著者
横山 和子
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.223-228, 1978-08-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
15

This review of clinical preanesthetic assessment of surgical patient was designed to help not only the anesthesiologist but also all medical colleagues.Today, many kinds of assessment technique for all organ are available, but often neglected. The present papar is a discussion of some of practical point which should be done as a preanestheticassessment of respiratory, cardiac, liver and kidney functions.Practical points of preanestheticevaluation are includ:(1) family history, past history and present history.(2) physical examination.(3) laboratory tests.Laboratory test should include:(1) blood: type, WR, WBC, RBC, Hb, Hct, Platlet, bleeding time, clotting time and HBantigen and antibody.(2) urine: urine volume/day, SG, protein and glucose.(3) blood chemistry: serum glucose, TP, A/G, BUN, Na, K, Cl, SGOT, SGPT, LDH, BSP, Al-P and CPK.(4) lung function test: VC, VT, FEV1 RR and blood gas if necessary.(5) chest X-ray.(6) ECG.It should be emphasized that a precise assessment of all organ function is not alway possiblebecause of the uncertainties of intra-anesthetic management as a result of unanticipated surgicalproblems that may adversely affect all organ functions.
著者
北條 勝貴
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.39-54, 2013

<p>平城京二条大路側溝から出土した治瘧の呪符木簡は、定説的には唐・孫思?撰の医書『千金翼方』に基づき、列島固有の文脈も加味して作成されたと考えられている。しかし、同種の呪言は八世紀に至るまでの複数の中医書に散見し、『千金翼方』より上記の木簡に近い表現を持つものもある。その淵源を遡ってみると、前漢・王充撰『論衡』に引かれる『山海経』にまで辿り着く。鬼門を守る神が疫鬼を虎に喰わせるという辟邪の文章は、やがて儺の呪言として展開してゆくが、その過程で、山林修行で培われた医薬・呪術の知識・方法、洪水と疫病の流行による世界の破滅/更新を説く神呪経の言説を含み込んでゆくことになる。そうして成立した短い呪言の一語一語には、その直接意味するところ以上に、豊かで複雑な自然環境/人間の関わりをうかがうことができるのである。</p>
著者
水野 正好
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-17, 1986-03

本稿では、災ひを嬢ひ福を招く、そうしたまじなひ世界を中心に、中世を生きた人々と鬼神をめぐる想ひ、祈りを垣間見たいと思います。まじなひ世界の研究は殆んどなされて居りませんから、ここに、私の意のあるところを記しましてご批判、ご教示を得たいと思います。
著者
今村 明 金替 伸治 山本 直毅 船本 優子 田山 達之 山口 尚宏 黒滝 直弘 小澤 寛樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.679-686, 2017-07-01

近年,統合失調症をはじめとしたpsychosis への移行が危ぶまれる状態を,「精神病リスク状態at︲risk mental state( ARMS)」と呼ぶことが増えており,それについて盛んに研究報告がなされている.ARMS は「脆弱性グループ」「減弱精神病グループ」「短期間間欠型精神病症状グループ」の₃ つのグループで構成される.ARMS は,必ずしもpsychosis へと移行していくものではないことがわかってきており(移行は₃₀〜₄₀%程度),それ自体に対応を必要とする状態像の一つとして考えられている.ARMS に対しては,まずは心理社会的治療が推奨されるが,早期に薬物療法を開始する場合もある.
著者
清水 優菜
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.351-362, 2020-03-20 (Released:2020-03-30)
参考文献数
52

