著者
中井 晨
出版者
同志社大学言語文化学会
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.191-239[含 英語文要旨], 2009-08

論文(Article)近衛新体制運動の展開に照らして、出版新体制の動きを追う。出版業には出版体制の刷新を官庁に委せず、民間自らの立場から推進しようとする意気込みもあった。新団体創設のための準備委員会と創立委員会には民間業者も参加した。だが、新体制運動の展開を睨んだ官庁側のスケジュールと思惑が優先した。「国家国民ノ大イナル期待ノ下ニ生レタ行政新体制ノ新国家機関」たる情報局の指導監督下におかれる日本文化出版協会もまた、新体制運動の産物であった。The present chapter examines the process of establishment of the integrated association of publishers in December 1940, in the context of the New Order advocated by the Konoe administration in the summer, to demonstrate how devoted government officials took the lead in discussions with publishers, allegedly on equal footing. Some were convinced that their purpose was the same as that of the nation, and yet soon it turned out: the purpose of the nation was what all publishers must observe.
著者
宮本謙三 竹林 秀晃 島村 千春 宮本 祥子 宅間 豊 井上 佳和 岡部 孝生
出版者
土佐リハビリテーションカレッジ
雑誌
土佐リハビリテーションジャーナル (ISSN:13479261)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-29, 2004
被引用文献数
2

介護予防を目的とする様々な取り組みが行われている。高知県香我美町においても平成15年度より県のモデル事業として,高齢者健診による虚弱高齢者の把握と運動教室を開催している。運動教室の成果は費用対効果の観点から評価されることが多いが,運動プログラムの適否を検討するためには身体機能の変化を指標とした評価が不可欠である。今回我々は,平成15年度に実施した運動教室について,3ヶ月間22回の運動教室の前後で運動機能を比較検しその効果を検証した。測定項目は(1)握力,(2)膝伸展筋力(HHD),(3)開眼片脚立ち時間,(4)閉眼片脚立ち時間,(5)長坐体前屈,(6)Up & Go,(7)10m歩行時間の計7項目とした。参加人数は21名で,運動内容はストレッチングと軽い筋力トレーニングを中心に約1時間程度のものである。結果は長坐体前屈と10m歩行時間において改善が認められ,運動内容を反映した一定の効果が得られたものと思われた。そしてこの運動教室は,事業終了後も参加者の自主開催により継続されている。介護予防の取り組みは対象者に継続的な運動習慣を根付かせ,地域全体の健康意識の高まりを促すものでなければならない。今後は,教室の集団構成のあり方を吟味し,集団の機能水準に見合った運動内容を整理すると同時に,機能維持のためのシステム構築を検討することが必要である。
著者
遠藤 達哉 早川 真由 高橋 敬亮 杉山 未紗 齋藤 昭彦 村上 幸士
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>医療用弾性タイツは保存療法として下肢の静脈循環障害や浮腫を伴う疾患へ利用されている。弾性タイツに関する先行研究では,下腿三頭筋に着目した研究が多く,運動時に頻見する走行や跳躍動作で重要となる膝関節伸筋群の研究は少ない。</p><p></p><p>本研究では,若年層における弾性タイツによる効果を膝関節伸筋群に着目し明らかにすることで,走行や跳躍動作を繰り返す運動時や,それらの動作を用いた運動介入において有意義な知見になると考えた。</p><p></p><p>そこで,弾性タイツ着用時と非着用時における膝関節伸筋群の筋持久力の相違について,等速性筋力測定機器を使用して明らかにすることを目的とした。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>健常男子大学生26名を対象とした。測定肢位は椅子座位で,三角クッションを使用し背もたれが90°になるように設定した。右足関節は底屈位に保持した状態で,下腿の遠位端をパッドで固定し,右大腿部固定時のベルトの圧は対象内での条件を一定にするため80hpaとした。測定範囲は膝関節90°~最大伸展位とした。測定は角速度180deg/secにて,最大努力で30回3セットを行った。筋疲労を考慮しセット間は1分間の休憩を設けた。筋持久力の評価指標は,2セット目の等速運動開始4から8回の最大筋力値の平均に対し,3セット目の終了5回の最大筋力値の平均の差とした。なお1セット目は準備期として除外した。また,測定前後の変化を比較するため安静座位にて大転子と大腿骨外側上顆間1/2部位にて大腿周径を測定。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>弾性タイツ着用群,非着用群の筋持久力の比較では,弾性タイツ着用群において1.43±0.26Nm/kg,非着用群において1.67±0.26Nm/kgであり,弾性タイツ着用群は非着用群と比較し,筋持久力の低下が有意に抑制された(p<0.01)。弾性タイツ着用群は,運動前後で平均0.69±0.20cm有意に増加した(p<0.05)。また,弾性タイツ非着用群は,運動前後で平均0.96±0.14cm有意に増加した(p<0.01)。よって,弾性タイツ非着用群と比較し,弾性タイツ着用群では増加が抑制された。</p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>筋持久力は筋の有酸素的作業能をさしており,筋への酸素の供給が筋持久力を決定する生理的因子であるため,末梢の血液循環と筋の代謝が大きな影響を与える。筋の血流量が多いほど筋の酸素摂取量が大きく,筋持久力は高い。そのため,弾性タイツ着用群では,末梢の血液循環が向上したと推察する。これにより,筋の酸素摂取量が増加し膝関節伸筋群の遅筋線維への酸素供給の増加が考えられる。また,速筋線維の収縮にともなって生じる乳酸などの代謝産物を速やかに除去できると考える。</p><p></p><p>本研究の結果では,弾性タイツの圧により末梢の血液循環が向上し,筋の酸素摂取量が増加したため,膝関節伸展筋群の筋持久力の低下が抑制されたと考える。</p><p></p><p>今後は本研究の結果を生かし,走行,跳躍などを必要とするスポーツ場面において弾性タイツ着用における効果について検討していきたい。</p>
出版者
奈良教育大学自然環境教育センター
雑誌
自然と教育
巻号頁・発行日
vol.18, 2008-09-01

