著者
執行 秀幸
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.49-74, 2020-03-31

Cognitive science learning approaches can assist students in learning to solve civil law cases problems. The primary goal when studying civil law is resolving case problems, but many law students find this difficult. Moreover, in the absence of a clear standard for the studying civil law in our country, students have tended to rely on intuition and experience. This has not always resulted in effective learning. Recent cognitive science research has revealed quite a bit about learning mechanisms. These insights could be applied to civil law studies. In Japan, however, cognitive science research has rarely been considered in the design of civil law curricula or in setting teaching and learning guidelines. This paper details cognitive science learning mechanisms and how they can be harnessed for more effective learning. It gives civil law examples to demonstrate the difficulties associated with learning to solve civil law case problems. Then, it proposes guidelines for effective civil law learning strategies.
著者
川島 拓也 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.178-183, 2022-08-25

タスクをしながら頭に思い浮かんだことを語るシンクアラウド法では,ユーザの心理プロセスを知ることができる.一方でタスク中の言語化は負担が大きく,ユーザによって語句の差が出ることがあり,データの収集とその評価が難しい.そこで「あ」だけで心理プロセスを表現し,声の大きさやイントネーションで心理プロセスを評価する「あアラウド法」を提案する.本研究ではゲームをタスクとした実験を行い,実験手法としての有用性や得られる心理プロセスを示す.
著者
早川 明夫
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 = Bulletin of Institute of Educational Research (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.111-119, 2007-12-01

3代将軍徳川家光によって制度化されたとされる参勤交代のねらいは、大名の経済力・軍事力を抑制・削減して幕府に反抗できないようにするためである、こうした理解が教育現場に相当定着している。しかし、学会においてはこのような見方は一般的ではない。参勤交代が、大名にとって大きな経済的負担となっていたことは事実である。しかし、これは参勤交代の結果であって、この制度が設けられた目的ではない。そこで、先学諸氏の研究成果を踏まえて、現行の小中高の教科書には、参勤交代についてどのように記述されているのかを調べ、参勤交代の授業における留意点を示してみたい。
著者
轟 義昭
出版者
鹿児島県立短期大学 地域研究所
雑誌
研究年報 (ISSN:02885883)
巻号頁・発行日
no.54, pp.9-27, 2023-03-27
著者
伊原木 大祐
出版者
北九州市立大学基盤教育センター
雑誌
基盤教育センター紀要 = Bulletin, Center for Fundamental Education (ISSN:18836739)
巻号頁・発行日
no.23, pp.15-30, 2015-11

本稿は、エマニュエル・レヴィナスの主著『全体性と無限』の第四部「顔の彼方へ」の分析・解釈を軸に、同時代の現象学者ミシェル・アンリによるエロス論との比較を通して、前者のエロス論がもつ宗教的かつ哲学的な射程を明らかにしている。

5 0 0 0 OA 妖精の贈り物

著者
花田 文男 ハナダ フミオ Fumio HANADA
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.1-30, 2005-12-31

人の一生は神々によって定められているという信仰は古い時代からある。ギリシアではMoirai,ローマではParcaeの三姉妹の女神が,北欧ではnornirたちが運命を定める役割をになっていた。中世のフランス文学に登場する妖精feeは彼女たちの末裔である。人の誕生に際して,妖精たちは主人公の枕元におとずれる。多くの場合彼女たちはやはり三人で,主人公に好運,あるいは不運を与える。王の招待にあずからず,金の食器も供されなかった年老いた妖精が,いまいましさのあまり,つむが手に刺さり,それがもとで死ぬ運命を生れたばかりの王女に与える。最後に控えた妖精によって,死は百年の眠りにかろうじてとって代えられる。誰もが知っているシャルル・ペローの「眠れる森の美女」のお話である。同じようにオーベロンは妖精たちによってさまざまな贈り物を与えられるが,一人の妖精の悪意,腹立ちから身のたけが三尺に満たない小人の運命に定められる。他の善意の妖精,あるいは奇妙なことに当の妖精からその埋め合わせに類いまれな美しさを得る。中世フランスの物語文学の諸ジャンルである武勲詩,アーサー王物語,冒険物語を通じて,妖精の贈り物を受けた主人公は枚挙にいとまがない。アーサー王自身もある異伝によれば,この恩恵にあずかった。妖精からの贈り物は民間伝承の中の信仰としても,文芸のモチーフとしても,中世の作者と読者によって偏愛されたようだ。ここではその一端を通観する。