著者
Jin Kirigaya Noriaki Iwahashi Hironori Tahakashi Yugo Minamimoto Masaomi Gohbara Takeru Abe Eiichi Akiyama Kozo Okada Yasushi Matsuzawa Nobuhiko Maejima Kiyoshi Hibi Masami Kosuge Toshiaki Ebina Kouichi Tamura Kazuo Kimura
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.51409, (Released:2019-10-18)
参考文献数
32
被引用文献数
26

Aim: The purpose of this study is to investigate the impact of arterial stiffness assessed using Cardio-ankle Vascular Index (CAVI) on long-term outcome after acute coronary syndrome (ACS). Methods: A total of 387 consecutive patients (324 males; age, 64±11 years) with ACS were enrolled. We examined CAVI and brachial-ankle pulse wave velocity (ba PWV) as the parameters of arterial stiffness. The patients were divided into two groups according to the cut-off value of CAVI determined using the receiver operating characteristic curve for the prediction of major adverse cardiovascular events (MACE): low-CAVI group, 177 patients with CAVI <8.35; high-CAVI group, 210 patients with CAVI ≥ 8.35. The primary endpoint was the incidence of MACE (cardiovascular death, recurrence of ACS, heart failure requiring hospitalization, or stroke). Results: A total of 62 patients had MACE. Kaplan–Meier analysis demonstrated a significantly higher probability of MACE in the high-CAVI group than in the low-CAVI group (median follow-up: 62 months; log-rank, p<0.001). Multivariate analysis suggested that CAVI was an independent predictor of MACE (hazard ratio [HR], 1.496; p=0.02) and cardiovascular death (HR, 2.204; p=0.025), but ba PWV was not. We investigated the incremental predictive value of adding CAVI to the GRACE score (GRS), a validated scoring system for risk assessment in ACS. Stratified by CAVI and GRS, a significantly higher rate of MACE was seen in patients with both higher CAVI and higher GRS than the other groups (p<0.001). Furthermore, the addition of CAVI to GRS enhanced net reclassification improvement (NRI) and integrated discrimination improvement (IDI) (NRI, 0.337, p=0.034; and IDI, 0.028, p=0.004). Conclusion: CAVI was an independent long-term predictor of MACE, especially cardiovascular death, adding incremental clinical significance for risk stratification in patients with ACS.
著者
小川 泰樹 角田 俊平
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.151-156, 1988-09-10 (Released:2010-03-09)
参考文献数
43

1986年5月6日から6月29日までの間, 研究室内でスジエビ (Palaemon paucidens) の雌雄の交尾前の行動と交尾行動, および雌の放卵行動を観察した。1) 本種の交尾行動は夕刻4時頃から夜9時頃までの間に行われることが多く, 交尾の約2時間前頃から雌雄の動きが活発になり, 雄が雌を追尾する。しかし雌雄が特定のペアを形成することはない。2) 雌が一時的に水槽底面に静止した際には, 雄が近付き, 腹部と尾部を底面からやや上方に持ち上げて全腹肢を激しく前後に振動させたり, 腹肢を“く”の字状に曲げたりする。3) 交尾が行われる直前に雌は脱皮をするが, 脱皮は1, 2秒間で終わる。この脱皮の間や, 脱皮中から脱皮直後までの間に雄が雌の腹部背面に乗るマウンティングが観察される。しかしこのマウンティングをしない雄もいるので, 交尾にとって雄のマウンティングは必ずしも必要条件ではない。4) 交尾行動には, 雌の体に対して水平 (十字状) に雄が巻きつく姿勢と, 雌雄が平行に並ぶようにして腹面を相接する姿勢の2通りがあり, 両者とも一瞬のうちに終わる。5) 放卵行動は夜7時または8時頃から始まり, 9時から11時頃まで断続的に行われる。この行動は雌が腹部を水槽底面に対して40~60°の角度で上方に持ち上げ, 全腹肢を数秒間激しく前後に振動させるもので, 数分から約10分間隔で数十回繰り返される。
著者
大貫 貴清 田中 彰 鈴木 伸洋 秋山 信彦
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-66, 2008-03-20 (Released:2012-09-04)
参考文献数
30

静岡県におけるスジエビの生殖活動を調べるために2002年12月から2004年10月にかけて,静岡県静岡市三保半島の水路におけるスジエビの雌の生殖周期を調べた。また,この結果を基に本種の成熟と水温および日長時間との関係を飼育実験により検討した。生殖腺の組織学的観察により,卵巣卵の発達過程を6期に分類した。さらに卵巣卵の発達過程や卵巣の内部構造,生鮮時の色調やGSIから,増殖相,卵黄蓄積相,成熟相,排卵相の4相の成熟段階に分類した。静岡県三保半島におけるスジエビの生殖周期は,産卵開始1~2カ月前である11~1月に雌の卵巣卵に卵黄蓄積がおこり,1~6月のおよそ4カ月間に産卵を数回行うことが明らかとなった。さらに小型個体の出現や大型個体の減少から,本種は産卵期の終了後に多くの個体が死亡するが一部は生残することが示唆された。また,本種の雌の生殖腺の成熟には秋分点以降の降温,短日化が関与しており,水温17~20℃,日長時間9~12時間の範囲内に雌の成熟を開始する要因があると考えられた。また,短日条件においても高水温では成熟に至らないことや,長日条件でも低水温で卵黄蓄積が確認されたことから,本種の雌の成熟は日長時間よりも水温に強く依存していることが示唆された。
著者
益子 計夫
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス研究会誌 (ISSN:18838898)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.38, pp.1-6, 1990-03-31 (Released:2009-08-07)
参考文献数
13
被引用文献数
2