中学生の「私」と対話しながら歩いた10年/「ウシガエルの解剖」からひとこと/レッドデータブック哺乳類大井川源流域調査―1999年―/平成18年度自然環境教育センター事業報告/平成18年度奈良実習園利用状況/平成18年度奥吉野実習林宿泊施設等利用状況/平成19年度自然環境教育センター事業報告/平成19年度奈良実習園利用状況/平成19年度奥吉野実習林宿泊施設等利用状況/自然環境教育センター協力研究員制度について/奈良教育大学教育学部附属自然環境教育センター協力研究員の委嘱についての申し合わせ/編集後記
著者
原田 一道 横田 欽一 相馬 光宏 北川 隆 北守 茂 柴田 好 梶 厳 水島 和雄 岡村 毅与志 並木 正義
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.961-967_1, 1981-07-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
32

胃結核は稀な疾患であるが,われわれは最近の5年間に3例の胃結核を経験した. 第1例は46歳の男性で胃体上部後壁に不整形で,潰瘍底が凹凸不整の大きな潰瘍をみた.内視鏡直視下胃生検による組織像でラングハンス巨細胞と類上皮結節の所見を得,結核による潰瘍性病変と診断した. この病変にストレプトマイシン(SM100mg/ml)3~5mlの局注療法を行い,約3ヵ月後に潰瘍の疲痕をみた.第2例は67歳の男性で,胃前庭部にIIa+IIcの早期胃癌を,また胃体上部前壁に粘膜下腫瘍をみとめた.この腫瘍が術後の組織学的検討で結核性病変と診断し得た.第3例は66歳の女性で噴門直下に不整形の潰瘍性病変を伴う腫瘤があり,内視鏡直視下生検による組織学的所見から結核性病変と診断し,抗結核剤(PAS,KM,INAH)の投与と共にSMの局注療法を試みた.その結果約4ヵ月後に腫瘤はほぼ消失し,潰瘍性病変は瘢痕化した.胃結核が内科的治療で治癒した例は極めて稀で,抗結核剤の局注療法を試みたものは過去にないので報告する.
著者
Keiji MURAMATSU Yoshihisa FUJINO Tatsuhiko KUBO Makoto OTANI Shinya MATSUDA
出版者
National Institute of Occupational Safety and Health
雑誌
Industrial Health (ISSN:00198366)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.79-83, 2019 (Released:2019-02-05)
参考文献数
17
被引用文献数
8

This study used health insurance claims data to examine the relationship between the length of sick leave and treatment administered to employees who received middle- to long-term accident and sickness benefits for ≥91 d due to mood disorders, anxiety, and dissociative, stress-related, somatoform and other nonpsychotic mental disorders. Employees who received psychotherapy had significantly shorter leaves of absence over one year compared to those that did not. Treatment with psychotropic drugs was significantly higher among those on leave for ≤365 d than those on leave for ≥366 d. Age, sex and hospital treatment were not significantly associated with length of sick leave. These results suggest that professional psychological treatment is associated with length of sick leave.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.855, pp.55-57, 2014-03-06

