著者
松ヶ谷 玲弥 塩見 康博 邢 健 糸島 史浩 甲斐 穂高
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.A_121-A_130, 2020-02-01 (Released:2020-02-06)
参考文献数
13

近年,高速道路の交通容量が経年的に減少傾向にあることが報告されており,その原因究明と対策の検討が急務的課題となっている.本研究では,交通容量の変化要因を考察するため,過去と現在のミクロレベルでの交通流特性の差異を検証することを目的とした.具体的には,都市間高速道路(関越道,中国道,名神)の単路部ボトルネックを対象に,過去・現在の 2 時点で収集された車両感知器パルスデータを用い,車線利用率や追従車頭時間分布,TTC (Time to collision),希望走行速度分布,車群台数分布の変化を分析した.その結果,全体的な傾向として,追越車線利用率,追従車頭時間,TTC は全体的に増加傾向にある一方,希望走行速度,車群構成台数は減少傾向にあることが,交通容量減少の要因となっている可能性を明らかとした.

1 0 0 0 OA 法と宗教(五)

著者
堀 堅士
出版者
関西大学法学会
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.300-349, 1985-06-24
著者
森吉 泰生
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.54, no.170, pp.237-242, 2012 (Released:2018-01-26)
参考文献数
14
被引用文献数
3

Spark ignition engines are widely used for a small generator as well as a passenger vehicle. The exhaust gas emissions no longer have pollution problem by adopting a combination of three-way catalyst and stoichiometric mixture control, but an improvement of thermal efficiency is an urgent task. To achieve this, an increase of compression ratio and down-sizing with a turbo-charger are solutions. However, employing these methods causes abnormal combustion of such as knocking and pre-ignition that will bring about damages to engine components. In this article, why these phenomena occur and how to solve the issues are briefly mentioned with some author's ideas: since autoignition itself does not lead to a heavy knocking, a quick expansion at early expansion stroke and a spatial temperature distribution of mixture inside the cylinder can control the knocking intensity. As pre-ignition at low engine speed is not well analyzed, this phenomenon must be quantitatively examined.
著者
松本 大成 林 和生 甲斐 尚仁 春口 幸太郎 山村 葉子
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.822-827, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
9

背景:変形性股関節症に対する保存的治療法では日常生活動作である歩行時における下肢全体のバランスが重要であると考えられている.そこで,これを改善するために考案された運動療法である,歩行バランス法による保存的治療での臨床的治療効果に関して調査を行った.方法:99症例の変形性股関節症患者に対して歩行バランス法による治療を3カ月行い,治療前後での臨床評価をJOA score,およびNumeric Rating Scaleにて比較した.結果:特に初期の変形性股関節症に関して有意な臨床評価スコアの改善が得られていた.考察:歩行バランスを整えることにより短期的に臨床症状の改善が得られていた.長期的効果に関しては更なる調査が必要と考えられるが,特に初期の変形性股関節症に対しては歩行バランス法は十分に有効な治療であると考えられた.

1 0 0 0 文芸春秋

出版者
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, 1981-06
著者
中澤 桂介 阿部 雅樹 渡辺 大地 三上 浩司
雑誌
研究報告コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2017-CG-168, no.13, pp.1-6, 2017-11-01

「カタンの開拓者たち」 (以下 「カタン」 ) はボードゲームの一種である.カタンは,プレイヤー同士の交渉による資源交換が重要な意味を持ち,この際の駆け引きが大きな魅力と言える.現状でカタンのコンピュータ上での実装はいくつかあるが,これらの AI では交渉についてあまり考慮されておらず,人間同士の対戦に比べて面白さが損なわれている.これは,AI 側がプレイヤーの状況についての認識把握が不十分であることと,それを活かした駆け引きが行われないことが一因である.本研究は,既存の AI の特性に対し,AI 側がプレイヤーの状況を分析した上で,真偽を交えた情報を伝える機能を持たせるという手法を提案する.これにより,プレイヤーの認識を AI に有利なように誘導した上で交渉を行う事で,AI が既存実装よりも人間同士の対戦に近い行動を取る事を実現した.
著者
北村 祥貴 黒川 勝 丹羽 秀樹 奥出 輝夫 森山 秀樹 小竹 優範 稲木 紀幸 伴登 宏行 山田 哲司
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.907-914, 2013-12-01 (Released:2013-12-20)
参考文献数
22
被引用文献数
2 3

患者は60歳の女性で,右季肋部痛と発熱を主訴に受診した.CTで肝右葉後区を主座とする最大径16.6 cmの充実性腫瘍を認めた.内部は多結節癒合状で一部出血壊死を伴っており,結節の辺縁部は後期相で濃染した.MRIではT2強調像で不均一な高信号,T1強調像で低信号を呈した.肝肉腫もしくは肉腫様変性を来した肝細胞癌と診断し,肝右葉切除術を施行した.病理組織学的検査所見では,紡錘形細胞が増殖しており,核異型が強く,細胞質内にperiodic acid-Schiff(PAS)陽性顆粒状胞体を有する細胞を認めた.免疫組織学的にα smooth muscle actin(αSMA)とdesminのみ一部の細胞で陽性であり,肝未分化肉腫と診断した.本症は主に小児に発生する悪性間葉系腫瘍で,成人の発症は極めてまれな予後不良な疾患であり,外科的切除が第一選択となる.確立した化学療法はないが集学的治療での長期生存例もあり,症例の集積と検討が必要である.
著者
桑原 圭裕
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.54-74, 2019

<p>アニメーション制作の現場では、動画と音の同期に関して「動画は音より2フレーム前にすると仕上がりが良い」という「動画先行の原則」が語られてきた。たとえば映像と音楽の一体をテーマに 1929 年から 10 年間にわたって制作されたディズニーの短編アニメーション映画シリーズ「シリー・シンフォニー(<i>The Silly Symphony</i>)」の諸作品をコンピューターで解析すると、確かに時代がくだるにつれて動画を先行させるようになってきた事実を確認することができる。しかし、この動画先行の原則は、あくまで映像制作者たちの経験則に基づいており、その科学的な根拠はこれまで十分には解明されてこなかった。実写かアニメーションかを問わず映像制作の現場において、我々が映像と音を知覚する際に双方のずれを感ずるのは、3 フレーム以上、時間にしておよそ 0.1 秒以上といわれている。したがって、「動画先行の原則」について論じるためには、感覚刺激が脳に到達するまでの問題として知覚心理学の理論を援用する必要がある。</p><p>本稿の目的は、このようなフレーム処理が一部の実制作の現場で採用されるようになった経緯の背景にある理論的根拠を提示するとともに、このように時間を先取りする手法が、アニメーションに限らず映像全般において、その芸術としてのダイナミズムをもたらしていることを、具体的な作例の分析を通して明らかにすることにある。</p>