著者
鹿内 健志 南 孝幸 官 森林 上野 正実
出版者
日本農作業学会
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.29-36, 2007-03-15
参考文献数
7
被引用文献数
1 6

沖縄県におけるサトウキビ生産の担い手として設立が推進されたサトウキビ生産法人は,圃場分散と土地生産性の低さの問題を抱えている.サトウキビ生産法人の圃場は広域に分散しており,作業効率が低下し適期作業に大幅な遅れが生じている.また,単収は県の平均単収を下回っているのが現状である.本研究では集積された農地の分散を示す地理的な指標をGISにより解析し,これらの指標と単収との関係を調査し,圃場分散が生産性に及ぼす影響を検討した.分散を表す地理的な指標として周囲圃場面積,事務所からの距離,圃場面積の3つの指標を提案したが,周囲圃場面積と単収については正の相関があり,事務所からの距離と単収については,負の相関があることが示され,圃場分散がサトウキビ収量に影響を及ぼしている可能性があると示唆された.
著者
能登 裕子 村木 里志
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.97-107, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
19

本研究は, 車いすの段差乗り上げ時の介助操作の容易性向上, 介助負担の軽減を目的とし, ティッピングレバーの形状と位置を比較検討した. 介助者は高齢女性15名とした. 形状3条件, 位置6条件 (高さ2条件, 長さ3条件) のレバーを用いて, レバー踏み込み動作時の足底圧, 筋活動, 姿勢角および主観評価を計測し, 介助負担と操作の容易性を評価した. 形状条件では, 平坦型が円筒型にくらべ踏み込み面積の増加とともに踏み込みやすさが向上した. 位置条件では, 高さ2条件とも標準長さ+40mm以上のレバー条件にて, 踏み込み位置が踵側で行われるとともに筋活動の減少傾向を示した. また, 高さが低い条件では, 股関節と膝関節が伸展する傾向があった. 一方で, 車いすの速度と乗車者の乗り心地には変化がみられなかった. 以上の結果から, 踏み込み面の平坦化と標準長さ+40mm長さのレバーは, 乗車者の乗り心地を低下させることなく, 介助者の操作の容易性を高めることが示唆された.
著者
十亀 雄太 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.471-475, 2019-09-13

人々が服を直用する際,それに応じた目的や他人にどのように知覚されたいかを,意識的に選択をする.しかしながら一日の途中で服を変えることは難しく,ほとんどの場合着替える場所が必要であったり,着替えるための服を持ち歩かなければならないなどの手間がかかる.そこで本研究では,布を形成する繊維にチューブを使い,チューブ内に鮮明な色のインクを流すことによって明確に色を変化させることが可能な布の開発を行う.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1910年04月02日, 1910-04-02
著者
糟谷 啓介
出版者
日本評論社
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.p561-578, 1987-10

論文タイプ||論説
著者
山本 禮子
出版者
和洋女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

近代公教育の体制下にあって、日本の女子教育の中心的役割を担った戦前の女子中等教育機関としての高等女学校の教育実態を明らかにするため、高齢化する高等女学校卒業生対象のアンケ-ト調査・面接調査の緊急性を痛感している。ここ数年来、公立・私立の高女卒業生対象の調査を実施してきたが、本年度は、外地の高等女学校卒業生に焦点をあてて行った。まず、朝鮮・台湾・関東州・樺太・満洲・中国に設立された高女の同窓会に名簿提供を依頼し、承諾を得た34校に対し、1915年から5年おきに最高20名を限度に無作為抽出し、1917名にアンケ-トを発送(7月下旬〜8月上旬)した。返送されたものを減ずると実質発送数1730、回答数659で回収率は38.09%である(回収10月末日)。この回収率は内地のそれより高く(公立高女アンケ-ト回収率33.59%、私立高女30.71%)意識の高さを証左している。未だに詳細な調査結果の分析・考察には至っていないが、現地人を入学させた学校、現地語を教科の学習として位置づけた学校、課外学習として取扱った学校等様々であるが、それは全体の1割弱の学校にしかみられない。当時、日本語使用を義務づけたため(朝鮮など特に)現地語導入は考えられないことである。現地語学習が顕著なのは満洲の撫順高女やハルピン高女である。日本の国がそれぞれの地域とどのような関係をむすんだかが教育に鮮明に反映している。その他、1930年前後の修学旅行は船中泊を含めると2週間にもわたる旅で、京都・奈良・東京はもとより、学校によっては日光・九州、時代によっては橿原神宮もコ-スに入り、大々的なものになっている。しかし、戦局切迫する中で中止となる。異句同音に外地に育った者の大らかさを自負し、引き揚げ後の困窮生活をも前向きにとらえる姿が窺われる。
著者
吉国 洋 中ノ堂 裕文
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, 1977

