著者
永井 健二 芥川 哲 高木 利光 浅野 剛 犬飼 拓志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.566-570, 2005

富士川は, 河口前面の水深約20m以深が海底勾配1/3という急勾配の海底谷となっており, 大規模な出水があった場合, 河口部から流出した土砂は河口テラスに留まることなく海底谷へと流失してしまう. そこで, そのような土砂流出への対応策を検討する上において必要となる, 河口から流出する土砂の移動・堆積状況について平面的な地形および粒度組成を考慮可能なシミュレーションモデルの開発を行った. 平成16年10月の台風22号および23号来襲に伴う出水時に実施した現地調査結果を基に, 浮遊砂を考慮した混合砂礫平面2次元地形変化モデルを構築し, これにより出水時の河口前面部における地形変化を再現し, モデルの妥当性を確認するとともに問題点・課題なども明らかにした.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[322],
著者
Yasuyuki Sasaguri Akihide Tanimoto
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.122-130, 2004 (Released:2004-07-09)
参考文献数
73
被引用文献数
30 40

The atherosclerotic intimal lesion contains endothelial cells, smooth muscle cells, monocytes/macrophages and T lymphocytes, which constitute a histamine-cytokine network that participates in chronic inflammatory responses. Monocytes/macrophages and T lymphocytes express the histamine-producing enzyme histidine decarboxylase (HDC), and specific histamine receptors (HHR), which are switched from HH2R to HHR1 during macrophage differentiation. Endothelial and smooth muscle cells also express HHR in response to histamine. The effects of histamine on these cells include a regulation of atherosclerosis-related events such as cell proliferation, expression of matrix metalloproteinase, adhesion molecules and cytokines. Furthermore, recent studies have indicated that histamine and the activation of its specific receptors modulate the Th1/Th2 balance in inflammatory lesions through the regulation of cytokine production from inflammatory cells. The histamine-cytokine network in the atherosclerotic intima could regulate inflammatory and immune responses, including Th1/Th2 balance, and contribute to atherogenesis.
著者
茗荷 傑
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.134, 2008

