著者
南谷 覺正
出版者
群馬大学社会情報学部
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.259-278, 2008

As an inquiry regarding the translation of comedy in literary works, this essay takes Jaques'famous lines beginning "All the world is a stage" in Shakespeare's As You Like It as a case studyfor close semantic investigation and consideration of Japanese translations to date.
著者
鈴木 常恭
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.37-55, 2007-11-30

テレビジョン番組は、ほとんどが先行する演劇、大衆演芸、歌劇などの実演形式、そして映画の表現形式を敷衍したものである。しかし、クイズ番組は放送メディア(テレビ、ラジオ)が、独自に開発した数少ない番組形式である。この番組形式は、テレビが登場して以来いまも多くの視聴者を獲得している。そして、この番組形式は、いま世界中のテレビジョン放送が共有する主要なジャンルとして位置づけられている。この研究ノートでは、テレビ番組研究の一貫として、はじめにテレビ番組におけるジャンルの生成と確立に言及し、これを踏まえクイズ番組の構成要素、出題と知、演出そして受容のされかたを番組の変遷を踏まえ考察する。
著者
鈴木 啓助
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.185-196, 2000-05-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
107
被引用文献数
4 4

雪氷学会で最も新しい分科会である雪氷化学分科会の設立の経緯についてまとめるとともに, わが国の研究者による雪氷化学研究について紹介する.しかし, 氷コアの化学と南極における雪氷化学の研究例については言及していない.雪氷化学は地球環境科学として今後ともその研究の重要性が増大すると考えられる.そこで, 本稿では降雪-積雪-融雪-河川水の水循環の流れに沿って雪氷化学研究を概説し, 今後の課題についても提起する.
著者
木山 雅雄
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.77-84, 1976-04-05 (Released:2009-05-22)
参考文献数
30
被引用文献数
29 21
著者
柳澤 修
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

レジスタンス運動後のクライオセラピーが、筋の疲労軽減および損傷軽減に効果的であるのかを検討した。短縮性のレジスタンス運動間に行った筋冷却は、冷却後の運動における筋エネルギー代謝に作用し、筋持久力の維持に効果的である可能性を示したが、主観的疲労度の軽減に関しては有効な介入手段にならなかった。一方、伸張性のレジスタンス運動後に実施した筋冷却は、筋痛を軽減させる傾向は示したが、筋痛時の筋機能(筋エネルギー代謝能力、力発揮能力)に対して有効な介入効果を示さなかった。
著者
田村 邦夫
出版者
医学書院
雑誌
検査と技術 (ISSN:03012611)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.267-271, 2000-03-01

目的 酸性粘液多糖類はアニリン系塩基性色素と反応してメタクロマジー(異調染色)を起こす.例えば,トルイジン青水溶液で多くの組織成分は青色に染まるが,粘液や軟骨などは色素が本来有していない赤色調が出現して赤紫色に染まる.メタクロマジー自体は古くから知られていて,Ehrlichによれば「ある色素で組織学的要素を染める場合,要素が色素溶液とは異なった色調で染色される」と定義されている.溶液中でもメタクロマジーはアニリン系塩基性色素と酸性基を有する高分子化合物の間で起こり,最大吸収波長が長波長側にずれることが確認されている.病理組織学においてはメタクロマジーを起こす物質はコンドロイチン硫酸,ヒアルロン酸,ヘパリンなどの酸性粘液多糖類や核酸,アミロイドなどがある. メタクロマジーの反応機構は-SO3H,-COOHなどの酸性基を有する酸性粘液多糖類や-PO4を有する核酸とアニリン系塩基性色素がイオン結合する化学反応と理解されている.酸性色素やラック性色素(色素自体に染色性はないが,塩類を結合させることにより染色性を獲得する色素)でもメタクロマジーは観察されるが,これらの色素についての発現機構は不明であり,塩基性色素とは異なった発現機構によるものと考えられている.また,その組織化学的な意義についてもほとんどわかっていない.このため,特別な断りがない限りメタクロマジーといえばアニリン系塩基性色素によるものを指している.
著者
渡邉 敬人 藤原 聖司 後藤 裕太 岩原 光男 長松 昭男 新井 和吉 寺西 幸弘 長尾 裕史
出版者
日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集:スポーツ工学シンポジウム:シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.104-109, 2006

Recently, baseball bats that have kinds of characters have been marketed due to advances in the materials and structure of modern baseball bats. One of remarkable point is a sweet spot in bats. But a sweet spot is sensuous and its point is laxness. So the reason why a sweet spot is approved is researched in this study. First of all, the first node, the second node and center of impact were measured. Next, the ball was made to collide with them and the repulsion coefficients were measured, and compared.
著者
三代 幸彦 石見 隆夫
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.576-580, 1981-12-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
18

いくつかのアミノ酸が唾液内乳酸産生を抑制した。ヒト汚染全唾液にグルコースとアミノ酸を加えて好気静置下にインキュベートすると (グルコース100mg/100ml, アミノ酸10mM), アミノ酸無添加時にくらべ乳酸量が低下する場合がある。その低下率は次のようであった。(1) システイン, イソロイシン, ロイシンは, いずれもすべての被検者 (9名) において30~70%,(2) スレオニン, セリン, アルギニンはそれぞれ7名, 4名, 3名の被検者において20~60%,(3) トリプトファン, リジンは各2名, ヒスチジン, アラニン, グリシン, バリンは各1名において20~30%であった。なお, フェニルアラニン, アスパラギン, グルタミン酸, グルタミン, プロリンは, すべての被検者において低下を全く示さなかった。
著者
北山 滋雄 土肥 敏博
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

神経伝達物質トランスポーターは神経終末より遊離された伝達物質を再取込みし、その作用を速やかに終結させる役割を果たす重要な膜機能蛋白である。多様な中枢作用を有し麻酔であるコカインにこれらトランスポーターのうちモノアミントランスポーターに特異的に作用するが、また強力な局所麻酔作用も有していることが知られている。末梢神経系におけるこの作用は血管収縮をもたらし、その結果持続的な局所麻酔作用を示すが、一方合成局所麻酔薬はこの様な性質を持たないとされてきた。我々はコカインの中枢作用、特に強化作用に深く関連すると考えられているドーパミントランスポーターをクローニングし、このトランスポーターに対するコカインの作用様式を分子レベルで研究してきた。本研究では合成局所麻酔薬とコカインの作用の相違に着目し、ドーパミン、GABA両トランスポーターに対する効果の比較より構造活性相関を解析した。ラットドーパミントランスポーター発現COS細胞において、合成局所麻酔薬はコカイン同様いづれも濃度依存的に|3H|dopamine(DA)の取込みを抑制し、その作用強度はcocaine>dibucaine>tetracaine>benzocaine>procaine>lidocaineの順であった。コカイン誘導体|3H|CFT結合もこれら局所麻酔薬により抑制された。これら両抑制効果の作用強度は良く一致していたが、局所麻酔作用強度とは必ずしも一致しなかった。外液Na^+濃度を減少させても|3H|CFT結合に対する局所麻酔薬の抑制効果は変わらなかった。一方マウスGABAトランスポーター発現COS細胞において|3H|GABA取込みはこれら局所麻酔薬によって抑制されたが、|3H|DA取込み抑制に比べると弱く、|C50は約10倍高かった。また|3H|GABA取込み抑制の作用強度は局所麻酔作用強度と良く一致していた。以上の結果より合成局所麻酔薬もまたコカイン同様ドーパミントランスポーターに選択的に作用することを明らかにした。その作用機序としてはトランスポーター上でコカイン作用部位と一部競合する作用部位を有することを示唆された。