In the prawn Palaemon (Palaemon) paucidens DE HAAN which is widely distributed in inland fresh waters in Japan, affinity with environmental fresh and saline water was investigated for zoeal larvae. The larval survivorship was much better in diluted sea water (20∼60 % or 80 % concentrations of ordinary artificial sea water) than in fresh water under both conditions of starvation and feeding. Oxygen-consumption rate of newly hatched larvae (first-stage zoeae) was considerably greater in fresh water than in diluted or not diluted sea water, which is regarded to reflect the increment of energy cost for osmoregulation in freshwater medium. The cause of declined survivorship of P. paucidens larvae in fresh water was discussed in connection with their energy consumption and other physiological factors. Judging from larval physiological affinity with saline water, it is very likely that the infered evolutionary change of habitats from saline to fresh waters in this species has been accomplished without acquiring complete adaptation to external freshwater medium.
著者
Michal Ptaszynski
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.204-210, 2012-02-15

この記事ではまず顔文字に関する研究の学際的な調査を行う.社会科学における顔文字研究では顔文字がオンラインコミュニケーションにとって不可欠であることが確認されている.しかしながら,自然言語処理分野の視点からの研究は比較的少ない.そこで顔文字解析用ツールCAOシステムを紹介する.CAOはインターネットから収集した1万強の顔文字の感情種類別のデータベースをもとに構築され,顔文字は口や目などの部分に自動的に分割される.顔文字を分割するアイディアは,50年代頃に開発されたkinesics理論に基づいている.口と目の組み合わせ数が3百万以上のカバレッジを持ったCAOシステムは顔文字の検出,抽出,そして感情解析を正確に行うことができる.
著者
服部 英雄
出版者
熊本県文化財保護協会
雑誌
文化財情報
巻号頁・発行日
no.270, pp.4-6, 2019-09
著者
吉田 右子 Yuko YOSHIDA
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 = The library world (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.189-203, 2019-09

本稿では公民館設置の基点に立ち戻り,公民館を発案した寺中作雄の言説を中心に,公民館構想における図書館の位置づけを検討した。占領期公民館構想においては既存の図書館との関係や公民館内の資料提供サービス機能が提示されつつも図書館界と公民館界による領域横断的な議論はなされず,両者の一体的運営に向けた方向性は示されなかった。両者の関係性は図書館と公民館での個別的連携にとどまった。個別法を持つ図書館と社会教育法に規定された公民館の制度上の複線構造により,図書館と公民館は分離して論じられ今日に至っている。
著者
河野 いつみ 竹内 善信 島野 公利 佐々木 卓治 矢野 昌裕
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.197-203, 2000-12-01 (Released:2012-01-20)
参考文献数
32
被引用文献数
15 21

DNAマーカーによる連鎖地図作成は有用形質に関与する遺伝子のマッピングに不可欠である. 本研究では連鎖地図作成に有効なDNAマーカーを明らかにするために, 遺伝的多様性の低い日本型品種間におけるDNAマーカーの多型検出頻度を比較した. 多型検出には制限酵素断片長多型 (RFLP), 任意増幅断片長多型 (RAPD), 増幅断片長多型 (AFLP) および単純反復配列 (SSR) マーカーを用いた. 日本型15品種間の多型検出頻度は, RFLPマーカーで7.5~17.6%(プローブあたり), RAPDでは4.1~9.4 (増幅断片あたり), AFLPでは1.2~3.9%(増幅断片あたり), SSRでは11.4~34.3%(プライマー組み合わせあたり) となり, マーカーの種類により大きな差が認められた. 多型検出頻度はSSRおよびRFLPマーカーで高く, AFLPでは著しく低かった-RFLPとSSRマーカーにおいては複数の対立遺伝子を検出することができた. 検出される対立遺伝子数を比較すると, RFLPマーカーでは3個以下であったのに対して, SSRでは5~6個の対立遺伝子を識別できるマーカーが存在した. 以上の結果から, 多型検出頻度が比較的高く, 染色体上の位置情報が明らかなRFLPマーカーとSSRマーカーを組み合わせた利用が, 日本型品種間の連鎖解析に有効であると示唆された.
著者
飛矢崎 貴規
出版者
明治大学大学院
雑誌
文学研究論集 (ISSN:13409174)
巻号頁・発行日
no.51, pp.249-268, 2019-09-06
著者
栗栖 晋二
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース (ISSN:21873070)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.8, 2019-09-20

伊能忠敬「大日本沿海輿地全図(中図)」