著者
根本 敏行
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.123-135, 2012

今日、先進諸国の都市では、新しい創造的な諸活動の受け皿として、近代以降の産業遺産を活用した都市政策が展開されている。一方、先進国の近代化の過程には、戦争や民族紛争、奴隷貿易、強制労働などの負の文化遺産も同時に存在する。本論考では、英国、ドイツ、とりわけアイルランドにおいて、負の文化遺産にも正面から真摯に取り組み、新しい都市や地域の発展に結び付けようという試みについての事例を取り上げている。(文化政策研究科長研究委2011 による調査報告/根本担当分を含む )
著者
三木 登
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.119-125, 1975

トマト中に存在する天然の抗酸化物質を分離,同定し,リコピンの酸化に対するそれらの抗酸化能について調べた。<BR>(1) トマトジュースのメタノール抽出液中からFlori-silカラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)により抗酸化物質を分離した。<BR>(2) 主たる抗酸化物質は,TLC,紫外線および赤外線吸収スペクトルなどにより,α-およびγ-トコフェロールと同定した。<BR>(3) トマトジュース中のトコフェロール総量は約0.7から1.1mg%であった。平均組成はα-, γ-およびδ-トコフェロールがそれぞれ85%,15%および2%であった。<BR>(4) トマト中に存在するトコフェロールでトマト中のリコピンの酸化を十分に防止できるものと推定した。<BR>(5) リコピンの酸化に対する抗酸化能はα->γ->δ-トコフェロールの順であった。合成酸化防止剤(ブチルハイドロオキシアニソール,ブチルハイドロオキシトルエン)およびフラボノイドのリコピンの酸化に対する抗酸化能はトコフェロールにははるかにおよぼなかった。

1 0 0 0 車両技術

出版者
日本鉄道車輌工業会
巻号頁・発行日
no.106, 1967-11
著者
玉利 智子
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.71-84, 2000-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
51

この論文は, 1900年代初期に成立した消費社会に誕生する百貨店と「職業婦人」の社会的関係を政治的, 経済的かつまた都市文化論的視点から考察する。「職業婦人」のなかでも, 百貨店につとめる「女性店員」に焦点を当て, 彼女たちが何を目的にどのように教育されてきたか, また, その結果どのようなジェンダー・イデオロギーが形成されてきたかについて論じ, また近代化の進行する中, 百貨店がいかに都市空間を変容させ, 新しい都市的文化を形成していったかを「ショップ・ガール」(北澤秀一, 1925) の出現を通して考察し, そこにみられる百貨店の社会文化的機能について論じる。

1 0 0 0 OA 群書治要

出版者
宮内省図書寮
巻号頁・発行日
vol.[71], 1941
著者
重徳 編
出版者
重徳
巻号頁・発行日
1666

俳諧撰集。寛文6年に寺田重徳が編集刊行したもの。上下2巻。上巻に独吟百韻10編、下巻に独吟百韻9編と独吟歌仙1編と追加48句を収める。上巻に守武、貞徳、立圃、令徳(貞徳判)、正章(貞徳判)、重頼(貞徳判)、梅盛、定清(立圃判)、季吟、安静、下巻に林門跡(貞徳判)、徳元、幸和(親重判)、一迷、卜養、玄札(徳元判)、関氏昌房(立圃判)、如貞(季吟判)、山石(季吟判)、以上の独吟百韻のほかに、かいはらステ詠の歌仙俳諧1篇を収め、刊記の後に山本西武詠の独吟48句を追加して収める。重徳はつづいて『続独吟集』、寛文11年刊『新独吟集』、延宝3年刊『新続独吟集』をだしている。(岡雅彦)
著者
清陳元龍撰
巻号頁・発行日
vol.[51], 1735
著者
永田 章人 小林 直樹 米澤 明憲
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
日本ソフトウェア科学会大会講演論文集 日本ソフトウェア科学会第20回記念大会 (ISSN:13493515)
巻号頁・発行日
pp.7, 2003 (Released:2003-12-17)

型付き言語MLにおけるメモリ管理手法として,リージョン推論に基づく方式がTofteらによって提案,実装されている.この手法では,通常のMLの型システムにメモリ情報(リージョン)を付加して拡張した型システムに基づいて型推論を行うことで,各オブジェクトの生存区間を推定し,メモリの解放・獲得のためのコードをコンパイル時に挿入する.リージョンに基づくメモリ管理は,ガーベジコレクションに比べて早期にオブジェクトを解放でき,また,参照カウントによるメモリ管理方式に比べて実行時のオーバーヘッドが少ない.しかしながら,リージョン推論はMLの静的な型推論の拡張であるため,他の言語,特にSchemeのように動的に型付けされた言語に適用できるかどうかは自明でなかった.本研究では,CartwrightらのSoft typeとリージョン付き型システムとを統合することにより,動的型付き言語に対してもリージョン推論に基づくメモリ管理が行なえることを示す.