著者
瀧川 裕貴
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.132-148, 2018

<p> 近年の情報コミュニケーション技術の発展により,われわれの社会的世界は劇的な変容を遂げている.また,これらの発展により,社会的世界についてのデジタルデータが急速に蓄積されつつある.デジタルデータを用いて社会現象のリアリティとメカニズムの解明を試みる新しい社会科学のことを計算社会科学と呼ぶ.本稿では計算社会科学の現状と課題について,特に社会学との関係を中心に概観する.計算社会科学に対して独自の定義を試みた後,計算社会科学がなぜ社会学にとって特別な意味をもつのかを説明する.また,計算社会科学のデータの新しさがどこにあるのかを明らかにし,計算社会科学の分析手法について解説する.最後に,計算社会科学の課題について述べる.</p>
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-59, 2013-03-01

消防団は郷土愛護をかかげる義勇の組織とされ、地域防災の要となるボランティアリーダーと認識されている。本稿はある消防団の民族誌的報告であり、10年あまりにわたる参与観察をもとに断片的な語りや記憶をつなぐ試みである。消防団をめぐる4つの「間」から、現代の消防団の位相を浮かび上がらせようとする。地域の期待に応えられない制度的な矛盾や日本社会の変貌が団員の負担を増やす現状を描き出す。
著者
山川 勝史 岩崎 遼一 細谷 直人 松野 謙一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会 2013 (ISSN:24242667)
巻号頁・発行日
pp._G051035-1-_G051035-4, 2013-09-08 (Released:2017-06-19)

In this paper, numerical simulation for influenza infection was conducted using difference between air-flow course and virus-moving course. An alteration of radius of virus droplet changes sedimentation velocity. Then, the radius is affected by temperature and humidity around droplets. Flying virus drops may combine to other droplets. The repetition of the combination between droplets affects the sedimentation velocity of the droplet. Furthermore, using survival rate of influenza virus and human resistance, more realistic simulation is enabled. In this paper, the effectiveness of the method was shown carrying out infection simulation in an indoor environment.
著者
松田 素二
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.205-226, 1997

文化相対主義は, 異文化と向き合うための強力な実践的行動指針を私たちに提供してきた。それは, 異文化接触の現場において, 私たちが「非人間的」であると感じる慣習に直面しても, それを無条件に容認すべきという不干渉の哲学であり, 異文化の慣習に直面した個人は, 理性的であるならば受容的に反応すべきという寛容の道徳としてあった。この寛容と不干渉の道徳律を支えてるのが, 共約不可能性のテーゼであった。自文化と異文化のあいだに, 普遍的心性とか人間本性という絶対項を設定することなく, 二つの文化を共約することは不可能なのだろうか。これに対して, 「可能である」という実践をしていたのが, 日本の初期アフリカニストたちであった。彼らは, 異なった者同士がその垣根をそのままにして, その間を跳躍して通交できるという実感をもった。彼らの「実感による通交」論は, いっけん極めて粗暴な議論にみえる。それは丸山真男が批判した, 日本文化の伝統に付随した「合理的ロゴスへの直反発と感覚的なるものへの傾斜」そのものだからだ。しかしながらこうした「実感信仰批判」にもかかわらず, 実感的異文化通交の可能性は指摘できる。一つは, 共約不可能性から出発しても両者の会話を促進することができるという認識である。しかしそれはたんに, 切断された二つの世界の住人が, 相互に語りの主体となって対話を積み重ねる過程にとどまらない。初期アフリカニストが強調したのは, 二つの世界の住人が生活の構えを共有しながら, 日常的思考の共鳴のなかで実感的に通交していくことなのである。こうした実感による異文化通交の認識を語ることは, じつは強大な近代の認識支配の様式とその実践過程に対する, 日常からの微細な抵抗の戦術に他ならないことも最後に指摘される。
著者
星野 貴弘 浜松 芳夫
雑誌
研究報告 高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2011-ITS-46, no.3, pp.1-4, 2011-09-21

In this study, we propose an algorithm based on convex hull insertion (CHI) method for the traveling salesman problem (TSP). CHI method and proposed algorithm construct solutions by inserting city to a partial tour. Proposed algorithm is an improvement of insertion procedure in CHI method. This algorithm sets a threshold of the angle between the route from the inserted city to next city and the route from the inserted city to previous city. The city of the maximum angle is inserted, if there are angles being greater than a threshold. Insertion procedure is changed, if there is no angle being greater than a threshold. In order to evaluate the accuracy of solutions obtained using the algorithm, the proposed algorithm and CHI method are applied to 19 benchmark problems: 51-783 city problem in TSPLIB 95. As a result, proposed algorithm nds shorter tours than CHI in 16 problems.
著者
関 礼子
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.10, pp.49-60, 1997-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
43
被引用文献数
1