「クラウドベンダー・イメージ調査」は日経BP社と日経BPコンサルティングが、日経コンピュータやITproをはじめとする日経BP社のIT系メディア、および日経ビジネスオンライン読者、日経BPコンサルティングが所有する調査モニターを対象に実施した。2013年12月16日か…
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.871, pp.64-72, 2014-10-16

ベストサービスクラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門9サービスを選出Azureなど二つが再選出 IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)といったIT基盤を提供する「クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門…
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.68-71, 2014-12

しかし、企業イメージ調査の回答者であるビジネスパーソンの属性別に調査結果を分析すると、常連企業においても、強みと弱みがそれぞれあることが分かる。回答者は、製造業や流通業といった「ユーザー企業」と、コンピュータ・周辺機器製造業や情報処理サー…
著者
干場 一彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.881, pp.38-51, 2015-03-05

優れたクラウド関連サービスである「ベストサービス」として39サービスを、クラウド関連事業に関する高い企業イメージを持つITベンダーである「ベストブランド」として15社をそれぞれ選出した。ベストサービスではNTTコミュニケーションのサービスが4部門で、日本マイクロソフト、富士通のサービスが3部門でそれぞれ選出されるなど…
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.96-99, 2012-05

日経BP社は2012年1月に「第4回クラウドランキング」を実施した。クラウドコンピューティング関連の企業イメージとサービス品質に関する総合調査で、約8000人から回答を得た。「企業イメージ」では、1位がグーグル、2位はセールスフォース・ドットコム。電子書籍端末「キンドル」が上陸間近と言われるアマゾン・ドット・コムは5位だった。
著者
干場 一彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.819, pp.56-69, 2012-10-11

5回目となる「クラウドランキング」。今回は「ベストサービス」7部門のうち6部門において顔ぶれが変化した。「ベストブランド」では1社が新しく名を連ねた。ベストサービスではwiwiw(ウィウィ)やテラスカイなど、ベストブランドではインターネットイニシアティブ(IIJ)が初めて選出された。クラウドはもはや、企業の情報システムにとって"当たり前"の存在になってきた。
著者
和泉 賢一 藤瀬 剛弘 井上 佳奈子 森 仁恵 山崎 孝太 本郷 優衣 高木 聡子 山内 寛子 蘆田 健二 安西 慶三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.542-545, 2013 (Released:2013-09-19)
参考文献数
16
被引用文献数
3 6

症例は73歳男性.主訴は貧血.家族歴,生活歴ともに特記事項なし.既往歴に2型糖尿病,橋本病を認めた.血液検査所見にてMCV高値の大球性貧血を認めた(赤血球数279万/μL,ヘモグロビン12.2 g/dL,MCV 121.9 fL).葉酸は基準値内であったが,ビタミンB12を測定したところ,57 pg/mL(基準値:180~914)と低値を認めた.消化管内視鏡であきらかな貧血の原因と思われる所見を認めず,また,抗内因子抗体は陽性であった.治療について,本人と相談したところ,注射は絶対に拒否するとのことであった.同時期に糖尿病の神経障害の治療のため,メコバラミンを内服処方したところ,著明にHb,MCVに改善を認めた.経口によるビタミンB12投与により,悪性貧血が改善したと考えた. 高齢者に貧血は多く,その中でも,悪性貧血は高齢になるにつれ頻度の高くなる疾患であり,注意が必要である.悪性貧血は,ビタミンB12製剤の注射治療が主に行われており,内服治療は一般的ではない.しかし,最近,ビタミンB12大量内服で効果を認めた症例が報告されるようになった.本症例も,ビタミンB12経口内服後に貧血の改善を認めており,効果があると考えられた.身体機能が低下する傾向にある高齢者にとって,安全・安価に加え,侵襲度の低い治療選択肢が増えることは望ましい事と思われる.内服投与も,今後の高齢者悪性貧血の治療の選択肢として考慮して良いのではないかと考え,本症例を報告する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.777, pp.76-83, 2011-03-03

「ベストサービス」はクラウドらしい特徴を備え、現行システムから移行しやすいサービス(とその提供ベンダー)を認定するもの。今回は今年1月末時点で提供中のサービスを対象にした。