三軸圧密試験から粘土の圧密諸係数を求める際, 一般に, Da Silveira解が適用されている。しかし, この解は変形条件を考慮しないTerzaghi理論からの解である一方, 試験結果からはK_0圧密と等方圧密とで圧密速度が異なることが知られている。そこで, 筆者らは, D_3 Silveiraの解をどのような変形条件にも適用可とすることを疑問とし, それぞれの目的に適切な変形条件下における三軸圧密試験での理論解析解を求めている。1)平均鉛直荷重一定条件下でのK_0圧密, 2)半径方向荷重一定条件下でのK_0圧密, 3)荷重一定の条件下での等方圧密, 4)半径方向荷重一定, 鉛直ヒズミ零の条件下の圧密という4種の条件下についての解を無次元表示している。この結果, 三軸圧密試験における圧密速度が変形条件と粘土のポアソン比に依存すること, 1)の条件下でDa Silveira解が成立すること, Mardel-Cryer効果が三軸圧密時に生じること等を結論している。
著者
江原 遥
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2D1GS902, 2020 (Released:2020-06-19)

外国語学習において、語彙学習は時間的コストが高いうえ、読解力をはじめとする全般的な語学力と相関が高い。語彙学習の支援においては、学習者が適切な語の使い方を学べるよう、ある語が母語話者の作文や発話を集めたコーパス中でどのような使われ方をしているか、語の用例(コーパス中の出現)を提示したいニーズがある。この時、単にコーパス中の当該単語の出現箇所を羅列するのではなく、多義語については語義を考慮し、類似した語義はまとめ、さらに、覚えるべき主要な出現と例外的な出現を分けて提示してくれると、より語彙学習に有用であると思われる。しかし、このように、語の出現ごとに語義を付与したり、覚えるべきかどうかを判定する作業を、人手で行うことは、アノテーションコストが高すぎて非現実的である。そこで、本研究では、文脈化単語埋め込み(BERT)と教師なし深層異常検知に基づき、人手のアノテーション情報なしで、こうした語彙学習に有用な用例情報を提示する手法を提案する。
著者
Mungunkhuyag MAJIGSUREN Takashi ABE Teruyoshi KAGEJI Kenji MATSUZAKI Mayumi TAKEUCHI Seiji IWAMOTO Yoichi OTOMI Naoto UYAMA Shinji NAGAHIRO Masafumi HARADA
出版者
Japanese Society for Magnetic Resonance in Medicine
雑誌
Magnetic Resonance in Medical Sciences (ISSN:13473182)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.34-40, 2016-01-01 (Released:2016-01-12)
参考文献数
21
被引用文献数
10 21

Purpose: T1-Cube (GE HealthCare) is a relatively new 3-dimensional (3D) fast spin-echo (FSE)-based magnetic resonance (MR) imaging sequence that uses a variable flip angle to acquire gap-free volume scans. We compared the gadolinium enhancement characteristics of a heterogeneous population of brain tumors imaged by T1-Cube and then 3D fast spoiled gradient recall acquisition in steady state (3D FSPGR) 3-tesla MR imaging to identify the superior modality for specific diagnostic purposes.Methods: We examined 61 lesions from 32 patients using the 2 sequences after administration of gadopentetic acid (Gd-DTPA; 0.1 mmol/kg). Two neuroradiologists independently measured each lesion twice using a region-of-interest (ROI) method. We measured the contrast-to-noise ratio (CNR), the difference in signal intensity (SI) between the tumor and normal white matter relative to the standard deviation (SD) of the SI within the lesion, for both post-contrast 3D FSPGR and post-contrast T1-Cube images of the same tumor and compared modality-specific CNRs for all tumors and in subgroups defined by tumor size, enhancement ratio, and histopathology.Results: The mean CNR was significantly higher on T1-Cube images than 3D FSPGR images for the total tumor population (1.85 ± 0.97 versus 1.12 ± 1.05, P < 0.01) and the histologic types, i.e., metastasis (P < 0.01) and lymphoma (P < 0.05). The difference in CNR was even larger for smaller tumors in the metastatic group (4.95 to 23.5 mm2) (P < 0.01). In contrast, mean CNRs did not differ between modalities for high grade glioma and meningioma.Conclusions: Gadolinium enhancement of brain tumors was generally higher when imaged by T1-Cube than 3D FSPGR, and T1-Cube with Gd enhancement may be superior to 3D FSPGR for detecting smaller metastatic tumors.
著者
森本 真幸
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.61-70, 2002-01-10 (Released:2017-08-01)

八〇〜九〇年代の教科書で初めて平和教材が位置づけられ、「一つの花」は四年生の定番教材となった。「一つちょうだい」とくり返すゆみ子に、コスモスを渡して出征した父親の姿は、戦争に負けない父親の愛情を示しているように読みやすい。だが、父親も母親も、天皇の名前で進められる従順な日本人だった。そして戦後十年経って、母親もゆみ子も、そして語り手も、戦争を批判的に見る目を持たずに、毎日の生活に安住していた。
著者
粕淵 彩花
出版者
日本女子大学国語国文学会
雑誌
国文目白 (ISSN:03898644)
巻号頁・発行日
no.53, pp.123-134, 2014-02-28