著者
Tadayoshi SAKATA Toshihito OHTAKE Masashi AZUMA
出版者
The Electrochemical Society of Japan
雑誌
Electrochemistry (ISSN:13443542)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.158-174, 2018-07-05 (Released:2018-07-05)
参考文献数
27
被引用文献数
2

Quantum mechanical theory of electrochemical kinetics based on Fermi’s golden rule was formulated by introducing the concept of electron transfer distance. The expressions for the exchange current density and standard rate constant in electrochemistry were derived in analytical form, as well as exponential current overpotential dependence. The theory corresponds well to the electrode kinetics based on the transition state theory. It was applied to various kinds of electrode reactions to analyze the standard rate constants and the exchange current densities reported in past literature. The evaluated magnitudes of the electron exchange energy were very small, being in the order of 10−3 eV–10−5 eV. A new theory of transfer coefficient was constructed based on Debye-Hückel theory for electrolyte solutions could explain quantitatively the dependence of the transfer coefficient on the ionic strength of electrolyte solutions. It was demonstrated that the transfer coefficient represents electrostatic screening of the electrode potential by ions near the electrode and its magnitude was calculated quantitatively. Electron transfer distance was obtained by analyzing the dependence of the transfer coefficient on the ionic strength of electrolyte solutions. Our theory supported the ordinary electron transfer mechanism due to the overlap of wave functions between the electrode and redox species, denying tunneling mechanism.
著者
竹内 利雄 仲野 〔ミノル〕
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p13-18, 1983-01
被引用文献数
15
著者
植田 康孝 菊池 修登
出版者
江戸川大学
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.27, pp.141-165, 2017-03

世界的な人工知能研究者のレイ・カーツワイルは,人工知能が人間の情報処理能力を上回る特異点「シンギュラリティ」に至ると,人間生活は後戻りできないほど変容する,と指摘する。現時点で,人工知能の脅威を間近に感じるところで生活している人は少ない。2030 年と推定される「シンギュラリティ」が到来すると,私たち一人一人今の将棋界のトップ棋士のように失職リスクやアイデンティティについて嫌でも考えさせられるようになる。本稿は,そのような近未来の私達の状況を先取りした将棋界について考察する。将棋に限らず,人工知能があらゆる分野で人間を凌駕する時代(「シンギュラリティ」と呼ぶ技術的特異点)になり,私たち人間は,人工知能の存在をどう受け止めれば良いのか。それは,翻って人間の本質,存在意義を問う問題でもある。「SF だけの話だろう」と疑う一方で,オセロ,チェスから将棋へ,今や囲碁まで,コンピュータがプロ棋士に勝つ現実が生まれている。人工知能の発達は留まるところを知らず,いつ誰が,現在の棋士が置かれているような状況に立たされるとも限らない。将棋界がヒントになることもあるはずである。 「人工知能」とは何か。「人間の知能とは何か?」が研究されていないため,「人工知能」に関する明確な定義はない。人工知能を研究する開発者は人間のような知性を持った人工物(コンピュータ)を作ることを目指している。「人工知能研究者は常に出来ないことに取り組んでいる」という「命題」は正しい。「人間に出来て機械に出来ないこと」を機械に出来るようにする研究が「人工知能」である。そのため,「機械に出来るようになったこと」は「人工知能」の定義から抜けて行く。コンパイラ,数式処理,オートコンプリート,かな漢字変換などは,かつて「人工知能」であったが,現在は「人工知能」とは呼ばれない。「人工知能がトップ棋士より強くなった」ということになれば,「将棋」と「囲碁」は「人工知能」の研究テーマから抜けていくことになり,いずれ「人工知能」と呼ばれなくなる。かつて飛行機で,自動操縦と人間の操縦のどちらが信頼できるのかという議論があったが,現在ではほぼすべてが自動操縦で済むようになっている。いずれ自動車も自動運転になって行くと予想される。「将棋」で人工知能が人間と対局する「電王戦」において,人工知能が人間の能力を上回る「シンギュラリティ」に対し,棋士,ファンの間に「受容」する側面と「焦燥」する側面が両立する。電王戦によって,将棋ファンが増える,新しい棋譜が生まれるなどの「受容」面がもたらされる一方,「チェス」「囲碁」とは異なる精神(作法)の不在や棋士のアイデンティティにつき「焦燥」する面がある。 人工知能が発達しても,人間の聖域として「創造性」が残されると指摘する人が少からずいるが,実は「創造性」においてこそ,人工知能が人間を凌駕する領域であることが,将棋界から分かって来る。バリエーションやコンビネーションを駆使し,これまでトップ棋士が指さなかった新手が次々と生まれている。同様に芸術家たちが手掛けて来なかった独創性の高い音楽や絵画や詩を作ることも人工知能であれば,可能であることが分かって来ている。将来的には美的センスを理解し創造する人工知能が出現することは間違いない。むしろ,人間の感性の幅が狭いため,人工知能による独創的な作品を受け入れられかどうかの方が課題となる。ヒトは自らの学名を傲慢にもホモ・サピエンス(賢明なヒト)と名付けたが,ホモ・スタルタス(愚かなヒト)になる瞬間である。
著者
勝平 純司
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.211-216, 2015 (Released:2016-04-15)
参考文献数
5