<B>はじめに</B><BR><BR>茗荷・渡邊(2008)では有田郡広川町と函館市椴法華地区の事例から両者を比較しつつ災害と土地機能の回復について考察した。土地の機能とは土地の有用性である。そして有用性は有為転変するという特徴を持つ。全滅に近い状態となった土地のその後の過程がその地域の持つポテンシャルを推し量る便となるのではないかと考えられる。今回は絶海の孤島である青ヶ島のたどった状況から考察していきたい。<BR><BR><B>青ヶ島事情</B><BR><BR>八丈島から60km、都心から360km離れた青ヶ島は古来流刑地として知られ、東京最後の秘境と呼ばれる絶海の火山島である。本土から青ヶ島への直行便は無く八丈島からの連絡となる。八丈島までは東京から12時間の船旅、あるいは航空便を利用する。青ヶ島に入る方法は2つある。八丈島からの連絡船「還住丸」(111t、所要3時間、1日1往復)か、または八丈島からのヘリコミューター(所要20分・1日1往復)を利用する。しかし環住丸は欠航率5割とも6割とも言われ、安定した便とは言いがたい。一方ヘリは9人乗りで重量物を搭載する余裕があまり無い。さらに周囲を絶壁に囲まれた青ヶ島には港が無い。桟橋が外海に直接に突き出ているだけである。したがって外海のうねりの影響をまともに受け、接岸が極めて困難である。(写真)少しでも海が荒れると欠航になる理由がここにある。桟橋を目の前に見ながら接岸する事ができず、八丈島に戻ることも珍しいことではない。<BR>島には産業がなく物資のほとんどを島外に頼っているため、島の生活はしばしば天候に左右されているのである。<BR><BR><B>青ヶ島の災難</B><BR><BR>天明3年3月10日(1783年4月11日)この島の運命を変えることになる大爆発が起こった。池の沢より噴火し、その噴火口は直径300mを越す巨大なものであったともいわれている。ここから50年にわたる青ヶ島の苦難の歴史が始まった。<BR>天明3年2月24日、突然の地鳴りとともに島の北端、神子の浦の断崖が崩壊を始めた。このときおびただしい量の赤砂が吹き上がり島中に降り注いだと言われる。<BR>同年3月9日未明より地震が8回起こり、池の沢に噴火口が出来てそこから火石が噴出した。当時池の沢は温泉があり14名が湯治に来ていたが、たちまち焼死したと言う。<BR>このときの噴火の様子は八丈島からも観測され、記録が残されている。それによると、困窮する青ヶ島の島民を少しでも八丈島に移すよう便宜を図ったとの記述があり、すでに天明3年の噴火で島民の八丈島脱出が始まっていたことがうかがえる。<BR>家屋は大半が焼失し農地は荒れ放題、更に池の沢は青ヶ島の水源であったためいよいよ生活は困窮し、飢饉が発生しつつあった。天明5年3月10日(1785年4月18日)、再び未曾有の噴火が始まり青ヶ島は完全に息の根を止められた。<BR>同年4月27日、八丈島からの救助船が青ヶ島の船着場である御子の浦に到着したが、驚いたことに島民全部を収容するにはとても足りない3艘の小舟だけであった。舟に乗り込めなかった130~140名の島民の最期は悲惨なもので、その多くは飢えで体力を消耗した老人と幼児であったと言う。彼らは救助船に取りすがって乗船を懇願したが、舟縁にかけた腕を鉈で切断され、頭を割られ海に沈んで行った。<BR>なぜ八丈島は充分な数の救助船を派遣しなかったのか記録は残っていないが、八丈島も慢性的に食糧事情が悪く、青ヶ島島民を全て引き受ける余力がなかったためではないかと思われる。<BR>こうして青ヶ島は島の3分の2が焼き尽くされ無人島となった。以後還往と称える帰島までの半世紀は生き残った者にも言語を絶する苦難の道程であったと伝えられる。その後青ヶ島に噴火は発生していない。<BR><BR>このように青ヶ島はきわめて生活に困難な環境である。<BR>しかし逆に言えば青ヶ島の唯一のメリットといえばその孤立性にある。つまり外部からの人口の流入が少なく、島民全員が顔見知りで家族同然というわけなのである。<BR>青ヶ島は無人化の後、半世紀の時を経ても住民が帰島して復興の過程を進むことになり、現在に至っている。この島の復興を可能にした要因は何なのか、多様な項目にわたって青が島全体の環境を俯瞰できるよう、文献や現地調査等に基づき考察する。
著者
赤峯 倫介
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.162-166, 1960
被引用文献数
1

台風22号による狩野川流域の豪雨およびそれにともなう洪水は,上流山地に非常に多くの崩壊地を発生せしめ,河岸を掃流し,中下流部の堤防を破壊し,流域に非常に大きな被害をもたらした.この水害の発生機構を明らかにするためには,狩野川の自然的性格の変化の過程と,その変化を促進した流域の社会的,経済発展のプロセスから明らかにしなければならない.狩野川では古来いく度となく大きな水害が繰り返えされ,一部常習的水害地域には堤防が構築されていたが,明治20年頃まではこの川は自然河川としての性格が強かつた.その後流域の治水対策はしだいに進展しとくに明治末期-大正期にかけて行われた高水方式による河川改修は,狩野川の自然的性格を著しく変化せしめた.他方この川の流域では日本資本主義の発展の中で社会的経済的の発展をみたが,その発展は無統制無秩序に進められた.この治水諸施説と流域社会経済の発展との不均衡が今次の大水害の要因をなした.
著者
福岡 捷二 昆 敏之 岡村 誠司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.238-248, 2007
被引用文献数
11

