著者
松井 めぐみ 小玉 正博
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.38-46, 2004-06-25 (Released:2015-01-07)
参考文献数
22

This study examined how fantasy affects mental health. College students (N=438) completed (1) the Multiphasic Fantasy Inventory that measures: the content of fantasies, the recognition of own fantasies, the roles and the influence of fantasies, the conditions for fantasizing and fantasizing tendency; and (2) the Subjective Well-being Inventory. A series of t-tests revealed that participants scoring high on mental health scored low on “fantasies of encountering misfortunes, ” “doing fantasy at the unpleasant conditions” and “fantasy can't be controlled.” There were significant differences between high and low scorers on mental health with regard to “vividness” and “absorption” items in the seven-item fantasizing tendency scale. These results suggest that characteristics of fantasy are related to mental health.
著者
根本 聡子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.2458-2462, 2016-12-10 (Released:2017-12-10)
参考文献数
4
著者
尹 智博 Jibak YOON
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2010
巻号頁・発行日
2010-11-24

本論は、近代ウィーンの作曲家ヨーゼフ・マティアス・ハウアーとアーノルド・シェーンベルクらによって生み出された「十二音技法」の音楽と造形芸術との関係性についての研究を試みる。色彩と音楽の関係については、古代から様々な関心が持たれていたが、ここでは特に近代の、ハウアー、シェーンベルクによって各々の「十二音技法」に関するモデルやダイアグラムの役割を明らかにし、また、ハウアーの「十二音技法」でもあるトロープスのパターン・ダイアグラムとヨハネス・イッテンの色彩関係を示した「12色環」ダイアグラムとの間に図像的観点からの類似点についての研究を行う。
著者
岡本 不二明
出版者
中國文學會
雑誌
中国文学報 (ISSN:05780934)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p94-121, 1986-10
著者
中田 和義
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は,希少種を含む在来生物に対して深刻な悪影響を与えるとともに,巣穴を掘って水田漏水を引き起こすなどの農業被害をもたらしている外来種アメリカザリガニについて,効率的な管理・駆除手法を検討することである。アメリカザリガニは,環境省と農林水産省によって2015年に公表された「生態系被害防止外来種リスト」で,緊急対策外来種に選定されており,被害が生じている水域では早急な駆除対策が求められている。令和元年度の研究では,平成30年度の研究においてアメリカザリガニが掘る巣穴長が長くなると水田漏水が発生する可能性が高くなると考えられた結果をふまえて,本種が巣穴を掘削できる土壌硬度の限界値を明らかにすることを目的とした室内実験を行った。この実験では,ワグネルポットに水田土壌を満たして土壌硬度の異なる模擬耕盤層を作製し,アメリカザリガニが巣穴を掘削できるかを観察した。模擬耕盤層の土壌硬度については,1 mm刻みで4~9 mm(計6実験区)となるように調整した。本実験によって得られた主要な結果は以下のとおりである。1)アメリカザリガニは土壌硬度7 mm以下の模擬耕盤層には巣穴を掘削できた。2)土壌硬度4 mm以下では,アメリカザリガニは模擬耕盤層内に長い巣穴を掘り進めることができた。3)土壌硬度8 mm以上の模擬耕盤層では,アメリカザリガニは巣穴を掘削できなかった。以上の研究成果については,現場の水田管理においてアメリカザリガニの巣穴による水田漏水対策を検討するうえで有用な知見になると考えられる。
著者
服部 聖彦 大和田 泰伯 加川 敏規
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.5, pp.1-4, 2015-05-21

本研究では大規模な災害の発生により,既存の通信インフラ (キャリア通信,公衆 WiFi) が不能になった環境を仮定し,現在地から最寄りの避難場所に移動する避難者の円滑な移動支援に焦点を当てる.具体的には避難者間で携帯端末のすれ違い通信を用いて避難経路情報を交換することにより,ボトムアップ的アプローチで群衆の移動情報を共有がどの程度出来るかを簡易的なシミュレーションにより検証した.シミュレーションでは,(1) 避難箇所の数,(2) 最近傍の避難所以外へ避難する人の割合の 2 つの観点から検証を行った.その結果,最近傍避難所以外の避難場所に避難する人の割合が増えることにより DTN 的な情報運搬が可能になり,結果として全体の経路情報共有率が向上することが明らかになった.
著者
平林 泰 長谷川 旭 長谷川 聡
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.57-64, 2007-03-31 (Released:2019-07-01)

安全で安心な大学を目指すうえで,大学キャンパス内の災害時・緊急時の避難経路に関する情報が,学生や教職員に十分に周知されることが不可欠である.本稿では,名古屋文理大学のWebサイトで携帯電話向けのキャンパス避難経路情報を提供するための,アニメーションによるビジュアルな避難経路情報コンテンツについて報告し,あわせて,災害・防災情報の携帯電話での提供の可能性と問題点について検討する.
著者
山本 祐輔 山本 岳洋
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.38-52, 2019-01-16

本稿では,ウェブ検索中のユーザに注意深い情報探索を暗黙的に促す「クエリプライミング」を提案する.クエリプライミングは,批判的思考を喚起し注意深い情報探索や意思決定を促進するようなキーワードを,クエリ補完やクエリ推薦時に提示する.クエリプライミングの有効性を検証するために,クラウドソーシングを用いたオンラインユーザ実験を行った.被験者の情報探索ログ分析および実験のアンケート調査の結果,以下の傾向が明らかになった:(1)クエリプライミングが実装されたウェブ検索エンジンを用いた被験者はセッション中の検索回数が増え,検索結果一覧ページを何度も見直すようになる.(2) クエリプライミングによって,証拠を重視してウェブページを検索・閲覧する行動が促進される.(3)クエリプライミングの効果は被験者の学歴に依存する.本研究で得られた知見は,注意深い情報探索を活性化させる検索インタラクションの設計に寄与することが期待される.In this paper, we propose a novel method, query priming, to activate careful user information seeking during web search process. Query priming employs query auto-completion (QAC) and query suggestion (QS) to show search terms that stimulate critical thinking and encourages careful information seeking and decision making on the web. We conducted a user study using a Japansese crowdsourcing service. Through the user study, we found the followings: (1) Participants using a search user interface with query priming, issued more queries and (re-)visited search engine result pages more frequently. (2) Query priming promoted web page selection targeted at evidence-based decision making. (3) The query priming effect varied relative to participant educational background.
著者
大東 俊博 渡辺 優平 森井 昌克
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.426-433, 2014-10-15

Broadcast SettingのRC4において,暗号文のみから平文全体を復元できる平文回復攻撃がFSE 2013で五十部らによって提案された.その攻撃はRC4の初期の出力バイトのbiasとABSAB biasを用いることで,平文の先頭1000テラバイトを2^{34}個の暗号文から復元できる.その後,USENIX Security 2013でAlFardanらによって異なる平文回復攻撃が提案された.AlFardanらの攻撃は五十部らの攻撃とは異なるbiasと効果的なカウントアップ手法を用いている.本稿では五十部らの攻撃とAlFardanの攻撃を適切に組み合わせることで攻撃成功確率を向上させる.提案手法では平文バイトを復元できる確率が概ね1になるときの暗号文数を2^{33}まで減少させることに成功している.