Some authors claim that the traditional study of interaction between nature and human society--from an anthropocentric perspective--ignores natural or ecological limits. Therefore, they assert that we must convert our perspective from anthropocentrism to anti-anthropocentrism. However, a historical-cultural perspective shows us that there is no objective nature such as the anti-anthropocentric perspective proposes to represent, which is primarily based on dualism. In this respect, we should understand that nature is a historical construction of a community for the very simple reason that to deny human acts or society means to deny and to exclude the human from nature. In this paper, I will discuss these two perspectives and reveal the utility of adopting an historical-cultural perspective.
著者
内田 直仁 丹 裕也
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.138-141, 2012-06-15 (Released:2012-09-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2
著者
今井 信雄
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.412-429, 2001-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

阪神・淡路大震災以後, 被災地には「震災を記念するモニュメント」が数多く建てられている.記念行為が「ひとつの世界」との結びつきを再確認したいという要求をあらわすものであるならば, それぞれのモニュメントも何らかの「ひとつの世界」を想定していると考えられる。それぞれのモニュメントの指向を分析してみると, 実際は設立主体の組織としての性格に大きく影響されるものであった.設立主体の違いが, モニュメントの性格を決定づけていたのだ.震災のモニュメントは, 設立主体が組織として担っている「職務」の範囲内にあるかにみえた.けれども, 組織を越えて, ふたつのリアリティがモニュメントとしてあらわれていた.まず, 身近な人の死を追悼するモニュメントの型式があった.言葉は少なく, ただ死を死としてのみ受け取る心性のあらわれであった.次に, 「わたしたち」という言葉が数多くみられたモニュメントがあった.「わたしたち」という言葉は, 均質な空間を前提にしたリアリティのあらわれとして考えられるであろう.どちらも, 組織を越えてモニュメントを特徴づける型式として存在していたのだが, ふたつのリアリティが重なるモニュメントはみられなかった.ふたつのリアリティはまったく異なる機制によって成り立っていることが明らかになったのである.
著者
荻野 朝朗
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.165-178, 2014-12-25 (Released:2015-10-06)
参考文献数
110
被引用文献数
1 1

モノネガウイルス目に属する非分節マイナス鎖RNAウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNAポリメラーゼLタンパク質をもつ.Lタンパク質は,ウイルスRNAの合成と修飾 (mRNAキャッピング,キャップメチル化,および ポリアデニル化) を触媒する多機能酵素である.近年,筆者らは非分節マイナス鎖RNAウイルスのプロトタイプであるウシ水疱性口内炎ウイルス (vesicular stomatitis virus, VSV) をモデルウイルスとして用いることにより,L タンパク質が宿主真核細胞とは全く異なる機構でmRNAキャッピング反応を触媒すること,キャッピング反応が完全長mRNAを合成するための正確なストップ?スタート転写反応とウイルスの細胞内増殖に必須であることを明らかにした.本稿では,VSV mRNAキャッピング機構の解明につながった歴史的な研究と現在の最新の研究について解説したい.
著者
和田 浩二 上原 真希子 高良 健作 當銘 由博 矢野 昌充 石井 利直 太田 英明
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.29-33, 2006-01-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

シークヮーサー果汁中のノビレチンの定量法を設定するとともに, 果汁製造工程におけるノビレチン含量の変化について分析した。果汁試料を遠心エバポレータで濃縮し, 抽出溶媒にMeOHを用いることで高いノビレチンの抽出効率が得られた。さらにHPLC分析では定量下限0.1mg/100g, 変動係数1.8%と十分な正確さ, 精度を有することを明らかにし, 本法がカンキツ果汁全般のノビレチンの分析法として応用可能であることを示した。一方, ノビレチンはシークヮーサー果実の果肉部位にはほとんど含まれていないことから, 全果搾汁方式による果皮から果汁への移行成分であることを確認した。また, ノビレチンは果汁中では液体部分と含有するパルプなどの不溶性固形部分の両方に存在することから, その含量は果汁製造工程でのパルプ除去に関連する遠心分離処理の影響を大きく受けることが明らかになった。
著者
小林 太市郎
出版者
密教研究会
雑誌
密教研究 (ISSN:18843441)
巻号頁・発行日
vol.1943, no.84, pp.1-56, 1943-03-10 (Released:2010-03-12)