鶴見川多目的遊水地は2003年6月より運用を開始された.遊水地周辺には出水時の洪水調節量を測定するための観測体制を整備している.平成16年10月の台風22号による出水は運用開始後初めての大規模な出水であり,鶴見川多目的遊水地で約115万m<sup>3</sup>もの洪水調節がなされた.<br> この出水における鶴見川多目的遊水地の洪水調節量の確認と観測体制の検証を目的として,河道で観測された水面形の時間変化を解とした二次元不定流解析を行い,遊水地の洪水調節効果算定の新しい方法を確立した.また,今後検討すべきより弾力的な遊水地の計画と整備について本解析手法の活用について述べるとともに,遊水地を効果的,効率的に活用するための観測体制の改善案を示した.

1 0 0 0 OA 薬種知便草

著者
如銑 編
出版者
巻号頁・発行日
1753
著者
Toshiki Tanaka Kazuhiko Nishigaki Shingo Minatoguchi Takahide Nawa Yoshihisa Yamada Hiromitsu Kanamori Atsushi Mikami Hiroaki Ushikoshi Masanori Kawasaki Mari Dezawa Shinya Minatoguchi
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.561-571, 2018-01-25 (Released:2018-01-25)
参考文献数
25
被引用文献数
40

Background:Multilineage differentiating stress-enduring (Muse) cells are SSEA3+and CD105+double-positive pluripotent-like stem cells. We aimed to examine the mobilization of Muse cells into peripheral blood after acute myocardial infarction (AMI) and their effects on left ventricular (LV) function and remodeling.Methods and Results:In 79 patients with AMI, 44 patients with coronary artery disease (CAD), and 64 normal subjects (Control), we measured the number of Muse cells in the peripheral blood by fluorescence-activated cell sorting. Muse cells were measured on days 0, 1, 7, 14, and 21 after AMI. Plasma sphingosine-1-phosphate (S1P) levels were measured. Cardiac echocardiography was performed in the acute (within 7 days) and chronic (6 months) phases of AMI. Muse cell number on day 1 was significantly higher in the AMI (276±137 cells/100 μL) than in the CAD (167±89 cells/100 μL) and Control (164±125 cells/100 μL) groups. Muse cell number peaked on day 1, and had gradually decreased on day 21. Muse cell number positively correlated with plasma S1P levels. Patients with a higher increase in the number of Muse cells in the peripheral blood but not those with a lower increase in number of Muse cells in the acute phase showed improved LV function and remodeling in the chronic phase.Conclusions:Endogenous Muse cells were mobilized into the peripheral blood after AMI. The number of Muse cells could be a predictor of prognosis in patients with AMI.
著者
田中 利男
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第45回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.EL3-1, 2018 (Released:2018-08-10)

動物愛護の観点からなるべく実験動物を使用しない方法に置き換え(Replacement)、使用動物数を削減し(Reduction)、動物に与える苦痛を少なくする(Refinement)という3R の原則が求められています。動物実験代替法としてのin vitro 試験は動物愛護に寄与し、多数の被験物質をハイスループットに評価できる、感度が高い、再現性が良いといった利点が認められます。しかしながらin vitro試験法の限界について多くの研究がなされ、in vivo動物実験が不可欠な分野が多くあることが明らかとなりました。この課題に対応するモデル動物としてのゼブラフィッシュが、脊椎動物として哺乳類やヒトとのゲノム相同性が高いこと、多産性や飼育管理が容易であり、体外受精であり臓器形成が驚くべき速さで完成することなど多くの優越性が認められ、まずはじめに発生毒性試験に使用されると思われます。そこで、世界的に最も頻用されているABラインの受精後自然歴を、12,609個の受精卵で解析すると6dpf(受精後日)までに2544個の受精卵が死亡し、956個体に形態異常が認められ、このまま発生毒性試験に使用すると精度が低いことが明らかとなりました。しかしながら、3-5hpf(受精後時間)における画像診断により5-7dpfにおける、正常、異常、死亡を予測できることを見出し、化合物投与の6hpfまでに選択することが、可能となりました。これを基盤に世界に先駆けたゼブラフィッシュ受精卵品質管理プロトコルを確立しました。その後、多施設において、このゼブラフィッシュ受精卵品質管理プロトコルの有効性を検証しました。さらに、ゼブラフィッシュ受精卵のハイスループット共焦点タイムラプス法により、5-7dpfにおける形態異常の連続発生時系列解析を可能としたので、サリドマイド発生毒性研究に応用し、その成果を報告します。
著者
高田 一 佐藤 康頼 松浦 慶総
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.5_33-5_43, 2013 (Released:2013-11-22)
参考文献数
10

