著者
Naohiro Oshima Honoka Kume Takayoshi Umeda Haruki Takito Mitsutoshi Tsukimoto Noriyasu Hada
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.91-95, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
34
被引用文献数
5

Magnolia Flower is a crude drug used for the treatment of headaches, toothaches, and nasal congestion. Here, we focused on Magnolia kobus, one of the botanical origins of Magnolia Flower, and collected the flower parts at different growth stages to compare chemical compositions and investigate potential inhibitory activities against interleukin-2 (IL-2) production in murine splenic T cells. After determining the structures, we examined the inhibitory effects of the constituents of the bud, the medicinal part of the crude drug, against IL-2 production. We first extracted the flower parts of M. kobus from the bud to fallen bloom stages and analysed the chemical compositions to identify the constituents characteristic to the buds. We found that the inhibitory activity of the buds against IL-2 production was more potent than that of the blooms. We isolated two known compounds, tiliroside (1) and syringin (2), characteristic to the buds from the methanol (MeOH) extract of Magnolia Flower. Moreover, we examined the inhibitory activities of both compounds against IL-2 production and found that tiliroside (1) but not syringin (2), showed strong inhibitory activity against IL-2 production and inhibited its mRNA expression. Thus, our strategy to examine the relationship between chemical compositions and biological activities during plant maturation could not only contribute to the scientific evaluation of medicinal parts of crude drugs but also assist in identifying biologically active constituents that have not yet been reported.
著者
長尾 式子 瀧本 禎之 赤林 朗
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.101-106, 2005-09-19 (Released:2017-04-27)
参考文献数
15
被引用文献数
4

日本の医療現場における倫理コンサルテーション(EC)の現状を調査することを目的に、臨床研修指定病院(全数、N=640)を対象に郵送による無記名自記式質問紙調査を行なった。267病院(回収率41.7%)から有効回答を得た。EC体制の有無については75.3%が「ない」、24.7%が「ある」と回答した。「ある」と回答した者のほとんどが個々の症例の倫理的問題については、「倫理委員会」で対応しており、「ない」と回答した者の36.8%が「科長などの判断」、18.4%が「現場の医師に任せる」で対処していると回答した。ECのニーズについては、回答者の9割弱が「必要がある」と回答した。多くの病院において個々の症例について倫理的問題に対するサポート体制の整備の必要性が高いことが示唆された。
著者
田村 洸希 中村 聡史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-186, no.3, pp.1-8, 2020-01-08

日本では手書きは一般的に心がこもっていると考えるひとも多く,フォントで生成されたものより手書きされたものを好む人は多い.また,板書などにおいては手書きの方がタイピングより記憶に残りやすいことが分かっており,手書きには一定の価値がある.一方で,コンピュータを用いて手軽に作成,編集が可能な履歴書やレポートなどでも手書きが要求されることは珍しくない.そこで本研究では,受け取った人の満足度を高め,また書くひとの満足度も高める仕組みの実現を目指し,手書き文字の数式化と加重平均化によるゆらぎを導入と,手書き機械の実装を行った.ここでは,単純な加重平均化では問題があることに着目し,改良型の加重平均手法を導入した.また実験によりその可能性について検討を行い,改良型の加重平均化手法で騙しやすくなること,また機械による紙への手書きをひとが判断するのは難しいことなどを明らかにした.
著者
小笠原 佑吏 天野 方一 小川 留奈 福田 吉治
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.34-43, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
27

目的:都内のA国民健康保険組合では,大腸がんの早期発見のため,郵送による便潜血検査を行っているが,受診率は10%未満を推移していた.本研究は,受診率向上のため,どのような健康メッセージが有効であるかを明らかにすることを目的とした.方法:対象は満40歳以上74歳までの組合員とその家族であり,組合の支部を1つのクラスターとして,全26支部を無作為に2群に分け,それぞれの群に異なるリーフレットを添付した便潜血検査キットを配布した.A群のリーフレットは検査の容易さや家計負担などを強調した一方,B群のリーフレットは検査の重要性や健康影響などを強調した.主要評価項目は便潜血検査キットの回収率とした.また,性や年齢などの交絡因子を用いて多変量解析を行った.結果:A群は390人,B群は389人であった.2群間において性,年齢,過去の特定健診受診状況などに違いはなかった.便潜血検査キットは189人から回収された.回収率はA群及びB群で有意な差は認められなかった(A群22.6%,B群26.0%,P=0.278).また,多変量解析においても同様の結果であった.結論:健康メッセージの違いにより大腸がん検診受診率(便潜血検査キット回収率)に違いは認められなかったが,受診率は向上した.適切な健康メッセージを工夫することに加え,手順や方法を見直し,個別受診勧奨・再勧奨することも重要である.
著者
中川 陽子 宮本 信也
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-24, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
22

目的:本研究は,母親の「イライラ感」に着目し,子どもが泣いたりぐずったりする負の感情表出に対する母親の不適切な対処行動に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした.方法:首都圏の郊外の幼稚園,都市部の幼稚園と保育所の計3施設に在籍する1~6歳の幼児をもつ母親を対象に,2017年4~7月に無記名の自記式質問紙による横断的調査を実施した.回答の得られた687名(回収率57.3%)から無効回答等を除外し,444名を分析対象とした.子どもの育てにくさ,母親の認知様式,特性被援助志向性,被害的認知,イライラ感を点数化し,重回帰分析を行った.結果:子どもの負の感情表出に対する母親の不適切な対処行動に直接的に影響を及ぼす要因は,母親のイライラ感(β=0.32, P<0.001)と子どもの年齢(β=0.18, P<0.001)であった.イライラ感に影響を及ぼす要因は,子どもの育てにくさ(β=0.24, P<0.001)と完璧主義(β=0.17, P=0.001)であった.中でも,被害的認知(β=0.19, P=0.024)と完璧主義(β=0.23, P=0.005)は,イライラ感を高めやすく不適切な対処行動につながりやすいことが明らかになった.結論:母親の認知的要因と不適切な対処行動との間にイライラ感が介在しており,被害的認知及び完璧主義な認知的特性によってイライラ感が高まると,不適切な対処行動につながりやすいことが示唆された.母親がイライラ感を統制できるよう,認知的特性を踏まえた介入方法を検討することが重要である.
著者
反田 實 赤繁 悟 有山 啓之 山野井 英夫 木村 博 團 昭紀 坂本 久 佐伯 康明 石田 祐幸 壽 久文 山田 卓郎
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.37-46, 2014 (Released:2014-10-29)