本研究の目的は,ベクトルの知識の構造を検討した上で,ベクトルの知識に対して達成目標とエンゲージメントが与える影響を定量的に明らかにすることであった.高校生172名を対象に,質問紙調査を行なった.その結果,ベクトルにおける定義や公式の再生する問題と,教科書の例題レベルの定型的な手続き的知識を問う問題は1因子にまとまることが明らかとなった.さらに,行動的および感情的エンゲージメントは直接的に,熟達目標と遂行接近目標はエンゲージメントを媒介して間接的に本研究におけるベクトルの知識を規定することが示された.とくに,本研究のベクトルの知識に対して,感情的エンゲージメントが大きな影響を与えることが示唆された.
著者
村上 智明 原 賢治
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-159_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【症例紹介】 超音波画像診断装置(以下、エコー)で評価し、膝蓋下脂肪体(以下、IFP)硬化と内側膝蓋支帯縦走線維の炎症がみられた症例に理学療法を実施した。IFP動態の改善に伴い、内側膝蓋支帯縦走線維の疼痛が軽快したので報告する。症例は51歳女性、ジャザサイズ中のサイドステップで右膝内側と膝蓋下の痛みが強くなった。歩行及び階段昇降で疼痛が増悪し受診した。変形性膝関節症(以下、膝OA)とHoffa病の診断で内服薬や貼付剤で経過観察したが奏効せず、理学療法を開始した。膝痛が良くなったらジャザサイズをしたいとの希望であった。【評価とリーズニング】 レントゲンは正面像で初期の膝OAが認められ、側面像でHaglund impression-、Insall-salvati ratioは1.16と正常範囲であった。整形外科的テストはHoffa sign、ストロークテストが陽性、Patellar glide testで内外側とも1/4未満のHypomobileと評価した。圧痛は膝前内側と膝蓋下にあり、エコーで特に内側広筋(以下、VM)収縮時に内側膝蓋支帯縦走線維移行部の低エコー像がみられた。膝蓋下は膝蓋骨尖、脛骨粗面中央をメルクマールとし、膝蓋腱中央部を長軸で観察すると、IFP近位部に軽度高エコー像、膝蓋靭帯と大腿軟骨面間に狭小化を認めた。また、IFPが関節裂隙側から前方に広がる動態は観察できなかった。関節可動域(右/左)は膝伸展-10°/5°、屈曲90°/140°で疼痛はそれぞれ右膝蓋下、右膝前内側部に出現した。徒手筋力検査は膝関節伸展、屈曲、股関節伸展、足関節底屈を測定し、すべて4/5、特に右膝伸展45°保持では内側広筋斜走線維(以下、VMO)の萎縮が観察できた。大腿周径は膝蓋骨上縁が36.5㎝/37.0㎝、上縁5㎝が38.0㎝/39.5㎝であった。初期評価時に疼痛と関節可動域制限があったが、同日に関節可動域の改善を得て他にも実施可能なテストを行った。Ober test+/-、Elys test+/+(臀踵間距離4横指/1横指)、またクラークサインとJ-Signが陰性であることやQアングル増大と膝蓋骨位置の1横指低位を確認した。スクワット、フロントランジ、サイドランジのスポーツ基本動作は患側にknee in toe outと疼痛増悪を認めた。 評価の結果、異常な動的アライメントによる大腿四頭筋の連続的で強い収縮の繰り返しがIFPの炎症と線維化を起こし癒着に至った。さらに大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、外側広筋、中間広筋、外側膝蓋支帯などの外側支持組織の硬さが膝蓋骨可動性を低下させた。このことから膝蓋骨運動の異常、膝蓋大腿関節の圧力や内側膝蓋支帯縦走線維の伸張ストレス増大が起こり、炎症を生じVMOの萎縮に繋がったと推察した。しかし、以前から基本的な問題として動的アライメント不良、タイトネス、筋力低下等があった可能性は否定できない。【介入内容と結果】 NRS5/10以上の時期は基本的に安静で膝蓋骨運動の改善を目的としIFPmobilizationを遠位、深部に施行した。他にも徒手的介入や膝蓋上嚢周辺の動きを促す為に軽い大腿四頭筋setting(以下、Q-setting)を用いた。理学療法開始から8日(5回目)でIFP痛は消失、膝前内側部痛はNRS2/10以下と改善を示した。さらにIFPの前方移動を促す目的で膝蓋骨に操作を加えたQ-settingやIFPへ超音波治療、スポーツ基本動作の修正を開始した。16日(8回目)で一部IFPの動態改善を確認した。Patellar glide testは内外側ともに1/2 程度、膝痛消失、タイトネスは改善して歩行及び階段昇降が可能となった。しかし、IFPの軽度高エコー像、大腿四頭筋筋力低下は残存した。スポーツ基本動作の改善を確認し、ジャザサイズを開始しても疼痛が出現しないため理学療法を終了した。【結論】 IFPの炎症、結合織性肥大があれば、膝蓋腱から大腿軟骨面間は広がると考えたが、本症例は線維化と狭小化を認めた。これらはmobilizationや超音波治療で改善できなかったがIFP深部、遠位に動きを出すことでIFP痛は軽快した。IFP痛の改善と同時期に膝前内側の炎症、疼痛も緩和したことからIFPの動態改善を促すことが膝蓋骨運動の改善に効果的かつ膝前部のメカニカルストレス緩和に有効であった推察した。【倫理的配慮,説明と同意】 症例報告を行うにあたりご本人に口頭で確認、不利益を被ることはないことを説明し回答をもって同意を得た。開示すべき企業・団体はない。
著者
山本 洋介 山田 信一 有川 貴子 永田 環 中川 景子 大石 羊子 澤田 麻衣子 福重 哲志 牛島 一男
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.488-490, 2010-09-25 (Released:2010-10-06)
参考文献数
10

