著者
Hiroshi Hisano Fumitaka Abe Robert E. Hoffie Jochen Kumlehn
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
Breeding Science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
pp.21019, (Released:2021-08-27)
被引用文献数
14

The recent advent of customizable endonucleases has led to remarkable advances in genetic engineering, as these molecular scissors allow for the targeted introduction of mutations or even precisely predefined genetic modifications into virtually any genomic target site of choice. Thanks to its unprecedented precision, efficiency, and functional versatility, this technology, commonly referred to as genome editing, has become an effective force not only in basic research devoted to the elucidation of gene function, but also for knowledge-based improvement of crop traits. Among the different platforms currently available for site-directed genome modifications, RNA-guided clustered regularly interspaced short palindromic repeats (CRISPR)-associated (Cas) endonucleases have proven to be the most powerful. This review provides an application-oriented overview of the development of customizable endonucleases, current approaches to cereal crop breeding, and future opportunities in this field.
著者
Anthony C. Keech Kazuma Oyama Peter S. Sever Minao Tang Sabina A. Murphy Atsushi Hirayama Chen Lu Leslie Tay Prakash C. Deedwania Chung-Wah Siu Armando Lira Pineda Donghoon Choi Min-Ji Charng John Amerena Wan Azman Wan Ahmad Vijay K. Chopra Terje R. Pedersen Robert P. Giugliano Marc S. Sabatine on behalf of the FOURIER Study Group
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-20-1051, (Released:2021-05-12)
参考文献数
19
被引用文献数
13

Background:There are concerns that Asian patients respond differently to some medications. This study evaluated the efficacy and safety of evolocumab among Asian vs. other subjects in the FOURIER trial, which randomized stable atherosclerosis patients to receive either evolocumab or placebo.Methods and Results:Effects of adding evolocumab vs. placebo to background statin therapy on low-density lipoprotein cholesterol (LDL-C) reductions, cardiovascular outcomes, and adverse events were compared among 27,564 participants with atherosclerotic disease, according to self-reported Asian (n=2,723) vs. other (n=24,841) races followed for a median of 2.2 years in the FOURIER trial. The primary endpoint was a composite of cardiovascular death, myocardial infarction, stroke, hospitalization for unstable angina, or coronary revascularization. At randomization, Asians had slightly lower LDL-C (median 89 [IQR 78–104] mg/dL vs. 92 [80–109] mg/dL; P<0.001) and were much less likely to be on a high-intensity statin (33.3% vs. 73.3%; P<0.001). Evolocumab lowered LDL-C more in Asians than in others (66% vs. 58%; P<0.001). The effect of evolocumab on the primary endpoint was similar in Asians (HR, 0.79; 95% CI, 0.61–1.03) and others (HR, 0.86; 95% CI, 0.79–0.93; P interaction=0.55). There was no excess of serious adverse events with evolocumab among Asians over others.Conclusions:Use of evolocumab robustly lowers LDL-C and is equally efficacious in lowering the risk of cardiovascular events and safe in Asians as it is in others.
著者
小友 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.167-174, 2002 (Released:2002-12-24)
参考文献数
59
被引用文献数
13 24

毛髪の長さと太さは主に毛包サイクルの成長期毛包の期間の長さで決まる.成長期はVEGF,FGF-5S,IGF-1,KGF等の細胞成長因子で維持されている.しかし体内時計によって設定された時が満ちれば,FGF-5,thrombospondin,あるいは何らかの未同定の因子により成長期は終了し,毛母細胞にアポトーシスが誘導され退行期へと移行する.男性型脱毛症は遺伝的背景の下に男性ホルモンによって,より早期に成長期が終了する事によっておこる毛包の矮小化である.ミノキシジルの発毛効果はsulfonylurea receptor(SUR)を作動させ,(2)血管平滑筋ATP感受性Kチャネル開放による毛組織血流改善,(3)毛乳頭細胞からのVEGFなど細胞成長因子の産生促進,(4)ミトコンドリアATP感受性Kチャネル開放による毛母細胞アポトーシス抑制,のいずれかを誘起し,成長期期間を延長して,矮小化毛包を改善することによると推察される.
著者
土方 敦司 塩生 くらら 中江 摂 塩生 真史 太田 元規 金谷 重彦 白井 剛
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.102-106, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

The novel coronavirus disease (COVID-19) pandemic has emerged in late 2019 and rapidly spread all over the world. In order to assist structure-based discovery efforts for repurposing drugs against the infectious disease, we constructed homology models of SARS-CoV-2 proteins. We identified several potential drugs by comparing the ligand molecules in the template structures with approved or experimental drugs and compounds of natural drugs, including carfilzomib, sinefungin, tecadenoson, and trabodenoson, that would be further investigated for their potential for treating COVID-19.

