著者
林山 剛久 柳井 啓司 野下浩平
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.34(2002-CVIM-133), pp.161-168, 2002-05-09

テレビ放送からの自動情報抽出の研究の一例として、本研究では、囲碁対局テレビ番組から画像認識によって自動的に対局棋譜を生成するシステムを提案する。システムは、囲碁対局番組の画面画像を取り込み、画面中の囲碁盤の位置を検出し、置石(囲碁盤上に置かれている石)を検出して、囲碁対局の棋譜の自動生成を行う。対局中の画面画像を認識する際には、対局画面とそれ以外の対局には直接無関係な画面の識別や、囲碁盤上に現れる指し手の手や頭などの置石以外の物体の除去などの、囲碁対局テレビ番組の特有の問題点に対する対処を行う。我々は、実装したシステムを用いて、実際の11対局分の囲碁対局番組に対して実験を行い、96%の適合率と83%の再現率を得た。
著者
上野 矗 ウエノ ヒトシ Hitoshi UENO
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.25-33, 2006-01-31

経験的現象学的方法から涙に関するこれまでの研究を通じて、勘が質的な意味分析法に基礎的かつ重要な認識方法として注目されてきた。勘は、人間科学の方法として直感的方法のひとつとして位置づけられるからである。黒田亮によれば、勘は覚=Comprehensionを、竹内によれば、第六感を意味する。勘は、黒田亮の心的立体感(psychical stereoscopy)、また黒田正典の人のゲシュタルト化された経験の総体の重心にある。筆者は、これを相反し合う経験の統合点にみる。いずれにもせよ、勘は、二分思考法にではなく、統合的思考法に依拠している。こうした意味及び実践の実際からも、勘は、臨床心理学の方法論上有意義で重要な認識方法と位置づけられる。と同時に、なお一層の検討が要請されよう。
著者
荒川 玲子 日野 香織 北村 裕梨 斎藤 加代子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.192-196, 2018 (Released:2018-06-20)
参考文献数
6

ゲノム医療の発展に伴い, ゲノム情報が診断のみならず, 臨床的重症度の把握, 治療に直結するようになってきた. 特に, 治療にあたり遺伝子変異の同定が必要となる脊髄性筋萎縮症などの疾患では, 遺伝学的検査による早期診断が求められる. 一方で遺伝学的検査を行う際には, ゲノム情報がもたらすメリットと共に, 血縁者へ及ぼす影響などの側面も考慮しなければならない. 小児期の遺伝性神経筋疾患で代表的な脊髄性筋萎縮症, Duchenne型筋ジストロフィー, 福山型先天性筋ジストロフィーにおける遺伝学的検査の進め方およびゲノム情報と臨床症状の関連について, 本学での25年間にわたるゲノム診療をもとに報告する.
著者
小島 隆司
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-6, 2016 (Released:2016-05-03)
参考文献数
10

円錐角膜の診断, 治療は近年著しく進歩している。診断面では角膜前後面を測定できる器機が開発され, より初期から診断が可能になっている。収差の解析では角膜, 眼内と分離して把握が可能になっている。これらの診断器機開発により治療面でも大きな変化が起きている。進行予防の角膜クロスリンキング治療や角膜リング, コンタクトレンズ治療, 角膜移植なども光学的な変化を考慮して論じられるようになってきている。
著者
加納 博
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, 1990-12-15
著者
若林 祐次 奥平 雅士
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.6, pp.17-18, 2007

データグローブを操作デバイスとしていわゆる"デコピン"の動きを検出し、指を弾く動作により球体を次々と生成してそれらの運動が相互に干渉しあうインタラクティブCG を制作した。体感的な操作から連想される結果に対し、CG ならではの、現実ではありえない動きを加えることで見た目にも面白みのある表現を実現した。
著者
斎藤 夏来 谷舗 昌吾
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.161, pp.1-12, 2016

栄西は一般に臨済宗の開祖とされるが、顕密仏教全体の再興を志した実像とは隔たりがある。そこで栄西認識を示す史料の網羅的な収集を試みた結果、中世顕密仏教につらなる「葉上僧正」という呼称に対抗すべく「千光国師」という呼称が近世に台頭した様相が明らかとなった。国内仏教の一宗派へと転身した近世禅宗の周辺で、栄西の国際的な呼称であった「千光」と、天皇帰依僧への尊称であった「国師」とを組み合わせる動きがあったと想定した。
著者
武藤 祐子 道祖尾 伶
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> 近年、メディアでは&ldquo;ハーフ&rdquo;という言葉が溢れ、モデルやタレントなどのハーフが活躍している。これは、日本人の中でハーフに憧れをもつ人が存在し、その影響によるハーフ顔になるためのメイクアップ術の増大の助長となっているといえる。本研究では、化粧史の調査を基に&ldquo;ハーフ顔の魅力&ldquo;を探求し、また、ハーフメイク顔になるためのメイクアップ術の提案を行った。<br><b>方法</b> メイクアップの前提として、日本と西洋の化粧史や平面と立体構成について調査した結果から、本件では西洋人と日本人のハーフを&ldquo;ハーフ&rdquo;、その&ldquo;ハーフ&rdquo;に近づけたメイク顔を&ldquo;ハーフメイク顔&rdquo;と定義した。その後、ハーフメイク顔のオリジナルメイクアップ術を日本人モデル2人に施した。この際、日本人顔としての平面メイクと西洋人顔としての立体メイクを実施し、ハーフメイク顔との関係性を探ると共に、なぜハーフ顔を目指し、ハーフメイクをするのかについても検証・考察した。<br><b>結果</b> ハーフメイクを施した結果、立体メイク程凹凸感はないが、平面メイクよりはっきりとした顔の印象になった。このことから、ハーフメイク顔には小顔効果があり、全体の顔のパーツのバランスが良いことがわかった。本研究でハーフ顔の魅力とは、適度な立体感、小顔効果、顔のパーツがはっきりしている顔で日本人が好む可愛らしい印象であると考えられる。そのため、ハーフ顔に憧れを持つ人も多く、現在、高い需要があるということが示唆された。
著者
竹渕 瑛一 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-93, no.40, pp.1-8, 2015-01-19

一般的にオンボードでマイクやヘッドフォンなどの音声機器を入出力する場合,カーネル・ミキサーと呼ばれる OS に内蔵されたサウンド・システムが用いられる.また,DTM など作曲のための録音・再生環境では,音が遅れて聴こえてくる現象を防ぐため,音声入出力を 10 ミリ秒以下で実現することが望まれている.これを実現する規格として,Steinberg 社によって Audio Stream Input/Output(ASIO) が策定されている.Steinberg 社は ASIO によるオーディオ・アプリケーションなどの開発を支援するため,COM インターフェースの仕様や開発キットを配布している.しかし,現状では ASIO を用いたオーディオ・アプリケーション開発の敷居は高いと言わざるを得ない.本研究では,ASIO の COM インターフェースを最短で 5 行程度で利用可能なライブラリを開発した.本ライブラリと既存ライブラリの実装例を比較すると,Halstead Volume が 2.5~9.6 倍縮小し,実装時間が 2.4~13.0 倍短縮された.