膝蓋下脂肪体炎で下肢痛を生じ,歩行困難となった症例を報告する.症例は 81歳の男性で,当科を受診する 1カ月半前に,右大腿前面から膝に及ぶ痛みが起こった. MRI検査により L3/4外側ヘルニアと判断され,仙骨硬膜外ブロックや L3の神経根ブロックを数回受けたが,痛みは軽減しなかった.膝の MRI検査で外側半月板変性も疑われ,膝関節内に局所麻酔薬の注入を受けたが,痛みは軽減せず,歩行困難となったので当科を紹介された.痛みは視覚アナログスケールで 83 mmであり,大腿四頭筋は萎縮し,筋の両側辺縁に沿った部位と膝関節周囲に強い圧痛があった.右大腿部の感覚障害はなかった.痛みが膝から始まり,膝蓋下に強い圧痛があったので,膝蓋下脂肪体炎を疑い,診断的ブロックとして,膝蓋下脂肪体に 1%メピバカイン 3.5 mlとベタメタゾン 2.5 mgを局所注入した.ブロック直後から痛みは軽減し,歩行が可能となった.その後,局所麻酔薬の注入を計 3回行い,1カ月後からは鎮痛薬内服だけで,膝の違和感が残っただけであった.大腿四頭筋の萎縮は,朝,夜に坐位からの起立運動を行うことで改善し,2カ月後に違和感も消失した.
著者
貞光 威
雑誌
聖徳学園岐阜教育大学国語国文学 (ISSN:02869365)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.55-65, 1993-03-15
著者
山下 哲郎
出版者
駒沢大学文学部国文学研究室
雑誌
駒沢国文 (ISSN:04523652)
巻号頁・発行日
no.39, pp.203-219, 2002-02
著者
石井 建 菊地 優 北村 佳久 仲村 崇仁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.75, no.647, pp.87-93, 2010-01

This paper presents a new analytical model for predicting the behavior of elastomeric seismic isolation bearings subject to combined eccentric bending moments and shear deformation. The mechanical model consists of a series of axial springs at the top, mid-height and bottom of the isolator. The model can account for end rotations of the isolator, and the overall isolator rotational stiffness can include the influence of the variation of vertical load on the isolator and the imposed shear deformation. To identify the mechanical characteristics of isolators, static bending tests under various combinations of vertical load and shear deformation were performed. The results of analyses using the new model show very good agreement with experimental observations.
著者
辰夫 辰夫 研川 英征 吉田 一希
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

<br><br>平成28年(2016)4月16日にM7.3の内陸直下型の熊本地震が発生し、地震断層・亀裂、液状化などの地表変状、多数の建物の倒壊が生じた。そこで、被害の集中した益城町市街地から熊本市にかけて地震直後の地形分類図の作成と共に、地震後の空中写真により液状化、亀裂などの地表の変状、建物被害の判読、これらの分布と地形との関係について調査を行った。