7 0 0 0 OA 大塔物語

巻号頁・発行日
1851
著者
宮脇 修一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1133, pp.151-154, 2002-03-18

動物などの精巧な模型、いわゆるフィギュア製作を手がける当社と、菓子メーカーのフルタ製菓は、おまけつき菓子「チョコエッグ」を二人三脚で大切に育んできました。しかし両者の関係は、今年1月21日をもって終わってしまった。当社がチョコエッグ向けに新しい動物フィギュアを供給することは、もうありません。
著者
辻 正人 斉藤 元章 吉田 雅治 中林 公正 北本 清 長沢 俊彦 干川 就可
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.700-704, 1988-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
19

症例は39才,男性. 28才時に全身性エリテマトーデスの診断にて,以後ステロイド療法が施行された. 34才時,胸痛が出現し急性心筋梗塞と診断された. 36才時に言語障害と右不全麻痺が出現し,脳梗塞を合併した. 39才時,二度目の心筋梗塞発作で死亡した.剖検上,全身の著しい動脈硬化性病変を認め,特に冠状動脈と中大脳動脈に器質化血栓を伴うアテローム性動脈硬化症が認められた.全身性エリテマトーデス症例における動脈硬化促進因子については,全身性エリテマトーデス固有の血管炎・血栓をきたしやすい病態,ステロイド長期投与の影響の他に,高血圧,高脂血症,大量喫煙などの多様な因子の存在も重要な役割を果たしていると考えられた.
著者
森 玲奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.445-455, 2008
参考文献数
47
被引用文献数
2

研究の目的は,ワークショップのデザイン過程におけるベテラン実践家の特徴的思考を明らかにすることである.本研究では,ベテラン実践家とその集団に属する初心者2組を選定し,発話思考法を用いた実験を行った.分析は,まずベテラン-初心者間における発話の流れを比較し,その上で2人のベテランに共通する特徴を検討した.その結果,ベテランにおけるデザイン時の発話には,依頼内容の確認・解釈の後,コンセプトの立案を行うという共通の流れがあることが明らかになった.また,ベテランの特徴として,(1)依頼内容に対する幅広い確認を行うこと,(2)デザインの仮枠となるデザインモデルを使用すること,(3)保留や選択の余地を残した「やわらかな決定」を行うこと,(4)スタッフの育成に対する意識とデザイン力を持つこと,(5)過去の実践体験の想起や経験から構築された慣習を用いてデザインを行うこと,が明らかになった.さらに,ベテランには経験に裏づけられた「個人レベルの実践論」があることが示唆された.
著者
日高 直保
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究 (ISSN:24357065)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.51-62, 2021 (Released:2021-04-12)

近年日本では,AYA世代のがんサバイバーに対する注目が高まっている。AYA 世代のがんサバイバーは,医療的問題だけでなく教育や就労など社会的問題にも直面しており,がんサバイバーの視点をふまえた問題理解が望まれている。そこで本研究では,AYA 世代のがんサバイバーである K さんを対象としたインタビューを行い,個別性を尊重した情報を得ることを目指した。具体的には,インタビューを通じて得られたデータをライフヒストリー法によって再構成し,Kさんの経験を記述した。また,記述した経験をもとに,K さんのレジリエンスについて考察した。分析を通じ,入院生活を送る中で生命や自立性を脅かされる状況に直面し,恐怖や葛藤を感じながら,他者と関係する中で自立を目指す K さんの姿が描き出された。また,K さんのレジリエンスとして,家族や看護師,友人といった周囲の人々からの関わり,経験に肯定的な意味を見出す力,そして出来事に潜む肯定的な可能性を具現化する力の存在が挙げられた。
著者
成田 健太郎
出版者
埼玉大学教養学部・大学院人文社会科学研究科
雑誌
書くこと/書かれたもの : 表現行為と表現 (埼玉大学教養学部 リベラルアーツ叢書12)
巻号頁・発行日
pp.89-102, 2021

東晋の能書王羲之の代表作として知られる書跡『蘭亭』は、唐代に墨跡本が、また宋代には定武本をはじめとする刻石本が流布した。文献資料に徴すると、いずれの時代にも市中において自発的に『蘭亭』の諸本が生産され流通した状況があり、特に宋代にはそのような状況に士大夫階層が主体的に関わっていたことが知られる。しかし言説としては、『蘭亭』は皇帝の専有から偶然に流出したものとしてしばしば語られ、想定される状況と一致しないところがある。ただしそのような言説も、墨跡本・刻石本に共通する出現から消失に至る循環、あるいは唐と宋の時代相の差異といった点において参照価値を有する。