筆者らは腹筋の活動を賦活しつつ腰背部の負担を軽減する新しい体幹装具Trunk Solution(以下TS)を開発し,2014 年度のGood Design 賞を受賞した.TS は抗力を具備した継手を有し,継手の力を胸部前面に与えることで効果を発揮する.健常者を対象とした計測において,TS の装着が腹筋群の筋活動を増加させる一方,背筋群の活動を低下させることや高齢者や脳卒中片麻痺者においてTS を使用することで歩行パフォーマンスが向上することが明らかになっている.今後はリハビリテーション場面における姿勢改善と歩行パフォーマンスの向上を目的としてTS を実用化する予定である.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.651, pp.46-48, 2016-11-14

Part3 もう勘や経験に頼らない世はまさに空前の人工知能(AI)ブーム。今年3月には、囲碁AIがトップ棋士を打ち負かして話題を呼んだ。患者に応じて適切な治療法を選ぶAIの開発も始まった。土木も例外ではない。
著者
久永 絢美 杉浦 実
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.251-256, 2018 (Released:2018-10-19)
参考文献数
9

近年, 消費者庁で新たな食品表示法が施行され, 生鮮農産物も栄養機能食品の対象になった。ウンシュウミカンは日本国内で最も良く食される国産果実の一つであり, ビタミンCを多く含む。そのため, 栄養機能食品としての期待が高い。しかしながら, ウンシュウミカンに含有されるビタミンC量の品種群や果実品質 (等級) による違いに関して, 詳細に調査した報告は少ない。そこで本研究において, 我々は国内主産地で収穫されたウンシュウミカン中のアスコルビン酸含有量を調査し, その含有量と糖度との関連性について検討を行った。その結果, ウンシュウミカン果実中の総アスコルビン酸含有量は早生品種で最も高く, その後, 出荷時期が遅い果実ほどその含有量は低値を示し, また酸化型アスコルビン酸の割合が増加することが明らかとなった。また果実中のアスコルビン酸含有量は糖度と有意に正相関し, より等級の高い果実ほど含有量が多いことが明らかとなった。
著者
東村 泰希
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.237-241, 2018 (Released:2018-10-19)
参考文献数
19

大腸がんや炎症性腸疾患をはじめとする大腸疾患群は, 大腸粘膜における酸化ストレスの蓄積や, それに起因した炎症病態を素地とすることから, 抗酸化経路の活性化に基づく炎症制御が肝要とされている。本研究では, 生体の持つ酸化ストレス防御機構と大腸炎発症に関する基礎的な研究を施行した結果, 大腸粘膜固有層に存在するマクロファージにおいて抗酸化経路の一つであるヘムオキシゲナーゼ-1 (HO-1) を介した応答系を活性化させることが大腸疾患の抑制に効果的であることを動物実験により明らかにした。さらに, 食品由来因子を用いた応用的研究に関しては, アガロオリゴ糖がHO-1発現誘導を介して大腸炎を抑制することを明らかにした。また, マクロファージはHO-1の高発現により炎症抑制型であるM2型マクロファージへと形質分化することを見出した。以上より, マクロファージの形質分化制御に関する食品機能学的研究は, 食品因子を用いた大腸疾患予防を目指すうえでの新たな標的と考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.845, pp.71-74, 1996-06-17

使わなくなった家具の買い手探しから恋人募集まで「個人の広告」を載せる情報誌が発行部数を伸ばしている。全国にフランチャイズ展開するベンチャー企業も現れた。運送業,化粧品会社など,様々な業種の企業が,現在のビジネスに活用しようと個人広告誌の発行を手がけ始めている。
著者
篁 武郎
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.161-163, 2016 (Released:2016-08-18)
参考文献数
11

症例は54歳女性。約1年前に職場で殴られて以降,全身の痛みが出現し,元来よりあった冷えが増悪した。恐傷腎による陽虚水泛と診断して桂枝加苓朮附湯を主体に八味丸を兼用したところ症状が軽快した。主として桂枝加苓朮附湯の補腎利水作用による効果と考えられた。
著者
大重 育美
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.134-138, 2010-09-01 (Released:2018-10-17)
参考文献数
9

2000年に厚生労働省による「健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)」が始められ、生活習慣病の一次予防・二次予防の施策が進められてきた。しかし、中間報告では糖尿病有病者・予備軍の増加、肥満者の増加(20歳〜60歳男性)や野菜摂取量不足など目標値に届かず、一部の指標では悪化していることが明らかになった。生活習慣病に対する食習慣の影響も大きいことも周知で、特に食行動の異常として、外的な環境に影響を受けやすく食事も早食いや荒嚼みが多く生活のリズムの乱れで朝食を摂らずに夜間遅い時間に摂る人などが肥満者に多いことが特徴とされている。このように、生活パターンの乱れに伴う食習慣による影響が考えられる職業として、夜勤のある看護職に焦点を当てた。そこで、夜勤という勤務体系が、普段の食習慣、運動習慣、飲酒習慣、身体状況にあたえる影響について年代別に実態調査を行った。夜勤による影響は食習慣にみられ、年代別では20歳代および50歳代に顕著であった。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1900年09月10日, 1900-09-10