saison en enfer ≫: ALLER ― RETOUR, which was published in L’INFINI no.122 in 2013. According to Sollers, absence of the 18th century and the romanticist society or subjects appear to Rimbaud as Hell. To Go in Hell means to criticise the contemporary society. But at the same time, Rimbaud tries to return from Hell by inventing a new type of reason and a new form of love. In this point Sollers finds in Rimbaud a precursor of Nietzsche and Heidegger. Furthermore, he thinks that Rimbaud is enlightened by gnostic lights in origin.
著者
武田 清子 タケダ チョウ キヨコ Kiyoko Takeda Cho
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies
巻号頁・発行日
vol.1, pp.73-143, 1955-05-30

I. Preface: The purpose of this study is to seek an insight on Christian Philosophy of Education in Japan relation to the conflict between the traditional and nationalistic concept of man and the Christian concept of man. II. The ethical question raised by the early Protestants. Criticism of the Confucian ethics on which the feudalistic and Tennoistic social and ethical structure was founded, at the same time introducing the points made by Hiromichi Kozaki's "New Essay on Politics and Religion," and Naomi Tamura's "Christianity and Politics." III. The Shimmin Education (education to mold the people. as the subjects of the Emperor) propagated by the nationalists. The educational thought of the leading nationalistic edu. cators (such as Arinori Mori, Nagazane Motoda and Shigeki Nishimura), who on the basis of Confucian ethical teaching sougnt to make the Emperor the ethical as well as political head. of paternalistic family-nation. IV. The controversy between national education and Christianity. 1) The criticism of Christianity made by the outstanding nationalistic scholar, prof. Tetsujiro Inoue of Tokyo Imperial University. 2) The criticism of Christianity made by Buddhists. 3) The refutation by the Christians, both the Catholics and the Protestants. V. Some problems of Christian Philosophy of Education in Japan. 1) Problem of the authority of nation and Emperor. 2) Loyal and filial piety as the foundation of ethics. 3) The problem of concept of man "to be as a part" or "to be as oneself."
著者
地代 康政 出岡 宏二郎 塩谷 亮太 安藤 秀樹
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-219, no.14, pp.1-6, 2016-03-17

特性の異なる複数の実行系を単一コア内にそなえ,それらを使い分けることによってエネルギー効率を向上させる Tightly-Coupled Heterogeneous Cores(TCHCs) が提案されている.TCHCs の一つであるコンポジット・コアでは,インオーダとアウト・オブ・オーダのバックエンドを備えており,両者を切り替えて使用する.しかしコンポジット・コアはバックエンド切り替えペナルティや切り替えアルゴリズムの問題により,十分に消費エネルギーを削減できていない.この問題を解決するため,本研究では我々が提案してきた TCHC である Front-end Execution Architecture(FXA) をベースとして,低消費電力な実行モードを追加した Dual-Mode Front-end Execution Architecture(DM-FXA) と,そのためのモード切り替えアルゴリズムを提案する.提案手法を評価した結果,通常のアウト・オブ・オーダ・スーパスカラ・プロセッサと比較して 96.8%の性能を維持しつつ,平均 38.8%のエネルギー削減を達成した.
著者
吉岡 真緒
出版者
翰林書房
雑誌
太宰治はがき抄 : 山岸外史にあてて = Sa Correspondance; Osamu Dazai
巻号頁・発行日
pp.197-210, 2006-03-01

近畿大学日本文化研究所編
著者
上岡 尚代 野田 哲由 林 㤗京 橋本 和幸
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bulletin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.10, pp.45-51, 2016

高校陸上大会において行っているトレーナーブースを利用した競技者に対し,ピドスコープを用いて接地足蹠撮影装置を実施し,同時に傷害調査及びセルフコンディショニングの実施状況及び認識について調査した.傷害発生の部位は70%以上が下肢に発生していた.傷害発生時期は,53.7%が高校で発症しており,半数は完治していると回答したが,その半数近くは再発を繰り返していた.セルフケアの実施状況は,筋力トレーニングやストレッチング,アイシングなど必要性は認識しているにも関わらず,実施率は認識率を下回った.接地足蹠測定では,足蹠指数は陸上競技者が左右平均3.33本,コントロール群3.29本と陸上選手と同世代の一般学生で差は見られなかった.蹠指数と下肢の傷害の関係は,股の障害の有無と左右足の接地蹠指数の差は右足のみ蹠趾数が少ないほど有意に股関節と大腿前面の傷害発生数が多かった.(股関節t(28.0)=2.25, p<.05)(大腿前面 t(26.0)=1.89, p<.10),すねの傷害と蹠指数とは,両側とも足蹠趾数が少ないほど有意に脛部の傷害発生が多く,両者の関連性が示唆された.足指の把持筋力については,傷害発生率との有意な関連性はみられなかった.陸上選手と同世代の一般学生との足底荷重部分の違いについては,陸上選手が有意に足部前方に荷重していた.
著者
田村 直樹 Naoki Tamura
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research
巻号頁・発行日
vol.96, pp.63-80, 2012-09

商業論の中心的課題として、伝統的には「なぜ商業者が必要なのか」という商業者の存立根拠をめぐる議論がなされ、その中から品揃え形成による流通費用と情報検索の効率化としての商業者の必要性が主張されてきた。いうなれば、商業者が介在することで社会的な貢献を果たすという点で、その存立根拠が保証されるという論理である。確かに商業者は必要ではあるが、どの商業者が必要とされるのかは別の問題である。特定の商業者が他より選好される場合、単に品揃えの量と質だけの理由ではない。つまり、差別化される商業者の条件を理解しなければ、非価格要因による競争に展開できない。もし、量と質だけの品揃えであれば、誰もが模倣しうることになり価格競争に陥ってしまう。そこで本稿では価格競争を回避するための条件として、&#9332;スピード、&#9333;プロモーション、&#9334;季節感を事例から取り上げて議論する。
著者
上田 達也 安倍 広多 石橋 勇人 松浦 敏雄 藤井 裕史 坂下 秀
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.21(2009-IOT-4), pp.143-148, 2009-02-26

近年,携帯端末の小型化・高性能化ならびに携帯電話回線の高速化・低価格化が進んでいる.また,GPS(Global Positioning System)やビデオカメラを搭載した携帯端末も普及しつつある.これによって,移動端末から位置情報を伴ったストリーミング映像の発信が可能になってきた.本稿では,携帯端末で撮影した映像を位置情報を伴う形でストリーミング配信し,また,その映像を検索,視聴できるシステムを提案する.このシステムでは,映像が撮影された時刻や位置,撮影端末の密度などに基づいて検索を行うことができる.映像は配信されている時点でリアルタイムに視聴することも,蓄積された過去の映像を視聴することも可能である.さらに,将来のある時点においてたまたま映像が撮影された場合にそれを視聴するための視聴予約も可能である.本システムはスケーラビリティを考慮して P2P 方式で実現する.本稿では,このために必要となる映像の配信方式や位置情報管理方式,耐故障性の確保などについて検討を加える.