瀬戸内海の水質改善は進んだ。しかし,溶存無機態窒素(DIN)濃度の低下によって養殖ノリの色落ちが発生するとともに,漁獲量の減少が続いており,海域の生産力の低下が懸念されている。このような状況を踏まえ,瀬戸内海の今後の環境保全の在り方について環境省から意見募集が行われた。これに対応するため瀬戸内海ブロック水産試験場長会はモニタリングデータを収集分析するとともに,会員の意見を集約した。その結果,全ての府県でDIN濃度が低下していることが明らかとなった。また,ノリの生産量や漁獲量の減少が続いていることが確認された。
著者
茂木 智洋 永田 浩一 藤原 正則 村岡 勝美 飯田 直央 那須 智子 増田 典子 小倉 直子 島本 武嗣 光島 徹
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.22-28, 2013 (Released:2013-09-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:大腸3D-CTを異なる一定線量あるいは自動露出機構で撮影し,適正撮影条件を被ばく線量と画質から比較検討した.方法:任意型検診として大腸3D-CTを受診した836名を対象とした.64列CTの撮影条件を一定線量のA群:50mAs,B群:75mAs,C群:100mAs,そして自動露出機構のD群:Volume EC,SD20の4群とし,各群の平均被ばく線量を算出した.各群をさらにBMI(20未満,20以上25未満,25以上30未満,30以上)別に分けて平均被ばく線量と線量不足による画質劣化の有無を評価した.結果:各群の平均被ばく線量はA群で10.7mSv,B群で16.0mSv,C群で20.7mSv,D群で5.4mSvとなり,撮影線量を一定線量としたA~C群よりも自動露出機構のD群で平均被ばく線量が低かった.A~C群の各群では,BMIが高くなるにつれ撮影範囲が長くなることにより平均被ばく線量が高くなる傾向にあった.D群ではさらに体厚に合わせて線量が自動調整されるためBMIの違いによる変化が大きくなった.線量不足による画質劣化のために読影不能となる症例は全群で認めなかった.結論:自動露出機構群は一定線量群と比べると,読影に支障を来すことなく個人に適した線量が自動調整されることにより,平均被ばく線量を抑えることができた.適切な自動露出機構を設定し撮影することは臨床上有用であると考えられた.
著者
渡辺 卓 柳沼 厳弥 濱崎 安純 河原井 駿一
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.69-73, 2008-03-15 (Released:2009-09-15)
参考文献数
18
被引用文献数
3 5

非閉塞性腸管虚血 (NOMI) は希であるが,早期診断が難しく,腸管壊死をきたし予後不良である.1999年4月から2003年9月まで,開心術後1,040例のうち NOMI は5例であった.全例,発症時に大腿部の大理石紋様と,血中乳酸値の上昇を認めた.上腸間膜動脈 (SMA) 造影を行い, SMA 内に PGE1500μg を30分で持続動注した.腹膜刺激症状を呈した3例に開腹術を施行した.5例中4例を救命した. NOMI の診断では血中乳酸値の上昇とともに皮膚の大理石紋様は臨床的にきわめて有効な指標であった. NOMI が疑われた場合,血管造影による早期診断,早期治療が肝要と考えられた.
著者
Shinichi KOMABA
出版者
The Electrochemical Society of Japan
雑誌
Electrochemistry (ISSN:13443542)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.312-320, 2019-11-05 (Released:2019-11-05)
参考文献数
108
被引用文献数
12

Rechargeable batteries are capable of storing electric energy on the basis of pairing electrochemical redox reactions to realize sustainable energy society in our future. Since lithium-ion batteries with the highest specific energy among all the practical batteries were commercialized in 1991, many studies on lithium insertion materials and their electrochemical characterization have been reported to achieve even higher energy density, longer cycle life, and safer lithium-ion battery technologies. It is quite fortunate that the author had an opportunity to contribute to the research and development of lithium battery materials since 1997. In particular, studies on the influence of dissolved metallic ions like Mn2+, Co2+, Ni2+, Na+, and K+ ions in electrolyte solution on graphite negative electrodes in lithium-ion batteries motivated the author to extend the research scope to electrochemical sodium insertion chemistry. Furthermore, the author’s research experiences as a postdoctoral fellow in Dr. Delmas’ group in FY 2003 and a remarkable oral presentation on alpha-NaFeO2 electrode properties given by Professor Okada’s group in 2004 provided motivations and opened up new avenue toward the successful demonstration of non-aqueous sodium-ion batteries later in the career. Since 2009, the author’s research group has successfully demonstrated 3-volt class charge and discharge of a sodium-ion battery of a NaNi1/2Mn1/2O2 // hard carbon cell and a brand-new potassium-ion battery of a K2Mn[Fe(CN)6] // graphite cell. The systematic studies of three different alkali-metal insertion systems synergistically induce deeper understanding and faster development of new materials for the next-generation rechargeable batteries.