本研究では、車両の1/10模型の停止時あるいは走行時に正弦波加振し、脱線させ、脱線挙動、およびそのメカニズムについて解析を行った。さらに地震波形の振動特徴が違うことを考慮し、十勝沖地震、新潟県中越地震、能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震の地震波形を用いて、各地震波形の周波数特性の解析、および脱線挙動、脱線限界について検討した。その結果、走行中の方が停止中に比べて脱線確率が高く、また地震波加振の方が正弦波加振より脱線限界値が低いことが分かった。さらに地震波の周波数特性により、共振状態に近いと脱線限界値が走行中の方がばらつき、遠いと停止中の方がばらつくことが分かった。
著者
宮崎 康 田中 正巳 岡村 ゆか里 川越 千恵美
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.757-761, 2003-09-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
39
被引用文献数
6

症例は85歳, 女性.2002年6月より口渇・嘔吐が出現, 7月に466mg/dlの高血糖が判明し入院となった.病歴と検査所見から1型糖尿病の急性発症と診断した.検索し得た限り, 本例の1型糖尿病発症年齢 (85歳) は本邦で3番目の高齢である.1997年以降の糖尿病学会誌収載地方会報告等から検索し得た後期高齢 (75歳以上) 発症1型糖尿病22例の検討から次の点が判明した.(1) 圧倒的に女性が多い.(2) 発症様式から急性発症型と緩徐発症型に分かれる.(3) 急性発症型の最高齢は88歳で本例は2番目の高齢である.緩徐発症型の最高齢は92歳である.(4) 抗GAD抗体は急性発症型では陰性ないし低抗体価, 緩徐発症型では高抗体価で, 他の自己免疫疾患併発例が多い.(5) 1型糖尿病発症と関連するとされるHLAのA24, DR4, DR9は両群に認められた.本例には, 最近小児発症1型糖尿病との関係が報告されたDPB1*0201遺伝子が認められたが, 高齢発症との関連は今後の検討課題である.

1 0 0 0 OA 水力調査書

著者
逓信省 編
出版者
逓信省
巻号頁・発行日
vol.第4巻 九州、北海道, 1923
出版者
網走測候所
巻号頁・発行日
vol.明治26年, 1894

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1889年09月09日, 1889-09-09
著者
小林 隆一 古杉 美幸
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2017年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.559-560, 2017-09-05 (Released:2018-03-05)

樹脂粉末レーザ焼結による造形品側面の面荒れの状態が積層後の未溶融粉末の付着有無によって異なり,面全体に粉末が付着すると良好な面が形成されることがわかった.意図的に側面に粉末を付着させるため,積層時にサンプル側面の周囲を出力の弱いレーザで追加描画した.追加描画なしの場合,Saが20μm以下の面が全体の16.7%,ありの場合が60.6%となり,追加描画によってSaの小さな面が形成される割合が増加することが確認できた.
著者
近畿大学日本文化研究所
出版者
翰林書房
雑誌
太宰治はがき抄 : 山岸外史にあてて = Sa Correspondance; Osamu Dazai
巻号頁・発行日
pp.30-49, 2006-03-01

近畿大学日本文化研究所編