著者
大束 貢生 柴田 和子 富川 拓 古川 秀夫 山田 一隆
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.44, pp.44-53, 2020-03-20

この小論の目的は,日本においてサービス・ラーニングが「評価」や「道徳教育」,「キャリア教育」との関連においてどのように語られてきたか,先行研究から概観することにある。先行研究を概観したところ,「サービス・ラーニングと評価」に関連する論文では,自己評価ツールの開発やそれを基にした学生の学習効果を明らかにすることが目的とされたが,実例が蓄積された2013年以降は,サービス・ラーニングの評価枠組みを再度振り返り,検討することの必要性や具体的な取り組みのために必要なシステムの構築が検討されつつあった。「サービス・ラーニングと道徳教育」に関連する論文では,サービス・ラーニングと関連させて道徳的理解や道徳的感情,道徳的反省に関する考察がなされていた。また,人格教育の一手法として実施されているサービス・ラーニングについての研究も行われていた。「サービス・ラーニングとキャリア教育」に関連する論文では,キャリア教育におけるボランティア,サービス・ラーニング,インターンシップの位置づけに関する考察等が行なわれていた。サービス・ラーニング評価道徳教育キャリア教育
著者
小本 恵照
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-15, 2006 (Released:2011-05-20)
参考文献数
31

本稿は、開示データが入手できる109のフランチャイズ・チェーンを対象に、フランチャイズ加盟店の廃業率を算出し、併せてフランチャイズ契約が加盟店の廃業率に与える影響を分析したものである。廃業率については、フランチャイズ加盟店の廃業率が非加盟店の廃業率に比べ高いことが判明した。加盟店の廃業に与えるフランチャイズ契約の影響については、テリトリー制が採用されている場合と加盟金が多額な場合に廃業率が低いことが明らかとなった。前者については、テリトリー権を付与しても依然として競合チェーンの参入は可能であることを踏まえると、市場が必ずしも競争的ではないか、ブランド内競争がブランド間競争より厳しいという、いずれかの結果を反映したものと考えられる。後者については、加盟金の金額が、開業支援の充実度やフランチャイズ加盟によって獲得できる将来利潤の大きさを示す結果とみられる。
著者
西条八十 [ほか]編纂
出版者
白水社
巻号頁・発行日
vol.第6巻 (自然美論・散文詩・その他), 1941
著者
森迫 祥吾 山下 誠
出版者
錯体化学会
雑誌
Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry (ISSN:18826954)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.29-45, 2019-11-30 (Released:2020-03-12)
参考文献数
100
被引用文献数
1

In this article, recent developments regarding the organometallic chemistry of boron-containing pincer ligands, especially in which a boron coordinated to transition metal center as an anionic σ-donor ligand, are reviewed. Boron-based pincer ligands can be subdivided into three main classes; diazaborole-, carborane-, and diarylboryl-ligand. All the papers relevant to such boron-based pincer ligands that have been published since 2009 are included in this review, which also summarizes applications of transitionmetal complexes bearing such boron-containing pincer ligands in catalytic and/or bond-cleavage reactions.
著者
植木 亮介 山東 信介
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.93-97, 2018-05-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
19

近年、DNA-encoded library(DEL)と呼ばれる手法が新たな創薬基盤技術として注目を集めている。本手法ではDNAがもつ「PCRによる増幅反応が可能」、「ハイスループットな配列解析が可能」という特性を利用し、無数の化合物が混合された状態においてスクリーニングを実行可能である。そのため従来法と比べ、迅速かつ簡便に106以上の多様な化合物の評価を行うことができ、Hit化合物の特定と構造活性相関の取得までのプロセスを効率化できる。本稿では、DELの構築法についてライブラリ構築の際に考慮すべきDNAの特性に触れながら概説する。
著者
Hirowatari Toshiya Yamanaka Kuniaki
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.619-626, 1996-09-25
参考文献数
11

Life history of the adelid moth Nemophora albiantennella ISSIKI, 1930, was investigated in the riverbed of the Kizu river (Yawata City, Kyoto, Japan) in 1993. Daily activity pattern of N. albiantennella was reported in the light of basic information for the adelid flight behavior and it was classified into "non-swarming" species sensu KOZLOV (1987). Flower preference of the feeding adults was also discussed in relation to height of the flowers. The host plant was found as Poa trivialis L. and Lolium multiflorum Lan. both belonging to the Poaceae that is previously unknown host-plant family in Adelidae.
著者
秋葉 武
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.190-199, 2005-10-10 (Released:2010-06-15)
参考文献数
14

近年, 多くの地方自治体とNPO間で組織間関係が生成し, 維持されるようになった。反面, 両者間で多くのコンフリクト (Conflict) が発生している。中間支援NPOおよび地方公共団体へのフィールドワークをベースにして, 本稿では以下の点について論じる。つまり, 組織間関係に関して地方自治体からNPOへの事業委託をキーワードとして, 組織論的アブローチを用いて検証する。またコンフリクトに関して, 特に地方自治体の弱いガバナンス機能に焦点を当てて分析を試みた。
著者
明兪安期彙纂
巻号頁・発行日
1618
著者
谷口 高士
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.88-95, 1991-06-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
24
被引用文献数
7 7

Two studies investigated the mood congruent effects of music on word cognition. In both studies, bright or sad music was used in order to induce elated or depressed mood, and subjects were assigned to either the bright or the sad music condition. In Study 1, positive and negative personality trait words and non-words were presented with the music to examine the effect on incidental recall. Thirtyone subjects were asked to judge whether the words were positive or negative as quickly and accurately as possible. In Study 2, 37 subjects were presented with ambiguous personality trait words without and with music to examine how their interpretations of ambiguous stimuli were affected by music. The results showed the mood congruent effects on recall, interpretation, and response time, and these findings agreed with those obtained from other studies of the mood effects on cognition, especially on recall. It was suggested that music induces a certain mood, which influences on cognitive processes of other stimuli.
著者
島田 和則 勝木 俊雄 大中 みちる 岩本 宏二郎
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.11-21, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
35

人工林の広葉樹林化により植物の多様性がどのように変化したかについて,検証を行うことを目的に以下の研究を行った。暖温帯域の針葉樹人工林が気象害を受けてから広葉樹二次林として自然再生していった林分について,再生0年目から30年目までの植物種数や種構成の長期経年変化について検討した。全体の種数は,気象害を受けた直後の3年間は急増したが,以降は減少し続けた。次に,種構成の経年変化を出現種の生態的特徴から分析するために,出現種を生育環境区分によってタイプ分けし分析した。照葉樹林タイプの種数は,調査期間を通じて増加した。一方,草原タイプなど非森林生の種数は再生初期に増加し,その後減少した。この結果,人工林跡から成立した広葉樹二次林は,攪乱後再生初期では非森林生の種の一時的な増加によって全体の種数が多くなるが,その後は減少していくことが示された。人工林跡から成立した広葉樹二次林の多様性が,攪乱によって増加した非森林生の種に大きく影響されることは,多様性保全を目的とした森林管理で考慮する必要があると考えられた。